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  耐病性 
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 ピンクとイエローのブレンドの花色、花弁数の多い整ったロゼットの花
型、樹としてのダイナミズムの表れの爽快美などもあるが、この薔薇の最も
美しいところはやはりその香りだ。夕刻以後もその香りは消えず、一度嗅い
だら忘れられない強烈な印象を残す薔薇。「ヘリテイジ」のような気品のあ
るスィートな香りではなく、濃厚なダマスク香とも異なり、一部の薔薇が放
つムスク香とも別の世界の香り。ゴージャスそのもので、ティ・ローズやノ
イバラの、しっとりとしてはいてもどこか奥行きの足りない香りとはまった
く異質で上質なもの。しかも香りの強さが何日も持続し、なかなか薄れない。
 ERの樹形としては「グロワール・ド・ディジョン」のタイプに属し、
花型は「ジェーン・オースチン」スィート・ジュリエット」の姉妹。高温
期には花弁全体に同じ濃さのピンクが広がったり、白く抜けたりもするが、
これはER全般の特色であり、この薔薇だけではない。他のグループの品種
と比較しても、安定している方だ。
5月中旬から咲き始める中咲。花保は1015日間と長く、花期は1ヶ月。
四季咲性も強く、春から夏にかけてはすぐに次の蕾を付ける。秋はしだいに
花付きは少なくなる。しかし発色は驚くほど冴えた感じに出て来る。香りの
強さは春とほとんど変わらない。
 肥料が少ないとブラインドや短枝が増えてしまう。この薔薇は年間を通
じて多めの堆肥で育てること。元肥には油かすと少量の尿素、骨粉とヨーリ
ン、塩化カリと炭カル(少量)など。2月と7月、10月に硫酸カリの1000
倍の水溶液(完全に溶けるわけではない)を注ぎ、1月3月6月8月9月の
各月にカニ殻を一握りずつ表土に施す。そして通常の追肥や礼肥として、ボ
カシ肥料を200g前後で。秋の天候が不順にならず安定して気温が低下して
いくころに、葉面に第一リンサンカリを200倍で散布。苦土石灰は11月の
み。
 剪定は常に弱剪定とし、大きく育てる。ヘリテイジほどシュートを多発
させないが、「メアリイ」よりは太い枝を出す。「グラハム・トーマス」
どではないが十分に長い枝となる。完全開花時に雨に遭えば、花茎は曲がる
が折れない。ブラインドが出たときは早めに整枝すること。梅雨時に芽出し
が鈍くなることがあり二番花とのタイミングを見ながら良い芽を選んでカッ
ト。
 病気で問題なのは黒点病のみ。他への耐性は十分で、ガン腫病に対して
すら強い。黒点病葉が見えたら、予防で実施してきた重曹1000倍液の散布
再実施するが、そのとき黒石鹸の泡立て液をプラス。


[Schmid Garten Pflanzen]






Salon   ブラインド
Lecture 2 施肥設計と実践






Lecture 2 シュラブタイプの春剪定
Lecture 2 シュラブタイプの秋剪定
Lecture 2 ERの整枝




                -栽培ワンポイント-

                「自動車用消臭・殺菌剤」

 かつて初心者だった頃には、今振り返っても笑える対病虫害大作戦
・小作戦の数々があった。たとえば、アブラムシの大発生にあわてた
ときの○○チョールのプシュッ。うどん粉の白いふわふわに対して、
木酢液に食用酢をたっぷりと混ぜたらよいかもしれぬと考えて噴霧。
いずれも薔薇を枯らすほどのことにはならなかったものの、液がかか
った部位は水分を失ったように萎れ、あるいは褐色になって朽ちた。
 どうしてそのようなまちがいを犯してしまったのか。一言で言えば
単純に考えてしまったからであり、敵味方のことをまったく知らない
ままの愚かな挑戦に、気がはやってしまったということだ。
 ところで、重曹に黒石鹸(炭を加えた石鹸)という組み合わせは、
石灰硫黄合剤と同様に、主として一時的なアルカリ状態を散布した部
位へ作り出すことにある。薔薇に病気を引き起こす微生物たちは、p
H4以下の強酸性とpH7.8以上のアルカリ性の中では生きていか
れない。散布して彼らのからだにアルカリ分が付着すると、彼らの細
胞膜は破壊される。仮に生き残れても、もはや病原性を撒き散らすこ
とはできなくなる。強酸性では薔薇自身が衰弱していき、持続すれば
枯死してしまい、地上部はアルカリに対しては平気なので、わたした
ちは薔薇を侵すカビたちに対して一時的なアルカリ化作戦で防除・予
防するのである。
 ところで、彼らに対してはpH以外の手段がある。
 それはわたしたちにも馴染みの「活性酸素を作り出すことだ。彼
らの細胞膜は、活性酸素に触れるときにも破壊される。核を持つ細胞
の微生物類、たとえばキノコ・カビ・酵母菌といった真菌類は、活性
酸素によって細胞核も壊れる。
 そこで以前からわたしの頭に閃いていたのが車内スプレー。消臭力
ではなく温度と湿度に恵まれてカビが繁殖しやすい環境にある乗用
車内でスプレーする抗菌力のある薬剤が、薔薇にも使えるのではない
かと考えた。
 それらのメーカー製品の中には、スプレー後の薬剤に紫外線が当た
ると活性酸素を発生させ、それがカビなどのからだに付着して除菌し
てしまうものがあると最近知った。人畜には無害なままに。もちろん
かつての○○チョールのように薬害が生じてしまったら困る。その薬
害は、薬剤の主成分合成ピレスロイドが持つ、昆虫に対する「神経毒
性」そのものに原因があったのではなく、実は合成無機化合物の働き
によっていた。蚊取り線香などにも使われている除虫菊から採れる天
然のピレスロイドは、除虫菊乳剤として今も植物害虫防除用に用いら
れているように、薔薇にも無害。ところが殺虫作用系無機化合物薬剤
は、安全性のために光や空気に触れると短時間で酸化して不活化する
ように作られている。実はこの「酸化力」が薔薇に有害だった。
 しかし活性酸素そのものは人体内でも普通に生じるように、大量で
ない限りは体内を酸化させるほどのものではない。だから車内用のス
プレーを使おうと考えたわけで、試用してみて効果があれば、そして
薬害も人体への悪影響などもなければ、あらためて皆さんにご報告し
たい。                                        
 

                                             





                -栽培ワンポイント-

            「自動車用消臭・殺菌剤」のその後

 この薬剤の結論が出たので皆さんへお知らせしたい。
 結果は残念ながら×であった。それは活性酸素が薔薇の表面の細胞を
傷つけてしまうからで、常用的であるか否かにかかわらず、見た目には
変化が何もなくとも、活性酸素による異変は内部に起きていた。しかも
単純に遺伝子を傷つけるという問題だけでなく、細胞核、特に気孔細胞
の核を傷つけた。
 このことはちょうど、わたしたちの肉体が活性酸素を大量に持つと内
臓が傷つくのに似ている。そんなわたしたちの発生の仕組みのように、
植物も、もともと害虫から被害を受けると、害虫への攻撃のために活性
酸素を生じさせるらしい。そのことがあるから大丈夫だろうと考えたわ
けだが、やはり外から浴びせてはよくないという結果になった。
 したがって自動車用のものを撒布する事をしないでほしい。
 もちろん車内での使用は人体に何の影響もないし、薔薇へも、直接散
布するのでなければ空気中の滅菌は可能だ。しかし屋外にある薔薇にと
って無駄なのは言うまでもない。これまで活性酸素発生剤で植物の殺菌
を行うものがつくられていないのも、以上のような理由からだった。
 活性酸素がなぜフリーラディカルと呼ばれているか、最初にそのこと
に気づくへきであった。つまりこの酸素は、わたしたちの体内で、激し
い有酸素運動をしたときに、その運動が肉体を傷害してしまう前に働く
仕組みで、スーパー・オキシド・アニオンという物質をつくる化学反応
が正体である。この物質は運動の過激化が自傷的なまでに進行する手前
で過酸化脂質を作成する。「もう脂質を燃やすな、使うな」というシグ
ナルなのだ。薔薇に浴びせると、人体とは別種のものであれ、表皮細胞
にそのような化学反応を強制的に起こさせてしまうことになり、これが
傷害でなくて何であろう。
 事実、上のワンポイントを記述した2006年来、計八社の製品を試
した。使用回数はいろいろでも、数回目には葉が日焼けのような症状を
起こした。気温・日照は無関係で。
                                                 
Refer  植物と活性酸素 
Lecture 第8回 病害編
Salon   品種別耐病性一覧表 



                   -栽培ワンポイント-

                   「届け、薔薇の香りよ」

 植物の進化を牽引したのは花の色か、香りか。この答は結論にはなっていない。
しかし現在の常識は科学に基づいて「香りである」とされている。その理由が、色
よりも香りの方が遠くまで届くからだ。昆虫も人間も、花を食べる小動物たちにと
っても、好みの花を遠くから嗅ぎつけて近づいていける。
 古来、中国では三大芳香花と言えば「九里香」、「七里香」、そして「旅恋香」。
中国の一里は約500m。したがって九里香であるキンモクセイは4.5km、七
里香のジンチョウゲが3.5km香ったことになる。三つめの旅恋香とはクチナシ
のことで、どんなに遠く離れても、まるで恋人の身体からの香りのように付いてく
るという言い表し方に由来する。そしてこれらの香りも、風の強さや気温によって
変わるのだから、距離など当てにならぬ話だが、言葉の綾として思うに、現代の薔
薇はさしづめ    原種やオールドローズの強香種とモダンローズの一部に限っ
て言えば   「千里香」だろう。国境を越え、海を越えて届くからだ。もはや徒
歩の里程ではなく、移動速度・通信速度の話だ。
 ところでいにしえより日本人が梅を愛してきたのも、桜にはない香りがあるから
だし、山桜のように梅林の自生があって、その香りの群れが風に乗って里に降りて
来るものだったから。そのことと合わせ香のごとく思えば、薔薇園が漂わせて届け
る香りも、今のわたしたちにはこよなくいとおしいものである。だから一般家庭で
も、強香種には風の通り道に当たる場所を与え、開花期と気温の上昇期が重なるよ
うにと祈りたい。もしもリビングの中へ入ってくる香りの効果を望むなら、その室
の開口部と庭の端との中間の位置に植えよう。開口部のすぐそばでは、庭へ面した
その口は閉ざされている時間の方が多いので、風を受けたい薔薇にとっても不具合
であり、庭の端も、実は背後に他の建物や塀があると、吹く風は分散しやすいもの
だからだ。
 そして三大芳香花がそうであるように、薔薇の香りもまた、香りの種類にかかわ
らず、隣人や子どもたち、地域のご老人達などの顔をほころばせ、親交を深める効
果を持つのは言うまでもない。

                                                        
                                                    
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