作:タダスケ様
「21話 たわけ!」単品でエントリー 、アニメ、小説設定等全く関係ないパラレルな世界
このお話の舞台ってどこよ?
な~んて考えないで山もなくオチもなく意味もないお話として
さらりと読んで下さると嬉しいです^^;
やっぱりゴロシチカン
男たちの欲望に満ちた密約
カンベエの身にいったい何が??
5と7の野望
「シチさん、お主、カンベエ殿とはどうなのだ?」
突然の問いに島田カンベエの元副官シチロージは驚いて囲炉裏の向こうで灰を火箸でかき回している片山ゴロベエを見た。
「どおって、、、どおと言われましても、、、」
「ふむ、、、10年ぶりの再開だそうですな」
「ええ、気が付けば時が流れておりました」
鉄瓶の湯が湧き松籟奏でる。
「古女房、、、」
「ええ、そう呼ばれておりましたのはもう昔のことでございます」
「まだ想っておいでか?」
「もう決着が着いたつもりでおりました」
冷たい隙間風が渡って行く。
「蛍屋に参る前日のことでござる」
ゴロベエの脳裏にカンベエの横顔が甦る、蛍屋のある最下層が見渡せる3層目の大きな穴の淵に立った彼。ゴロベエの差し出した手にカンベエは何かを振りきるように応えたのだ。
シチロージがゴロベエを見た。
「カンベエ殿を抱き申した」
ハッとシチロージが息を詰める音が松籟に混じった。
「・・・・っ、、」
シチロージは詰めた息を解くと手の中で遊ばせていた湯のみを口に運んだ、温く苦みの出た茶が舌に転がる、それをコクリと呑み込んでシチロージは口を開いた。
「カンベエ様のご意思ならば私は、、、、」
シチロージは身体の芯がブルブル震えるのを感じた、戦の武者震いとは全く違う、言いようのない震え、そして恐怖。
「シチロージ殿、某はまたカンベエ殿を抱きたい」
「・・・・・」
「お主に比べたらあの御仁との時間は短きけれど、共に戦い、語らい、時を過ごすうちに某の中で、某の心に無くてはならん、そういうお方になっておった」
ゴロベエは続ける。
「好いた腫れた、、、そのような表現ではなく、サムライの根幹とでも申したらよかろうか、、、カンベエ殿と繋がると酷く満たされる」
「解ります、そのお気持ち、、、」
湯の松籟は相変わらず優しく部屋を満たしていた。
シチロージはまるで目の前にその光景が繰り広げられているようにあの時の事を思い出す。
「私はやはり忘れることができませんでした」
薄暗い部屋で褐色の肌から着物を無理矢理引き剥がしたこと。
「私は、、、私は、、、」
後ろ髪を掴み屈服させ押さえ付け恋い焦がれた身体に自身を打ち沈めるたこと。
「私を好いた女のいる同じ屋根の下であの方を、、、」
自分の下で乱れ悶える想い人に自身を激しくぶつけながら無類の悦びを感じたこと。
「頼ってきた弱みに付け込んで、、、」
カンベエが自分の元に戻ってきた、理由はどうあれシチロージにはそれで身体の全てが満たされた気持ちになっていた。現金な男だと自分でもわかっていた、命を救われ自分の足で立てるようになるまで甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた女、そんな様子にほだされ憎からず想っていた女、閨でお互いを確かめ合った女を一瞬で袖にできる、カンベエの存在とは自分にとってそういう存在だったのだ。
「そうではござらぬでしょうな、シチロージ殿」
シチロージの潤んだ青い瞳をゴロベエは真っすぐに見詰めた。
「カンベエ殿はその気ならば易々とそういうことにならんであろうよ」
シチロージは驚いたようにぱちぱちと瞬きをした。
「揺れておいでだと?」
「恐らくは、、、」
シチロージは湧いて少なくなった水を蓋を開けて鉄瓶に足した、松籟がぴたりと止む。
「そこでだ、勝負をせぬか?」
ゴロベエは真顔でシチロージに提案を持ちかけた。
水音が粘っこく響く室内、そこは男の匂いで溢れていた。
「ahhhhhh、、、よ、、さぬか、、、ah」
島田カンベエは2人の男に激しい愛撫を受け逞しい楔で刺し貫かれていた。
その裸体は男達に施された愛撫で濡れ滑った肌が妖艶な艶を見せていた。
2人の男の4本の腕と2枚の胸板に閉じ込められたカンベエはその中で悶えくねらせ喘ぎ声を上げながら耐えるしかなかった。
「aha、、、こ、わ、れ、る、、、a!」
「ふふふ、何をおっしゃいますカンベエ様、こんなに美味しそうに咥え込んでいらっしゃるのに」
「某の先っちょはもう千切れそうですぞカンベエ殿、そう咬みつかれては、はははは」
最奥にゴロベエの色黒い楔が打ち込まれ引いたと思えばシチロージの桃色の楔が最奥に打ち込まれる。
カンベエは息つく暇もないほど2人の男に揺すぶりたおされ舐められ噛まれ吸われ弄られた。
「aaammmm、もう、、、amm、、、もう、、、、aaaahaa」
カンベエは気も狂わんばかりに叫ばされ身を強張らせた、強制的に追い上げられもう耐えられそうにない。
「カンベエ様、カンベエ様、、、うう、、、いいっ」
カンベエを正面から攻めていたシチロージがカンベエの唇を吸い上げ舌を無理矢理捕まえ絡ませながら勢いよくぐいいいっと腰を押し込む。
「某ももう、、、たまらん、もうもたん」
「たわけ!儂がもうもたぬわ!」
シチロージにゴロベエの厳つい凶器がカンベエの最深部へ斬艦刀が突っ込んでいく、そんな勢いでカンベエを突き上げマグマのようなあつい粘つくモノを大量に注ぎ込んだ。
「ann、、、、ah、、、、oh、、、、nnnnnn、、、、Aaaaaaammmmnnnn~」
カンベエはゴロベエに乳首を嬲られながらシチロージの腹に何度も白濁を放ち背後のゴロベエに弛緩した身体を受け止められ意識を飛ばした。
3人同時に事を終える。
最初は2人同時に事におよび達する、その後各自隙あらば、、、というのがあの日ゴロベエとシチロージが交わした密約であった。
2人のカンベエに対する執着は日を追うごとに募るばかりで結局どちらかがカンベエを襲う、残った方が邪魔をするを繰り返しでいつしか2人で同時にカンベエを、、、ということになってしまった。
達した余韻で一固まりの岩のように固まっていた3人だが我に返ったカンベエが2人から逃れようと身を動かすとパカリと岩が割れたように3人3様に床に転がり込んだ。
「はぁはぁはぁ・・・お主、、ら、どう、し、ていつも2、、人一緒なの、、だ??」
暫く3人は屍のようにその辺に転がっていた、そんなのが殆ど毎日のことである。
そんなある日のこと、シチロージがカンベエの顔色がすぐれないことに気がついた。
褐色の肌を持つ彼のこと少々具合悪くても他の人から見れば健康的に見えるので気付かれ難い。
「お顔の色が優れませんな」
「うむ、快調とは言い難いが、なぁに大したことはない案ずるな」
「これから鍛錬に?」
「ああ、出かけてくる」
「毎日でしょう?今日はお休みされては?」
「いや、なに、、、」
カンベエは心なしか恥ずかしそうにもじもじして見せた。
「最近なんだか身体が鈍った気がしての、それに腹も出てきたように思えるのだ」
そう言うとカンベエは行ってくると言い残して刀を片手に出かけて行った。
夕餉が出来上がる頃ゴロベエが雉を2羽お土産に戻ってき、カンベエ殿はまだか?とシチロージに尋ねるとそう言えばいつもなら帰ってるはずのカンベエがまだ戻ってこないのに気がついた。
「まさか!」
「思い当たることでも?」
「なんだかお顔の色がすぐれませんでした、お止したんですが案ずるなと言って出てしまわれて」
「いつもの処か?」
「ええそのはず」
2人はカンベエが鍛錬の場にしている裏山の険しい道を駆け昇って行った。
それは山あり谷ありまた木々の枝を飛び移り、滝を駆けるように飛び越え崖から飛び降りる、、、
サムライというよりは忍びの鍛錬に近い、カンベエの後をついて実際その経路を駆けてみると若いシチロージでさえ息が上がってしまう、最初はカンベエについていけなかったほどである。
「なあ、シチさん、カンベエ殿は毎日こんな経路を?」
「はい、最近は肥えたと仰って錘など腹に忍ばせておいでだとか」
「むむぅ、、信じられんが、、え?、肥えただと?」
2人はうっそうとした木々の間を飛び移りながらカンベエの足跡を辿る。
「そう仰っておられましたが」
「まさか!」
ごうごうを水を落とす滝を駆け上がる2人。
「は?」
「そうに違いあるまい!」
「ええっ?」
滝を登りきって林の向こうにある崖を目指す。
「マズイですな」
「ああ、カンベエ様!ご無事でいてください!」
ようやく崖にたどり着くとその遥か下にカンベエの白い外套が見えた、よく見ると外套に覆われるようにカンベエその人が倒れているではないか!
ゴロベエ、シチロージは躊躇なく飛び降りた。
滑空しながら2人はとにかく無事でいてくれるように願うしかなかった。
シチロージは貧乏ゆすりを止められずゴロベエは熊のようにのそのそと行ったり来たりしながら狭い待合室で先の見えない長い時間をじりじりしながら待っていた。
何度時計を見たか分からない、その何百回目の時待合の戸が開き白衣の天使が現れた。
「ゴロベエさん、シチロージさん、お目覚めになりましたよ!」
その天使がにこやかに2人に告げた。
「おお!忝い」
2人は待っている間後悔してもしきれなかった、勝負なぞしなければよかったと。
カンベエの命、何物にも代え難い。
「カンベエ様!」
「カンベエ殿!」
2人は先を争うように病室に向かった。
途中看護師にお静かに!走らないで!と怒られたがそんなことは2人の耳に入らない。
ようやくカンベエの病室にたどり着くと2人が同時に入ろうとするものだから入口で詰まり絡まり早く入りたくてお互いを押しあいへし合いその様子を見ていたカンベエがハハハと笑い声を上げたが直ぐ痛みに顔をしかめた。
「大丈夫ですか?」
「無理をしてはなりませんぞ」
ようやっとカンベエの枕元にたどり着けた2人である。
覗きこむ2人を見上げカンベエは眉間に皺を寄せると「お主ら、儂に何か言うことはないのか?」
カンベエが2人それぞれ睨みつけながら低い声で尋ねた。
2人はお互いの顔を見合わせ消え入りたい気持ちで一杯になり潔く謝ろうとしたその時「あううう」とカンベエの横から可愛らしい声が聞こえた。
ようやっと2人はカンベエの隣の存在に気づく。
「子は無事であった、生まれるのが少し早かったそうだがな」
そこには小さくはあるが元気な赤ん坊が寝かされていた、元気にもじもじと一生懸命動いていた。
「おおおお!」
2人は同時に叫び声をあげた。
「これ、赤ん坊共がびっくりするであろう」
色白と褐色の肌を持つ2粒の光、双子の赤ん坊がそこにいた。
それを見た瞬間ゴロベエはおいおい泣きはじめ、シチロージも涙ぐみ堪えていたがついに袖で顔を隠した。
そして2人が落ち着いた頃、2人はカンベエに全てを白状させられていた。
2人してカンベエを取り合い争っていたこと、そしてカンベエを孕ませ子が出きたならその子の種を蒔いた方が父親になってカンベエをモノにするという次第であった。
「たわけ!」
カンベエが再び2人に雷を落とす。
「命を軽んずるとは何事!」
重い沈黙が室内に流れ肩を落とした2人に再びカンベエが静かに口を開いた。
「すまぬ」
2人は驚いた顔でカンベエを見た。
「どうしてお主が謝る?」
「そうですよカンベエ様、悪いのは私達で」
カンベエは目を瞑った。
「いや、お主らをそこまでさせたのはこの儂」
再び灰色の目を開く。
「ずるい儂を許してくれ」
「何をおっしゃる」
「儂は決められなかった、シチも失いなくない、ゴロベエ殿も失いたくない、、、」
2人は顔を見合わせた。
「こんなずるい儂を許してくれ」
カンベエは鼻をすすると顔を背けた。
再び2人は顔を見合わせると決心したように頷き合った。
「カンベエ様」
「カンベエ殿、どうか某らを父親にしてくれぬか?」
鼻の下を2度ほど擦ってシチロージが微笑む。
「親父2人じゃお嫌ですか??」
「それとも某等の顔はもう見たくないでござろうか?」
カンベエの灰色の目が潤み2人に向かって腕を伸ばした。
2人はそっとカンベエを抱き締めた。
カンベエからは甘く優しい香りがした。
2人は父親になったんだなと心が柔らかな温かさで満たされてゆくのを感じた。
早産だったカンベエが回復し退院、赤ん坊達の経過も順調なのはサムライである父親達譲りの体力だ。
毎日が賑やかだった、大きなガタイの男所帯、尚更である。
「何故2人いっぺんなのだ?」
カンベエに圧し掛かる白と褐色の男達。
「まだ勝負をしておるのか?え?(怒)」
押し倒したその手で手際よくカンベエの着物を脱がしてゆく2人。
「カンベエ様を愛する時は2人でって決めたんです」
ゴロベエは帯を抜きとってポイっと放る、剥き終わった着物をシチロージがポイっと放る。
「勝手なことを申すな!」
「それに、カンベエ殿の乳房は坊達のものだけではござらん」
そう言うと2人は同時にイタダキマスとカンベエの褐色の乳房にむしゃぶりついた。
「ああん」
結局カンベエは押し流される自分に”たわけ!”と雷を落とすのだった。
本当にお粗末ですみませんm(__)m