額取山
(1009b)
2008/5/2
世間はGWの谷間ですが、こちらはこの谷間が事実上のGW。というわけで、山です山。行き先を色々考えましたが、関東地方は雲が多い天気予報。関東平野を雲が越えないようなので、福島県の額取山(安積山)に行くことにします。予想通り、新幹線が白河の関を越えた辺りから雲が切れ、青空がのぞきだしました。が、かなり霞んだ空模様。郡山駅付近から西側にこれから臨む額取山の姿が見えるはずなんですが、霞んで何も見えません。それでも陽射しは暖かく、郡山駅前の温度計は8時前にも関わらず21度を指していました。
さて、駅前からはバスです。福島交通の「夏出」行きのバスに乗ります。前日に同社のHPでバスの時刻を調べようとしたところ、
いきなり目に入ってきたのが「当社は会社更生法を申請、経営再建に向けて頑張ります」の文言。しかも二週間前に申請っすか……夏出行きのバスなんて乗客が私を含めて4人しかいませんでしたが、この路線が不採算路線として整理されないことを願ってやみません。それにしても料金ちょっと高くね? 物凄い勢いで料金表に表示される金額が上がっていったんですけど。
終点の夏出でバスを降ります。流石に間もなく端午の節句なだけあって、集落の中にはいくつもの鯉のぼりが翻っていました。この夏出集落は古き良き日本の農村の雰囲気が漂っていました。ちょうど田んぼに水を張る時期で、どの水田でも農家の人が忙しく働いていました。その水田に周囲の新緑と満開の八重桜が映える風景はまさに日本の春。
集落のメインストリート(と言っても一車線)を進み、小学校の分校の所を右に入ります。水田の中を進むと、進行方向に目指す額取山が目に入ってきます。滝集落を抜けた所に弘法清水という名水があり、地元の人たちが熱心に水を汲んでいました。この辺から道がダートになります。ダートになると、道の傾斜が少し急になり、どんどん登っていくようになります。最後の水田を抜けるとようやく日陰が現れるようになり(それまではずっと炎天下。消耗しました)、鮮やかな新緑とあちこちに咲くヤマザクラが目を和ませてくれます。
夏出バス停から小一時間、ようやく登山口にたどり着きます。いきなりの急登が始まりますが、よく踏まれた道です。道の両側にはコスミレやアオイスミレなどスミレ類の花があちこちに咲き乱れ、目を楽しませてくれます。二度のヘアピンカーブを経て稜線に近づくと、どこからともなく歌声が。歌声っていうよりも、祝詞のような声だったので、「山開きで神主さんでも来てるのかな」と思いましたが、正体は単独行のおっちゃんの歌声でした。私が近づいたのに気づくと歌うのをやめ、私が追い抜いて姿が見えなくなるとまた歌い出しました……なので、山頂に着くまでの間、ずーっとほのかに歌声が聞こえていましたよ……
さて、稜線に出た所は磐梯熱海へ下る道との分岐点でもあります。帰りはこちらへ下ることになるわけです。稜線の道は一旦緩やかな登り
になりますが、やがてすぐに急登になりました。尾根を一直線に登るので、かなり堪えます。よく見ればちゃんと大きなヘアピンカーブを描いて登る道がつけられているんですが、登りの時は作業道だと思ってスルーしてしまいましたよ……これが原因で大きく体力を消耗してしまいました。
緩急のある尾根道を進んでいきます。標高で800メートルを越えた辺りからは芽吹きが浅くなってきましたが、まだまだ自然林の道が続きます。三つの小ピークを越えると額取山山頂への一気の登りになります。高度を上げるにつれて周囲の樹木の背が低くなっていき、やがてツツジの潅木のみへと変わっていくさまはまるで高山の森林限界を突破したかのよう。1000メートル程度の山でこれだけの雰囲気があるとは、流石に日本海と太平洋を分かつ分水嶺。
小さな岩のピークを越えてもう一登りすると、ついに額取山の山頂に到着します。山頂は広く、360度の展望が楽しめます。青空は広がっているものの、周囲は霞みに覆われており、あまり遠くは見えません。それでも安達太良山や川桁山などがよく見えたほか、目を凝らせば辛うじて磐梯山の姿を見ることができました。間近にはまだ残雪の残る大将旗山への稜線が続きます。本来なら
ばその大将旗山まで往復するつもりでしたが……久々の山歩きのためか、山頂直下で両足を同時につるという屈辱を味わったために断念しました。嗚呼、情けなや。
山頂でまったりしていると、後からやってきた地元のご夫妻に話しかけられ、自家製のニンニクやら漬物やら、暖かい飲み物やら、色々と頂いてしまいました。ありがとうございました(ヨメによると、地方の農家の人はとにかく世話好きだからとのこと)。例の歌うおっちゃんもやって来ました。行くつもりだった大将旗山方面から登ってくる人も続々と山頂にやって来ます。平日なのに結構な人手になったあたり、人気の山であることを窺わせてくれます。山頂付近は例年五月下旬頃にはヤマツツジに包まれるそうです。その頃も良さそう。
さて、下ります。しばらくは登りと同じ道を使って下ります。急な箇所につけられているヘアピンカーブの道を使えば、下りの苦手
な私でもさほど苦にならずに進めました。さて、分岐まで戻ったら今度は磐梯熱海方面へ向かって下ります。事前にネットで調べたところ、この道は一部藪っぽいとのことでしたが、確かに一部に倒木があり、あまり歩かれていない感じはしたものの、概ね緩やかで幅広の道が続き、まるで森林軌道跡のよう。小さな沢をまたぐと林道に出くわします。林道を数十メートルほど進むとまた登山道へ戻ります。やはり幅広の緩やかな道が続きます。ただ、それまでの道と若干異なるのはこの辺から植林帯が出てくることでしょうか。
しばらくすると伐採地に出て炎天下に晒されるようになります。基本的に幅広の緩やかな道であることには変わりないのですが、どうも地図と道が違うような……山腹を巻くこの道はかなり曲がりくねっています。伐採の結果、道が変わったのかな? 道らしき跡が山腹に見えたりしましたし。そしてこの道は日当たりが良いためか、かなり草がはびこっています。この時期ならまだ大丈夫でしたが、夏場とかはかなり歩きづらくなっているかもしれません。やがて磐梯熱海登山口に到着、ここからは車道になります。
この登山口の所はかなり間違えやすいように思います。道なりなのは右手なので右に曲がってしまいそうになりますが、正解は左。地図をよーく見れば気づくんですが、ここはかなり紛らわしい場所だと思います。左に曲がればすぐに集落になるので、この集落の中のダート道を延々と磐梯熱海駅目指して歩きます。あんまり日陰がなくてひからびる上に、途中採石場があって埃っぽいし、ダンプは通り過ぎるし……ともあれ、滝の側を通って八重桜の並木道を抜ければ磐梯熱海の駅に着きます。駅前の足湯でまったりしてから、車体に「赤べこ」がデザインされた真っ赤な磐越西線の臨時列車に乗って帰りました。
東京に戻ったら雨だったので、福島の山を選んだのは正解だったと思います。が、霞みは残念(なんだか昨年あたりから展望には恵まれてないような)でしたし、たかが二時間程度の登りで足をつってしまったのが何とも無念でした。何にせよ、数少ない東京から公共交通機関利用で日帰りできる山なので、今後再チャレンジしたいものです。









※中段右の写真説明で花の名前がイワカガミになっていますが、正しくはショウジョウバカマでした
| 日付、天気 | 2008年5月2日 一応、晴れ |
| メンバー | 単独(Meタン忘れた) |
| 所要時間 | 夏出バス停 8:47 → 9:42 滝登山口 55分 滝登山口 9:47 → 10:07 稜線分岐 20分 稜線分岐 10:07 → 10:54 額取山(小休止含む)47分 額取山 11:47 → 12:24 稜線分岐 37分 稜線分岐 12:30 → 13:15 磐梯熱海登山口 45分 磐梯熱海登山口 13:15 → 14:02 磐梯熱海駅 47分 |
| 交通 | 東京駅 6:12→ Maxやまびこ101号 → 7:34 郡山駅 郡山駅 8:05 → 福島交通バス790円 → 8:45 夏出 磐梯熱海駅 14:42 → 磐越西線 → 15:00 郡山駅 郡山駅 15:32 → Maxやまびこ118号 → 16:56 東京駅 |
| 山の中で会った人 | 14人 |