chapter-96 赤道  
[2017.11]

■ 「せきどう」と「あかみち」・・・・・・


[ 赤道  ]
   漢字で「赤道」と書かれれば「せきどう」と読むのが普通です。赤道は、地球の緯度0度を結んだ線で北半球と南半球の境目であることは、小学生でも知っています。
 赤道はガボン、コンゴ、コンゴ共和国、ウガンダ、ケニア、ソマリア、インドネシア、エクアドル、コロンビア、ブラジルをとおって地球を1周し、約4万キロメートルの長さがあります。
 

[ あかみちの標識(2016年):校外からしっかり見える ]
 ところがこの漢字を「あかみち」と読むと、まったく別の意味になります。「あかみち」は昔から道路として使われていた土地のうち、法律に基づいた道路の区域に指定されずにそのまま残ってしまった土地で、昔の公図に赤く着色されていたため「赤道(あかみち)」と呼ばれています。
 「あかみち」は無地番の国有地で市町村が管理することになっていますが、実体がどこに存在するのかわからないものもあるようです。不動産業界では、開発予定地の中に「あかみち」があると払下げを受けなければ一体的に使えない場合もあり、厄介者扱いされています。


[ 校庭に残る大ケヤキ(2016年):標識の後ろ ]

■ 鴻巣の「あかみち」・・・・・・・・・・・
   そんな「あかみち」ですが、鴻巣市立鴻巣東小学校は、校庭のわきに「あかみち」の存在を描いた標識を建て、わざわざ市民にお知らせしています。鴻巣東小学校は、旧中山道から東に100mほど入ったところにあり、さらに東側には鴻巣中学校や県立鴻巣女子高校もある文教地区にあります。
 校名に「東・西・南・北」がつく学校は、人口増加の著しい時期に造られた新設校と思われがちですが、鴻巣東小学校はちょっと違います。学校のホームページによると、創立は1873(M6)年で140年を超える歴史があり、1923(T12)年の関東大震災直後に中山道に近い現在の位置に移転しています。
 校名に「東」が付いて鴻巣東小学校になったのは、1951(S26)年に鴻巣南小学校を分離開校した時で、その後も生徒数の増加にともない、鴻巣北小学校、鴻巣中央小学校を分離開校しています。
 

[ 旧公図(2016年):校内から見える位置に掲示されてる ]
   「あかみち」を案内した標識は、学校敷地を囲む北側と南側の道路から見えるように建っていて、学校内に残る「あかみち」の位置を示しています。標識は本物の道路標識と同じアルミ製のしっかりとしたつくりで、板面のデザインも路上にある標識とおなじです。
 標識には学校ができる前の公図も掲げられていて、この一帯は昔ほとんど道がなかったことが分かります。また、中山道沿いは、ウナギの寝床のような間口の狭い敷地に建物立ち並び、学校が建てられるようなまとまった土地がなく、少々奥に入ったところに建てられたことにうなずけます。



■ 校庭に残るケヤキ・・・・・・・・・・・・
 

[ 外周道路にあるケヤキ(2016年):これも太い ]
   校庭の敷地になった「あかみち」は道の脇に並木のあったようで、当時の並木が現在も校庭に残っています。校庭に残っているのは2本のケヤキですが、学校の北側と南側の外周道路にもそれぞれ大木が1本ずつ残っています。これらのケヤキをたどっていくと、「あかみち」のおおむねの位置がわかり、古い公図とほぼあっています。ケヤキはいずれも直径1m前後の太さがある大木で、路上にあるケヤキは車道が避けて造られ、大事にされていることが分かります。
 

[ 校庭のケヤキ(2016年):トラックがケヤキを避けている ]

   校庭に残るケヤキは、運動会のトラックを設けるときに邪魔になる場所にあるのですが、競技に支障がないようにトラックの位置をずらして描いて、運動会が行われているようです。
 普通なら「あかみち」が校庭になった時点でケヤキは伐採されてしまうのでしょうが、どういうわけか今日まで残されました。残された理由は、近隣の住民パワーなのか、代々の小学校関係者の思い入れなのか真相は不明ですが、校庭の外周でもないところにケヤキの大木が残っている学校は見たことがありません。
 

[ 手形(2016年):生徒の手形がつけられている ]
   校庭に残るケヤキの根元は、コンクリートで円形の囲いが造られています。学校の生徒による手作りのようで、表面には生徒の手形がたくさんつけられています。


[ 中山道から駅前に向かう道(2016年):閉店した店が並ぶ ]
   ケヤキの存在が珍しい鴻巣東小学校ですが、現在(2016年)は各学年2クラス・生徒数279人しかなく、分離開校した北小学校413人、中央小学校380人、南小学校478人に追い抜かれています。全国各地で中心市街地の衰退が叫ばれていますが、鴻巣市でも小学校の生徒数にその状況が現れているようです。



   
おまけ   [ 川幅うどん(鴻巣市ホームページより) ]
 鴻巣市と吉見町の間を流れる荒川は、御成橋付近で日本一の川幅になります。ただし、水が流れているところはごくわずかなので、川といった感じはあまりしません。この日本一の川幅を活かしてB級グルメにしたのが、川幅うどんです。鴻巣市内のいくつかのうどん屋で用意されています。