chapter-117 リニューアル 
[2018.04]

■ 神宮外苑・・・・・
   2020年東京オリンピックを前に、都内ではいろいろな施設がリニューアルされています。代表格は国立競技場でしょう。前回1964年大会の開会式に使われた競技場ですが、建設から半世紀が経過し、メイン会場とするためには施設の老朽化対策や国際大会を開催できる規模への改修が必要であり、建替えることになりました。
 新競技場の着工までは、デザインや費用、費用の負担などの問題が大きくクローズアップされ、デザイン再検討などに予期せぬ時間がかかり、完成は2019(H31)年11月の予定です。


[ 国立競技場がない(2015年):神宮外苑から新宿が見える  ]
   前・国立競技場の建設から半世紀も経つとアスリートの競技場に対する要求も変わり、また建築物自体の老朽化も避けられません。一方、競技場の収容定員は、1964(S39)年の東京オリンピック開催時に48,000名から71,328名にまでスタンドが増設され、閉会式では74,383人の入場者あったそうです。その後、改修工事や椅子の更新が行われるたびに収容人数は減少し、2015年の取壊し直前の収容定員は54,224名でした。新国立競技場の収容人数は完成時に約60,000席(80,000席まで増設可能)なので、前・国立競技場も規模としてはかなり大きな施設でした。
 

[ 先代の国立競技場(2014年):スタンドが道路上空にはみ出している ]

 前・国立競技場は、1964東京オリンピック開催に向け収容人数を増やす際にバックスタンドが拡張されましたが、スタンドの一部が絵画館外周道路の上空に張り出し、階段は道路に削られたような形になっていました。さすがにこの状況で、収容人数を増やす工事はいかがなものかと思います。
 新国立競技場は、これまでより西側に寄せ外苑西通り沿うように造られるので、建築物が道路の上にはみ出すようなことはありませんが、外苑西通りからは見上げるようになります。


[ 先代の国立競技場(2014年):取壊される直前 ]
   国立競技場がある神宮外苑は、大きな木々が繁り緑が多く神宮球場などの運動施設や絵画館前の広場などがあり、老若男女が集っているので公園のように思えます。しかしここは『明治神宮外苑』なので、ほとんどの土地は明治神宮の所有地(国立競技場は国有地)であり、公園ではありません。


■ リニューアルした南池袋公園・・・・・
 

[ 南池袋公園(2018年):芝生が広がる ]
   2020東京オリンピックに向けてと言うわけではありませんが、埼玉県民が愛する池袋に最近リニューアルされた公園があります。池袋駅東口の駅前通りを進み「南池袋公園」交差点を右折すると50m位で公園入口に着きます。こちら側から見るとカフェレストランが目立ち解放感に欠けた感じがしますが、公園の中に入ると足元には緑の芝生、頭上には空が広がる空間が待っています。カフェレストランの前にはパラソル付きのテーブルとイスが置かれ、屋外でもお茶が楽しめます。
 

[ 公園の夜(2018年):芝生の感触を楽しむ ]

    この公園は、地下にある東京電力の変電所工事と公園整備のために5年ほど閉鎖されていましたが、2016(H28)年4月に全面リニューアルオープンしました。以前はこんもりとした木々の緑が上空を覆うように広がる薄暗いイメージの公園で、陽が落ちたあとは怖さで公園内に入る気にはなれませんでした。
 それが今では夜になっても芝生に敷物を敷いて、おじさんのみならず若い女性グループや男女ペアもくつろいでいられるのです。飲食店が連なる繁華街の隣にある公園といえば、酔っ払いが寝込んでいたり『池袋ウエストゲートパーク』に登場するような若者が屯していそうですが、このような想像とは全く違った光景を目にします。リニューアルによって視線をさえぎる植え込みや樹木が取り去られ、園内が見渡せるようになり、街灯の光も全域に届くので暗くなっても安心できます。


[ ベンチもある(2018年):生垣の外は墓地 ]
   南池袋公園は、戦災復興の土地区画整理事業によって1951(S26)年に開園した約7,800㎡の公園ですが、公園になる前はお寺の境内地だったようで、今も公園の二辺はお寺と墓地に接しています。このため隣接地に高層ビルが建つことはなく、ビルによる圧迫感や閉塞感から免れています。
 公園から見ると墓地は見えないようになっているうえ、公園のある街区を囲む道路からも墓地はほとんど見えません。お墓の存在を気にすると夜が怖くなってしまいます(大都会では幽霊より人間の方が怖いかも)。
 

[ マンホール(2018年):この上に簡易トイレが建つ ]
    平時の安心感のほかに、地震などの有事への備えもあります。有事にまず困るのがトイレ。停電や断水でトイレが使えなくなっても、出したくなるモノには我慢の限界があります。こんな時のために簡易トイレが置けるマンホールが備えられ、カフェレストランには帰宅困難者一万人分の備蓄倉庫もあります。カフェレストランは普段でも多くの人に利用され、震災時などは炊き出しの拠点にもなります。埼玉県内から豊島区へは約6万2000人が通勤・通学しているので、帰宅難民になってしまう埼玉県民にとっても有難い施設です。
 

[ カフェレストラン(2018年):有事は炊き出しに使う ]
   公園の南側には1084台を収容できる地下駐輪場への出入り口があり、カフェレストランとあわせて常時人が往来するようになっているのも、公園の安心感を高める上で役立っています。
 南池袋公園は以前の面影を全く残さないリニューアルが行われましたが、地下駐輪場新設を含めこれらの費用は、地下に変電所を占用している東京電力からの復旧費などで賄われました。また管理も東京電力や東京メトロからの占用料(東電だけでも年1500万円)で賄われるという羨ましい公園です。さすがに24時間利用は難しいようで、開園しているのは8:00~22:00なのでご注意を。



■ リニューアルしないゴリラ公園・・・・・
 

[ ゴリラ公園(2018年):東京外環道の下にある公園 ]
   川口市にあるゴリラ公園は、時計の柱を曲げている大きなゴリラがいることで知られています。東京外環道と国道298号がJR京浜東北線などを跨ぐ高架の下にある公園ですが、普通の公園と違い植え込みや樹木はほとんどなく、BMX(自転車モトクロス)コースという珍しい施設が大半を占めています。高架部分の幅が広いのでテニスコート(23.77m×10.97m)や最近人気のフットサルコート(15~25m×25~42m)にも使えそうですが、高さが足りないのでしょうか?
 

[ お休み中(2018年):公園利用者?はこの人のみ ]
   陽も当らない高架下という制約の中では、公園の内容について検討できる余地は少ないので、BMXコースに白羽の矢が立ったようです。バイクでは騒音が問題になりますが自転車であればその心配もありません。BMXコースは河川敷や郊外、地方部に行かないと見当たらない施設で、しかもここは高架が屋根になっているので天候の心配はなく、休日などは多くの利用者がいると思われます。BMXは2020東京オリンピックの種目でもあり、さらに利用者が増えるかもしれません。
 ただ、平日に訪れた時にBMXコースを使っている人は皆無で、仕事のない方がひとり睡眠中でした。
 

[ 下水処理場(2018年):処理場の上に造られた公園 ]
   ゴリラ公園は東京外環の開通とほぼ同時期に造られましたが、高架下という制約を逆手にとってうまく使っている公園なので、BMXコースのレイアウトが多少変わることがあっても、これからも大きく変更されることなく使われるのでしょう。
 最近は下水処理場の屋上など、これまでは考えられないところに公園ができています。公園の用地が確保できないところでは、これからも思わぬところに思わぬ仕様の公園ができるかもしれません。



■ リニューアルしたい常盤公園・・・・・
 

[ 常盤公園(2018年):レンガ塀に囲まれた公園 ]
   浦和駅から歩いて10分程度の住宅街にある公園です。公園になる前は地方裁判所があった土地で、裁判所があった時のレンガ塀が公園の外周を取り囲んでいます。公園のオープンは1976(S51) 年5月なので、古いというほどの公園ではありません。中山道から公園正面に向かう道はきれいに整備され、昔は市場が開かれていたことを示すモニュメントが置かれています。
 

[ 雨のあと(2018年):水たまりが残っている ]
   公園はほぼ100m四方の正方形で、中央部は掘り込まれて周囲より低くなり、周囲は掘った土を盛って平坦な土地に起伏を創り出しています。掘り込まれたところは小さな広場になり、土を盛ったところは樹木が植えられ広場を取り囲んでいます。このほかに、滑り台やブランコなどの遊具を置いた幼児用の一角があり、子供連れのママさんで賑わっています。
 公園の周りは商業地域が指定され、最近は戸建ての住宅が減り十数階はある大規模なマンションが増えています。浦和は文教都市と言われ住宅地として人気の高いところです。このような地域で、「○○○浦和常盤公園」「△△△常盤公園」など、マンションの名前に使われている常盤公園は、良好な住環境を現すステータスの高い公園のようです。
 

[ 石灯篭(2018年):子供が座っている ]
    常盤公園はオープン以来、リニューアルされた様子はありません。昔は日本庭園があったことを物語るように大きな石灯篭が立っていたり、何のために造られたのか分からない石組みが残っています。子供たちは、日本庭園も洋風庭園も関係なく木々の間を走りまっわているので、低木の植込みは少なくなりましたが、おかげで雑草も少ないようです。
 公園の中央部の掘り込んだ部分は、ちょっとした雨でも水溜りになり幼児の泥遊びにはいいのですが、長靴でも履かない限り歩くことができません。
 

[ 天気の日(2018年):水たまりはないが芝生もない ]
   常盤公園は南池袋公園の7,812㎡を上回る9,669㎡もの面積があるのに、大きくなった樹木が多く地表に起伏をつけているためか狭く感じます。周りは住宅地なので地震時に帰宅難民が生じることはありませんが、建物が倒壊したり損傷した住民の避難場所になることはありそうです。現状では片隅に小さなトイレがあるだけで、そのほかの備えは見当たりません。
 公園の入り口に、「改修実施設計に伴って公園内の地質調査を行う」旨の張り紙がありました。高級住宅地浦和の”常盤公園”にふさわしい姿へのリニューアルの時期が来たようです。
 

[ 地質調査のお知らせ(2018年):改修実施設計のための調査 ]


 

 
おまけ   [ 篝(かがり)soba ]
 浦和駅が高架になった2013年3月に、銀座にある有名ラーメン店が駅横のガード下に出店しました。鶏の濃厚でクリーミーなスープに、普通はラーメンに添えられないような季節の野菜とともに、チャーシュー代わりにやわらかく味付けされた鶏肉がのっています。最初の一口は強すぎるくらい鶏の風味を感じますが、最後までおいしくいただけます。
鶏白湯sobaが950円と、浦和店でも値段は銀座価格です。
 
<参考資料>
〇豊島区ホームページ 南池袋公園
  (http://www.city.toshima.lg.jp/340/shisetsu/koen/026.html)
○豊島区議会 会議録検索システム
  (http://www.kensakusystem.jp/toshima/index.html)
○新国立競技場整備事業リーフレット (独立行政法人日本スポーツ振興センター国立競技場)
  (https://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/kokuminmukeshiryou/
                    shinkokuritsukyougijyouseibijigyouleaflet_1.pdf)
○国立競技場リーフレット (独立行政法人日本スポーツ振興センター国立競技場 2012年9月) 
  (https://www.jpnsport.go.jp/kokuritu/Portals/0/images/contents/organizer/pdf/J.10-5.pdf)