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* 5月中旬から咲き始める中咲き。花保は10~14日間。花期は約
2週間。ステムは細くてやや弱い。各花弁の中央やや広い範囲に、琥
珀の発色をする個性。黄色でも茶色でもないこの色は、潤いに満ちた
色合いであり、気持ちを落ちつかせる効果がある。ただしその発色は
さまざまな条件次第であり、色も径も安定しない。その意味で完成度
に難がある。秋もその傾向がある。
* 主幹の偏伸びが起こりやすく、剪定は強く行うことになる。整枝ポ
イントの判断はつけやすい。耐寒性に少し問題があり、切るタイミン
グをまちがえるとよい芽を逃すことになる。特に、涼しい梅雨が明け
た後、気温の上昇とともによい芽がしっかりふくらみ始めたりする。
したがって夏の花はおよそ一か月間開花が続くこともある。秋剪定は
8月31日~9月2日に。
* 土壌の構成要素が複雑になればなるほど育ちにくい。だから容器植
の時に特定の肥料や改良材以外には、あれこれと施さない方がよい。
元肥には微量要素も含む化成肥料で十分。地植には油かす200g、
骨粉300g、硫酸カリを100g。いずれも追肥は有機液肥のみを
たびたび与える。ボカシ肥料を湯で漉したものを冷ましてから与える
のもよい効果がある。木炭の植底使用とくん炭の混合は若干有効。炭
が薔薇へ与える影響にはいろいろなことがあるが、その一つに「肥料
の分解促進と有益微生物の増殖」がある。ところがこの薔薇の場合、
根からの分泌物がかなり限定的で、炭の効果が限られてしまうようだ。
それは個体差があるということではなくて、この品種全般に言えるこ
とである。
* ハキリバチが最も好むタイプ。かなり多量に葉を切り取っていく。
バラクキバチやゾウムシは少ない。大型のコガネムシは来る。この薔
薇は花数が多くないので、蚊取り線香を粉末になるまで砕き、熱湯で
溶かした後冷えてから木酢の1000倍液へ混合したものを撒布して
おけば、雨に遭わない限り効果がある。展着剤は入れてはならない。
耐病性は低い。温暖で湿度が高いときはうどん粉病と黒点病には必ず
罹る。予防を入念に行なっても病状が収まるまでに相当期間を見なけ
ればならず、その間の衰弱の程度によっては栽培の継続は困難。
* 美しい発色による成型花を見られるのは稀で、栽培上達者にとって
もご機嫌の取り方が難しい。それだけに、期待した色と健全な生育を
見ることができたとき、胸をなで下ろす。でも、この品種が生まれて
からまだ20年も経っていない。作出者のメイアンですら、まだ寿命
も大人の株になってからの変化についても知らないわけである。推測
は可能でも。どのような推測をしているかはおおよそ見当が付く。し
かしこうした世に登場して間もない品種には「わからない」というリ
スクが伴うのは仕方がない。今日も世界中で薔薇の新品種は次々と誕
生し、市場へ出ている。その多くが、人々にあまり知られることなく
いつのまにか消えて行っていることを思う。「わからない」ままに存
在をやめるのだ。ユーザーは市場原理に理解を持っている。生まれて
きたものが人なら、選別淘汰は捨てることと同義になるから救わねば
ならない。しかし薔薇は人ではない。
ところで、もう一つの大きな可能性は消えない。それは、すぐれた誠
実なガーデナーによって、また無名のブリーダーたちの手でこの薔薇
が生きつづけ、新しくすばらしい子孫の親としての名が記憶と記録に
残るかもしれないという希望のことだ。その試みが全くないまま捨て
去るとき、この世に生を受けた生命の一つの想い出だけが、数人の人
たちの中で生きつづけることになる。
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