日本の街を歩いていると、いろいろな看板、立札、貼り紙が目に飛び込んできます。
客を呼び込むために出された飲食店の看板だったり、新製品を紹介する貼り紙だったり、少しでも儲かるようにがんばっているようです。
このほかに、駐輪禁止やチラシの投げ込み禁止といった、迷惑対策のために出されているものもあります。
先進国といわれる国々の中で日本ほど市街地にこの手の看板、のぼり、貼り紙がたくさんあるところは無いように思います。
[行田 魚釣り禁止(2019年)]
これは、行田市内のさきたま古墳公園で見かけた立札です。
池の魚釣りを禁止する看板ですが、冬は池の水が少なくなっているのでとても魚釣りができる状態ではありません。
それでも、残ったわずかな水の中には大きな鯉が背びれを出しながら泳いでいたので、この看板の存在意義はあるのかもしれません。
これよりも水が減ったら辛うじて泳いでいる鯉がどうなるのか、そちらのほうが心配になりました。
[川越 通告(2019年)]
川越市内の市道にある穏やかならぬ看板です。
看板がある道は、川越市のホームページによると市道1144号線の一部で、県道川越栗橋線から東明寺前までの参道区間は幅6.5~8.2mあり、車が楽にすれ違える広さです。
この道に接して5階建てのマンションが建っています。
東明寺の出したこの看板によると、参道の交通安全のため東明寺の土地を通ってマンションに出入りする車の通行は許可していないとのことです。
この看板があるのは、マンション前の道は川越市道ですが土地は東明寺が所有しているためだと思われます。
[幸手 修理中(2019年)]
機械に故障はつきものです。
最近は修理に出すより新品を買ったほうが安くなるケースもあり、修理に出す前に費用を聞いておかないと痛い目に合うこともあります。
「修理中」の貼り紙がされていた時計があったのは、春の桜と菜の花で有名な権現堂です。
行った日は休日で修理作業している様子は全くなし。この状態ならば「修理予定」または「故障中」の表示がふさわしいと思います。
とりあえず、間違った時刻をお知らせしていないのが救いでした。
[京都 伏見稲荷大社(2018年)]
京都にある伏見稲荷大社は、京都の社寺の中でも近年人気が高く、特に外国人旅行者の訪問が多いようです。
約一万基もの朱色の鳥居が連続しトンネルのようになっている参道は、写真の見栄えが良いのでカメラを持っていれば誰もが写したくなる風景です。
連続して立ち並ぶ鳥居は、伏見稲荷大社に限らずどこの稲荷神社でも見られます。
稲荷神社に鳥居が奉納されるのは、願い事が「通る」あるいは「通った」お礼の意味から、江戸時代以降に広まった慣習だそうです。
[大宮 ご奉納を承っております(2019年)]
大宮の氷川神社境内にも稲荷神社があり、規模は小さいものの鳥居が連なっています。
そこに「鳥居1基 20万円」「幟1本 1万円」と奉納料金の案内板が立っているのです。
鳥居を建てるのにいくらかかるのだろう?という素朴な疑問に答えるかのように立っているのですが、数十円、多くても数百円のお賽銭が当たり前の参拝者には興醒めです。
伏見稲荷大社も奉納料金の掲示板があり、こちらはサイズにより17.5万円(5号)~130.2万円(10号)だそうです。
願い事も金次第なのでしょうか。
[川越 用足し厳禁(2019年)]
道路が鉄道を越える陸橋の袂で道が少し広くなったところに、「用足し厳禁」の注意書きが数枚立っています。
車を止められるスペースがあり正面は木でふさがれているので、「用足し」には絶好ですが後ろを通る車からは丸見えです。
こんな場所で「用足し」をする人がいるのか、と思えるくらいの開放感がありますが、そのような迷惑行為をする人がいたからこのような注意書きが立っているのでしょう。
「用足し」は立小便のことを言っているのだと思いますが、「立小便厳禁」と書かなかったことに心配りを感じます。
[さいたま市 止まれ(2019年)]
さいたま市見沼区では国道16号をはさんで丸ヶ崎土地区画整理事業が行われています。
既に道路は完成しているところもあり、普通に車で通ることができますが、いつもの「止まれ」と違った標識が立っています。
いつもの「止まれ」は逆三角形ですがこれは四角形で下に「丸ヶ崎土地区画整理組合」と書かれています。
この標識は、標識ではなく区画整理組合が立てている看板です。
区画整理事業が終わっていないため、道路のようになっていてもさいたま市道ではなく、区画整理事業中の「工事現場」と同じ扱いのようです。
道路交通法は、一般の車両が通行できるところであれば適用になるといわれているのに、ここで事故が起こったらどうなるのでしょうか?
[足利 飛び出し注意(2019年)]
日本で最も古い学校といわれる足利学校の近くの鑁阿寺にある看板です。
お寺の周りを巡る水路にカモが住んでいて、卵がかえると小さなカルガモが道路を横断するようです。
水路の水面から道路までは1メートルほどの高低差があるので、めったなことではカルガモが路上を歩くとは思えません。
また、「カルガモ横断注意!」と書いてあれば、親ガモのあとをヨタヨタと歩く子ガモの隊列が想像できますが、「とびだし」とはどのような状態なのでしょうか?
[砧公園 木登り禁止(2019年)]
砧公園は東京都世田谷区にある面積40ヘクタールを超える都立公園です。
野球場やサッカー場などのほかに、豊かな樹林に囲まれた広場があり23区内とは思えない静かな空間があります。
そんな広場の一角に「木登り禁止」と貼り紙された木があります。
子供が登って遊ぶのに絶好の形状です。
子供の安全を考えての貼り紙だと思いますが、多少の痛い思いをしながら危険を知り、学習し育つのが普通ではないでしょうか。
公園利用者の中に超過保護に育った子供やMonster Parentsの存在を感じさせる貼り紙です。
[二本松城址(2021年)]
福島県の二本松城址にある注意書きです。
樹木が斜めに樹木が成長したのか、成長の途中で横倒し寸前になり耐えているか、歩道を横切る大木が今日まで存在している理由は不明です。
相当背の低い人でない限り頭をぶつけることはないので、「頭上注意」ではなく「顔面注意」のほうが適切な注意書きです。
頭をぶつけることができるのは、ハイハイしている赤ちゃんかヨチヨチ歩きの幼児だけです。
漢字の読めない赤ちゃん・幼児に、漢字の注意書きを出しても無意味です。
砧公園にあるような「木登り禁止」の注意書きがないことが、世知辛い都内とは違い地方に住む人のおおらかさを示しているようです。
[麺なし野菜ラーメン(2019年)]
8番らーめんは石川県内を中心に展開するラーメン店です。
北陸を通る国道8号沿いで開業したため、この名称になったとのことです。
メニューの中で定番なのが、たっぷりの野菜が入った「野菜ラーメン」で味は味噌・塩・醤油・とんこつ・バターの5種類から選べます。
また量も「麺1/2」のほかに、なんと「麺なし」の野菜らーめんもあるそうですが、横には 野菜スープ と書かれていました。
野菜スープとして特別に作るものではなく、野菜らーめんの具とスープをそのまま提供しているので、このようなメニューになったようです。
<参考資料>