さすがだね!ヨッシー君!!

<The last story 2>








君はどうしてそんなことをするのか・・・

何をどうしたいのか分からない・・

しかしさすがはヨッシー・・・

唯では終わらない・・・


どうぞご覧下さい・・・ヨッシーっぷりを・・・















ヨッシーから衝撃的な告白を受けてから数ヶ月経ったある日の夜





俺は仕事を終え、バイクを駐輪場に置き歩いて家に向かっていた。

仕事着などないから俺は汚れてもいい普段着だ。長袖のシャツにぼろぼろになったジーパンと言う格好だった。


辺りは暗かったが、メッキが所々剥がれている水銀灯がぽつんぽつんと建っていて道を照らしている。

人気も音もしない細い道・・・俺は胸ポケットからタバコを取り出し、ジッポライターをズボンのポケットから取り出すとタバコを口に咥え
火をつけようとした時・・・





ピリリリリ




その場に不似合いな携帯の鳴る音がした。

ディスプレイを見ると「ヨッシー」の文字が表示されている。


俺「もしもし。久しぶりだな。どうした?」

ヨッシー「よう!特に何もないんだけどな。今何してた?」

俺「俺は今家に向かって歩いてるところや」

ヨッシー「そうか。仕事終わったのか?」

俺「まぁな。そっちはどうな?」

ヨッシー「ん?相変わらずや」

俺「彼女とも?」

ヨッシー「まぁな〜。ぼちぼちや」

俺「何がぼちぼちだ。アゴで彼女殴ったりしてないか?目に入ったら危ないぞ」

ヨッシー「大丈夫や。カバーつけて当たらないように気をつけてるから!ムフフ!!」

俺「ほう・・・今までのお前なら突っ込み入れてくるところだけど、珍しくノッて来たな。なんかその余裕がむかつくぞ」

ヨッシー「ん?そうか。まぁあんまり気にするな!ムフフ!!」

俺「世も末だな・・・お前になだめられるとはな・・・」

ヨッシー「俺な〜、勝手に思ってたことあったんや」

俺「思ってたことって?」

ヨッシー「多分彼女お前の方が先に出来るんだろうな〜って。俺と違ってな。俺は出来ないって思ってたんだけどな〜」

俺「やかましい」(笑)

ヨッシー「お前彼女おらんのか?」

俺「うるさいわ!」(笑)

ヨッシー「誰か紹介してもらえる人とかおらんのか?もし、良かったら彼女に聞いて見ようか?女友達とか出来たら紹介しようか?」

俺「うるさいなぁ〜・・・お前の紹介って馬連れて来るつもりじゃないだろうな?それこそあれだろ。
どこの馬の骨かわからんもんなんぞいらんってこっちゃ」

ヨッシー「うまいこと言うな〜!ムフフ!」

俺「笑うな!気持ち悪い!それに紹介はコリゴリや。俺のことはどうでもいいねん。お前休みの日とかデートとかしてるんか?」

ヨッシー「う〜ん、時間が不規則やからな。会える時は会ってるけどな」


俺はデートをしているヨッシーの姿を想像して噴出しそうになって慌てて携帯を顔から離した。

一呼吸おいてから喋り始めた。


俺「そか。それは何より。大事にしろよ!今後彼女出来るかどうかも分からないだから」

ヨッシー「まぁな!ムフフ!!」

俺「ムフフじゃないだろ。好い加減その気持ち悪い笑い方止めれないのか?」

ヨッシー「そんなに気持ち悪いか?普通のつもりでいてたけど」

俺「お前なぁ〜、良く考えて見ろ。お前の友達の中にムフフって言って笑う奴がいるか?漫画ぐらいだぞ」

ヨッシー「う〜ん・・・おらんな。けど、ずっとこのままできたからなぁ〜。今更治せれるかなぁ〜?」

俺「そんなの分からん。彼女は気にしてる様子はないのか?」

ヨッシー「うんにゃ、別に。なんも言われないしな〜」

俺「まぁ〜2人がいいなら、俺としては別にいいんだけど。何にしても上手く行ってるみたいだな。安心した」

ヨッシー「まぁな。今のところは順調や。だけどな〜・・・借金したしなぁ〜」

俺「借金?まさかお前競馬に金使い始めたのか?」

ヨッシー「ちゃう、ちゃう」

俺「じゃ・・・お前が馬の代わりに走り始めたのか!」

ヨッシー「なんでやねん!」

俺「しかし、お前そんなに金ないんか?給料とかめちゃ少ないとか?」

ヨッシー「う〜ん・・・給料はそんな変わらんぞ。そっちと同じくらいじゃないかな」

俺「生活は出来てるのか?」

ヨッシー「まぁ〜なんとかな。やってはいけてるわ。かなりきついけどな!ムフフ!」

俺「じゃ、生活費と雑費でほとんど消える状態か?」

ヨッシー「まぁな」

俺「本当にギリギリなんだな」

ヨッシー「そうやな〜・・・どれくらい金ないかと言うと・・・北海道に来てからまず足ないやん?」

俺「そう言われればそうやな。どうしてるんだ?」

ヨッシー「この前までなかったんや。何とか車買わないといけないんだけど・・・勿論中古な。その金ないから俺どうやって買ったと思う?」


俺は思わずを足を止め考えた。

しかし幾ら考えてみたところで全く何も思いつかない。

そこで一所懸命連想してみることにした。




ヨッシー・・・今のいる場所は北海道・・・動物は割合好き・・・馬を育てに行っている・・・馬・・・馬と言えば・・・





(゚0゚;ハッ












俺「分かった!金に困ったお前は馬の肉を売って稼いでるんやろ!!」

ヨッシー「なんでやねん!ムフフ!」

俺「お前は馬が好きだ!そんな馬好きなお前を知っている友達が食事に連れて行ったんや!そして馬刺しを食った!意外とに馬刺しがうまいことこを知ったお前は職場にはいて捨てる程馬がいることを思い出し馬を処分してそれを焼肉屋やスーパー等に卸してるんだ!そしてそれを稼ぎにして車を買った!そうだろ!!なんて奴だ!このろくでなしのくそったれ野郎め!!アゴ長すぎるんじゃ!!!」


ヨッシー「ちょっと待て!そんなことする訳ないだろ!それに最後のアゴ長すぎるって関係ないやろが!ムフフ!!」

俺「まさかお前がそんな奴だとは思ってなかった・・・確かに初めて会った時どうもそのアゴが長すぎるとは思ってはいたが・・・
それにしてもやりすぎだろ・・・」

ヨッシー「あほか!アゴは生まれつき!どうしようもない!大体なんでそんな答え出てくるんだ?馬が好きなのはあってるけど、馬が好きな人間が馬の肉を売ったり、食ったりするか?」

俺「じゃ〜お前牛のこと嫌いでもないのに牛の肉をさばいて売ったり、食ったりしてる人いないって言うのか?鶏が好きな人は卵料理は
食わんのか!!えぇ?言ってみろ!お前だって牛肉食べるだろうが!馬が好きで牛は嫌いなのか?だから食うのか?
あの気持ち悪い髪型はなんとかならんのか!」

ヨッシー「はいはいはいはい、牛肉は食ってるよ!牛は嫌いじゃないけどな!髪型は変えた!心配するな!」

俺「誰が心配するんだ。じゃ、馬じゃなかったら鹿の肉でも売ってるのか?」

ヨッシー「なんで鹿なんだ?」

俺「いや・・・馬と来たら鹿かな〜と思って」

ヨッシー「どうも意味が分からんな〜・・・どういう意味だ?」

俺「うるさい。そんなことはどうでもいい。で、一体どんな肉を売って稼いでるんだ?」

ヨッシー「いや、肉じゃないしな!ムフフ!!」

俺「なんなんだ。勿体つけずに早く言え。ただでさえ忙しいのに・・・」

ヨッシー「家に帰ってから何かするのか?」

俺「飯食って風呂入って寝る!大体今立ち止まって話してるから周りに声響いてるんやぞ!怪しさ全開やないか!」

ヨッシー「そんなん知らん!ムフフ!」

俺「さっさと言うんだ!」

ヨッシー「あのな、俺は車買うのに・・・」

























ヨッシー「プレステ2を売ったんや」

俺「はぁ〜!?プレステってあのゲーム機か?」

ヨッシー「そうや。勿論それだけだったら足りないからソフトも売ったけどな!ムフフ!!」

俺「え・・・ちょっと待てよ・・・たかだかゲーム売った所で大した金にはならんだろう・・・幾らになったんだ?」

ヨッシー「う〜んと・・・確かなんだかんだで合計2万かな」

俺「2万でも上出来な金額だぞ・・・だけど2万だぞ?そこまでしないと買えないってことは生活もかなり緊迫した
状態だったとか?・・・って、ことは他の金になりそうな物も全部売り払って車買ったのか?」

ヨッシー「うんにゃ。そんな事はない。給料と少し残ったボーナスって言うか今の仕事入って間もないから寸志だな・・それとゲーム売った金で買った。他は何も売ってない」

俺「え?あれ?なっ・・・え?何か違わないか?上手く言えないが・・・そんなもんで買えたのか?」

ヨッシー「おう!買えたぞ!ムフフ!」

俺「そ・・・そうなのか・・・ちなみに車はいくらだったんだ?」

ヨッシー「えっと・・・色々込みで12万くらいだったかな・・・中古の軽だけどな。安いだろ?ムフフ!」

俺「いや・・・そりゃ安いのは安いんでいいんだが・・・」

ヨッシー「多分すぐに壊れるだろうけどな。安いだけあって調子悪いぞ〜!ムフフ!!」

俺「お前もっと車選んで買った方が良かったんじゃないか?それじゃ逆に金かかってしまうぞ。勿体無いぞ」

ヨッシー「だろうな」

俺「待て待て。『だろうな』じゃないだろ。どこかから少し借りて多少もちそうな車にすれば良かったのに・・・例えば親とか銀行とか友達とか・・・」

ヨッシー「あ〜、そんなこと考えてなかった。友達から借りようかと思ったけど、友達いないのに気がついてな。ムフフ!!」

俺「噴出しそうになったじゃないか!あはは!しかし、友達いないって・・・」

ヨッシー「ほら、よくよく考えたらお前と師匠とくらいしか遊んでなかったしな」

俺「まぁ〜それを言われれば俺も似たようなもんだが・・・専門学校行ってた時やバイトしてた時には友達出来なかったのか?
お前なら出来そうだけどな〜」

ヨッシー「う〜ん・・・そりゃ良く話してた奴とかはいたけど、携帯の番号教えてもかかってくることもなかったしな!」

俺「そ・・・そか・・・やっぱお前のアゴのせいだろうな・・・後は髪型か・・・それに笑い方と・・・眼鏡もおかしいよな・・・性格も悪いし・・・何食って生きてるか分からないし・・・目も細くてどこに付いてるか分からん・・・無精髭も見苦しい・・・靴は穴開いたままに口も開いたまま・・・迷彩バンダナにジャックナイフ・・・それに大量のエロビデと本を所持していてアニメオタク・・・予測不能な行動と言動・・・他には・・・」

ヨッシー「めちゃくちゃやな〜!ムフフ!」

俺「じゃ〜間違ってるもの省いてみ」

ヨッシー「いや、省けないけどな!」

俺「だろうが!しかし金ないのは分かった。一体なんの借金したのか言ってみろ」

ヨッシー「おぉ!そう言えば言ってなかったな!ムフフ!!俺が買ったのはな・・・」































次の瞬間ヨッシーワールドが俺を包み込む!!




























ヨッシー「布団や」

















はぁ〜〜???????


















俺「え?」











ヨッシー「だからな、布団。」

俺「え?布団?布団って布団だよな?」

ヨッシー「ムフフ!他になんかあるか?」

俺「ん?え?布団・・・布団を買ったのか?」

ヨッシー「だから布団を買ったんだって」

俺「じゃ・・・お前・・・布団のために借金したのか?」

ヨッシー「うん」

俺「うん・・・て、お前・・・」


























やばい!こいつ以前にも増して訳わからんぞ!!











俺は必死に考えた

何故だ・・・なんでこいつは借金して布団を買ったんだ・・・









いかん!全く分からん!!



意味もなく脈拍が早くなり、何故かうろたえた



頭の中には布団の文字しか浮かんでこない・・・


どうやって会話をつなげたらいいのかも分からずに数秒沈黙の間が
続いた



ヨッシー「ん?どうした?静かになって」

俺「あ・・・いや、すまん・・・理由をな・・・考えてたんだ・・・あ!!そうか!分かったぞ!!」

ヨッシー「そんな必死に考えなくても!ムフフ!!なんや?」

俺「あれか?彼女と同棲でもするのか?そのために新しく布団を
買ったとか?」

ヨッシー「うんにゃ、同棲しないぞ。予定もない」

俺「違うのか・・・ちなみにベッド?それとも畳とかに敷いて寝る
敷布団か?」

ヨッシー「敷布団や。ベッド置けるほど部屋広くないしな」

俺「じゃ〜、あれか?今までの布団が小さくて窮屈になったから大きな
布団にしたとか?」

ヨッシー「うんにゃ、大きさは変わらん!ムフフ!」

俺「か・・・変わらないのか・・・あかん!分からんぞ!元々大きい布団
だったのか?ダブルサイズとか?」

ヨッシー「うんにゃ、シングルや!ムフフ!」

俺「シングルの布団のために借金って・・・いくらだったんだその
布団・・・」

ヨッシー「布団の値段か?えっとね〜・・・」






















俺を包むヨッシーワールドは収縮してその力が一気に解き放たれる!!

























ヨッシー「120万ほどや」
























俺「ひゃ・・・120万!!!!!」










ヨッシー「そうや!ムフフ!!」


俺「なんでそんな布団を買ったんだ!」





























ヨッシー「なんとなく!」

























Σ<(゚ロ゚;)>!!!!!!


















ぶ・・・




























ぶわははははははは!!!
(o_ _)ノ彡☆ギャノヽノヽノヽノヽ!! ノヾンノヾン!






























今ここに馬鹿の神が降臨ッ!!




























車を買うのにプレステを売るような奴が借金して布団を買うとは!

しかも買った理由がまさかの気分次第!!

「なんとなく!」って!!

























じゃ〜何で車の時は借金しないんだ!!





















すげぇ〜〜!すげぇ〜よ!!


何かめちゃくちゃだよ!!


理屈なんて無視だよ!!!















ヨッシーワールドすっかり魅了された俺にトドメを刺すようにヨッシーが
俺に言い放つ!




























ヨッシー「ムフフ!!凄いぞ!!値段の割りに布団硬いしな!
寝心地悪いぞぉ〜!
ムフフフフフ!!!」






































最早彼に敵なしッ!!!




























俺「あははは!腹痛い!!やめろ!!意味分からん!アハハ!!」

ヨッシー「お前そんな布団に4年ローン組んでるやぞ!凄いやろ!ムフフ!!」

俺「ぶはははは!ひぃ〜!腹痛い!!!涙出る!!」

ヨッシー「笑い事じゃないんやけどな!ムフフ!」

俺「お・・お前アホやろ!普通はさ、家のローンとか車のローンとかやろ・・・ふ・・・布団って!あはは!お前布団のために
4年費やして働くのか!あはは!!!」


ヨッシー「ムフフ!そうや!凄いだろ!」

俺「あ・・・あかん・・・わ、笑いすぎて苦しい!!」

ヨッシー「だから笑い事やないって!生活厳しいんだから!ムフフ!」

俺「アハハ!自業自得ってやつや!!大体布団にこだわってる人ならともかくお前布団にこだわりとかあったか?」

ヨッシー「全くないぞ!前アパート暮らししてた時の布団知ってるやろ!ムフフ!!」

俺「しっかし高いなぁ〜!!何がウリの布団なんだ?」

ヨッシー「高級羽毛とかなんとか言ってたかな〜・・・硬いし普通に寒いし前の布団と何が違うのかイマイチ分からんぞ!
ムフフ!!」

俺「北海道まで行って何してんだ!!あはは!!!お前マジで一度こっちに帰って来い!説教したる!アハハ!」

ヨッシー「もうね、毎月厳しいからジュース買うのでも悩む!ムフフ!!」

俺「あはは!やめろって!笑い死ぬ!!はぁ〜、はぁ〜・・・ふぅ〜・・・やっと収まってきた・・・あ〜しんどかった!」

ヨッシー「まぁ〜説教はされたくないけど、一度地元には帰るつもりや。今度冬かな〜・・・クリスマスくらいになるかならないかだな」

俺「マジか!!ついでに彼女も連れてくるか?」

ヨッシー「おう!そのつもりや!」

俺「おお!!!そいつは楽しみだ!待ってるからまた連絡くれ!」

ヨッシー「分かった!また連絡する!!」

俺「しかし安心した!お前はどこにいてもヨッシーや!!変わってないのが嬉しい!」

ヨッシー「なにがだ!ムフフ!!まぁ〜一生変わらんと思うぞ!ムフフ!!」

俺「そうでなくちゃな!じゃ、またな!良い話聞かせてもらったよ!ありがとう!元気に帰って来いよ!!」

ヨッシー「おう!じゃな!!」






ピッ




携帯を切った俺は我に返り周りを見渡す。

相変わらず周りは暗く静かだった。

笑いすぎたせいか体が熱い。

喉も渇いた。

時計を見ると意外と時間が経っていた。



20分くらい経ってるかな・・・





さぁ〜、次会うのがとても楽しみだ!





そう思いながら静かな帰り道を何事もなかったように歩き始めた俺だった・・・