日本全国どこでも見ることができるセンターラインは、上り車線と下り車線を分けるために車道の中央に引かれるラインのことです。
ただの線ですが「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(S35.12.17総理府・建設省令第3号)」という立派な法令で定められています。
[ センターラインが引けない県道(2006年) ]
この省令によるとセンターラインは「車道の幅員が5.5m以上の区間内の中央を示す必要がある車道の中央」に設置すると書かれています。
したがってセンターラインが引いてない道路は、交通量が少ないなど中央を示すが必要ない道路か、車道が5.5mより狭い道路ということになります。
[ 案内標識(2006年):県道47号はどっち? ]
また、この省令は、道路を走っている時にお世話になる案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識、補助標識も定めていて、我々の生活に意外と関係の深い法令です。
カーナビが発達していますが、それでも道路に標識はあってほしいものです。
[ 踏切ありの警戒標識(2005年):現役です ]
自動車運転免許を持っている人は、センターラインの色が違うと規制も違うことを御存じのはずです。
白色のセンターラインは、単に道路の中央を示すだけの線で、国や県、市町村など道路管理者が設置するものです。
[ 道路管理者が設置する白のセンターライン(2009年) ]
一方、黄色のセンターラインは、道路交通法に基づき都道府県公安委員会が設置するもので、追い越しのため右側部分にはみ出し進行を禁止する区間に設置される規制標示です。
黄色のラインの「黄」については、当初は明確な規定がなく多種多様な「黄」が使われていましたが、1978(S53)年に「道路標示黄色」という基準色が定めらました。
マンセル参考値「5.5YR6.5/12」だそうですので、興味のある方は見てください。
[ 都道府県公安委員会が引く黄色のセンターライン(2002年) ]
なお白色のセンターラインは、2車線の道路の場合は破線ですが、4車線以上の場合は実線になり特に必要がある場合は2本の実線になるのだそうです。
センターラインは「白」と「黄」に定められているのですが、埼玉県内には「緑」のセンターラインがあります。
よく見れば草が生えて緑色に見えるだけですが、カーブを曲がっていきなり目にすると「エッ!!」と思う光景です。
交通量が多ければ草も生えないのでしょうが、すれ違う車もたまにしか来ない道路では、雑草も元気です。
[ 自然が作る緑のセンターライン(2009年) ]
緑のセンターラインがある道路は、長瀞児玉線という県道の間瀬峠付近です。
対向車がほとんど来ない道路なので、じっくり見ていても誰にも迷惑をかけることはありません。
このセンターラインは、よく見ると路面より数センチほど高くなっているのです。
ある程度の道幅と適度なカーブが連続する峠道なので、ローリング族対策としてこんな形状になっているのかも知れません。
雑草が造り出す緑色なので秋冬は黄色のセンターラインに戻ってしまいます。
[ 路面よりラインの部分が高い(2009年) ]
[ 長瀞の岩畳 ]
[ 長瀞のすまんじゅう ]
長瀞町の荒川には岩畳が延々と連なっている所があります。
県内では有名ですが、県外での知名度はどの程度あるのでしょうか?
近くにいい温泉でも湧き出ていれば、それなりの観光地に出世できたかも知れません。
地域的に有名なものとしては『すまんじゅう』といわれる安くて、大きくて、おいしいまんじゅうがあります。
<参考資料>