浅間山(前掛山)

(2524b)

2007/8/5


 梅雨明け十日は天気が安定、とはいうものの台風が来たりしてちっとも青空が広がりません。そして台風が過ぎても台風一過の青空というわけにはいきません。そんな中、とある事情により浅間山に登ることになりました。前日に小諸で泊まり、翌朝にタクシーで浅間山荘からアプローチという大名登山です。

 浅間山荘脇の登山道入口で登山届けを提出し、鳥居をくぐって進みます。しばらくは林道と変わらないような道で、橋を3回渡るまではそんな道が続きます。なお沢は火山成分をたっぷりと含んでいるのか、真っ赤。3回目に橋を渡ると道が完全に登山道のようになりますが、道幅は広く傾斜はなだらか。やがて一の鳥居に着きます。ここで道が分岐し、沢沿いに進んで不動滝を経由するコースと、沢を高巻きしていく道に分かれます。所要時間はほとんど変わらないようなので、せっかくだから滝を見ていくことにします。そして不動滝。見た目には実に涼しげですが、硫黄分が含まれているので飲むには適さないとのことでした。

 滝からは沢を離れて進み、やがて二の鳥居で一の鳥居で分岐した道と合流します。この辺りは長坂と呼ばれており、名前の通りだらだらとした登りがかなり長く続きます。やがて樹林が途切れがちになってくると、右手前方には牙山の切り立った姿が、そして前方左手には外輪山の切り立った山腹が樹林越しに見えるようになってきます。気づけば結構花があちこちに咲いているのが見えます。マルバタケブキ、ホタルブクロ?、オオハナウド?とかいろいろ。

 そして石碑を通り過ぎて蛇堀川の源頭部にさしかかります。ここは荒涼とした雰囲気で、沢の周囲は火山性物質で赤く染まり、道も砂礫をトラバースします(ほんの数十bですが)。見上げれば切り立った牙山が頭上にのしかかるようにそびえ、周囲には硫黄の臭いが充満していました。全行程でここが最も火山らしい雰囲気を漂わせていました。

 蛇堀川の対岸に渡れば再び道は樹林帯と花に囲まれた緑の道となり、観測所兼避難所の火山館に着きます。ベンチもあれば水場もあれば神社もトイレもあります。なお火山館には管理人(観測人?)が常駐しており、一年に三日くらいしか下界に下りないそうです……しばし休憩して先に進みます。ここは湯ノ平高原というカルデラの底?なので、なだらか。足下には多くの花が咲き乱れ、周囲は針葉樹林。その向こうに切り立った山肌を見せる外輪山が見え、どこか日本離れした光景が広がります。

 黒斑山への分岐を過ぎ、なおも進むと前掛山の登山口になります。Jバンドへの分岐を見送り、道は少しずつ登りになっていきます。最初はまだまだ緩やかな登りですが、登りにつれて周囲の針葉樹の背はどんどん低くなっていき、足下も土から岩へと変わっていきます。火山礫の間からオンダテが花を出す中をあとはひたすら登っていくことになります。前掛山の山腹を巻くような形で黙々と高度を稼いでいきます。見上げれば前掛山の山頂部が目に入りますが、時々薄いガスが視界を遮ります。それでも陽は差しているので、ちょうど逆光となり、幻想的な光景が目を楽しませてくれました。

 どんどんと高度を稼いでいき、足下が砂礫のようになってくると傾斜もきつくなります。高度差にして200メートルもありませんが、ここをひーこら言いながら登り切れば浅間山の第二外輪山の稜線の一角にたどり着きます。まっすぐ進めば浅間山の真の山頂にたどり着きますが、ロープが張られて立入禁止(それでも火口に向かう人はたくさんいましたが)。なので法を犯すことなく、素直に第二外輪山の稜線をたどり、前掛山を目指します。

 2004年9月の噴火でボコボコになったという避難小屋(コンクリート製の頑丈な物を新たに作るという話を聞きました)の前を通り、切り立った旧火口壁のへりに沿って歩きます。確かに浅間山火口側は切り立っていますが、道自体はしっかりとしており、よほど強風でない限りは大丈夫でしょう。ただ、遮るものがなく、かつ浅間山は限りなく独立峰に近いので強風の時はマジヤバイと思いますが。浅間山の火口を左手に眺めながら進めば、前掛山の山頂に到着します。

 前掛山の山頂は完全に稜線の一角という感じで、ピークという感じがまるでしません。なんか傾いているし。それでも一応標識があります。「浅間山」と書かれてました。まあ、うん、仕方がないんでしょう、それは。

 正面に火口のある釜山がそびえ立っていますが、噴煙は夏雲と重なってよくわかりません。ただ、火口から500bほどしか離れていないとはいえ、何とも言えぬ迫力を感じました。そして周囲に目を巡らせて展望を楽しもうとしましたが……雲が多くてまるでダメでした。黒斑山を初めとする外輪山は見えますが、それ以外は真っ白。時折、北側のガスが少し晴れて嬬恋村のキャベツ畑群は見えますが、山の展望は本当にダメ。下山中に見えた四阿山が最も遠くに見えた山でした……OTL 頭上には青空が広がり、日差しが降り注いではいたんですが……

 山頂で仲良くなった二人組みのおっちゃんに梅酒をもらい、酔いを醒ましてから下山します。ピストンなので同じコースを戻ります。そして下山中に登っている人から「火口まで行きました?」と話しかけられました。もちろん火口まで行っていないですし、何より火口まで行くのは火山ナントカ法によって禁じられた行為なので犯罪行為になります。罰則とかは詳しく知りませんが、有珠山で火口に近づいて書類送検された人の話を聞いたことがありますし、法を犯すことは自己責任ではないと思っているので、その旨を伝えると、そのおっちゃんは「自己責任だからいいじゃん」と言って火口へ向かっていきました。ネット上で火口まで行った人のレポが結構上がっていますが、いい年こいた大人が犯罪行為を公言しているのはかなり疑問に思います。自己責任ってのはあくまでもルールを守った上でのことであるはずなんですが。

 まあ下らない大人のことはさておき、山腹を巻く道を一気に下ります。とはいえ、最初のうちは結構急な砂礫の道なので足下に気をつけながら下ります。正面に黒斑山などの外輪山と湯ノ平高原を見下ろしながらどんどん高度を下げ、やがて樹林帯に入り湯ノ平高原に戻ります。火山館まで戻ると、ここのベンチで家族連れが休憩を取っていました。時間は既にお昼の12時40分。これから山頂を目指すそうですが、このどう考えても雷雨が来そうな気象条件でこれから山頂に向かうのは無謀では?と思いつつ、悪天候にやられずに子供が山嫌いにならないようにと願うばかりです……

 さらに下って二ノ鳥居まで戻ると、なんとここにはツアー登山の集団が。これから登ると言ってましたが、時間は既に13時半。そりゃ日没までには帰ってこられるとは思いますが、あまりにも非常識な時間帯ではないかと思いますね。そりゃツアー登山で事故も起きるはずだと改めて思いました。他にも空身で登山道を駆け上がり、その15分遅れくらいで孫を追いかける軽装のおばあちゃんとかもいましたし、これじゃあ山の事故が増えるわけだと思いましたよ……

 ともあれ、二ノ鳥居からは不動滝を通らず、沢を高巻きするコースを通って浅間山荘に戻りました。珍しく下山後にお風呂に入ってから東京に戻りました。それにしても今回は夏休みということもあるんでしょうが、色々と考えさせられることの多い山行きでした。反面教師にしないとなあ。



日付、天気 2007年8月5日     晴れ後曇り
メンバー 会社の人と二人で
所要時間 浅間山荘 → 不動滝       45分
不動滝 → 火山館         45分
火山館 → 前掛山山頂      90分
前掛山山頂 → 火口への分岐  15分
火口への分岐 → 前掛山登山口 40分
前掛山登山口 → 火山館     20分
火山館 → 浅間山荘        70分
※休憩時間除く
交通 小諸駅からタクシー5000円弱
浅間山荘から佐久平駅までタクシーパック料金で6600円
山の中で会った人 70人くらい

高山植物いろいろ。私は花の名前に疎いので、詳しい人は是非教えてくださいm(_ _)m

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