斐伊川の魚(木次編)

(島根県立宍道湖自然館ゴビウスのご協力で
共通語魚名から魚の映像へLINKしています)

私は昭和24年から27年の幼児期と小学校の5・6年だった昭和33・34年頃を過しました。

いつ頃まで行われたかは知りませんが、当時の斐伊川では冬になると砂鉄を取るための「カンナ流し」というのがありまして、川が赤茶色に濁ってドロが堆積していました。

春になって雨が降ると出水で、一応ドロは流れ去っていました。

したがって私が見たり釣った魚といえば、毎年放流される単年魚のアユ以外は、汚れに強いうなぎ」・「ハエ」・「ウグイ」・「コイ」・「フナ」くらいでした。

呼び名も書いた通りでした。


その他に唯一知ってるのはゴビウスのページにもありましたが、イシドジョウです。

これは上級生に聞いたかどうかは定かでは有りませんが、だれ言うとなく「シマドジョウ」と呼んでいました

見た通り体に縞がはいっているからだろうと思います。 

夏になるとプールはありませんから川で泳いでいましたが、淵の近くを水中メガネを付けて潜ると良く見かけました。 

場所は木次町温泉の平田地区でした。

当時から、言って見れば汚染のあった川なので、稀少種の魚や水生昆虫はあまり見かけませんでした。 

川釣りのエサとして最高なのは石の下にいる昆虫類ですが、石をはぐると下に溜まった泥が流れて濁るくらいなので、当然昆虫類はほとんどいませんでした。


私の手元に昭和44年刊行の「島根の釣り」と言う本がありますが、著者は仁多町出身で松江で商売で成功され、楽隠居の身になってから釣り三昧の日々を過された方の、釣り場・ポイントの紹介本です。 

出版と言うこともあるでしょうが、一般的に出雲地方で広く通用する魚種名が使われており、ところどころに違う名前の記載もあります。

その中に斐伊川上流部の話しで、「ヒラメ」(ヤマメ)、「コギ」(イワナ)と言う名前がでてきました。 

小学生でも良く知ってる名前でしたが、釣りの難易度は高いので、もっぱら大人の対象魚でした。 

一度だけ釣ったことがありますが、子供にとって両者の区別はあまり出来ないので、ヒラメだ!ヒラメだ!と騒いだことがありました。

ちなみに同書には「ヒラメ」は前述のカンナ流しで絶滅したと書いてあります。

最近の釣り情報などで、斐伊川の上流部で「ヤマメ」などが釣れてるようですが、支流で生き残ってた子孫か放流物の子孫かは不明です。


内藤[木次]

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