症状


IBSは腹痛と便通異常を主体とする消化器症状が持続するが、その原因となる器質的疾患が存在しない機能的な疾患である。
代表的な症状に以下のものがある。

腹痛・便通異常
1、排便によって軽快する腹痛
2、最初に腹痛を伴う軟便
3、最初に腹痛を伴う頻回の排便
4、残便感による排便回数の増加
5、粘液便

その他自覚症状
1、腹部膨満感
2、腹部不快感
3、腹鳴
4、放屁
5、食欲不振
6、悪心・嘔吐
7、胸焼け・げっぷ

精神・社会状況
1、常にお腹のことが気になる。
2、トイレのない場所へいけず、自宅に引きこもることになる。
3、試験・会議・長距離バスなどのストレスで症状が悪化。またそのような状況を避けるようになる。
4、社会生活を営めないことに対する悲観から自殺を考えるようになることもある。
多彩な症状を呈することが特徴だが、ストレスによってIBSの85%が便通異常を来たすと報告(Gastroenterology 87:314,1984)されていることから、ストレスがIBSの増悪因子として最も重要である。
通常人との違いとして、

1、消化管の痛覚閾値の低下(内臓知覚過敏)
2、ヒステリー、うつ病、不安神経症などの心理的変異の存在
3、ストレスで上昇するCRF(Corticotropin-releasing factor)から副腎ホルモンACTHを介した腸脳神経伝達系の異常

などが、さまざまに関わって発症すると考えられている。


診断は「診断基準」のページを参照。

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