-栽培ワンポイント-
「局所施肥」
実際に行おうとして迷う人たちのためにこの施肥法を簡単に解説しておこう。
当園のように70,90リットルといったペールに植えてあるのでなければ、通
常鉢植えで局所施肥はできない。それは15号を超えるようなものでないと、た
とえ施したとしてもすぐに肥料からの養分は鉢の用土全体に広がるからだ。それ
では局所に施したメリットはない。
つまりこのやり方のメリットは養分が土壌の一部へ十分に広がってから、一定
以上に広がる前に肥効が消えることにある。
したがって地植で、近接した二箇所あるいは三箇所ではなく、株元を中心とし
て対角線上に施すことになる。隣接の別株との株間距離によって変わるが、だい
たい株元から30cm以上の距離になるところを掘る。長年の株や横張り性の強
い株であれば最も株から横に遠い位置へ張りだしている枝先の真下でよい。また
つる性の強いもの、枝が長い品種では50cm~1mのところが目安となる。
対角の位置に適切な掘り方ができないとかそもそも掘れないといったケースで
は、一箇所のみでよい。礼肥や追肥をそこに施す。
掘る深さは肥料の量を10で割り、さらにその半分の数字のcmを基準にする
とよい。株周りに十分にこの施肥をする余地があればそのような基準は必要ない
ことになるが、普通の家庭花壇であれば毎回同じ場所か前回の近くへ施すことが
多いだろう。
掘る広さも深さと同じかまたは少し広げる。そしてとにかく土と肥料を丁寧に
こまかく混ぜることだ。
かつては元肥のようにできるだけ深く掘ろうと指導されることが多かった。し
かし現在は浅い施肥の方が推奨されている。その根拠は肥料の養分の溶脱のあり
方にある。降雨によって養分は土の下へ下へとおりていくからだ。しかもほとん
ど広がりながらである。そのことから、毎回同じ箇所に施す場合少しずつ前回よ
りも深く掘るのがよい。しかも前回耕すように施した土も含めて混ぜよう。土の
量と肥料の量との比率は無関係である。一度にどれだけの量を与えるかだけが重
要となる。
なお、円耕施肥法のように、根を切るまいとして慎重に掘る必要はない。局所
施肥のメリットの一つが多少薔薇の根を切ってしまってもよいことにある。ただ
し行き当たった根がかなり太いときには切らないようにして、場所を変えよう。
誤って切ったりするとその株全体の成長が悪化することになる。太いのかそうで
ないのかの判断がつきにくいのであれば円耕施肥を何度もくりかえして、根を観
察する経験を積んだ方がよい。 これ以上詳しくは地植講座で。