2015年3月定例会 代表質問



1.平成27年度一般会計予算について
2.福島原発事故とその後の市内残留放射線対策について
3.ひたちなか市高齢者福祉計画及び介護保険事業計画について
4.子育て支援と教育の充実について
5.産業と地域政策活性化について

答 弁


施政方針に対する質問

 今日で東日本大震災から4年が経ちました。被災されて皆様方には心からお見舞いを申し上げますと共に亡くなられた方々に哀悼の意を表します。
さて、デフレからの脱却を掲げて安倍首相は異次元の金融緩和、公共事業などで、株価をあげ円安、物価高の状態を作ってきました。その演出には結果が出ているが、恩恵は大都市、大企業、富裕層に及んだだけです。
昨年の国の税収は所得税と法人税で約5兆円増えたが、国内総生産(GDP)は約140兆円減少し「財政状況が悪く、金融政策で経済成長を取り戻すこともなかった」(徳川家広=茨城政懇、3月)と報告されているように、アベノミクスの効果は地方に及んでおらず「期待したが何も変わっていない」(アベノミクス不満7割=共同通信・茨城新聞3/5付)という状態にあります。
たしかに、アベノミクスによってもうけたという話は一向に聞きませんし、むしろ庶民には増税によって生活が苦しくなってきているのであり、その証拠に働く世帯の実質賃金は17ヶ月連続して低下している現状にある。
富める者はさらに富み、貧しき者はさらに生きにくくなっている。この格差の拡大が広がっているのが特徴です。質問に入ります。


1.平成27年度一般会計予算について

本市の予算は一般会計で512億2,400万円、特別会計は394億2,327万円、合計906億4,727万円である。施政方針では「自立と協働」のまちづくり、産業活性化、若い世代が安心して働き、暮らせるまち、地域の絆を大事にするまちづくりが言われていますが、その基本となる財政について何点か伺います。

(1)平成27年度予算を編成する上において、景気はやや横ばいといわれていますが、本市においては、消費動向、円安、物価高の影響についてどう分析し、判断したのか伺いたい。

(2)市税収入における個人市民税,法人市民税の今後について  歳入の44.6%になる市税について、228億7,100万円を計上していますが、個人市民税の内容や、市民の高齢化している現状などを見据えた分析をもとに説明を願います。  また、消費税が8%に引き上げられたことで消費が落ち込みましたがこの影響は大きいのではないか。消費税が今年10月に10%に引き上げられることは平成29年4月1日まで先送りされました。
法人税の実効税率の引き下げなど税制が変わりますが、これらが市税に与える影響をどのように見ているか、伺う。

(3)市債について  市民一人当たりの市債残高についてです。H20年度末の市債残高は1,003億円であり、市民一人当たり約64万円となります。H27年度の市債残高見込みは1,072億円となり、市民1人当たり約67万円への増加となります。
この市債残高が減っていかないことについて危惧するところでありますが、この点をどうとらえているか伺う。

(4)臨時財政対策債について  臨時財政対策債は、地方債の一種で、国の地方交付税特別会計の財源が不足し、地方交付税として交付するべき財源が不足した場合に、地方交付税の交付額を減らして、その穴埋めとして、該当する地方公共団体自らに地方債を発行させる制度のことで、本市が地方債を発行する形式をとるが、償還に要する費用は後年度の地方交付税で面倒を見るとされている。
この3年間、質問しているが今回は市債全体の中で36%に増えてきているところから、臨時財政対策債の今後について伺う。

(5)財政調整基金について 財政調整基金とは、年度によって生じる財源の不均衡を調整するために、財源に余裕がある年度に積み立てておくもので、いわば貯金にあたる。経済不況等による大幅な税収減によって収入が不足したり、災害の発生による多額の経費の支出が必要になるなどの不測の事態に備え、財政調整基金として積み立てるものです。
財政調整基金のこの間の推移をみると、26年度は52億円となっているが今後の見通を伺う。


2.福島原発事故とその後の市内残留放射線対策について

 東日本大震災・福島第一原発事故から4年目を迎えています。未だに避難生活を余儀なくされている方々は12万人にも及びます。長引く避難生活で肉体的にも精神的にも疲弊しきっている方が多く、震災と東京電力福島第一原発事故による住民避難が続く福島県での「震災関連死」の死亡数が1,800人以上に拡大しています。
 未だに汚染水海洋流出はじめ様々な問題が山積したままです。しかし、政府は福島原発事故原因の究明も不十分な中、川内原発や高浜原発の再稼働を推し進めています。東海第二原発を運転する日本原電は、3・11大震災で被災し停止しておりますが、昨年5月20日原子力規制委員会に新基準適合審査の申請を行い、平成28年度以降の再稼働をめざす一方、UPZ圏内の周辺自治体で「安全対策」と称する住民説明会を行いました。  2月に茨城県は東海第二原発の過酷事故発生時の「広域避難計画(案)」を発表しましたが、県外避難先は未定など実効性に多くの課題を残したままのものです。より具体的な避難策定は市町村に任されています。

(1)汚染水について  汚染水の影響について、毎日300トンの汚染水が流れている上に、2号機の屋上にたまった放射性物質濃度の強い汚染水が海に流れていた事実が最近、明らかになったことです。この事実を隠していたことで漁業関係者は東電との信頼関係はなくなったと怒っています。このことが、海の汚染の広がり、捕れた魚が安く買いたたかれるという問題を生じさせ、損害賠償と補償という問題になります。後で触れますが、海水浴客が回復しない問題にもつながってきます。 これを他山の石とせず、本市でも影響を受けていることから海洋の検査と魚介類の検査など、安全に対する取り組みを伺う。

(2)東海第二原発の再稼働について  日本原電は原子力規制委員会の新基準に適合する申請を出しておりますけれども、再稼働への動きに対してUPZ圏内の「東海第二発電所安全対策首長会議」の結成等ありましたが、これからの対策について伺う。

@ 安全協定」見直しに向けた動きと進捗について伺う。
A避難計画について,その後の進捗はいかがか。
B どもの健康調査について。  
福島においては甲状腺ガンが症状として出ております。子どもの健康は保護者から見ても不安があります。民間の方々が自主的に子どもの健康調査をしたという取り組みがあります。以前にも私は、市内の子どもについて希望者には公費で実施するように求めた経緯がありますが、見解を伺いたい。

(3)エネルギーの地産地消をどう進めるか  再生可能エネルギーの普及についてお尋ねします。ここ2,3年の間に各所で太陽光パネルを設置するなどしております。本市では、地形、風力などの環境を生かして自然エネルギーを活用していくのか、エネルギーの地産地消がいわれていますが、本市における現状と取り組み状況を伺いたい。


3.ひたちなか市高齢者福祉計画及び介護保険事業計画について

 消費税の税率10%引き上げ先送りと「社会保障充実策」の見直しによって、介護サービス事業者への介護報酬が削減されることになりました。9年ぶりのマイナス改定で2.27%の引き下げというもので、報酬の引き下げによって特別養護老人ホームなどを中心に減収となり、サービス不足や職員の減少をさらに深刻化する恐れがあります
。2015年8月以降、介護保険の利用料を原則1割から、年金収入が年280万円以上ある人などは2割に引き上げられることになっています。
このような問題を抱えての介護保険第6期が始まります。

(1)介護保険第6期の課題について  
今回の特徴は、介護保険料が引き上げられること、要支援1、2は介護サービスから切り離され、市町村事業に移行されることです。
@認定が要支援になった人にとっては、サービスの低下になるのではないか。
A介護保険料の引き上げについては算定の根拠を伺います。

(2)特別養護老人ホーム入所希望者から見た現在の待機状況についてはいかがか。

(3)ひたちなかしあわせプラン21(第6期)ひたちなか市高齢者福祉計画及び介護保険事業計画から見た施設建設と待機対策について伺う。

(4)介護にかかわる,人材確保,人材育成の取り組みについて  
介護職員は圧倒的に女性が多い。就業形態では非正規職員・非常勤職員に大きく依存している。「介護労働実態調査によれば介護の職場は離職率が全体で16・6%と他の業種よりも高く、施設で働く短時間労働者の離職率は2割以上。現場の介護職が不足していると感じる率も56・5%と大きい一方で、採用は困難とされている。 採用困難の理由では「賃金が低い」55・4%、「仕事がきつい」48・6%、「社会的評価が低い」34・7%が挙げられている。本市における実態はどうでしょうか。人材確保、人材育成の取り組みが必要だが市の考えを伺う。


4.子育て支援と教育の充実について

(1)教育について  
@「いじめ問題」における調査報告と,今後の対策について  川崎市でおきた中学生を殺傷する事件は大きな問題になっている。ここに至る経過をみると何らかの原因で「不登校」になり、つきあう仲間の中でいじめを受けていた。
生徒が発するSOSがつかめなかったのかが悔やまれるという報道があります。
本来学習の場ではのびのびした学習環境で育って欲しいと思いますが、社会が競争社会であり、学力主義であるので格差が生まれ不登校などが生じると思います。
先頃、教育委員会で「いじめ」問題の調査報告がされ、委員会でも報告を受けました。当局のこの間の努力に敬意を表します。
そこで伺いますが、いじめの件数は減る傾向にあるとはいえない状況ですが、いじめの原因と分析、今後の対策について伺います。
また、家族や担任の先生がSOSを発信している生徒に向き合えているのでしょうか。  

A貧困等により教育の機会均等が図れない問題について  
「平和で豊かな社会である」の中にある子どもたちは、全国で16・3%の子どもの「相対的貧困率」がある。しかし、貧困層の子どもたちの欠食率の高さを考えれば貧困という問題である。
「貧困状態に置かれている子どもたち、家庭に直接支援する政策を考えなければならない。 市内の保護者から「今度学校に上がるのですが、制服やらトレシャツなどそろえるのに約10万円かかる。それが厳しい。そういう状態にあることを受け止めて欲しい」という声がありました。
今まで学校給食の滞納問題も取り上げましたが、背景は貧困の問題がある。
経済的に困難な世帯に対する支援のあり方について考えていかなければいけません。  
消費税の再増税先送りの影響で、「充実策」の枠外として、住民税非課税の低所得者への「臨時福祉給付金」について、最高15000円であった給付措置を一律6000円に減額する。さらに中学生以下の子育て世帯(年収960万円未満世帯)に、子ども一人あたり1万円を支給した「子育て世帯臨時特例給付金」を3000円に減らす。これらは消費税を8%に引き上げる対策だったはずで減額は筋が通らない。
旧に復するよう国に対して申し入れ、要望をしていただきたい。
憲法の幸福追求権や生存権にかかわる問題です。教育を均等に受けることができることを保障するのが国や行政の役割と思います。
就学援助制度では、小学生の場合、20,470円。中学生の場合は23,550円が新入学用品費として支給されますがこれでは足りません。
増額を図るべきと思うが見解を伺う。


5.産業と地域政策活性化について

(1)観光について 勝田マラソン大会には24000人が参加。ひたち海浜公園にネモフィラ人気もあり150万人が訪れます。ロックインジャパンには26万人など多くの観光客がひたちなか市を訪れます。不思議なことに、勝田駅周辺に観光案内所がないことが気になります。観光資源を掘り起こす、大洗町との連携で本市にも回遊性を持たせる、おもてなしなど徐々に観光について力が入っていることを感じます。

@ 海の魅力に対し海水浴客が回復していないが,なぜなのか。その対策について伺う。
A 昨日来の同僚議員の質問にもありましたが、本市には観光案内所及びお土産品を販売するいわゆる「物産所」というものがありません。
特に、勝田駅周辺には必要と考える。見解を伺う。

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答 弁

本間市長

(1)平成27年度予算編成に当たっての景気判断について

平成27年度の予算を編成するうえでの景気判断については、昨年10月から12月期の国内総生産(GDP)3月9日発表の2次速報値によりますと、前期比0.4%の増と4半期ぶりにプラスに転じたものの、その伸びは小幅にとどまっていると思います。
また、個人消費は0.5%のプラスであったものの、実質雇用者報酬は0.0%と前期並み、企業の設備投資は0.1%のマイナスであり、いずれの指標も伸び悩み、もしくは横ばいにとどまっているところであります。
全国的には、景気は最悪期を脱して持ち直しに転じており緩やかなプラス成長が続くとされていますが、原油価格の下落や円安による物価の押し上げ効果の景気への影響も地域の産業構造などによって大きく異なると予想されます。

地方においては、企業収益の拡大が賃金上昇や雇用拡大、設備投資の拡大につながるといった経済の好循環がいまだ実現に至っていないのが現状と認識しております。
このような状況から、本市の平成27年度予算における法人市民税の見込みにつきましては、市内大手企業の平成26年度実績や決算短針による業績予測をふまえ、堅めに見積もらざるを得なかったところであります。


(2)東海第二原発の再稼働について

昨年12月県央地域首長懇話会および、原子力所在地域首長懇談会の構成市町村にUPZ内の4市町を加えた15市町村により、東海第二発電所安全対策首長会議が結成されたところであります。その会議の中で、原子力安全協定の対象市町村の範囲および権限の拡大等に係る見直しにつきましては、20キロ圏の6市村で構成する原子力所在地域首長懇談会での協議を優先することを確認し、12月25日に日本原電に対し改めて申し入れを行ったところであります。
日本原電からは、その申し入れに対し今年1月30日に優先して協議を進める点については関係自治体とも相談しながら対応するとの回答を得ていますが、いまだに具体的な見直し協議には至っていない状況にあります。
本市といたしましては、東海第二原発の所在地として東海村と同様に再稼働の可否をはじめとした重要事項について意見を述べ、協議できる権限を有することは当然であると認識しております。
このため、原発所在自治体としての意見を反映できるよう引き続き、関係6市村の連携のもとに安全協定の見直しに取り組んでまいります。


小池 洋・総務部長

平成27年度一般会計予算についてお答えします。

(2)市民税収入の今後の見込みについて

個人市民税の今後の動向につきましては、少子高齢化の進展に伴い給与所得者の年金所得への移行が増大していくこと、及び生産年齢人口が減少することによる市民税の税収減が見込まれます。
平成25年度と平成26年度を比較しますと、給与所得者の所得割税額が約1億5000万円の減、年金所得者を含むその他所得の所得割税額は約4800万円の増と、既に少子高齢化の影響が数値的に出ております。今後も少子高齢化が進んでまいりますので、個人市民税においては景気が回復し雇用状況が改善されない限り、厳しい状況が続くと見込んでおります。
法人市民税につきましては、国において地方法人税の創設に伴い法人市民税の法人税割を2.6%引き下げる改正が行われ、昨年の10月1日以降に開始する事業年度から適応しております。この改正により今後税額にして約3億円程度が減収になると想定しております。その減収分につきましては地方交付税として配分される予定であります。
また、本年1月に閣議決定された税制改正大綱によりますと平成27年4月以降に開始する事業年度から法人税の税率を現在の25.5%から23.9%に引き下げる改正が行われる見込みであります。この通り法人税率の引き下げが行われますと、平成28年度の法人市民税の税収から影響が表れ、税額にして約1億4000万円程度の減収と見込まれます。
このような法人税の実効税率の引き下げは今後も予想されますので、法人市民税の税収に影響を及ぼすものと懸念をしております。

(3)市債残高について

平成20年度末以降の主な資材発行状況につて申し上げます。
一般会計では、新清掃センター建設事業債が82億円、住宅都市サービス公社及び土地開発公社の債務の整理に伴う第3セクター等改革推進債が44億円、学校耐震化事業債が59億円などとなっております。また、本来普通交付税として国から現金で交付されるべき財源を一時的に肩代わりする臨時財政対策債をこの間145億円発行しております。
この結果、一般会計における引き去り残高は平成20年度末439億円から575億円と136億円増加しております。一方、公共下水道事業及び土地区画整理事業の進め方を見直し、重点的に推進する事業を絞り込むことにより、市債発行を抑制すると共に償還を進めてまいりました。
この結果、特別会計における引き去り残高は563億円から496億円と67億円減少しております。
このように、清掃センターの建て替えや学校耐震化など、市民生活に係る喫緊の課題への対応を優先し、下水道事業や区画整理事業の絞り込みによって市債発行を抑制してきたものの、全国的な税収不足を補うために発行することとなった臨時財政対策債によって一般会計、特別会計を合わせた引き去り残高はこの間に69億円増加しているところでございます。
しかしながら、臨時財政対策債の償還費はその全額が国から財源処置されますので、市の実質債務には含まれておりません。
このため、臨時財政対策債を除く実質債務残高としましては893億円から863億円と30億円減少しております。

(4)臨時財政対策債の今後について

地方交付税原資の不足に対応するための特例措置として平成13年度から3年間の予定で始まりました臨時財政対策債の発行は、全国的な税収不足により延長を重ねてきております。 今後につきましては、基本的には地方財政計画を立てるにあたって交付税の原資となる国税、また地方税の税収が歳出を賄いきれるだけ確保されれば臨時財政対策債は廃止される性格のものであります。
しかしながら、平成27年度地方財政計画における臨時財政対策債の発行額が4兆5000億円であり、平成26年度末の累積残高が48兆4300億円にのぼっていることを考えますと、当分の間この特例処置は継続されるものと考えております。

(5)財政調整基金の推移と今後の見通しについて

財政調整基金残高の過去5年間の推移を申し上げますと、平成22年度末が21億円、以降29億円、47億円、47億円で、平成26年度末52億円となっております。 財政調整基金は年度間の財源不足に対応するため決算剰余金などを積み立て、財源が不足する年度に活用する目的の基金であり、一般的には標準財政規模の15%程度が適正とされております。
社会保障関連経費の増大や、災害への備えとしての積み立ては各自治体共通としましても、本市におきましては将来に大きな財政負担を伴う土地区画整理事業について見直しを行い、一定の期間に区切って終結を図るためにも、財源を確保しておえない状況であります。
このため、年度間の財源調整を行い財政調整基金及び、市債管理基金への積み立てを行っているとこ ろであります。


白土利明・経済部長

(1)福島第一原発の汚染水について

海洋の検査につきましては、東京電力や原子力規制庁において実施されております。
沿岸沖合の3qの海水の測定につきましては、毎月1回の頻度で大洗海岸沖をはじめ6地点の海水を毎月採取しセシウム134及び、セシウム137の測定を、また、大洗海岸沖合を対象としてストロンチウム90の測定を東京電力が実施しております。
平成26年4月から平成27年1月までの結果は、セシウム、ストロンチウム共に不検出でありました。

次に、魚介類の検査につきましては、原発事故以来安全な水産物を安定的に供給するために、茨城県を3つの海域に分け県がモニタリング調査を週1回行っております。その検査結果により、現在県のすべての海域においては、スズキなど4魚種が国の基準値100ベクレルを超える放射セシウムが検出されており、出荷を自粛しております。
また、県と漁業団体が独自に取り決めた基準値50ベクレルを超えている赤エビなど8魚種につきましても海域ごとに出荷を自粛している状況であります。
このような状況でありますが、今年2月5日には県の北部の海域においてヒラメが基準値を下回ったことから出荷できる状態になったところであります。今後につきましても、引き続き放射性物質の検査結果を踏まえながら漁協など関係機関と連携して、安全安心な水産物の提供に努めてまいります。

(2)観光、海水浴客回復策について

東日本大震災より今日で4年が経過し、本市への来訪者も以前のように戻りつつある中ではありますが、海水浴の入込客数は平成26年度は13万人、前年度と比較して横ばい。平成22年度の40万人の32.5%と緩やかに回復に向かっています。
今年度に関しては、最繁忙期である8月が3週にわたり天候不順となったことが入込客数大幅増に繋がらなかった要因のひとつと考えております。 今後の取り組みとしましては、海水浴場でのイベント開催や海の家事業者との連携を密にし、お客様へのマナーとサービス向上にむけ提案、助言を行ってまいります。
また、首都圏での観光宣伝活動や栃木、群馬、埼玉、各地方テレビでのCM放映等を通し、魅力あるひたちなかの海の情報発信に努めてまいります。

(3)駅周辺の物産所の必要性について

本市への観光客はマイカー利用者が大多数を占めますが、鉄道やバスなど公共交通機関を利用し来訪される方々もおられ、大型連休には勝田駅前が賑わう様子を目にします。
ご質問の観光案内所と物産所についてですが、観光案内所については駅を起点に観光される方々を対象に、昨年5月の大型連休時に勝田駅構内に臨時観光案内所を試験的に設置し、観光振興課職員に対面での観光案内、観光ガイド等の冊子配布を実施いたしました。
今後は、駅前周辺の店舗に従業員が簡易な観光案内ができるようなプログラム、メニューを作成、提供することにより協力を呼びかけ、観光案内機能の拡充を検討してまいります。

物産所については、駅構内の売店等おいて観光協会推奨品をはじめとする魅力あるひたちなかの土産の取り扱いを開始するよう継続して働きかけを行ってまいります。これらの取り組みを継続し、利用客の需要を緩和したうえで駅周辺の常設観光案内所、物産所設置について検討してまいります。
また、第二次観光振興計画において観光案内のほか物産販売、貸自転車やツアーガイドの派遣、地場産品を活用した食堂、催事スペースなど、複合的にサービスを提供する総合観光案内所を設ける構想がございますので、立地を含め整理してまいりたいと考えております。


大和田幸治・市民生活部長

(1)避難計画について

東海第二原発の燃料プールには使用済み燃料が保有されており、原発の再稼働に関わらず避難計画の策定は必要であると認識しております。
現在、本市では地域ごとの避難を前提として県内12市町村への小学校単位での割り振り、避難先までの主な避難経路、バス避難の一時集合場所の選定等について検討を進めております。
しかし、避難計画策定あたっては秩序だった円滑な避難方法をはじめ自力で避難できない災害弱者への支援体制や、緊急時の安定ヨウ素剤の配布体制、避難先の受け入れ態勢、また県外の避難先が決まっていないなど、これらの課題についてひとつひとつ解決していかなければならないことから、実効性のある避難計画の策定は容易ではない状況にあります。
まずは、避難先となる県内12市町村と避難受け入れについて協議を進め、協定を締結してまいります。計画の策定にあたりましては、避難が広域に及ぶことから周辺市町村及び、関係機関団体との協議や情報の共有を図り避難計画の策定に取り組んでまいります。

(2)エネルギーの地産地消をどう進めるか

再生可能エネルギーとは、太陽光、水力、風力、バイオマス、地熱などを利用したものであり、その推進につきましては国においてエネルギー基本計画に基づき再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度等により進めているものであります。
市内の状況といたしましては、大規模なメガソーラー発電施設やバイオマス発電施設のほか、市民や事業所による太陽光発電設備も市内各所に見受けられるようになってきております。
これらの発電電力を自家消費で使用することによりまして、本市におきましても一定程度の地産地消は進んでいるものと考えているところであります。しかしながら、この固定価格買い取り制度につきましては分かりにくく、先行きが不透明な制度であるため、市民や事業者の方への情報提供が重要であると考えております。
このため市では、環境講座の実施やホームページを活用しまして国の制度の周知を図るなど、再生可能エネルギーの普及啓発に努めてまいりたいと考えております。


黒沢武男・福祉部長

(1)子どもの健康調査について

福島第一原子力発電所の事故による放射線被曝につきましては、本県内におきましても、福島県内の被曝線量と同レベルの地域も存在することから、市では平成25年茨城県市長会を通し、国に対して茨城県を原発事故子供被災者支援法に基づく支援対象地域に指定し、福島県内において継続実施している放射線による健康への影響調査や、子どもの甲状腺検査等を行うことを要望いたしました。
また、昨年11月14日には改めて県に対しまして、本県を支援対象地域にするよう国に要望することを求めております。

放射線被ばくによる甲状腺などの子供の健康調査につきましては、国の責任で対象地域を指定して実施し、その検査結果につきましては将来にわたり継続的に専門医による分析や管理がなされるべきものと考えております。
国や県に対しましては、今後とも甲状腺検査等の子供の健康調査を国の責任において行うよう要望すると共に、放射線に関する講演会を開催するなどしまして、市民の健康不安の解消に努めてまいります。

(2)介護保険第6期の課題について

新しい介護予防日常生活支援総合事業の実施が、「要支援者のサービス低下になるのではないか」という質問ですが、介護保険法の改正により国は新しい介護予防日常生活支援総合事業を創設し、現在要支援者が利用しております介護予防訪問介護と、介護予防通所介護を介護保険給付から移行するとしております。
その実施時期につきましては、平成29年4月までに行うことが全市町村に求められております。

本市では、団塊の世代が75歳以上となります2025年に向けてこの事業に早期に取り組みながら多様な主体により提供されるサービス改正づくりなどを進める必要があると考えまして、本年10月からの実施を予定しております。
留意すべき点としましては、要支援者の総合事業への移行に対し利用者にとってサービス低下とならないようできる限り継続して予防給付相当のサービスが利用できるようにすることでありまして、そのためには訪問介護事業者等のサービス事業者の確保が重要であると考えております。

このため、介護サービス事業者に対して早期に事業の実施時期などの方針を示すと共に本市の考えに対する理解と協力をお願いしてまいります。 また、サービス提供費用につきましては介護報酬額を考慮した節制にするなどしてサービス事業者が参入しやすい条件をつくると共に、利用者負担につきましても負担増とならないよう介護保険サービスと同様の原則1割負担の設定にするなどして、要支援者のサービス低下とならないよう十分に配慮しながら事業の推進を図ってまいります。

(3)介護保険料の算定の根拠について

第6期における給付費算定の基礎となります要介護認定者数は、平成26年度の5416人から991人に18.3%増加し、平成29年度には6407人になるものと見込んでおります。
介護給付金につきましては、訪問介護やディサービス等の居宅介護サービス利用者の増加、特別養護老人ホームやグループホーム等のサービス基盤の整理に伴う施設系サービス利用者の増加、本市の地域区分がその他0%から、7級値3%適応となり、1単位あたりの単価が上がることによる給付金の増加、また、新しい総合事業の開始等に伴う地域支援事業費が第5期計画の5億2258万3000円から12億7118万7000円、243.3%増加しまして17億9377万円と大幅に増えることなどによりまして、介護給付費と地域支援事業所を加えた額は第5期計画の240億681万2000円に比べ60億289万5000円の25%増加しまして、300億970万7000円と算定しております。

市では、こうした要因による保険料の上昇を抑制するため、第6期計画では介護給付金、準備金の取り崩し額を第5期計画の1億4200万円から3億円に増額すると共に、保険料の団体区部の設定にあたりましては、基準額の上昇を抑えるため市町村民税、本人課税の方につきまして所得水準に応じた多段階化を行い、乗率を0.5から2.0までの14段階にしております。
その結果、平成27年度から平成29年度までの3年間における介護保険料基準額は第5期の4550円に比べ384円8.4%増の4934円にとどまったところであります。

(4)特別養護老人ホームの入所希望者から見た現在の待機状況について  

茨城県長寿福祉課の調べによりますと、平成26年3月31日現在、市内の特別養護老人ホームへの本市市民の申込み者数は324人、このうち在宅の方は123人、在宅者数、本年4月1日から特別養護老人ホームへの入所要件となります要介護3以上の方は90人となっております。
第6期における特別養護老人ホームの建設と待機者対策について 特別養護老人ホームは現在、市内に住所を有する方のみが入所できる地域密着型の特別養護老人ホーム2施設58床の整備が進められています。
このことから、第6期の計画期間中におきましては80床の特別養護老人ホームを整備しまして、待機者の解消に努めてまいりたいと考えております。

(5)介護にかかわる人材確保、人材育成の取り組みについて

厚生労働省の調査によりますと、団塊の世代の方々が75歳以上となる2025年における介護人材の必要者数は237万人から249万人とされておりますが、供給者数は約220万人にとどまるとされておりまして、大幅な人材不足が見込まれておりますことから、介護職員の安定的な確保とさらなる資質向上への取り組みを推進するため平成27年度の介護報酬改定では介護職員の処遇改善について1.65%のプラス会計となっております。
さらに、本市におきましては国家公務員の地域手当をもとに見直しされます介護報酬における地域区分が第5期のその他0%から、第6期は7級値、3%となり、訪問介護の場合1単位10円から1単位10.21円の算定となりますことから、事業者の収益の分は見込まれますので、介護職員の報酬の引き上げや人材の確保にも繋がるものと期待しております。

また、人材確保の取り組みとしましては、茨城県福祉人材センターにおける福祉の仕事の無料職業紹介や求職者向けの研修会等があります。
厚生労働省では、国、県、市町村が役割分担をし、介護従事職員の技術向上に向けた研修制度の確立や、介護職への理解を深めるためのセミナー開催等、介護人材の確保に向けた積極的な取り組みを強化するとしておりますので、市としましては、県と連携して事業者による介護人材確保の取り組みを支援してまいります。

(6)貧困等により教育の機会均等がはかれない問題について

臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金について。臨時福祉給付金につきましては、平成26年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたことに伴い低所得者に対する暫定的、臨時的な給付処置として実施されたものであります。
給付金額につきましては、当初平成27年10月から消費税率10%に引き上げられる予定であったことから、平成26年4月から平成27年9月までの8%と定められていた期間における食料品にかかる支出額の増加分を参考に国において決定したものであり、加算分を除き一人1万円が支給されております。
その後、予定されていた10%への再引き上げが延期となり、食料品等に対する軽減税率などの低所得者対策も導入されなかったことから、国におきましては新年度も臨時福祉給付金を引き続き給付することとし、平成27年10月から平成28年9月までの分として一人当たり6000円の支給を予定しております。

また、子育て世帯臨時特例給付金につきましては子育て世帯に対する消費税率引き上げの影響の緩和と、子育て世帯の消費の下支えをはかることを目的に、臨時的な給付処置として平成26年度に実施されたものでありますが、平成27年度も国においては対象児童一人当たり3000円の支給を予定しております。
二つの給付金につきましては、消費税率引き上げによる低所得者へ子育て世帯への影響を踏まえ、国の施策として実施されております事業でありますので、その給付金額につきましても国会等における審議を通して国において決定されるものであると考えております。


木下正善・教育長

(1)いじめ問題における調査報告と、今後の対策について

いじめ問題が起こる背景としましては、児童生徒の人間関係づくりの未熟さや、相手を思いやる心の不足、異質なものを排除しようとする集団心理などが考えられます。 また、いじめの原因につきましてはまえがきで行っている調査等からも様々な要因が複雑に絡み合っていることが明らかになってきております。
最近は、子どもたちが携帯電話のメールやインターネットを利用する機会が急速に増加しており、本市においてもネットを介したトラブルや、ネット上のいじめという新しい形のいじめ問題が起きております。 学校や、教育委員会だけでは解決が難しい事案になることもございます。

今後の対策につきましては、すべての教職員がいじめはどの学校にも、どのクラスにも、どの子にも起こりうるとの認識に立って、日々の子供たちの様子を見守ると共に、保護者との連絡を密にしていくことが大切であります。
さらに、平成25年度から全小中学校においていじめ撲滅に向けた笑顔プロジェクトを展開しております。 これは、児童会や生徒会が中心となって取り組んでいる自治的な活動でございます。2年目を迎えて、各学校では創意工夫のある取り組みが見られるようになってまいりました。
これらの取り組みを通して児童生徒間の良好な人間関係づくりに努めるとともに、いじめ問題に関する意識の高揚を図り、いじめを生まない土壌づくりに努めている所でございます。
また、取り組みの一端は市報ひたちなかでも紹介し地域への啓発活動にも努めている所でございます。

ネット上のいじめ問題については、各学校において専門機関と連携した情報モラルに関する講習会などを通して、携帯電話やインターネットの利便性の裏に潜む危険性などについて児童生徒のみならず保護者にも強く啓発しているところでございます。
教育委員会としましては、いじめを防止するうえで一人一人の教師のいじめを見抜く力を高めていくことが重要であると捉え、教師のいじめを発見する力や対応力を高める研修を引き続き実施してまいります。
また、家庭や地域との連携を図り、多くの人々の目で子どもたちを見守っていく体制を強化し、子どもたちが発するSOSのサインを見逃さないようにしてまいる所存でございます。


鈴木幸雄・教育次長

(2)貧困等により教育の機会均等が図れない問題について

就学援助の支給額の増額について。就学援助制度は、生活保護を受けている要保護世帯に関しては生活保護法に基づく教育扶助の対象外となっています中学旅行費と虫歯の治療費を援助し、また、生活保護に準じる程度に困窮し援助が必要と認められる準要保護世帯に対しては、学校教育にかかる費用の負担を軽減することを目的に文部科学省が定める、要保護児童生徒援助費補助金の予算単価と同額の新入学学用品費や学校給食費などを援助するものであります。

文部科学省では毎年、要保護児童生徒援助費補助金の予算単価の見直しを行っておりまして消費税が増税となった平成26年度の支給額につきましては、消費増税高騰分を増額しているところであります。
教育委員会としましては、今後も文部科学省を定める額を基準として就学援助の支給額を決定していく考えであります。

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再質問  


井坂

(1)東海第二原発の再稼働問題について  

再稼働について日本原電は新基準に適応するために申請を出している段階ありますが、私が一番懸念するのは平成28年以降に日本原電は適合審査に合格すれば再稼働させる姿勢をはっきりと示していることです。大変老朽化しているうえに、平成28年以降になると原発の寿命40年に限りなく近づいている段階です。「それでも再稼働をするのか」という新たな疑問が出てきます。  福島原発で事故が起きた本当の理由というのは、まだ究明されていない。津波が来る前に原子炉内では亀裂が入ったかなどの何かの原因で、水圧が下がりメルトダウンが起きていたという説もあり、大変な事態になりかねません。防潮堤の嵩上げをしているから大丈夫とならない。この事態を踏まえ、どう臨むのか市長の考えを伺う。

(2)子どもの健康調査について  

国に要望した結果について、国から何らかの回答はありましたか。ない場合は、今後も行っていく考えはあるか。

(3)観光について  

海水浴客をどのように増やしていくのかについてお答えいただきましたが、駐車料の課題についお答えがなかったので質問します。海水浴客がなかなか伸びないという点について、海岸の駐車料金、休憩料金等の問題があるのではないか。車1台でいくらではなく、乗車人数で料金を取るなどして、不評を買っていたとの話を聞いている。これではみすみすリピーターを手放しているのではないか。これから、どのようにお客さんを増やしていくのかを考え、これを改善することではないか。  

観光では、資源の掘り起こし、反射炉などもありますが、海の魅力をつないでいく考えも必要ではないか。また、「駅前周辺に観光案内と物産館設置は検討する」とのことですが、本気にやろうとする意思はあるのか。


再答弁

本間市長

(1)東海第2原発の再稼働の問題につきましては、かねてから申し上げておりますが原発所在地域の自治体であると認識しております。 市民の安全や生活を最優先に、極めて慎重に判断してまいります。
ご質問にありましたが、福島原発の原因究明もまだまだ出来てないのではないかとご指摘もありますが、安全についても絶対というものは無いと思っておりますので、実行性のある避難計画を作っていきたい。

(2)それから、観光振興について「本気かどうか」問われましたが、しっかり本気です。


黒沢武男・福祉部長

(1)こどもの健康調査については、現在まで国からの回答はありません。今後も行っていく。


白土利明・経済部長

(1)まず、海水浴場の駐車料金についてですが、本市では800円から1000円であり、あくまでも1台分の値段であると認識しており、乗車人数ひとりひとり分では無いと伺っております。駐車料金の値段につきましては、県の方でも割引サービスを行っており、また本市でも結んでいる地域包括連携協定によって割引制度にも取り組んでおります。
利用者にとっては魅力ある料金設定になっていると考えております。

(2)そして、観光振興計画に基づく観光振興対策については、駅前の観光案内所は去年の5月に試験的に実施し、5月の連休に海浜公園へ行く方に大変盛況だった。
ただ、平日の観光客もあるので、需要を把握したうえで検討してまいりたいと考えております。  

観光資源については、ひたちなか市には海もございますし、また湊鉄道なども観光資源のひとつに入ると思います。その他にも、湊公園、あるいは徳川時代からの観光名所など観光資源が豊富でありますので、それらを繋いでいく対策は必要であると考えております。


鈴木幸雄・教育次長  

就学援助制度の中でのご質問で、新入学用品の単価についてのお答えします。
2万470円あるいは2万3550円ということで、文部科学省の要保護児童生徒援助費補助金をそのまま今度も用いていきます。


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