御   礼

謹啓
 当地方を震源とする中越大地震から二ヶ年の歳月が経とうとしております。
 十六年十月二十三日夕闇迫る頃、一瞬何が起こったのか分からぬ激動に突き上げられ、翌早朝境内を見回した時、その惨状にただあ然といたしました。諸堂傾き、墓石は倒れ、特に司馬先生の「峠」に出る部屋のある本堂は、足の踏み場もない荒れ様で復旧全く不可能かと思いました。
 当時を思い起こすと、よくここ迄恢復出来たものと深い感慨に打たれます。完全に旧観に復するにはなお暫くの月日を必要といたしますが、観音堂、本堂、山門等重要な建物は基本的な工事を完了いたしました。
 この復旧を九月十八日、御本尊聖観世音菩薩に、大般若法要を営み奉告申し上げました。
 これ迄の復興に厚い御援助を頂きました有縁の皆様に、この事を御報告し、深い感謝の念をもって御礼申し上げる次第であります。
 また「岩村、河井両氏会見の間」は全く旧観通りに復旧いたしました。御来観頂き、再び歴史を偲んで下されば幸いに存じます。

                                           
敬具
平成十八年九月吉日
慈眼寺
住 職 船岡芳秀
副住職 船岡芳英
壇徒総代代表 山岸 昭
御礼の書状 復旧した山門

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