成田空港を使ったイラク派兵阻止・有事法制粉砕

現闘(現地闘争)本部裁判闘争に勝利し農地を守りぬこう
10・10全国総決起集会 参加リポート

いつ:2004年10月10日(日)
どこで:成田市 東峰
主催:三里塚芝山連合空港反対同盟

リポーター: S.T.さん

舜会の様子|正面に向かって‖子加者が拍手をしています| 政府は9月7日,有事法制の武力攻撃事態法に基づいて戦争協力を義務づける指定公共機関に成田空港や関西空港,中部国際空港も含む160法人を発表しました。指定された法人は2005年度中に,有事対応をまとめた「業務計画」を作成し,これに基づいて労働者に戦争訓練が強制されることになります。指定公共機関として民間航空,大手海運会社などは戦場(朝鮮半島,中国)への米軍・自衛隊の数十万人の兵員輸送,軍事物資の輸送のために動員されることになります。9月10日に閣議決定された国民保護法施行令では,有事の際に民間人の立ち入りを禁止する施設として発電所や空港,港湾,駅など10施設を特定しました。つまり「有事」の際国民を閉め出すことをやる「国民保護法」というのは「国民の保護」のためのものであるはずがありません。

 航空労組連絡会(1万3千人)は7日,民間航空9社が指定公共機関に指定されたことに抗議声明を発表しました。「また一歩,戦争をするための有事法整備が進み,航空労働者との係(かか)わりも明確になったことに危機感を強めている。世界平和が存立基盤の航空産業に働く私たちは,利用者,国民の命と安全を守るため,有事法制が発動される事態を招かないよう,憲法9条を守り,民間航空の軍事利用を許さない」と述べています。
 戦争への道が深まっている中で,有事の際には成田空港は,公然と軍事使用され,軍事基地化されていくことになってしまいます。
 このような事態の中で,反対同盟の「本日は重大な決意を持って集会を行う」というあいさつから10・10集会が始まりました。成田空港の軍事使用反対や天神峰現闘本部裁判などの課題が提起されました。

 集会は鈴木幸司さんの開会宣言,北原事務局長の基調報告,続いて3部構成に分け,第1部 軍事空港反対の闘い,第2部 天神峰現闘本部裁判闘争,第3部 方針提起と決意表明 が行われました。
 北原事務局長は,基調報告で有事の際の成田空港が軍事使用されることについて語り,朝鮮半島有事の際には50万人規模の米軍が成田を使う,イラク戦争への自衛隊の派兵でこの間すでに9回成田を使っている,しかも自衛隊は制服から私服に着替えてこそこそと成田空港を使用している,と語りました。
 さらに市東さんの農地を守る闘いや当時の現闘本部の封鎖攻撃との攻防について語り,この裁判の取り組みを訴えました。空港会社は成田治安法で本部を封鎖しておいて「撤去せよ」と出来ないことを言っている。裁いているのは我々だ,と語りました。
 最後に「労働者と農民が団結して闘えば戦争を阻止できる。勝利するために闘おう。そして必ず勝利できる」と締めくくりました。

機動隊が盾を持って空港側を固める中‖舜会子加者がデモを行っています| 反対同盟は,現地攻防の重要な柱として二つの方針を提起しました。一つは軍事空港化阻止の闘いです。4月の井上有事担当相の「成田を軍事使用する」旨の発言や有事関連法案の成立につづいて9月,成田空港などが指定公共機関にされた事態の大きさを見すえ,重大な決意をもって闘うことが訴えられました。
 もう一つは市東孝雄さんの小作地強奪問題を含む天神峰現闘本部裁判への取り組みです。湾曲した誘導路,異常に短い滑走路長(2180m)のため暫定路では重大事故が続いています。暫定滑走路の現状に危機感を抱く成田空港会社は,誘導路を「へ」の字に曲げている天神峰現闘本部と市東さんの畑を強奪することに矛先を向けたのです。現闘本部の地主から底地を取得し,「本部の土地を明け渡せ」という提訴を3月に行い,市東さんの畑についても小作権解除申請の動きを見せたのです。本部建物は反対同盟員名義に登記ずみで十分に対抗できるのです。
 この現闘本部裁判勝利のために,支援する会の強化が訴えられ,会員を800口にまで拡大しようと呼びかけが行われました。

 集会では,さらに,反対同盟,関西新空港反対する住民団体,北富士忍草母の会,婦人民主クラブ全国協,部落解放同盟全国連,動労千葉,顧問弁護団,現闘本部裁判を支援する会,野戦病院などから発言が行われました。

 『街』の日誌へのリンク
 動労千葉の記事へのリンク
 反戦共同行動の記事へのリンク

       

 集会宣言
 4月の公団民営化から半年、欠陥による空港経営の破たんとイラク参戦・有事法制で三里塚闘争は新たな段階に突入した。
 成田空港の軍事使用がいっきに進んでいる。自衛隊のイラク交代要員は、ひんぱんに成田空港を使用し、国会では担当大臣が「成田空港の軍事使用」を公言した。有事に協力を義務づける「指定公共機関」に成田空港が組み込まれた。朝鮮有事の兵たん拠点としての役割が現実になりつつある。
 だが公然たる軍事使用は今もタブーである。自衛隊が搭乗する航空機は公表できず、制服を着用することもできない。「空港絶対反対」の闘いが、戦争の道に立ちはだかっている。成田空港から自衛隊を飛ばすな! これを合い言葉に世界のイラク反戦闘争に連帯しよう。

 暫定滑走路の欠陥で、成田空港はますます行きづまりを深めている。おいつめられた空港会社は、延命の道を「へ」の字誘導路の直線化に求めている。これは新たな農地強奪・農民殺しである。
天神峰現闘本部裁判闘争に勝利し、市東同盟員の農地を守ろう。成田治安法の矛盾と、確固とした地上権の存在によって、現闘本部裁判はかならず勝利できる。「支援する会」運動を全国でおし進めることを強く訴える。

 自衛隊のイラク占領軍参加と有事法制、重大事故が激発する沖縄の現実、教育基本法の改悪と憲法改悪への動き、年金など社会保障制度の解体攻撃、そして郵政合理化・リストラ攻撃、労働組合解体攻撃の激化、農地・農業破壊など、情勢は一変した。動労千葉とともに切り開いた労農連帯の闘いと、全国の反戦・反基地闘争の強化が、今ほど求められているときはない。
 反対同盟は、この情勢に応えて三里塚闘争の新たな発展を闘いとる決意である。ともに闘い勝利しよう。

2004年10月10日
三里塚芝山連合空港反対同盟

       

 天神峰現闘本部裁判闘争を支援する会のご案内 (「支援する会」会報より)

 天神峰現闘本部の不当な撤去攻撃と闘う裁判闘争が6月17日の第一回口頭弁論をもって始まりました。
 この裁判闘争を支援するために「天神峰現闘本部裁判闘争を支援する会」が発足し,会の世話人に戸村義弘さん(三里塚教会信徒代表)と北原鉱治さん(反対同盟事務局長)が就任しました。

 天神峰現闘本部は,三里塚闘争の歴史を象徴する建物で,暫定滑走路(2180m)の至近に位置し,本来滑走路と並行であるべき誘導路を「へ」の字に曲げる闘いの拠点です。
 反対同盟は,この闘争本部を守り抜き,自衛隊のイラク派兵と有事関連法案で明らかとなった成田軍治空港の廃港に向かって闘い進む決意を表明しています。

●「支援する会」の会員登録を
 「支援する会の」目的は,この建物を守り抜く裁判闘争を支えることです。

●裁判の傍聴をお願いします。
 三里塚に心を寄せる多くのみなさんが傍聴されるよう呼びかけます。

◎「支援する会」会員募集のご案内
 会員は一人3000円の年会費を納入します。団体の加入の場合は,出来れば複数口の会費納入をお願いします。
 毎回の裁判後に報告会を行い,必要に応じて会合を開きます。会報を年4回発行します。


 入会ご希望の方は,こちらへお問い合わせ下さい。