2.11教育基本法改悪反対! 千葉県民集会 いつ:2004年2月11(水) とこで:千葉県労働者福祉センター 主催:千葉県高等学校教職員組合 リポート: 管理人とその連れ合 佐高 信さん講演概要 集会アピール 写真リポート | |||
佐高 信さん講演概要 (文責:管理人) | |||
雑誌『噂の真相』が休刊になる。検察のスキャンダルなど権力が一番恐れていたマスコミであった。 2001年9月10日発売の同誌に(佐高さんは)ブッシュのことを取上げたことがあった。(同年8月執筆)図らずも「9月11日 」を予告した内容になってしまった。
ブッシュのハーバードビジネススクールでの恩師寉見芳浩(つるみよしひろ)氏は「(ブッシュは)25年経っても精神的に少しも進歩していない。どんな職域でも彼はリーダーとしては不向きな人間だと思った。」と語っていたという。 そのブッシュと親交を結んでいるという小泉はアメリカのメディアでは「軍曹」と呼ばれている。軍曹とは下士官のことであり、士官の命令に従って何でも言うことを聞くからだ。 ここまで小泉は彼の好きなアメリカに馬鹿にされているのである。 小泉と対談したことがあるが、彼は入口を入るとすぐ出口になる人間だ。奥行きがまるでないのだ。 宮崎県の高校生がイラク派兵に反対して署名を集めたことに対する小泉のコメントには笑ってしまった。国際政治の複雑さを分っていないのは彼自身である。アメリカ一辺倒で中国を無視するのでは拉致問題も解決できない。どちらにもその国々に対する顔を持つことが外交である。単純な人間を首相にしたことは民衆の大きな不幸と言わねばならない。 ブッシュ政権は露骨な欲ボケ政権だ。戦争をして軍需産業で儲け、イラクのインフラを破壊しておいて復興ビジネスで儲ける。放火をしておいて火事場泥棒を働くことと同じだ。 「敵」はトコトン下品なのだ。こちらばかり「清く、正しく」では負けてしまう。きれい事では見えないものがある。欲望を見据えなければならない。 日本の国会議員もモラルは低い。委員会の最中会議場をしょっちゅう出入りをしている。テレビカメラが入ると座っている。 小泉政権はアメリカと大蔵省に弱すぎる。 日本はアメリカの国債を買わされている。ドル安で円高を抑えるためにドルを買支え、そのドルでアメリカの国債を買わされている。 財務省は米国債をどのくらい保有しているかを決して明らかにしない。これはいくら調べても分らない。あの石原(「都知事」)がどこからの情報か分らないが「300兆円」と言っていたことがある。少なくとも100兆円はあるかもしれない。 橋本元総理が「売りたい誘惑に駆られる」と発言して、一時的にアメリカ経済ががたついたことがある。米国債は世界一危ない国債で他の国々はその保有比率を下げている。ところが日本はその様な処置を取っていない。危なくなった銀行が米国債を売ろうとしたが財務省がこれを必至で食い止めた。そのための補填を政府が行っている。 アメリカに「国債の価値を維持したいなら戦争をするな」と言っても良いのであるが、それができない情けない政府である。 小泉は財務省の事務次官を日銀の副総裁にするほどに財務省の言いなりで、その嫌がることはやってこなかった。役所のクラスから言えば下のほうの道路公団を改革の対象にしたが、それもあのような結果だ。行政改革は財務省のようなところを対象にしなければ改革の名に値しない。 竹中は無能だ。自分のことしか考えていない。猪瀬も同じく無能だ。小泉はこういう人間しか集められないのだ。こんな小泉を「分り易い」で喝采しているのが現状だ。 政治、経済など権力機構の中心にいる人間は「ウソつく」、「人を信用しない」、「いざというときに逃げる」などまともな人間は少ない。悪い奴は徹底的に悪い。 こんな連中を相手に民衆が闘う場合に「清く、正しく」では「自己満足のマスターベーション」に過ぎない。むしろ「想像力の貧困を助長」するものだ。これでは「悪い奴等」に抵抗することはできない。民衆ももっともっと老獪で逞しくやらねばだめだ。 政治家を判断する場合に2つの軸で考えるとよい。 ひとつは「クリーン」か「ダーティ」か、という軸であり、もうひとつは「タカ」か「はと」の軸である。 タカ派は(戦前回帰の)「イデオロギー優先」で経済・外交音痴の傾向にある。 はと派はイデオロギー第2、経済・外交優先の傾向の人々である。 また、クリーンかダーティーかの軸については言うまでもなく利権政治への関与の度合いのことである。 小泉は岸(元A級戦犯)→福田の流れを汲み、若いときからタカ派のイデオロギーを擦り込まれている。また、自民党青嵐会(中川、渡辺、石原)などの連中がこれにあたる。 小泉はクリーンではあるがタカ派である。一方田中角栄や加藤紘一はダーティーではあるがはと派である。はと派かタカ派かは「中国との関係を如何に大事にするか」がポイントである。 田中角栄は日中国交を回復したが、小泉がやったことといえば「靖国参拝」だけである。 (管理人から:この集会の掲載が遅くなったが、図らずもその後のニュースで「タカ派単細胞小泉外交」の問題点が証明された。2月18日のニュースで、中国の当局者は「小泉首相が靖国参拝を止めないため、北京〜上海間の高速鉄道システムとして日本の「新幹線」を導入できない。わが国の国民が納得してない。また同じ理由で国際核融合実験装置についても日本への設置に賛成できない。」との見解を表明しました。さらに’93年10月から12月のGDPが年率7%に達した大きな要因として、米国と共に中国への輸出が寄与していることが報道されました。アジアを軽視する「タカ派単細胞小泉」にこれでは将来を託せないとだれの目にも明らかになった。あまり使いたくないが彼がいう「国益」さえも損なってしまうのである。) 加藤紘一は自分の信念で、イラク戦争に反対し、イラク派兵に反対している。自民党の中での行動であり勇気の要ることだ。 市川房枝は『石原莞爾全集』に、石原莞爾についてのエピソードを書いている。そこでは人間石原のことを褒めている。しかし、人柄で軍人、政治家を判断してはいけない。何をなしたかが大切だ。石原は1931年9月18日(柳条湖事件)に始まる日本の中国侵略を画策した人間である。このことを日本人は忘れてはいけない。 (佐高さんは市川房枝と比較して犬養道子の話をしましたが、残念ながら記録できず、これを省略します。) 最後に、「軍神の母」加藤マサと三国連太郎の母のエピソードを話されました。 いずれも、出征する息子を「軍国の母」として進んで国へ差し出した痛恨の思い出です。 佐高さんは「母親に息子を国に売り渡すようなことをさせる世の中にしてはいけない。」と、この講演を締めくくりました。 | |||
集会アピール | |||
集会アピール(案) 教育基本法は、教育を子どもたち一人ひとりの「人格の完成」をめざすものとして定めた格調高い法律です。この崇高な理想が、財界や国家の人材育成の手段へと改悪されようとしています。 入学式や卒業式における「日の丸・君が代」の強制、侵略戦争を賛美しアジア諸国を蔑視する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の検定通過、『心のノート』の強制、「愛国心」をABCで評価する通信簿・・・。偏狭な国家主義が復活させられようとしています。他民族排除の「愛国心」教育の復活は、子どもの心を国家が操る「教育勅語」の時代への回帰をめざすものです。 教育基本法は平和憲法と一体です。小泉内閣は、2005年までの憲法改悪を明言しており、教育基本法の改悪は、憲法9条改悪につながっていきます。有事法制による「戦争のできる国家」づくりを担う「国民」育成が教育基本法改悪のねらいです。イラクへの自衛隊派兵と憲法・教育基本法の改悪は一体のものです。 千葉高の中高一貫校化の一方で、県内各地の高校統廃合による公教育のリストラが強行されようとしています。現行教育基本法の「教育の機会均等」の原則は踏みにじられ、「特色ある学校づくり」を口実にした教育への新自由主義的な市場原理の導入と「国際競争力を担う人材育成」に取って代わられようとしています。エリート優遇の教育が露骨に導入されようとしています。それは、子どもたちを「能力」によって差別することを当然視し、教職員・生徒を競争の渦に巻き込み、一層の序列化をすすめ、社会の不平等化をもたらします。 教育基本法の改悪はこの二つの方向の集大成ともいえるものです。また、「教育振興基本計画」を作る権限を与えられる教育行政が、学校現場の教育活動への介入を強めることにつながる危険があります。 教育基本法の改悪は、「教え子を再び戦場に送るな」の痛恨の誓いの上に実践してきた侵略戦争に対する反省と平和教育の解体を企図するものです。私たちはこのような改悪を許すわけにはいきません。「イラクへの自衛隊派兵反対」の声は、高校生にも自主的な署名運動や集会へと広がっています。生浜高校・柏北高校・千葉高校定時制をはじめとする県内各地の高校の生徒や卒業生・保護者の間に、高校統廃合反対の声が県内各地に広がっています。こうした草の根からの運動と声が日本と教育の未来を切り拓く力です。 教育における国家主義と差別化を推進し、再び戦争のできる「国民」づくりにつながる教育基本法の改悪を全力で阻止することをここに宣言します。 2004年2月11日 教育基本法改悪反対 千葉県民集会 参加者一同 | |||
写真リポート | |||
オープニング | 熱弁を振るう矢野委員長 | ||
佐高 信さん | 政党関係の来賓 | ||
参加者は400人を超えました。 | 今後の取組み:栄永書記長 | ||
デモへ | 歩道橋をわたってJR千葉駅方面へ | ||
百万人署名運動千葉県連絡会 | 百万人署名運動千葉県連絡会 | ||
千葉県高教組の街宣車 | 千葉県高教組の街宣車 |