告訴・告発


■告訴とは
 告訴とは、犯罪事実を捜査機関に申告することによって『その犯罪を起訴してほしい!相手を処罰してほしい!』という意思を表明する手段です。被害届けとは違います。被害届けは、どんな被害を受けたのかを警察に行ってその旨書面に記載しますが、これについて動いてくれる(捜査)保証はありません。要するに被害を届け出ただけなので、本人としては頼りにしていた警察から相手にしてもらえなかったり、民事不介入だと言われたりして、悔しい思いをすることがあるでしょう。
 一方告訴(告発)は、書面(告訴状・告発状)をあらかじめ作成して警察機関若しくは検察庁に提出します。そして警察、検察に対して正式に捜査を要請するものです。そしてその告訴状・告発状により捜査を促し、検察官が起訴をするかどうか決定します。ただし、検察官は被害者の為のみに起訴するのではなく、社会秩序の維持という公益の観点から、公益の代表者として起訴しますので、告訴・告発すれば必ず起訴されるという訳ではないことに注意して下さい。もし不起訴となればその旨告訴人(告発人)に通知されます。

 『起訴』とは:検察官が特定の刑事事件について裁判所の審判を求める行為(公訴を提起すること)で、検察官が起訴状を裁判所に提出することとなっています。

■告訴の特徴
 告訴状(告発状)として犯罪事実を申告し、その犯人の『処罰』を求める意思表示を明確にすることにより、捜査、起訴を促すものです。

■告訴できる期間
 親告罪の告訴は、犯人を知った日から6ヶ月、非親告罪の告訴は公訴時効が完成するまでです。

■親告罪とは
 告訴がなければ公訴を提起(起訴)できない罪のこと。つまり告訴をしないと罰することもできないし、期間も限られます。

■告訴のメリット
 メリットとしては、金銭的な解決が目的ではなく、相手の処罰を与えることが目的の場合に有効な手段で、内容証明郵便の文面にちらつかせるだけでも有効な手段だと思います。

■告訴と告発の違いは?
 告訴、告発ともに、相手の『処罰』を求める意思表示をするところは変わりません。違うのは、告訴権者(被害者、配偶者、直系親族、兄弟姉妹、法定代理人)がするのが告訴、告訴権者以外の第3者(だれでも)がする場合は告発、ただそれだけです。

■告訴はこんな時に!
 直接言ってもダメ、内容証明を送付してもダメ、そんな時に効果がある場合もあります。たとえばストーカーの被害にあっているとか、名誉毀損や侮辱を受けたとかです。そんな相手に対して実際に告訴(告発)をしてみるのもいいですが、内容証明に「刑事告訴をしますよ!」と強い意思表示を示すだけでも効果が期待できます。ですからまず内容証明を出してみて、自分の本来の目的を相手が実行してくれるのであれば告訴をすることはやめる、と条件を付けて、やはりダメなら本当に告訴やその他の解決手段を探ってみましょう。

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