11〜20

11.棟上げダ〜
棟上げの状態
棟木の代わりの単管
垂木部に栂使用
桁に栂取り付け
独りで棟木をまともに揚げると危なくて…何せ重いものを3メートルまでとなると怖いですね。代
用として単管(足場パイプ)の使用です。束柱への取り付けは、写真の様に直径100oのホー
スバンドを切って柱の彫り込んだところに釘で打ちつけ、バンドでパイプを締めて固定しまし
た。
この屋根は大いに簡略化していますので、垂木では弱さを感じ、その代わり少し分厚い栂(ツ
ガ)材を使用しました。この取り付けは垂木クランプで単管に固定しています。
下部の桁には40ox80oのブリキ板を折り曲げ釘打ち付けの固定です。自信がないのでホゾ
での組み込みはしません。また経済性を考えツーバイ法の金具も使っていません。

12.体験の積み重ねが安全意識の向上に
ログを1本1本積み重ねる。
それにともなって段々と高くなっていく。高くなると脚立を利用し始める。実は脚立から何回も落
ちています。幸い、怪我はありません。
初めのころは、まだ低い所からの落下でした。ログの積み上げが進むにつれて高い位置から
の落下となります。高くなるほど痛い目に遭っています。その度に「ア〜怖かった、イテテテ〜。
でもナゼ落ちたんだろう?」と考えました。この体験を繰り返しながら安全に対する気持ちが
徐々に高まりました。
ログの積み重ね落下体験の積み重ね安全意識の積み重ね…と進んだ訳です。そして遂
に3メートルの高さに“棟木らしきもの”の達成です。この時には落下防止のため、念入りな段
取りをしての成功です。「体験」とは、一つの「勉強」なのダ…とつくづく感じさせられました。

13.やっと「雨露をしのげる」ように
形だけです、屋根がつきました。これでとりあえず「雨露」が凌げます。
失敗や間違いをしながら、ここまでヤットたどり着きました。
正に、「七転び八起き」の連続でした。えっ!屋根だから「七回転げ落ちて躍起になったのじゃ
ないのか?」て…。・・・・・なるほど、ナットクです。
私の作品だからクレームは続出だと思いますヨ。特に「雨漏り」が多かったりして・・・。
その時には子供の頃を思い出して、家の中で番傘を差し、バケツと洗面器などで「雨漏り」を凌
ごう。
とにかく強気に、クレームを怖がらずに、前へ進むのみ。まだ、完成はしていないのだ。ちなみ
に、この日は11月19日です。

14.イカサマ構造の屋根です
   屋根の型     片流れ
   屋根面積     3mx4m
   棟木(ムナギ)部分     4メートルものの足場パイプを使用
   垂木の使用部     90ミリx30ミリの材を使用
   同上取り付け間隔     一般には300ミリですが、それを450ミリと荒くセット
   母屋(モヤ)     省略
   防水シート
    省略
   野地板(ノジイタ)部     90ミリx15ミリx4000ミリの貫を代用
   破風板(ハブイタ)     120ミリx20ミリの材
   鼻隠(ハナカク)し     120ミリx20ミリの材
                             かなり手を抜いた構造となになりました。

15、12月の真ん中
窓を取り付ける…それも窓枠を作り、その中に窓をセットする。しかし窓が無い…窓を作
る。・・・・といった具合。今度は建具屋さんです。作り方はサッパリ分からない。
まあ、子供の頃に住んでいた小さな家を思い浮かべながらの試行錯誤です。
細かい作業なので手間がずい分かかりました。
何となく形は写真のように出来ました。こうして見るとなかなかリッパにみえますネ。
ただし現物を近くで見るとびっくりするかも…。インチキだらけなのです。
しかし、苦労の跡も見え面白さも感じるかもしれません。
12月の真ん中・15日、やっと一面だけの出来上がりです。年賀状書きや忘年会時期など、ア
レヤコレヤの忙しい時期、“師走る”・“心亡くす”の心境です。来年イヤ来月に・・・と。
                                          12月15日 記

16、引戸式窓の開閉を考える
敷居に対して、襖(フスマ)などのように滑らせて開ける方法・か?、それともレールを取り付けて
戸車・か?。と考えている間に、たまたま未だ使っていないキャスタの手持ちが沢山あった。こ
れを何とか利用しようと。…そうだ、路面に対してはタイヤが良い。だから木面に対してはキャ
スタだ!。と変な理屈をつけて窓下部にはめ込みとしました。
下の写真がそうです。左からキャスタ、次は1.6ミリ厚の鉄板を曲げてキャスタを改造したとこ
ろ、そして右はホゾの部分にはめ込んで取り付けるところです。
1.6ミリ厚の鉄板の切断には、倍力の鉄板バサミで切った方が良いですネ。また、ホゾの加
工にはドリル刃の径12ミリで出来るだけ数多く穴あけ、それからノミ加工としました。

17.歓声です
完成です。そして「やったー」という達成感のこもった心の中での歓声です。
年越しになりそうだったので頑張っちゃった。それだけに集中できたかも知れません。春に「自
分独りの力でどこまで出来るか」と思いながらも、とにかくやるだけやってみようと進んできまし
た。夢に描いた事を実現する為に「目標」に切り替えてはじめました。
建築中は、今思えば色々と苦労もしたような気がします。しかし、いちいち覚えていません。達
成する為に「何とかしなくちゃ」との一心で無我夢中だったのでしょう。
これで、とりあえずゆっくりと年を越す事にします。みなさん良いお年を迎えてください。
                                 平成15年12月22日冬至 記
 参考メモ  建築費 合計  約15万円 

18.サン、シ、ゴとは
親方が部屋の中で腕組みをして考え込んでいた。
ふと、目を開けいきなり「オイ小僧!サン・シーゴを持って来い」と。小僧「ヘイ分りやした」と云
って3寸4寸5寸の釘を一袋づつ持ってきた。すると「バカヤロウ、サン・シー・ゴだ」と。・・・サ
ン・シー・ゴとは何ぞや?。
短辺が3尺、長辺が4尺、斜辺が5尺のバカでかい三角形。これは直角三角形になっているの
です。部屋の角が直角かどうかを調べるのですね。3:4:5の配分の三角形はピタゴラスの原
理にピタっと合います。すごい、すごい、すごい…ちょん髷時代の大工さんも「この原理」は体で
覚えていたのですね。

19.上には上がいる、下には下がいる…私みたいに
ごぶさた。久々の登場。ミニログハウスです。
玄関のドアは、垂木の枠に薄ベニアを張っただけとしました。すると何だか品がなく、ゴマカシ
の為に思い切って名画(迷画?)を描くことにしました。
いや〜これが何ともいえないスバラシク下手くそで…。顔から火が出る思いとはこの事。恥ず
かしいけれど勇気を出しての豪華版ドアの発表です。それがこの写真。玄関には?…全然似
合わないなア…と溜め息です。絵に自信の無い方はこの絵をご覧になって下さい。きっと力が
湧きますョ。
「下には下が居る」ものなのだなア・・・と間違いなく自信を取り戻す事が出来ますネ。
右写真はログハウスの中から玄関ドアを開けた状態での写真です。

20.泣いて喜ぶ
皆さんご存知、清水次郎長一家の「遠州森の石松」。その石松が都鳥(ミヤコドリ)吉兵衛一家に
よって騙し討ちにあった。
そして、清水一家の追分三五郎が、都鳥一家11人の所在を突き止めた。…これで仇討ちが
できると「泣いて喜ぶ」石松の義兄小松村七五郎であった。
ドイツ人の建築家ブルーノタウトです。
1930年に来日して日本の建築指導に貢献した人物の事です。ブルーノタウト氏が桂離宮を
見てビックリ、「泣きたくなるほど美しい」と泣いて喜び日本の建築技術を世界に紹介しまし
た。
私も、日本のこの代表作を是非見たいと思っています。また、そのほかにログ工法にもなって
いる校倉造りの正倉院も目にしたいですね。
                                          IWAI


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