男の勲章だ!!ヨッシー君!!!










あぁ・・・ヨッシー・・・


凄いぞヨッシー・・・


皆から愛されるヨッシー・・・



君の過去は素晴らしい・・・


その光輝く伝説をご覧ください・・・














高校2年の冬のある日・・・


2時間目の授業が終わり、3時間目の特別科目の授業を受ける為、俺は早い目に特別科目を受ける教室に向かった。


今日はちょっと寒いな・・・等と思いつつ人気のない教室に辿り着いた俺は適当な場所の席に着いた。


教室内は殺風景で、あるのは20席程度の机や椅子に黒板・・・

横に5列、縦に4列並んでいる。

それが黒板にかなり詰めておかれていた。

そして、席の後ろ側にストーブが置いてあった。

古いタイプのストーブである。

円筒形の石油ストーブ・・・


その上にはやかんが置かれていた。


しかし、学校は山間にある上に教室内は普通の教室よりも若干広い為あまりストーブの効果はない。



しばらくすると話し声が聞こえ始めた。

皆が集まってきたのだ。


ガラガラガラ!(効果音)


勢い良くドアが開く。


「お〜!!寒い!!」
「冷えてるなぁ〜!」
「帰ろうぜ!!寒い!!」


一斉に皆がぼやく・・・

ダラダラと皆席に着いたが一部の生徒はストーブに集まり手をかざしていた。

すると・・・

何故かストーブに置かれたやかんが邪魔だと床に置いた。


なんだかんだと騒がしくしている所に・・・



ガラガラガラ・・・



皆より遅れてヨッシーが教室に入ってきた・・・



相変わらずのヨレヨレのくたびれたシャツ・・・

中途半端な違反ズボン・・・

そして、いつまでも変わらないであろう威厳のあるアゴ・・・

逞しい無精髭・・・


黒縁メガネの汚れを拭うでもなく、自然に着けこなすそのセンスと根性・・・



そんなヨッシーが紙袋を持って数人の生徒にある物を渡していた。


それは「パン」・・・


恐らく「買い物」を頼まれてたのだろう・・・

それで少し遅れたのは明白だ。


パンを渡し終えたヨッシーは後ろの空席に着いたのだが・・・


生徒A「おう!ヨッシーありがとうな!!お返しに良いものあげるわ!!」

ヨッシー「いいよ。いらないから。」

A「そんな事言うなよ!まぁこっちに来い!」


ヨッシーは諦めたのか同じ後ろの列のA君の席に近寄った。


俺はそこで腕時計を見た。

もう授業が始まる。

そこで俺の視線は黒板にそれたのだが、その瞬間!!


















ドタン!!(効果音)





ヨッシー「うわぁ!!!!!」











A「いったぁ〜〜〜〜〜!!」


















けたたましい音と大きな声がしたので、俺は後ろを振り返って見ると・・・



アゴを押さえて立っているヨッシーと腕を押さえたA君の姿が目に入った。


A君が座っていたであろう椅子と机・・・

隣の席の椅子まで倒れていた・・・



何があったのか俺は解らなかった・・・


そこに・・・



ガラガラガラ・・・



先生が入ってきた。


そして、二人の姿を見るなり・・・


先生「何をしてるんな!早く座れ!授業始めるぞ!」


それを聞いたAは大人しく座ったのだが、ヨッシーはアゴに手を添えたまま先生に向かって言った。


ヨッシー「すみません!保健室に行っていいですか?」

先生「どうした?具合でも悪いのか?」

ヨッシー「いえ、そうじゃないんですけど・・・」

先生「どうした?アゴ押さえて・・・打ったのか?」

ヨッシー「大丈夫です。すぐに戻って来るんで・・・」

先生「解った。仕方ないな。早く戻って来いよ。」

ヨッシー「はい。」



そう言うとヨッシーは教室を出た。

何があったのか気にはなったが、授業が始まったので俺は集中することにした。





10分後・・・





ガラガラガラ・・・



ドアを開ける音がしたので皆が振り返った。


ヨッシーが戻って来た。


出て行った時と違うのはアゴに絆創膏が貼られてるくらいだ。



先生「大丈夫か?」

ヨッシー「はい。大丈夫です。」



話はそれきりで後は普段通りに授業が進んだ・・・






そして、昼休憩・・・






♪キーンコーンカーンコーン・・・




俺は昼食を終え廊下に居た。


そこに現れたのは・・・



全く爽やかさの欠片もないいやらしい笑顔・・・


所々黒ずんでいるブレザー・・・

白いシャツは長く使っているせいで汗でくすみ・・・

靴は穴が開いて、雨の日は間違いなく靴下まで濡れる・・・


そして、威厳のある顎には無精髭がある・・・





そう・・・ヨッシーが俺に近づいて来た・・・




ヨッシー「よぅ。相変わらず食べるの早いな!ムフフ!!」



不気味だ・・・




俺「アゴっす!お前の笑顔見ると美味しかった昼食が今頃不味くなるわ。」

ヨッシー「アゴっすってなんや!それに飯は不味くならんよ!ムフフ!」

俺「それよりその笑い方何とかならんのか?」

ヨッシー「何ともならんの知ってるやろ!」

俺「まぁな。」

ヨッシー「何とかしてくれよ。」

俺「そうやな・・・そんな相談されたこともないけど、とりあえずそのアゴ外したら変わるんちゃうか?」

ヨッシー「取り外し出来るか!!ムフフ!!」

俺「そんなしょうもない話は措いといて、そのアゴどうした?」

ヨッシー「いいやん。何もないよ!」

俺「あの時えらい音したけど・・・」

ヨッシー「何もないって!!」

俺「何もないことないやろぉ〜。一番目立つそのアゴに傷絆貼ってるんやぞ?国の宝やのに放って措けるか?」

ヨッシー「何で国の宝やねん!!」

俺「殿下宝刀じゃないのか?」

ヨッシー「何やそれは?」

俺「解らんならいいよ。それより何があったのか聞いてるんやけど・・・」

ヨッシー「え〜!言うんか?」

俺「さっきから聞いてるやろ。俺にも言えやんのか?」

ヨッシー「でもなぁ〜・・・あんまり見せたくないしな・・・」


何やら迷ってる。

考えてる風に見えるが何故か間が抜けてる様にも見えるのは、ヨッシーならではだろう。


俺「考えなくてもいいよ。何を勿体つけてる。まずは話をしろ。前に進まないから。」

ヨッシー「でもな・・・言いたくないねん・・・これは知られたら生きてられない位やもん・・・」

俺「心配するな!どんな話でもお前には過去凄い経験を積んで来て今まで生きて来てるやないか!」

ヨッシー「全然嬉しくないけどな・・・本当に言うのか?誰にも言うなよ・・・」

俺「俺は絶対誰にも言わない!知ってるだろ!」

ヨッシー「解ったよ・・・実はな・・・あの時A君に呼ばれたやろ?」

俺「あぁ・・・呼ばれたな。その後凄い音がしたけど・・・」




















ヨッシー「あの時A君にパン渡してお礼にいいものあげるって言われたんやけどな・・・」


俺「そんなこと言ってたな。」


ヨッシー「お礼貰ったからもみ合って倒れたんや。」


俺「まぁ、何となく想像は出来たけど・・・倒れて何でアゴに傷が出来る?」



ヨッシー「A君のそばに何があったか知ってるか?」


俺「何があったか?・・・いや、知らん。何があった?」


ヨッシー「ストーブや。」


俺「おぉ!そう言えばあったな!!それがどうした?」


ヨッシー「そこにお礼があってな。」


俺「え??ストーブの上?何があるんな?何か焼いてたのか?」


ヨッシー「そうやねん・・・それがこの傷や。」


俺「ちょっと待て・・・そのストーブで焼いてた物が原因ってことは・・・火傷か?それは?」


ヨッシー「そうやねん!ムフフフ!そう言うことでこの話は終わりや。これで事情は解ったやろ。」


俺「はぁ??それで終りの訳がないやろ。何の火傷や?」


ヨッシー「もういいやろ!これで全部や!」


俺「これの何処が恥ずかしいことやねん!その火傷見せてみろ!それかせめて何で火傷したかどっちか教えろ!!」



ヨッシー「無理!!火傷の後見たら何で火傷したか解るから!」



俺「解らんって!!そんな酷い火傷じゃないんやろ!腫れてるくらいやろ!見せろ!」


ヨッシー「嫌やぁ〜!!止めろ!見るな!!」



俺「見せてみろって!!」









( ; ̄) =3 はぁ・・・はぁ・・・





しばらくもみ合ってたがお互い疲れて一息つく・・・






俺「観念しろ。もういいやろ。見せてみろって。」


ヨッシー「誰も居なかったら見せるけど。」



俺「今誰も居てない!チャンスやって!見せてくれ!」



ヨッシー「解ったよ・・・言うなよ・・・」



ようやくヨッシーは観念した・・・



ヨッシーは絆創膏をゆっくりと剥がす・・・






。('-'。)(。'-')。ワクワク







しかし、それを見た時、俺は超ド級の壊滅的なダメージを受けるッ!!





























ヨッシーのアゴに負った火傷の正体は・・・



















































五円玉!!!!!!

















五円玉???????













ブワァハハハハハ!!△?!■%○¥
































は、腹が痛いッ!!!!!
(o_ _)ノ彡☆バンバン ギャハハハ
















皆さんこの人アゴに値段ついてますぅ〜!!!
















ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆ヾ(≧∇≦ )ブハハハ!ヾ(≧∇≦)ノブハハハ!( ≧∇≦)ノブハハハ!



























ひ、ヒィ〜・・・ヒィ〜!!

〜(T▽T〜)(〜T▽T)〜


























苦しいよ!!何とかして!!ママン!!

(T_T)





















その大きな存在のアゴ・・・




















そのアゴの左側には五円の刻印が見事に入ってる!!
























そしてヨッシーのアゴの値段がなんとたったの「五円」なんですッ!!

























猛烈に凄いよぉ〜!!

ピョハハ!(≧Θ≦ )人( ≧Θ≦)ピョハハ!




















これがまた刻印の精度が凄い!!

はっきり「五円」の文字が写ってる!!























しかも「稲穂」の絵も解るなんてぇッ!!


ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆























壊れる!!やばい!!!死ぬぅ〜!!!!
(T0T)



















見たことないです!僕!!!

アゴに五円の刻印があるなんて!!

























ある意味反則だ!!しかも・・・





























何で五円玉何だ!!!


ギャハハハハハハ!!!


















パターン1

実は俺昔・・・五円玉の火傷がアゴにあったんだ・・・
























パターン2

そのアゴにあるアザは何?


これかい?この火傷は五円玉で出来たんだ・・・






























どうやっても会話が壊れてる!!



















五円玉の火傷って何ですか?それ?






















ぎゃはははは!!!!!!
























はらわたが違う意味で煮えくり返ってます!!
(T_T)









俺は笑いすぎてのた打ち回ってると・・・



ヨッシー「俺保健室に行ってこの火傷見せたら先生なんて言ったと思う?」





俺「しゃ、・・・あはは!!喋れ・・・あははは!!喋れやん!苦しい!!」






































ヨッシー「大丈夫とかじゃなくて、<何があったの?>って聞かれたぞ!ムフフフ!!!」






























俺  ブッ!!ブワハハハハ!!























何だそのセリフは!!



































しかも笑うな!!!頼むから止めてくれ!!
























お前は俺に止めを刺すつもりか!!


(T▽T)あはははは!!

























ナイスだ!!ナイス過ぎる!!!




















五円玉を焼き付けたA君の見事なセンス!!

















そして保健の先生のコメント!!




















そしてヨッシーの存在!!














どれを取ってもパーフェクトだ!!



(T▽T)あははははは!!!













ヨッシー「大丈夫か?ムフフ!!」


周りにいた生徒も俺が笑い崩れている姿を見ている・・・





解ってる!解ってるが立ち直れないんだ!!








声にならない!!





ヨッシーは絆創膏をまた貼り付けて俺の顔を覗き込む!



俺「あははははは!!か、顔見せるな!!止まらん!!」


ヨッシー「なんなよ!隠してるやろ!」


俺「し、しかし良かった、良かったな!あはは!自慢のアゴがご、五円とは!あははははは!!いひひひひひ!!」


ヨッシー「そんなに笑うなよ!だから見せたくなかったんや!」


俺「だ、だけど、誰がそんな所に五円の・・・あはは!!五円の火傷あるなんて思う?わははは!」


ヨッシー「だから、見られたら生きて行けやんって言ってるやろ!」


俺「あはははは!た、確かに俺ならそんなの見られたら生きて行けないが、お前は大丈夫や!忘れるな!ヨッシーやろ!!過去にも過激な事があったやろ!
それでも生きてるんだから大丈夫や!!あ・・・あははは!!!」


ヨッシー「どういう意味やねん!ムフフ!」


俺「し、しかしすまなかった!!確かにお前以外は生きて行けない程のことやった!あはは!あ、謝るわ!あはは!お前は凄い!立派や!いひひひ!!
はぁ・・・はぁ・・・腹が痛い!あはは!!」



俺は話しながらヨッシーの顔を見るたび笑うと言う事を繰り返していた・・・






そうこうしている内に・・・





キーンコーンカーンコーン♪





昼休憩が終わった・・・


ヨッシーは俺がまだ笑いがおさまらないのを見て教室に入ったが・・・

しかし、俺は立ち直れない・・・


そこに先生がやってきた。



先生「J.Jどうした?授業始まるぞ。何でそんなに笑ってるんな?」

俺「す、すみません・・・はぁ〜・・・はぁ〜・・・やっと今止まりました・・・」


先生「涙目やな。大丈夫か?」


俺「大丈夫です!」



そこでやっと教室に・・・



そして次の休憩時間・・・



ヨッシーはA君に火傷の痕を見せろと言われたが拒んでいた。


しかし、奮闘空しく数人に捕まえられ絆創膏を剥がされた・・・

すると・・・




A「おぉ!!凄い!!こんなにくっきり痕が残ってる!!」














生徒全員・・・




あはははははははは!!!!!!
















ヨッシー一人で、教室内にいた生徒全員が笑いの坩堝(るつぼ)に・・・



そしてヨッシーも万遍の笑み・・・


その後・・・俺はしばらくの期間ヨッシーを見る度笑ってしまうと言う病(?)に悩まされることになった・・・


















こうしてヨッシーの伝説が刻まれたのだった・・・













(※ちなみに現在火傷は綺麗に治ってるので痕は残ってません)