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輪行のマナーを考え直す


輪行はとても便利な手段だが、マナーというものがある。

マナーは法律ではないから、守らないからと言ってそれだけで罰金刑や懲役刑になる事はない。だからいいじゃないかと言う人もいる。しかし利用する交通機関の規則から外れれば、搭乗を断られたり、見つかった時点で途中降車を命じられる事もある。

まぁその前に、「大人ならマナーを守ろう」という話だ。よそ様の家に上がる時、その家の家風を尊重するのは礼儀だろう。


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鉄道利用の基本事項をお復習いしておこう。

  1. 輪行袋に収容する。
    • 外にハンドルやサドルなどを突き出さず、全て中に入れる。
    • 規定の寸法以内に収める。
  2. 混雑した列車は避ける。
  3. 邪魔にならないよう気を付ける。
  4. 多人数では利用しない。

何故かというのは、逆の立場になって考えてみれば分かる。

脚を組んで座っている人がいたとしよう。この人の靴に触ってしまったら、ズボンやスカートは汚れてしまうから、誰も近くには立ちたくないだろう。

袋に入れない自転車を持ち込んだとしたら、この状態以上のものになる。新聞を拡げて読んでいるよりも場所を取り、スパイクを着けている如く突起物もある。余程空いてる鉄道でもない限り、自転車をそのまま持ち込むのは迷惑なのだ。

だから列車や他者を汚さないように、傷つけないようにと袋で包む。場所を取らないようにと、なるべく小さく分解する。この努力が必要になる。

輪行袋に入っていても、自転車にぶつかったり押しつけられたら痛い。だからラッシュの時間帯には乗らない。多人数の時には分散して乗車する。

乗客や車内販売の通行を邪魔しない場所を探し、倒れないように置く。リクライニングシートの車輌ならば大概最後列の背もたれの裏が空いているが、既に人が座っていたら、シートを倒せなくなるから了解を取ってからにする。ダメならデッキの広い場所の手すりに結びつける。でも職員に命じられたら、移動も已む無しと覚悟する。

トレンクルのように網棚にでも置けない限り、邪魔な物には違いない。


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交通機関によってそれぞれ規則は異なるが、最も多く利用されるJRでは、JR東日本旅客営業規則が公開されている。一般の自転車持ち込みは第 307 条と第 308 条が該当し、競輪選手は第 309 条が該当する。一度は読んでおこう。

これによると、競輪選手は輪行袋でも、普通手回り品料金 \270 を払う事になっている。これに対して一般人は、利用規則に合致していれば無料だ。

不思議じゃないか? サイクリストは、ここに至った変遷の歴史を知っていた方が良い。

その昔JR(当時は国鉄)では、一般人は分解しても駅構内に自転車を持ち込む事は許されなかった。全国を転戦する競輪選手だけが、証明書を提示して改札の通過を許可されていた。

それを変えようとJCAが長年交渉を重ねて、やっと「JCA会員なら許可しましょう。」と制度を変えてもらった。ただし手回り品切符が必要だった。

それがいつしかJCA会員でなくても許可されるようになり、そして 1999 年からは手回り品切符さえも要らなくなった。

制度は変わってきたのだ。つまり、マナーの悪い利用者が増えれば、昔に戻ってしまう可能性だってあるのだ。この危惧を認識すべきだ。


自転車は、分解しても専有する面積がとても大きい。サーフボードの比ではない。鉄道関係者には、二人分、三人分の乗車料金をもらいたいと思う人もいるだろう。


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輪行のつもり?

右の写真は、先日東京で出会った風景だ。

700C フラットバーの自転車と、モンベル製の輪行袋か。前輪は外してあるが、後輪はそのままだ。

後輪を外すのが出来ないのか、輪行袋の使い方が解らないのか、急いでいたのか、単に面倒だっただけなのか、それともいつもこうなのか。

今年、関東の鉄道各社が連名で啓発ポスターを張り出したが、「さもありなん」と思うのだった。

2009.9.19

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鉄道各社の啓発ポスター

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  • 運営団体によって、利用規則は異なる場合があります。
  • 飛行機・バス・フェリーなど、手段が変われば利用規則は異なります。

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