飯縄山

(1917b)

2007/9/3


 9月のアタマから夏休みをもらったので、今年こそアルプスを、と思ったもののどうにも天候が安定せず、悶々としているうちに降って湧いたかのように3日だけが晴れ先行の天気予報が出ました。台風が近くに来ていることもあって、この先も好天が見込めない以上、とりあえず「そこそこ涼しそうで、アルプスが見える山」ということで長野県の飯縄山に登ることに決めました。南登山口から上がり、西登山口から下りるプランを決めました。まあ、天気は結局翌日の4日も保って、アルプス行けば良かったと激しく後悔したわけですが……朝一番の長野新幹線に乗り(指定席が全然取れない!)、長野駅からバスで戸隠高原へ登り、飯縄山登山口でバスを降ります。ここはもう、標高が1000メートルを超えているので風は爽やかでしたが、日差しは暑い!

 バス停の所にある「飯縄山登山口」のでかい看板に従って、しばらくは別荘地の中を進みます。カラマツなどが生い茂っているので日差しは遮られて爽やか。結構企業の別荘があったのには驚きました。よくもまあ「失われた10年」の間に売られなかったものだなあ、と。
 10分ほどで最初の鳥居に到着します。鳥居の向こうに目指す飯縄山の山頂が見えています。古い信仰のある山って結構こういう所が多いですね。ヨメの実家の近くにある弥彦山もこんな感じでしたし。ともあれ、この鳥居から登山道になります。と言ってもすぐにまた林道を横切り、またここに鳥居がありました。

 その鳥居をくぐり、しばらくはカラマツの中を緩やかに登っていきます。道は広くよく踏まれており、登りに使った南登山道には全部で十三個の石仏が置かれているなど、古い信仰を感じさせました。が、第一の石仏が出てきたあたりからちょっと道の様相が変わってきました。周囲が雑木林に変わってきて、傾斜がきつくなるのは良いとして、よく踏まれすぎたせいで登山道が洗削されており、滑りやすい道になってきました……ここ最近雨が多かったせいか、全体的に道がじめじめしていたせいで、さらに滑りやすくなっていました……
 ちなみに洗削とは、登山道がよく踏まれることによって土壌が流出してえぐれてしまい、沢のような状態になってしまうことです(関東周辺で有名なのは奥多摩の石尾根のこれ)。赤土がむき出しになって大変滑りやすく、それを避けるために本来の登山道の周囲に新たな踏み跡が出来てしまい、自然破壊になるという批判も出ているようです。
 実際、飯縄山では南登山道、西登山道のどちらでも、洗削が見られる全ての区間において本来の登山道とは別に新たな踏み跡が作られており、道がかなり交錯しているように見えました。正直、どちらが本来の登山道なのか判別できない所が多かったですし(そらくらい立派な踏み跡が作られていた)、「道」として整備されてしまった場所も見受けられました。写真の箇所が一番ひどい場所というわけではありませんが、大体写真のような状態になっています。

 ともあれ、幅広の登山道も傾斜がきつくなるにつれて細くなり、足下には石がごろごろ転がるようになってきます。またその石が湿っていて滑りやすいんだこれが……ほぼ等間隔で出現する石仏を目安に登っていくと、さらに道は急になり、石がごろごろしているのに加えて木の根が入り組みだし、かなりハードな道になります。11番目の石仏がある場所が「駒つなぎの場」と呼ばれるちょっとした広場のようになっており、ここでしばし休憩。

 「駒つなぎの場」から少し進むと「天狗の硯石」という大きな平べったい石があり、ここから初めて眼下が見渡せました。戸隠高原が大きく広がり、その向こうに長野盆地、佐久の山なんかが見えますが、八ヶ岳あたりは早くも雲が上がってきている様子。9月になったとはいえ、まだまだ夏だなあと実感しました。

 そしてここからが本当の急登。岩がごろごろした道を九十九折りで登っていきます。笹払いをしたばかりらしく、切り払ったばかりのササが登山道にドカンと置かれているのもまた歩きにくさを誘います。鎖のついた岩を乗り越えたりして、急坂をどんどこ登っていくと、次第に樹木の背が低くなり、やがて笹原の道になります。とはいえ、まだまだゴツゴツした岩だらけの歩きにくい急登は続きます。確かに景色は良く、周囲にはノアザミやリンドウなどの晩夏から初秋にかけての花が咲いていますが、まだまだキツい。やがて西登山道の分岐を過ぎてさらに急登を超えると、ようやく飯縄山の山頂の一角に出ます。

 金属製の鳥居がある飯縄神社があり、ここでようやく一息つけます。と言ってもピークはまだ10分先のところにあるわけですが。とはいえ若干のアップダウンこそあるものの、山頂の一角だけあってダラダラと歩けばすぐに飯縄山の山頂に到着します。

 山頂からは360度の大展望が待っているはずなのですが……メインディッシュのはずの北アルプスは雲に覆われ、北側も雲雲雲。その雲は東側にも進出しはじめ、東南から南西方面だけが大きく見えました。が……やっぱりお昼では遠望は厳しく、八ヶ岳は雲の中に沈み、その先に見えるはずの富士山や南アは全く姿を見せませんでした(´・ω・`) おまけにガスが上がってきて、山頂も白く包まれてしまったので、ヨメの作ってくれたおにぎりを食って早々に山頂を引き上げます。なお恒例のMeタンの記念撮影はMeタンを忘れてしまったので今回はありません。

 下りは西登山道を行きます。瑪瑙山を経由して下ることも考えたのですが、変にバテていたので登り返しが面倒になったのと、地図をみると九十九折りの下りがあったのでやめました(下りは超苦手)。というわけで、山頂から先ほどの分岐まで戻ります。分岐までの下りがまたしんどかったわけですが……分岐で右に曲がり、西登山道を行くとしばらくは笹原の展望の良い尾根道で、戸隠連峰を眺めながらゆったりと下ります。急な下りではないものの、やはりぬかるみが多くて注意しながら下っていきます。

 が、笹原が尽きて樹林帯に入ると道はまた一変します。じめじめして洗削されている上に岩がごろごろした急な下りが延々と続きます。注意してゆっくり進んだものの、二度ほど転倒してしまいましたよ……OTL とにかくこの急な下りに思いの外時間をとられ、次のポイントである萱ノ宮までエアリアでは1時間のところを、一時間半かかってしまいました……OTL

 萱ノ宮からはまた道が一変して緩やかで幅広の道をゆったりと下ることになります。所々に赤土がむき出しになっている箇所はありますが、ほとんど平地と同じ歩きで行けました。途中で未舗装の林道を横切り(この林道は地図に載ってないからもう下山したのかと思った)、なおも下ります。林道を横切った後もゆったりとした下りは続きますが、ちょっと荒れ気味で、ササや下草が登山道に覆い被さっている箇所や、激しく洗削されている箇所も多く見受けられました。やっぱりちょっと人が少ないのかな? 下りは誰にも会わなかったし。

 やがて沢の音が近づいてくると林道に出ます。あとは林道を歩いていけば「ちびっこ忍者村」、「戸隠神告げ温泉」の前を通り、蕎麦屋やペンションが並ぶ一角を抜ければ中社のバス停前に着きます。バス停に着いたらすぐに長野行きのバスが来てしまったので、着替えもせずに慌てて飛び乗りました。なお、戸隠へのバスはバードライン経由と県道経由があり、帰りは県道経由のバスで帰ったのですが、バスからの車窓がすごいものがありました。棚田がすごいのよ、マジで。1.5車線でヘアピンが延々と続く道自体もすごかったですし……ちょっと得した気分。

 上杉謙信や細川勝元といった歴史上の人物が信仰したという飯縄権現の本山だけあって、古い歴史を感じる山でした。古くから歩かれているだけにまた登山道の洗削も激しく、親しまれている山の割には整備が追いついていない印象も受けました。また、洗削が激しいことから、雨の時は降雨直後はかなり危険な山になるとも思います。でも、眺めは良いし、東京から余裕で日帰りできる良い山だと思いました。今回の山行きの反省点としては……下りがもう少し上手になろうぜ俺、ということでしょう。

 そして最大の疑問は「飯縄」が正しいのか「飯綱」が正しいのか。



日付、天気 2007年9月3日     晴れのち曇り
メンバー 単独
所要時間 飯綱登山口バス停 9:26 → 9:40 登山口鳥居     14分
登山口鳥居 9:40 → 10:31 駒つなぎの場       51分(小休止含む)
駒つなぎの場 10:31 → 11:20 飯綱神社        49分(小休止含む)
飯綱神社 11:20 → 11:31 飯綱山頂           11分
飯綱山頂 12:02 → 12:14 飯綱神社           12分
飯綱神社 12:14→ 13:20 萱ノ宮             66分(小休止含む)
萱ノ宮 13:20 → 13:46 林道出合            26分
林道出合 13:46 → 14:07 中社バス停          21分
交通 長野駅からバスで880円(飯綱登山口まで)
中社からバスで1160円
山の中で会った人 15人くらい

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