21〜30

21.太陽がいっぱい…と思ったら
風通しが良く明るく、太陽がいっぱいのログハウスです。気持ちがいいですネ。
…しかし、ある日ある時、床上が雨水だらけに……。前日の大雨の影響だったのです。
「なぜ?」と、不思議に思い、今度は、雨天の時にログハウスに入り雨侵入の監視を…
そこで分かりました。場所が高台なので雨が横殴りに降るのです。ログの合わせ目から雨が
刺さってきて入り込んできていました。
写真左は雨水の入っている状況。右がログのスキマ(ノッチのスキマ)の状況。こういったスキ
マがアチコチに、そしてグルーブにも沢山ありました。
「よし、これだ」とシール材とバックアップ材を使い合わせ目という合わせ目を全てシーリングし
ました。これでバッチリ。・・・・と思いきや・・・未だ完全な解決に至っていません。
窓枠からも入ってくるのです。窓枠はログウオールとの間ではセトリングの関係上密着は出来
ません。また、他に嵌め殺し(ハメゴロシ)の窓からもです。
太陽がいっぱい・隙間風がいっぱい・雨水がいっぱい・手抜きがいっぱい・ごまかしやインチキ
がいっぱい・ 手直しがいっぱい・・・のいっぱいだらけのログハウス…
更にやりがいもいっぱいありました。どうしょうかなあ…と悩んで…しかし、どうしたら良くなるの
かなあ…と・・・案外このトラブルを楽しんでいる感もあります。…なぜなら、この状態から更に
良くなる可能性があるからなのです。・・・そう思うとなぜか胸がワクワクなのです。

22.木は暴れる
「木は暴れる」と表現することがあります。
加工した木が、そのままジーと大人しくしているかと思うと、そうではありません。
期間が経つと湿度変化で曲がったり、ねじれたり、ヒビが入って割れたりします。
建具やタンスなども狂ってきて開け閉めが出来なくなったり・・・
大工さんの中でも「木は生きているから1cm位は狂ってきますよ」と言っている方も居ます。
そうです、狂いをあらかじめ予測して製作するのが大工術の腕なのです。
そこまで行くには何年もの経験や積み重ねが必要です。
ですから、私のログ建築術も出来が悪くて当たり前・・と変に納得しています。
ま、21の「太陽がいっぱい…」も、期間が経つと「ログハウスは年とともに成長し小さくなる」の
原則でスキマも小さくなっていく筈です。
10ヵ月後の現在、すでに最初の頃に比べて1〜2センチ縮んできています。

23.ソーラー(空)だ!!
そうら!!・・・ソーラー電気を考えてみよう・・・
夜の明かりとしてホームセンターからランタン2個を買ってきてハウスの中にぶら下げ「ウンこ
れもいいものだ」と・・・。
@しかしネ、この明かりでは周りが見えても新聞など細かい文字はサッパリ見えない。もっと大
きな設備でなきゃ・・・と。そうです、ソーラー電気へと発展しました。
先ず、軽自動車のバッテリー(約3,000円)、そしてソーラ―充電器(80ミリアンペア製品で
6,500円)を揃え、12ボルト15ワットの自動車用作業灯に鉄板で作った傘を取り付け照明と
しました。これでバッチリ細かい字も読めるようになりました。
Aしかし、しかしネ・・・と続きますヨ。
一般の家電製品も使いたい・・・との欲もついちゃって・・・。
100ボルト110ワットのインバーター(これも3,000円位)を取り付ける事にしました。
単相の100ワット球もOKですが、これは明るすぎて使いません。CDラジカセ、14インチテレビ
(60ワット以下)、扇風機、ノートパソコンなどが使えるようになりました。
Bしかし、またもや しかしネ・・・と、続きます(←しつこいなあ)。
ここまできて考えてみると、この充電器では全然能力が足りない事に気付きました。
自宅で使っている自動車の充電器は3アンペアでした。これで5時間充電してバッテリーは満
充電になります。考えてみるとソーラー充電器の38倍の能力です。
すると・・・エッ・・・必要な充電時間は190時間にもなるの!!。また、ソーラーの場合は1日に
充電されるのは日照時間を考えると5時間くらいかなあ…。更にソーラーパネルは太陽に対し
て常に直面している訳でもないので能力は五分の二位までに落ち込んで(自分勝手の推測で
す)しまい、実質1日2時間くらいではなかろうか?すると95日間の充電が必要では?その間
には途中で電気を使う事にもなるし、永遠に充電は追いつきません。最低1アンペア位のが欲
しくなりソーラー充電器13個(84,500円)を用意しなくちゃ……。

Cしかしネ、じゃなかった、決断です。
腹を決めました。思い切って買う事にしました。“ヨシ”と。…と気合を入れて…。…?。
そうです。もう1個買うことにしたのです。・・・・軽自動車のバッテリーを。
そして常にスペアとして並べて置き、使用中のバッテリーが上がったらその都度スペアに入れ
替えるのです。そして上がってしまったバッテリー(今のは手提げ式ですので持ち運びは楽です
ね)は家に持ち帰り、自動車の充電器でバッテリーを満杯に仕上げます。その後スペアのバッ
テリーとして置き換えます。
今のソーラー充電器はどうするの?…って?。そうです、バッテリーの放電防止にしようとの考
えになりました。
Dおことわり。
この考え、素人的考えです。しかも薄学な私の考えです。しかしネ・・・ン?・・・クセになってしま
ったナ。この考え方スゴク自信ありますヨ。必ずどこかに間違いがあるんじゃないかということ
で・・・。ひょっとしたら間違いだらけかも・・・。ソーラーについての情報やご意見がありましたら
メールでお知らせの程お願い致します。

24、玄能と釘
玄能には釘を打つ面が二つあります。
一方は凹面、他方は凸面となっています。
釘を打ち始めるときには、釘の頭を逃がさないように凹面を使います。
そして釘の頭が逃げなくなった仕上げのときには凸面を使います。
凸面ですと最後まで打ち込んでも玄能の叩いた痕が板(製品)につきにくく仕上げがきれいに
できます。

釘による木材の接合には外側に向けて少し斜め打ちとします。
こうすると後で釘が簡単に抜けて出てくる事がありません。

よく釘を打つと板が割れたりしますね。
キリやドリルで下穴を開けての釘の打ち込みもありますが、手間がかかりすぎて能率が上がり
ません。
釘先をペンチで切断し、その状態で打ち込むと効果的です。
釘先が尖がっていると打ち込んだ時に木の繊維を選り分けて進むので割れてしまうのです。
釘先を無くすと、打ち込んだ時に木の繊維を切断しながら進むので割れにくいのです。

25、電気なし涼蔵室?
ログハウスに電気冷蔵庫・・・似合わないなあ。しかもあんな小さなログハウスならこんな物を
入れたら人間が入れなくなるし・・・。
そうだ!室(ムロ)を造ろう・・・と言う事ではじめました。
地下室ですぞ・・・大きさは1立方メートルくらいとしよう。
地面を掘ります。床を剥ぐって、私のガッチリと逞しくない体が頼りなのです。したがってスコッ
プとツルッパシと土運びのバケツと・・大変な重労働です。あ〜疲れた、もう休もう・・ログハウス
で・・・?ん?・・床を剥ぐってしまって休むところがあるのかって?・・・大丈夫ですヨ。床を剥ぐ
って作業をしているのは物置の方なのです。
穴掘りと言う作業は随分汚れるものですね。体中泥だらけになってしまって・・
作業期間中にも大雨が降っています。すると写真の通り水がいっぱい浸みこんで池みたいに
なっちゃって・・・ヤー参ったなあ〜。
排水です。初めのうちはバケツでくみ上げました。これもなかなか大変な作業でした。もっと楽
な方法は無いものかなあと考えました。仕方がない、水中ポンプを買ってきて使おうかな・・と。
しかしそんなもの高価だし、この作業だけに使うのはもったいないし・・・・
ヤヤしばらく、大分、ちょっと経って・・・「そうだ!お風呂で使うバスポンプはどうだろう」と言う事
で実行してみました。
電源はログハウスからのバッテリーで充分でした。バスポンプで水を汲み上げている間、私は
イスに腰掛けゆっくりと休養・・あ〜あ、なんて楽なことでしょう。

26.これは何んだあ
左の写真はコンクリートの塊です。室の穴掘り作業中、石に妨害されて穴掘りが進まない。仕
方なく周りの土を取り除いていると、こんな大きな塊だったのです。重量は75キロと私よりもず
っと重い。取り出すのに必死でした。
先ず塊にロープを巻きつけました。そして、そのロープを掴んで「エィ」と気合を入れると5セン
チ以上は上がったのです。
「ヨシそれじゃ石を載せる台をセットしよう」と言う事で、右がその写真。これは右と左に分けら
れていて、一方を5センチぐらい高くして他方から持ち上げ乗せかえる。その後、塊の乗ってい
ない方の台をより高くセットして、また、そこへ乗せかえる・・・この方法を繰り返し5センチずつ
高い位置に移動させました。
遂に地上に到達…これが左の写真です。「ヤレヤレ」と休息、その後、この塊を蜂の巣(機械
用語:鋳鉄製で種々の孔のあいた鍛造作業などに用いる台)の上に置き、重量ハンマーでム
チャクチャに叩き割り右写真のように粉々にしたのです。
コンクリートの塊が砂利と化す…これを周りに敷き詰めると安定した地盤となりました。

27、室の完成
先ず四方の土が崩れてこないようにベニヤ板で仕切り、床には砂利を敷き詰めました。
クッションとしてマットを敷き、上からビニールのシートを広げ(地下からの水が入らないように
するためです)、更にクションのマット(ビニールを挟んで2重にクッションをあてました)、そして
メッシュです。
メッシュは浮かせなければならないので下に小石を、そして自分の足場がないので写真のよう
な台を置きました。この台はメッシュを踏まないようにするためのものです。
この台の上に身をおき、トロ箱で練り上げた生コンクリートを床の半分に入れました。
次の日、固まったコンクリート上に材木をのせ、その上に身を置き残った箇所に生コンを流し
込み床の完成です。
次にブロックを周りに積み上げイメージつくりです。「ウームこんな感じだなあ」と独り言。
ブロックの上にモルタルを敷き積み重ねていきます。・・プロのように目地(メジ)が綺麗にいきま
せんねえ。・・・仕方が無い。・・と。
隣同士のブロックの間に縦の鉄筋を入れ生コンクリートを流し込みます。
そして最後には横の鉄筋を入れ生コンクリートを流し
完成です。出来ばえ?あまり良くないですねえ。時間をかけても素人はシロウト、ブロックはキ
チンと並べたつもりがバラバラ。また、目地の大きさも全然揃っていなく、これもバラバラ。この
作業の大変さを味わいました。
最後に室の蓋です。ベニヤと貫(ヌキ)で簡単に仕上げました。

28.室の完成(実はね・・)
うまくいかなかったのですよ。と云うのは雨が降ると水が室の中に浸透してくるのです。ビニー
ルを貼って防水対策をしたのにうまくいかない。“な〜んでか”…どこかで聞いたような言葉。
実は使ったビニールは寸足らずだったのです。1mの立方体の穴、ビニールの巾が欲しかっ
たのですが2.7mしかない。左写真のように地表にまでとどかない。どうやら雨で濡れた土の
水分は下方に浸透する前に横にも浸透しまうのでしよう。そして、入ってしまった水は室の奥底
がビニールなのでドンドン溜まってしまう。まるで「池」のようになってしまった。またもやバスポ
ンプの登場でした。

“再工事”の文字が頭の中にチラチラと。しかし非常に面倒くさい。ブロックやコンクリート、そし
て中の鉄筋を取り外す。これを全て手作業で。・・・今度は“無理”という文字がチラチラと。“残
念”それじゃ仕方が無い。内側に防水コンクリート工事をしてみてはどうか、・・で 実行しまし
た。右写真がその型枠です。・・・そのために室は小さくなってしまいました。

そして何とか完了したのが左写真です。底や周りの壁に5cm位の厚みで防水モルタル仕上げ
としました。それがねえ、5cmスキマに生コンクリートを注ぎ込むために、トロ箱の中で練って
からコテで入れ込む…非常に効率の悪い方法でした。

そして雨降りを待ちました。結果は、この方法では限度がありました。防水効果があったとはい
え完全にはいきませんでした。しかし、以前から比べると非常に水の量が少なくなりました。そ
して右写真の登場です。これは棒の先にスポンジを取り付けた道具です。室の中に浸透して溜
まった水を吸い取るのです。
実はね、この道具が非常に気に入ったのです。
ここでは色々と勉強になりました。教えてくれた方は“失敗の神様”でした。

(追記)スミマセンねえ、ミニログ建築のタイトルで他の事ばかりの編集が多くなってしまって。
“住”に関しては「土木・建築・建具・屋根・上下水道・電気などなど」細かく分類しますと40種位
の業者が関係しているようです。従って、どうしても他の事も気になってしまい“快適なる住”を
考えたくなる様です。

29.流し台
編集が脱線している中、ついでにもう一つ。
先日、友に「こりゃイイわ」と言われ、すっかり気を良くして紹介します。水周りについてです。こ
の場所には外水洗が設備されています。しかし、下水装置がなく水を使った後は垂れ流しにな
ります。何とかならならないかなあ・・・と首をひねって作ってみました。流し台です。
写真の上左は加工した部品で、これをブロックの中に入れセメントで固めます。
上右は波板を敷き少し傾斜させて排水を地面上に(最初の頃です)…垂れ流しでした。
下左は地面に穴を掘って底部に砂利を敷き詰め20gのオイル缶の底を抜いた状態で土中に
埋めてみました(浸透式の排水装置の考えです)。
下右は流し台で発泡スチロールの箱を使いました。これで出来上がり。・・・流し台の機能をり
っぱに成し遂げます。非常に便利に使っております。

30.ログハウスの建築で用意したいもの
ログハウスの建築には知識や工具は必要です。しかし場所と仲間が無ければ何も出来ませ
ん。1に「場所」・2に「仲間」、と私は考えます。
また、仲間が居ても場所が無ければ何も進まないが、「場所」さえあれば仲間を探す事は出来
ます。

@場所について
場所は自宅から車で2時間以内が理想で、近いほど部材や電動工具などの運搬による労力の
負担が少なくてすみます。貸地なら建築許可が必要で、土地返却には建物の撤去をしなけれ
ばなりません。したがって大抵は嫌がられます。
しかし色々と調べてみると山の中で仮事務所、倉庫、遊び小屋用としての貸地もありました。
契約は長期間で“何かを建てる”ことが条件でした。土地返却時には建物は貸地主が処分又
は購入との事です(貸地主はこの建物をバンガローにする考えです)。…これならバッチリOK
です。だが、私にとっては場所が遠すぎました。
土地購入はできるだけ平坦地が良く、水道や電気があれば更に便利です。無ければエンジン
発電機と18リットルの携行缶で良いでしょう。

A仲間について
仲間は居そうでいないですね。これには努力が必要です。例えば山や建築に興味のある人を
探したり、山そのものを知るために森の管理団体との交流を深め、ログハウスやツリーハウス
の話題が出たら積極的に参画する。またツリーハウスについての知識も習得しておくのも大切
です。他の面でも必ず役に立ってきます。


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