J.J VS ヨッシー君!!
〜高校時代〜
キーンコーンカーンコーン・・・
昼休憩・・・
俺は弁当を食べて一人校庭にいた。
校庭には小さな花壇がある。
俺はそこで休憩時間を潰していた。
そこに居れば見知った友人が通りかかる・・・
通りかかった友人に話掛けていつも花壇で話をして昼休憩を過ごす・・・
誰か来ないかな・・・
俺は周りを見渡した。
あ!1人居た!!
その友人も俺を見つけたらしく、俺を見ながら軽く右手を上げ俺の方に向かって来る。
ヨッシー君だった。
頭髪はスポーツ刈りで、時代遅れの太い黒縁メガネ・・・目は細い・・・
そして・・・これだけは言っておかなくてはいけない・・・
なんと言う事だろう!アゴが長い!!!
富士山の様に気高く、雄雄しい姿のアゴ・・・
そう無精髭(ぶしょうひげ)がある威厳を誇るアゴ・・・
学校ではモアイ像の様に有名なアゴ・・・
素晴らしい鋭角のアゴ・・・
まるで芸人の「アゴい○む」の様に・・・
え?知らない?じゃ、メジャーな所で「アン○ニオ○木」で・・・
勘違いをされてはいけないから言っておくと、アゴが長い事をバカにしている訳では決してない!!
彼の「特徴」を解り易く伝える為に「敢えて」言ってるのである・・・
ご了承下さい!m( _ _ )mペコリッ!
そんなヨッシー君が俺の横に座り、笑顔で俺に話掛ける・・・
ヨッシー「アゴ掴むなよ。」
俺「俺は掴んだ事ないやろ。」
ヨッシー「まぁな。」
俺「その代わり・・・」
俺はヨッシーに向かい両手を静かに合わせ一礼した。
ヨッシー「拝むな!!!」
俺「冗談や。軽い挨拶だと思ってくれていいよ。」
ヨッシー「思うかっ!所でJ.J一人か?」
俺「見ての通りや。」
ヨッシー「そうか。最近何か面白い事あったか?」
俺「今以外特にないな。そう言うお前は最近元気が無いように見えるが・・・何かあったのか?」
ヨッシー「さすがにJ.Jには隠せないか。」
俺「何があった?」
ヨッシー「いや、大した事じゃないんだけど・・・」
俺「はっはぁ〜ん・・・さては好きな人でも出来たかっ!!」
ヨッシー「その逆や・・・」
俺「・・・それはひょっとして・・・別れた・・・と言うやつか?」
ヨッシー「そんな所やな。」
俺「ショックや・・・」
ヨッシー「何でお前がショックを受ける?」
俺「深い意味はない。気にするな。そんな事より、お前が彼女居たなんて聞いてないぞ。」
ヨッシー「誰にも言ってないからな。」
俺「何で言わない?」
ヨッシー「皆に色々聞かれるのも嫌だし、言ったら笑うからやろ!!」
俺「そんな事ないやろ〜!俺は笑わない!」
ヨッシー「お前はな・・・笑わないかも知れない。だから今話してるんや。」
俺「成る程・・・良く解った。で、なんで別れた?」
ヨッシー「彼女に好きな男が出来たらしい・・・」
俺「良く聞く話やな・・・お前かなりヘコんでるんか?」
ヨッシー「まぁな。最近休みがちなのもその精や。」
俺「そうか・・・俺はお前の恋愛の事は知らないが、お前は一途な方か?」
ヨッシー「自分で言うのもなんだけど・・・彼女には言われたな・・・」
俺「そうか・・・それは辛いな・・・どれ位付き合った?」
ヨッシー「う〜ん・・・1年かな・・・」
俺「そっか・・・そんな前からか・・・」
ヨッシー「うん・・・俺、結構引きずるからな・・・」
俺「そんなに思いつめたらしんどいやろ・・・今まで付き合った人と別れた時もそんな感じなんか?」
ヨッシー「今の・・・別れた彼女で2人目や・・・前もキツかったな・・・」
俺「今まで付き合って来た人は2人か・・・尚更やな・・・」
ヨッシー「まぁな・・・付き合った人は少ないけど、フラれた事は多いぞ。」
俺「そうなんか。何て言ってフラれるんな?」
ヨッシー「言わん!」
俺「何で?お前その話の振り方は聞いて下さいと言ってるようなもんやぞ。言ってみな。」
ヨッシー「お前絶対笑うし言いたくないんや!」
俺「俺は無駄に時間を過ごしたくない。早く言え!笑わないから!」
ヨッシー「笑わなくても言いたくないんだって!」
俺「お前な・・・『友達』だろ?今まで俺は嘘や真剣話を誰かに言ったり、笑い飛ばしたりした事ないだろ?信じろ!!絶対笑ったりしないから!!」
視線を俺から外しヨッシーは考え込んでいた。
しばらくしてヨッシーは視線を俺に戻す・・・
2人は数秒間見つめ合う・・・
気持ち悪い・・・
黙っていたヨッシーだがようやく重い口を開いた。
ヨッシー「解った。じゃ、言うわ。た・だ・し!笑うなよ!」
俺「解った・・・」
ヨッシー「じゃ、賭けや!笑ったらジュースおごれよ!」
俺「その賭けに乗った。分かった。ちょっと待て。」
俺はそう言って心構えをした。
そこまで理由を言うのを拒むのだ・・・
きっと「私には好きな人がいます」とか「付き合ってます」では無くて、「あなたとは付き合いたくない」クラスの発言だろう・・・
俺は色々想像し一息ついた・・・
ヨッシーの発言に備える・・・
俺「良し。さぁ、言ってみろ。」
ヨッシー「小学生から中学生迄のを言っていくと、告白すると取り敢えず『あなたとなんて付き合いたくない!』なんてのは当たり前・・・」
俺「・・・」
心の声 (え?それは当たり前なのか?)
ヨッシー「1人目は〜・・」
女その1「気持ちわるぅ〜〜い!!!何言ってんの?このブサイク!!!」
俺「・・・」
俺の唇が歪んだ・・・
女その2「鏡見たことあるの??良くそんな事言えるね!!人に聞かれたら恥ずかしいから止めて!!!」
俺「・・・・・・」
俺はヨッシーから顔を背ける・・・
女その3「最悪ぅ〜〜〜!!半径5m以内に近寄らないで!!!」
俺「・・・・・・・・」
俺は口に手を当てた・・・
女その4「イヤァ〜〜!!同じ空気吸ってるのも嫌なのに何故私にそんな事言うの??嫌がらせしないでよ!!!」
俺「うぅ・・・」
抑えきれず口から声が漏れ、体が震えた・・・
もう止めてくれ!俺が壊れるっ!!!
女その5「信じられない!!あっち行ってよっ!!!私の前から消えてッ!!!!!」
俺「ブゥワアハハハハハハハハハ!!!!!!!」
俺は崩れ落ちた!!!
俺「アハハハハハ!!イヒヒヒヒヒ!!!」
ヒィ〜〜〜、ヒィ〜〜〜〜〜!!!苦しいよぅ〜〜〜!!(T_T)
て、言うかお前それだけフラれて何回告白してるんだッ!!!
スゲェ〜〜、スゲェ〜〜〜よ!!
し、知らない!!俺は現実にそんな言い方でフラれる奴がいるなんて知らないぞっ!!!
めちゃくちゃだ!!!酷いなんてもんじゃない!!!度を越している!!!!!
だからこそそれでフラれたヨッシーを想像すると笑えてしまう!!!
すみません!!!ごめんなさい!!!ヨッシー君!!!!!俺が悪かった!!!!!
今なら俺は姿三○朗に「地獄車」や「山嵐」の技をかけられても笑える自信があります!!!!!
俺は笑いながら何とか喋る。
俺「す、すまん・・・アハハハ!!・・・わ、笑うつもりは・・・ワハハハハハ!!・・・ち、違うんや・・・プッ!!・・・まさかそんな漫画見たいな事言われてるとは思わなくて・・・
アハハハハハハ!!!」
ヨッシー「お前それを現実に言われたんやぞ。」
俺「ほ、本当に言われたんか・・・アハハハハ!!」
ヨッシー「本当や。その言葉聴いた時は俺もびっくりしたぞ。」
俺「アハハハハハ!!真剣に言われてるから余計笑えてしまった・・・す、すまん・・・笑うつもりは決し・・・アハハハ!!」
俺がずっと笑い転げているのを見てヨッシー君が言った・・・
ヨッシー「まだあるんやけどな・・・」
俺はようやく自分を取り戻してヨッシーに言った。
俺「いや、もう結構!まずは笑ってすまなかった!真剣に話してくれたのに・・・悪かったな。初めて嘘ついてしまったよ!」
ヨッシー「別に構わないけど。」
俺「それに誰にも言いたくない理由も納得した!そいつは俺も誰にも言えない。理解した!」
ヨッシー「そうやろ。だから言ったのに。」
俺「想像以上やった。まさかそんな事言われたなんて思わないぞ、普通。」
ヨッシー「俺もそんな事言われるなんて思わなかったぞ。」
俺「しかし酷い言われようやな。酷すぎるぞ、それは。もう少し優しく言えそうなもんやのに・・・」
ヨッシー「酷いやろ?余程嫌だったんやろな。もういいけど。」
俺「しかし物の見事やな!お前は幾ら別れても死ぬ事はないやろ!安心した!俺ならそんなフラれたらヤバイかも知れん!
恋愛の1つや2つ失敗してもその経験があれば大丈夫やろ?お前は立派や!!感心する!!お前は文句なしに打たれ強い!!」
ヨッシー「まぁな・・・慣れたしな・・・所でお前笑ったよな?約束や。ジュースおごれよ。」
俺「あぁ、もちろん!!貴重な話を聴かせてもらった!ジュース1杯でいいのか?2杯でも3杯でもおごるぞっ!!さぁ!!行こう!!」
ヨッシー「それは良かった!じゃ、早速行こう!!」
俺は賭けに負けたが清々しい気分だった!!
何故か気分が晴れやかだ!!
俺とヨッシーは笑いながら楽しく学食の横にある自販機に向かって歩いて行った・・・
----------皆さんは笑わずに耐えれましたか?-----------