Husky's Cafe MUSIC

THE BEST OF 1980-1990

U2

CD jacket

1. Pride (In the Name of Love)
2. New Year's Day
3. With or Without You
4. I Still Haven't Found What I'm Looking For
5. Sunday Bloody Sunday
6. Bad
7. Where the Streets Have No Name
8. I Will Follow
9. Unforgettable Fire
10.Sweetest Thing [The Single Mix]
11.Desire
12.When Love Comes to Town
13.Angel of Harlem
14.All I Want Is You

80年代前半から活躍しているU2というバンドは考えてみると本当に息の長いバンドです。 僕が中学の頃、「War(闘)」というアルバムが話題になっていて、少年の顔がアップになっていたアルバム・ジャケットがとても印象的でした。

このアルバムもジャケットに少年がの写真が使われています。 「War(闘)」のときは、怒りに燃えたような目をしていた少年でしたが、今回はすべてを軍隊のヘルメットを被ってあきらめたかのような虚ろな目をする少年が何とも意味深な印象を与えます。

その頃はあまりU2には興味がなかったのですが、その何年か後に(ローカルな話題で申し訳ないが)梅田のビッグマンという大スクリーンの前で友達を待っていたときにその大スクリーンでU2の"With Or Without You"のプロモーション・ビデオが流れていたのを目にしました。

淡々としたその曲は、簡単には聞き流せないような力を持っているかのように僕を惹きつけました。 それがきっかけでU2を聴くようになったのですが、今やU2はただのロックバンドという存在ではなくなってきていますね。 ボーカルのボノの政治的というか、平和大使のような活動ぶりは、Time Magagineにも"SAINT"なんて見出しで特集が組まれるほどです。

"With Or Without You"の話に戻りますが、この曲はほんとに何度聴いても、いつ聴いても「いい曲だな」とため息が出てしまいます。 控えめに8ビートを刻むドラムとそれに合わせて淡々と8分音符を刻むベース、哀しげな音色のキーボード、メロディだけではなく、これらのアレンジがほんとに素晴らしいと思います。

歌詞は哀しげな愛を歌っていますが、理解するのがとても難しい。。。 ”僕は生きてゆけない 君と一緒でも、君がいなくとも” いなければ辛い、一緒にいても満たされることはない・・・そんな愛を歌っているのだろうか

宗教的な意味で考えると、"My hands are tied My body bruised"なんて歌詞からは十字架に磔にされたキリストの姿が思い浮かびます。 でもそうなら"Your hands"や"Your body"にならないと意味が通じないし・・・ どのようにでも解釈できそうな歌詞です。

アイルランドで起こった”血の日曜日事件”に戦慄と強い怒りをおぼえて作られた"Sunday Bloody Sunday" "How long must we sing this song?"という歌詞に、彼らのやるせなさがこめられているように感じます。 歌で何かを変えてやろう、なんて思い上がりがあるわけではなく、人として言わねばならぬことは、はっきり言う、そんな彼らの信念というものがこの曲を作らせたのではないでしょうか。

順番は前後しますが、1曲目の"Pride"。 これも重い曲です。
”1人の男が 愛の名のもとにやってきた”
この1人の男とは、公民権運動にすべてを捧げたキング牧師(Martin Luther King Jr.)のことを指しています。 1968年4月4日、銃により暗殺されたキング牧師、だけどその銃弾は彼のプライドまでは奪えなかった。 "Free at last"  彼がスピーチでアメリカに語りかけた言葉が歌詞にさりげなく使われているあたりはさすがU2です。

"I Still Haven't Found What I'm Looking For"も大ヒットした曲です。 聴きようによってはとてもHな歌詞なのですが、題名にもなっている歌詞は、今だに自分の生き方にあまり満足していない僕には心にグッと響いてくる歌詞です。 この曲も宗教という観点から見ると、"Carried the cross of my shame"っていう歌詞があり、それに"Only to be with you"とくれば探しているものとか「神」と考えることもできます。

"Where The Streets Have No Name"。 2002年のNFL(アメリカのプロ・フットボール)スーパーボウルでハーフタイム・ショーに出演したU2。 9・11ニューヨーク・テロで亡くなった人達の名前を映し出されている大スクリーンの前で、この歌を歌っていたのは記憶に新しいですね。 あのハーフタイム・ショーは感動的でした。

ボノが考える理想郷を「通りに名前のついていない場所」に例え、そこへみんなで行こうと歌うこの歌こそ、あの場面にふさわしい曲はないでしょう。 歌詞の内容だけではなく、ゴスペルをイメージしたかのようなイントロからギター、ドラム、ベースがとても力強いフレーズでいきなりサビか?と思わせるような盛り上がり。 しかし前半のボーカルは力が入りすぎず、時には語りかけるような歌い方で、また後半は腹の底から絞り出すような歌い方で、ボノの力量が十分に発揮されていると思います。 ギターのカッティングもとてもかっこいいです。

"I Will Follow" 最近80年代のビデオ・クリップを特集していた番組で、この曲のプロモーション・ビデオを見る機会がありました。 Duran Duranのメンバーかと見間違えるような若いボノが飛び跳ねながら歌う姿は結構ほほえましいものがありました。

ボノがほとんど裏声で歌う"Sweetest Thing" がこのアルバムでは異質で個人的には気に入っています。 こもったようなギターのリフがタイトルのように可愛らしい雰囲気を出しています。

じっくりと聴かせる"All I Want Is You" 。 しかし曲の後半に延々と聴かされるギターの乾いた音は、デビュー以来から変わらずこのアルバムを通して聴いてもそれがよくわかります。

ボノの政治的な活動やメッセージ色の濃いU2の歌詞のことを思うと、ちょっと気軽には聴けない音楽なのかな、と誤解する人もいるかも知れませんが、そんなことはありません。 何も考えなくとも、聴いていて縦ノリで楽しめるような曲調の歌なので、ドライブのBGMにだっておかしくないと思います。 アルバムごとにU2の変化を楽しむのもいいかも知れませんが、このアルバムで一気においしいどこ取りするものいいですよ。

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