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* パープル系最古の薔薇。色の解析ではマルーン海老茶系紫。色相の
標準尺度から言えば、”赤み”から最も遠ざかった色であり、日照が
長くなるにつれて”赤み”が顕れてきてさらに濃くなる。写真ページ
の二枚目と、一枚目三枚目との差異がそれである。
* 他のガリカ系の薔薇よりステムや葉は細くて柔らかい。枝もすべて
細い蔓状をしており、支柱が必要となる。横這性が強く、フェンス仕
立てやトレリスに向く。葉はダークグリーン。花弁はドーム状に丸く
なり、開くにつれてベルベットパープルの色味へ変わる。このときは
むしろ”赤み”が消えていく過程と考えられる。完全開花でエッジが
ロールする。そのときはダークパープル。刺は少ない。
* 4月下旬から5月上旬に咲き始める早咲き。花保は8~13日間。
花期は15~20日間と短い。咲き終わりには褪色しないままで花弁
が一枚ずつぱらぱらと散り落ちたり、1/4または1/2ずつ重なり
あって落ちる。そして殖存( しょくそん )の形では、しばしば雄しべ
は雌しべに覆い被さることなく、離れて柱状を保つ。その場合雌しべ
はすぐに乾く。暖地では生育が順調な場合に、花群が葉や枝を覆い隠
すように一斉に開く開花を見せる。蕾が極めて小さなままに開くと比
較して驚くような大きさとなる。薔薇の花は開花過程で生長するもの
であることがよくわかる。
* 無香のものが咲くこともあり、これはNとPが不足していた場合も
ある。酵素の不活化ではない。元肥は多くを欲しがりながら、しかし
与えすぎると枝葉から生気が薄れてしまう。このことはこの品種だけ
の特徴なのではなくて、ガリカ一般に特有のことのようだ。元肥の種
類は選ばない。NPKの比率は1:2:1で。Pをそれより少し多めに
したとき花付きが増えるものの、目立たない程度なので比率を守った
方がよい。油かす200g、骨粉250g、硫酸カリを70g。苦土
石灰は40gを10月に、塩化カリの水溶液100ccを1月に。梅
雨明け頃に葉先が褐変することがあり、そのときは同水溶液を80~
100cc。追肥には油かす100g、過石100g、草木灰一握り
を隔月で。合間の月に5-6-7の2000倍液と5-10-5の同
倍液を、一週間おきに交互に注ぐ。夏の元肥は地植・容器植ともにマ
グアンプKをひとつかみ蒔く。葉色が薄れてきたら、春と秋は苦土石
灰40g、夏はメネデールの200~300倍液を。
* 剪定はオールドローズの基本で。花付きの悪くなった古枝を切除し、
支柱などへの誘引に適したポイントで切る。冬夏同様に行う。整枝は
生育中に自ら古い枝、弱い枝を枯らしたまま残すので、そうした枝の
切除に努める。降雨直後に行えば、芽はすぐに動く。
* 耐病性は低くないものの、日中の最高気温と最低気温の温度差が1
0度以上になるとすぐにうどん粉病を発症する。重曹の撒布によって
2,3日で病状は消えても、葉の凸凹はしばらく消えない。害虫は意
外と少なく、アブラムシとシャクトリムシぐらい。ゾウムシやカイガ
ラムシはほとんど見ることはなく、スリップスも来ない。ハキリバチ
とコガネムシがときに大きな被害をもたらす。アルムグリーンの80
0倍で防除。ニンニク木酢は葉を汚し傷めるので使わないように。
* 名は「リシュリュー侯爵」の意味でも、歴史上有名な人物フランス
の”宰相リシュリュー”とは、直接関係ないとされる。当時のフラン
スの侯爵の礼装が紫を高貴な色として用いたから、それに因んでいる。
* 土壌中の保水量や、施肥による養分バランスなどのことが葉と枝の
元気度に見えやすいタイプ。小葉が5枚を超えない薔薇には、概ねそ
のことが当てはまる。しかし元気がないからといって養水分をいきな
り増減させても、外観上ほとんど変化が見られない。元気さを取り戻
しているかどうかは、枝葉や花でなく根で見る。主根からの細根が十
分な長さと数であれば取り戻しており、短くて不規則な出方をしたり
数も少なければ、弱っている。このことは土の一部を掘ってみれば観
察できる。
* ガリカ節の薔薇には包葉が無い。だからあのようなどさっと落ちる
散り方となる。ロサ・アルバ系も同じであり、昆虫を呼び寄せやすく
するための工夫の一つであるとともに、自家受粉を行いやすくするた
めでもある。ところがアルバローズはすぐに自家受粉するのに、ガリ
カローズはそうならない。その理由は不明。私見では雄しべの長さに
関係していると考えている。雄しべは長くなればなるほど、雌しべの
柱頭へ花粉を付けやすくなる。ロサ・アルバ・マキシマは進化の過程
でその形状を獲得し、後のオールドローズへ大きな影響をもたらした。
それにもちろん、蜂や蝶などの昆虫たちに媒介してもらうためにも、
長い方が有利なのである。ところが、ガリカは雄しべを長くする方向
へは進まなかった。リシュリューはそうした遺伝をそのまま継承した
オールドローズなのだと言える。
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