危険だ!ヨッシー君!!(後編)








俺はこみ上げる不安からヨッシーに向かって言った。


俺「慎重にな・・・何だか変な予感がするから・・・」

ヨッシー「おう!」


ヨッシーは短く答えるとアクセルペダルを踏んだ

俺は真剣に考えた・・・

何がひっかかるんだろう・・・

分かりそうで分からない・・・

歯がゆい思いをしながら外を見ていると車体が少しづつ左に寄っていくのが分かった。


俺「おい・・・左に寄ってるぞ。なんでだ?」

ヨッシー「ん?本当か?おかしいな〜・・・真っ直ぐ走ってると思ってたのに・・・」

俺「まぁ、慣れないうちはそんなものかも知れないが・・・それにしてもちょっと寄りすぎだぞ。」

ヨッシー「また危ない時教えてくれ!ムフフ!」


また不安になる・・・


俺「師匠寝てないだろうな?」

師匠「起きとる。なんや?」

俺「時間いい加減遅くなり始めてるがこれからどうするんだ?」

師匠「疲れたから帰って寝る!」

俺「そか・・・そうだな・・・俺も疲れた・・・」

師匠「もうでもこんな所か・・・後少しで大きい道の交差点が見えてくるやろ。そこを左に曲がったら家までそんなにかからんな。」

ヨッシー「この先?大きい道なんてあったっけ?」

師匠「あるよ。片側2車線の道路や。ほら○○方面に向かう道や。」

ヨッシー「あ〜・・・あったな〜。」

俺「無事帰れることを願う。」

ヨッシー「大丈夫だよ!もうここまで来れば安心やろ!」


そんな話をしながら数十分走ってると交差点の信号で止まる。


ヨッシー「赤よな?」

俺「赤だろ。」

師匠「お前、あれが紫にでも見えるのか?」

ヨッシー「う〜ん、疲れてるからかな〜・・・はっきり見えない・・・」

俺「おいおい!いくらはっきり見えないとしても色は分かるだろう(笑)」

ヨッシー「色が混じって見にくいねん!ムフフ!ここを左でいいのか?」

師匠「おう。そうや。」

ヨッシー「ほい」

そこで信号が青になる・・・ヨッシーはゆっくり前に車を進めハンドルを切り始めた・・・








しかし・・・


俺「おいおいおいおい!お前なんで右にハンドルを切ってるんだ?」

ヨッシー「え?こっちやろ?」


交差点中央のちょい手前くらいの所で車を止めた。


俺「おい!こんなところで止めるな。左だよ!左!」

ヨッシー「じゃ、合ってるやん。こっちやろ?」

俺「違う!そっちは右だ!しっかりしろ!」

ヨッシー「反対?」

師匠「あはは!お前右も左も分からないのか!」

俺「いいから早く左に行け!後ろからどんどん車来るだろ!」

ヨッシー「おう!こっちやな?一度バックしないと・・・」

俺「師匠後ろ見てやってくれ!」

師匠「怖いな・・・おう!今丁度車来る気配がない!行けるぞ!」

ヨッシー「OK!」


そう言ってシフトをバックにいれる。


ブォォォォォ―――ン!!



俺「ぶッ!!」
師匠「おお!!」


勢い良くバックした為に俺はダッシュボードに・・・師匠は前のシートに手をついて頭をぶつけるのを防いだ!


俺「危ないッ!」
師匠「危ない!!」


二人は思わず声が出た。

ヨッシーは「ムフフ!!」と笑い気にもせず今度は前に進め始めた。


そして・・・今度は左に・・・




























<大きな弧を描きながら>曲がって行くッ!!!














(ノ゚听)ノ!!


















俺「待て待て待て待て待て!もっと左左左左!!
反対車線に入ってしまう!!!!」



ヨッシー「え?この車線でいいんちゃうんか?」


俺「あ〜〜〜!!!!おい!おもっきり反対車線に入ってしまったぞ!今走ってるのは反対車線真っ只中や!」


師匠「デンジャラス!!!」


ヨッシー「もっと左だったのか!良し!ここから左に寄れるか?」


俺「アホか!中央には植え込みがあるから今無理や!車の流れがない今の内に植え込みの切れ目から左にはいれ!とりあえずそれまで
スピード上げろ!」


ヨッシー「おう!」


俺「おい!まずい!!車来た!!ライトがまぶしい!」


ヨッシー「うわ〜!!!」














o(>_<)o ☆















ブォン!!!



















ぶつかると思った時車が右を通り過ぎた!!

前から向かって来る車は気づいたのか車線変更してくれたのだ・・・
















ヾ(;´▽`A``アセアセ



















俺「助かった・・・そこだ!そこで植え込みが一度切れてるだろ!急げ!曲がるんや!」

ヨッシー「おう!」

師匠「スリル満点!!!」


俺「そんな事言ってる場合じゃない!」



少しもたついたが何とか曲がって車の流れに乗れた・・・


俺「ふぅ〜・・・何とか生きてるな・・・」(-_-;)

師匠「逝くかと思ったぞ!」

ヨッシー「う〜ん・・・危なかった・・・」

俺「お前これ片側1車線の道路なら間違いなく逝ってたぞ!」

ヨッシー「焦ったよ!ムフフフフ!」

俺「お前しかし酷過ぎるぞ!そこまで見えないものなのか?」

師匠「そんな役に立たん目はとっちまえ!!」

俺「おい!また車ふらついてる!」


あまりに危ないので俺が右手を伸ばしハンドルを少し操作して車体のバランスを取る


ヨッシー「う〜ん・・・見えないんよな〜・・・OK。すまん。ハンドル放してくれていいぞ。今何とか見えるから。」

俺「おう・・・放したぞ。大丈夫か?お前良く今まで運転・・・あれ?・・・おまえ・・・」




俺はそこまで言って言うのを止めた・・・


何かが頭によぎったからだ・・


俺が最初から感じてたひっかかってることが分かりそうなのだ・・・





ハッ(゚ロ゚〃)







閃いた瞬間恐怖が俺を包み込む!!!


























俺「お前目が凄く悪いよな?」(-o-;


ヨッシー「おう!かなり視力悪いぞ!」



俺「だったらお前・・・」






















俺「あのダサい眼鏡をどうしてかけてないんだ?」



















ヨッシー「あの黒の眼鏡か?眼鏡は家にあるから!ムフフフ!!」



















俺「家にあるからじゃない!!!」( -_-)ノビシ*)゚O゚)イタッ!























俺「しかしやっと分かったぞ!それが危ない運転の全ての原因だッ!
お前そんな状態で今まで運転してたのか!怖すぎるぞ!」

師匠「お〜!!お前眼鏡かけてないのか!!俺もなんかひっかかってたんだが・・・マジか!!怖ッ!!」


俺「師匠も気づいてなかったのか!」


師匠「うん。なんかおかしいとは思ってたけど・・考えても分からんから止めた。分かってたらさすがに運転はさせんぞ!」


ヨッシー「なんだ。2人とも気づいてなかったのか!俺はてっきり
気づいてると思ったぞ!ムフフ!!」

俺「ムフフじゃない!なんで眼鏡を持って来ない!!」

ヨッシー「家ではかけてたよ。所がな・・・出かける前に財布がないのに
気づいてな。探してたんや。」


俺「ほぅ・・・それで?」


ヨッシー「ところがな・・・中々見つからんから・・・」


俺「うんうん・・・」

























ヨッシー「眼鏡を<外して>探して見たんや!」





















俺「待てぇぇいぃ!!!」(-""-;)




























ヨッシー「どうした?ムフフ!」


俺「どうした?じゃない!お前眼鏡外したら余計見えにくくて見つけにくくなるんじゃないのか?それともそのアゴで探してるのか?」


ヨッシー「アゴで探す訳ないやろ!ムフフ!眼鏡外したらもちろん見えにくいよ!」


師匠「ぶっ!!お前してること良く
分からんぞ!」(^-^;


ヨッシー「いやな・・・眼鏡してると眼鏡の縁が邪魔やねん。うっとうしいから外して探したんや。」


俺「邪魔って・・そ・・・それで財布
見つけたのか?」


ヨッシー「おう!見つけたよ!ムフフ!外して
正解やった!」


俺「眼鏡かけて良く見える状態で見つけられなくて、外して見えにくくなってるのに見つけられたのか・・・意味が分からん・・・で?なんでそこから眼鏡を着けなおさない?」

























ヨッシー「うん、財布捜すのに夢中で眼鏡どこに置いたか分からんようになった!」














師匠:(≧∇≦)ブハハハ!














俺「つかぬことを聞くが・・・免許証は財布に
あったのか?」

ヨッシー「いや、それは別にして持ってるからいいんやけど、やっぱり金持っておこうかと
思ってな!ムフフ!」

俺「お前普段俺のおごりで遊んでるのに・・・それに財布に金はいってるのか?」

















ヨッシー「いや、何も入ってない!」






















お前は宇宙に行って永遠に彷徨って
来いッ!!!

ピシッ! (*ー"ー)ノ☆)゚ロ゚)ノ グハッ!!


















師匠「ぶはははははは!!!!腹痛いッ!!」

俺「笑いことじゃない!その精で死に
掛けたんだぞ!」


師匠「じゃ、何か?金も免許証も入ってない要らない財布を捜す為に必要な眼鏡を外して無くしたのか?コントやないか!あははは!」


ヨッシー「そうなんよ!ムフフフ!!」



俺「なんか凄く疲れた・・・もういい・・」


そこから家に着くまで俺も師匠も疲れた精か
黙り続けた・・・










そしてそれ以来・・・
















俺も師匠もヨッシーが運転する車に乗る回数が極端に少なくなった・・・














貴方にヨッシーが理解出来ますか?