-栽培ワンポイント-
「害虫防除後の処置」
枯死した薔薇の処置についてと同じように、防除した害虫の死骸に対しても
配慮をする必要がある。もちろん強い農薬を使用したものについてはその限り
ではない。現状では、農薬まで土へ追加すべきではない。ここで言うのは、講
座で述べたような防除をした後の死骸を土へ埋めることについてだ。
彼らの遺体と、生存中に薔薇から得たものを共に土へとの発想は、堆肥と同
じようなものだと理解したい。ごくわずかであっても、たとえばコガネムシや
シャクトリムシ、蜂の成虫たちにしてもタンパク質の塊であり、地や鉢の用土
などへ混合すれば腐敗もしないしカビも出ない。それもまた土壌中の微生物た
ちの働きであり、一年も経たないうちに土の中で遺体を分解してくれる。何ら
防除をしなかったときには、たとえばコガネムシの幼虫が冬の鉢の土替えの時
などにぞろぞろといたりもする。ところが駆除をしたときには、影も形も見ら
れない。土になったのだ。( 農薬防除でなかったら、小鳥がよく来る庭では彼ら
の餌にしてやろう。フィーダーへ入れておけば肉食の種類が食べてくれる )
土の中で生きているのではないコガネムシ成虫やアブラムシ、葉裏で害を為
す蜂の幼虫たちなどを、わたしは予防や、駆除の際によほど多い数でなければ、
葉についているまま葉ごと土へ突き刺すように埋めてしまう。彼らには脱出も
生存も無理であり、すぐに窒息して死ぬと共に微生物によって直ちに分解され
始める。薔薇から得たものを薔薇の土へ還してやる。そのように考えてほしい。
土中の幼虫などは、土の表へ出て来たり施肥の際に見つけたときなどに水の
中へ浸けてしまおう。彼らは水中では生きられず、溺れ死ぬ。それから土へ還
してやろう。
庭などで目が届かぬところにいる害虫の生体や死骸は、益虫たちが始末して
くれる。そしてその益虫たちが他の益虫や鳥などに食べられたり、寿命が尽き
れば、これまたわたしたちの気づかぬ間に土になっていく。
決してこのような循環の輪を断ち切らないようにしよう。彼らは皆、ゴミで
はない。もともと自然の一部であり、生命の一つだったのだ。捨てれば済むと
いう考えから、捨てれば悪くなるとの考えに変わろう。わたしたちがつくる堆
肥が一種の堆積であるように、土は生命の堆積なのだと。