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  耐病性 
Cold&Hot
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 5月上旬から咲き始める早咲き。花期は40~48日間にも及ぶ。
 HRgには長期開花の品種が多い。花保は7~12日間。気温が高い
 時期は散りが早まる。秋は10~11月の間咲きっぱなしとなること
 もある。容器植でも同様で、ルゴーサ系全般に言える「寒さへの強
 さ」を発揮する。広幅の托葉の厚みが薄いときと厚いときとで開花数
 に少し違いがある。厚いときに増える傾向があるものの、確実とは言
 えない。
 化成液肥を与えると、葉の一部に黒班がまるで汚れのように生じや
 すい。病気ではなく葉の生理現象には違いないが、原因は解明されて
 いない。したがって地植容器植いずれの場合も、固形や粒・粉状の施
 肥を。写真頁にも記したように、実際に強大な薔薇の樹にはならぬも
 ののその可能性を年間を通じて見せ続ける。つまり施肥に応えやすく、
 枝の伸び、広がりに雄大さがある。しかもとりわけ偏った施肥を好む
 わけでもなく、あらゆる肥培に順応性があって、生育に狂いは生じに
 くい。安心していられる。しかも地植では寡肥となった場合でさえ、
 これ以上の艶やかさは他の薔薇にはないと言えるほどの実の輝きを見
 せてくれる。種子が多くて果肉が少ないのは他の品種と同じでも、P
 を多く施すほど酸味が強まるという傾向がある。
 過肥は、この薔薇の花がもともと持っている「花芯の乱れ」を助長し、
 花色が汚れたようになってよくない。株自体はその問題に平気で、通
 常の成長を続けるのだが。ぼかし肥にしたからといって花によい影響
 は現れない。その点で肥培に工夫のしがいがないとも言える。
 以上のことから、ハンザは体内における無機元素の働きにおいてかな
 り頑固な性質を保持したままに育つ薔薇であって、背伸びもしない代
 わりに( うつむいたままでも )マイペースを貫くのだと言える。その
 ことは、Nの吸収の仕方に顕著であり、市販の有機窒素肥料のうち、
 Anすなわちアンモニア態窒素を多く含む物を与えたときにやたらと
 枝芽の動きが活発になることからわかる。開いた花は、翌日にはロサ
 ・ガリカのあの色になる。そこに出る言わば「色むら」の濃淡は、他
 の薔薇でも見られそうなもののこの品種独自のムラであり、注意深く
 目を寄せて観察されたい。彼は養分のコントロールも溜め方も、好き
 にやります見ててください、と言いたげだ。だが……放っておいては
 いけない。彼は深長根をほとんど伸ばさずに側生根に頼る典型であり、
 伸ばした先に十分な栄養がないとき途端に頂芽だけを動かす。他を止
 めてしまう。
 Nが多いときにアブラムシやミノムシが群がる。特に後者は捕殺し
 ないでおくとハンザを丸裸にしてしまう。一般に、ミノムシが好む薔
 薇は、あらゆる葉の食害虫が発生しやすいと考えられる( ただし例外
 はある、バンクシア節の薔薇たちだ )。ミノムシは親の簑蛾とともに
 木酢や、あらゆる植物由来の生剤には平気であり、敬遠もしない。薔
 薇の緑色の部分であればそこがどこであろうと囓る。そして初めは小
 さくとも次第に人の指先ほどの大きさに育ち、しかも簑を大きくして
 いく。植物チップ素材の堆肥などをマルチ材としておれば、夜間に喜
 んでそれらを簑の材料に使って、まさに「身の丈」( 簑丈 )に合った
 殻を製造している。彼らの退治に刃物も薬も要らない。糖蜜などの粘
 りけのある物なら何でもよいから、株際になる幹下部にたっぷりと
( ただし深夜に )塗っておけばよい。簑を大きくしようとして材料を探
 しに降りてきた連中が、ねばねばに捕まって動けなくなっているとこ
 ろを捕殺する。
 うどん粉病や黒点病には、見た目のひどさほどには実害を被らない
 のがハマナシ系の特長。しかしもともと耐性があるだけで、その耐性
 は増進しにくいという欠点がある。そこで、重曹散布とともに、海藻
 を原材料としている液肥を薄めに希釈して散布と灌注を春と秋に二度
 ずつほどくりかえす。ハンザには海藻成分が合うようで、少しずつで
 も二つの病気への耐性を増進してくれる。
 原種やオールドローズのように、ルゴーサ系のモダンローズもルー
 ティングシュート( 地際部の根から幹となる芽を伸ばす )をよく出す。
 こうした種類は一般に乾燥に強く、また土壌塩類の集積に強い。渇水
 や酸化に強いと言える。だがそのシュートを元株から切り離さないで
 おいておくと、その幹の生長は極めて遅くなる。十分な大きさに育て
 ようとすれば最初の本葉が形成されたときかその後の早い段階で切り
 離す。するとオウンルートをすぐに出し始めて、自力で水養分を吸収
 するようになり、しかも完全にガン腫病や黒点病に対する強耐性を持
 った分身として育つ。
 主幹の寿命は長く、10年以上もサイドシュートを出し続けること
 も多い。そこで剪定の基本は二段目以上の枝を対象とし、前年に勢い
 のよかった物はそのまま残すことも多い。ただ三段目からは期待ほど
 活発な分枝は見られない傾向にあり、その枝の外向きの芽で切ること
 が多くなる。咲き殻切りは標準的なHTやFと同じでよい。

Lecture 2 HRgの施肥設計と実践




































[日本藻類学会創立50 周年記念出版 海藻肥料]




[関西電力添付資料]

Lecture 2 HRgの剪定
Salon サイドシュート



実はわが家業の方では蓑虫たちは益虫である。  彼等の簑を用いて商品が作られるからだ。そして  表土のマルチ材として色とりどりの色紙を敷き詰めておくと、  カラフルな簑が多数薔薇の葉にぶら下がるのも楽しい。




                 -栽培ワンポイント-

              「ルーティング・シュートとは?」

 解説の終わりの方に記したこの用語については、耳慣れない方たちが多
いだろう。それもそのはずわたしの造語だ。一般的な園芸用語ではない。
一般的には「サッカー」( 吸枝 )という語を用いるのが正しいのだが、と

ころが薔薇の愛好家の多くが、サッカーを台芽の事だと理解して使ってい
る。植物学的には誤用である。しかも英語のサッカーも台芽の意味として
使われているから困る。
 そこで台木の芽の事とは区別するためにルーティング・シュートという
語を提案したい。根から伸びてくるシュート。しかもそれは台木品種の根
からであっても接がれた品種のシュートが伸び、主幹となっていくのだ。
この事実こそが、台木品種の根と接ぎ木品種とを完全に区別している通常
の認識を覆す証拠である。ノイバラなどの台木の根からは自分のシュート
が出て来る事はまずない。地上に飛び出てしまった根は、ノイバラでも他
の品種でもほとんどがただ木質化するだけだ。
 ところがハンザのように、一部の品種・グループは地上に出た根の一部
や地表近くの根が光り刺激を受けて分身をつくる能力を持っている。しか
もその分身はウィルスフリーであり、ガン腫病やネマトーダに罹ることさ
えない。最初から完全耐性を持って伸びてくる。この事実からいろいろな
応用が考えられよう。

                                          




                  -栽培ワンポイント-

                    「温度差傷害」

 サイト内のBouquet75で、温度差傷害について述べた。上の栽培解説
の中でも触れたように、黒点病感染が引き金となって、そこに化成液肥の過剰な
ども加わると、病班がブーケでの写真のように酷い状態に見える。ただし、液肥
そのものに原因があるわけではない。
 この症状が現れるには、一般的に言って次のような条件が必要である。
( イ )黒点病、あるいは軽度のウィルス病に感染すること。必ずしもそれらの病
   気を発症するとはかぎらない。黒点が見えないのに、黒い汚れだけが葉の
   一部にある、ということも多い。
( ロ )春から夏と夏から秋にかけて現われやすく、秋から冬への気温下降期には
   ほとんど現われない。最高気温と最低気温の差が10度以上となり、特に
   最低気温の更新日に事実上のダメージ現象を用意し、それから数日後に葉
   の表面に出る。その期間に、その株の感受性が耐性を上回る。それだけ株
   がまだ若々しいことを告げており、10歳を超えないと発症の軽減が進み
   にくい。
( ハ )土壌の排水・保水能力はこの傷害に無関係。また薬剤や液肥を散布して濡
   れたことも。そう言えるのは、この症状が明らかに葉の鉄タンパクの異常
   と考えられるからであり、葉が濡れることと鉄分との間には相関関係はな
   い。水分よりも、黒点病の原因菌と葉とが共同して症状を作っていると考
   えられる。したがって、黒点病にもウィルス病にも罹っていない葉には現
   われない。薔薇の場合ウィルスはほぼ除外していいから、主に黒点病が細
   胞または葉緑体へ影響を与えていると言える。
   ただ日没後の薬剤等の散布が、気孔が閉じる直前であったとき、気孔内へ
   入った薬剤等が治療等の効果を当然表す反面、温度差ショックによって傷
   害の原因になることも多い。したがって、日没の二時間前までに散布を終
   了しておきたい。
( ニ )一枚の小葉に黒点病の病原とうどん粉病の病原が同時に存在するとき、両
   方が発症することはない。どちらか一方だけである。これはどちらが先に
   葉の細胞壁を突破できたかの差であり、一株の様子の中に双方が見えるこ
   とも稀にはある。しかしどちらかと言えば黒点病の方が優勢で、水分には
   弱いうどん粉病の方が斥けられる。また両病は時期的に異なり、病害菌と
   しての知恵も窺えるところだ。うどん粉病に罹る時期よりも、黒点病に罹
   る時期の方がだいたい遅く、そこに温度差がたまたま重なる。
( ホ )たとえば薔薇園全体とか、家庭花壇のすべての薔薇でとか、そのような発
   現をするものではない。出るのは一部の株である。それは傷害が出ない薔
   薇の丈夫さでもあるが、それでも前年はなかったのに当年になって現われ
   たということもあり、注意して見ておく必要がある。出る出ないの差を分
   けている物は何か。それはまだわからない。


 温度差傷害は言わばシモヤケのようなものであり、それ自身は病気ではない。
また黒点病等が拡大したものでもない。したがって治療の仕様がないのだが、予
防はできる。とにかく、春から夏にかけて、また晩夏から秋口にかけて、しっか
りと定期的な予防、特に重曹の散布をしておくこと。感染も発症もないのに傷害
のみが現われるということはない。それらの病気にも傷害にも遭わずに薔薇の日
々を送らせてやれることは可能だ。決して悲観しないように。


                                                
Bouquet  75 




                  -栽培ワンポイント-

                     「蕾の落下」

 2010年は5月から6月にかけて、蕾が大きくならないまま次々と首から切れた
ように落ちたということが各地で起きた。この原因ははっきりしている。4月から5
月上旬にかけての天候の不順、すなわち気温のめまぐるしい変動と日照不足にある。
決して肥料や水分のせいではない。
 特にスケープローズやミニ、オールドローズでシュラブのうちつる性の強い品種で
落下が多かったようだ。それらの品種は、蕾の形成過程で気温の10度以上の差にな
る日が続き、しかも前日と当日の最高気温の差が10度以上になることが多かったり
すると、生殖生長を自ら遮断しようとする。もちろん気温差だけのことではない。雨
天や曇天の日が多く、晴天の日が少ないと気温の差以上のストレス対応の仕組みがは
たらく。開花欲求について自分からブレーキをかける。その理由は開花によるエネル
ギーの消耗を防ぐことにあり、また害虫も益虫も少なくなるとの予想をつけているこ
とでもある。これは動物のような意志による判断ではなく、もちろん植物自身が長い
歴史の中で備えるようになった仕組みの発動だ。
 日照が短くなれば光合成活動が低下する。すると吸水・蒸散、呼吸能、化合物生産
能などという基礎的な代謝活動が抑えられる。薔薇も独立栄養生物。たとえ人間がそ
れを補助しようとしても、施設栽培でない限り天候まではコントロールできない。
 ところで蕾が落ちた後、その花梗における芽が動くかどうかも天候次第で、もしも
不順が続けばほとんどの芽は自衛のためもあり、枝葉や蕾を揚げる動きを停止させる。
そしてひたすら春から初夏への好ましい気候の推移を待つことになる。
 このようになってからわたしたちがすべきことは、あわてて本葉の付け根の芽ま
で切り戻すことではない。動き出す芽を待ち、動いたところまで切り戻す
こと。
たとえそれが三枚葉の所であってもである。(包葉の芽は除外)そして引き続き本葉
のところの芽も動いてくるから、その芽で再度切り戻そう。

 その根拠は蕾を付けていた枝の充実度の違いにある。蕾を落としたらすぐさま下位
の芽のところまで切り戻した枝は、樹高が高くなる品種や主幹を太くしていけるタイ
プではほとんどが充実してくれる。ところがそれら以外の品種は、よりいっそう芽の
動き出しが遅くなったり、動いても芽の付いている枝の充実が遅れる。早く動いてく
れる四季咲き品種ほど良花には恵まれやすいが、遅い品種ほど期待できない。
 またつる薔薇やポリアンサ、ノワゼット系の品種では、房で落下せず残った蕾があ
ったら、それらが生長して開花する場合には咲かせてみよう。蕾の内に取り去る必
要はない。
散り始めてから、その花梗の最上位の本葉の芽の所で切ればよい。そこ
から元のつるや花梗の充実が始まる。これは一季咲き四季咲き共通だ。


                                                 
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             2001.5.15

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