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* 今でも呼び名を「コクテール」としている人は多い。この品種に限らず、
日本語表記の乱れは専門家や業者の間でも著しく、その原因は薔薇栽培がま
だアマチュアの域を出ず、権威ある薔薇の基礎学が成り立っていないところ
にある。スーパーカミオカンデでノーベル賞を受賞した日本人学者が訴えた
ように、基礎学問が確立されるような素地がガーデニング世界の底辺にぜひ
とも必要だと、国や地方自治体に向けて訴えたい。わが国に植物学の博物誌
的世界を切り開いた 牧野富太郎博士も天からそう見ているのではないか。
* またこの品種は普及が速かったために「蔓薔薇」と思われているところ
があるが、「グラハム・トーマス」と同じくシュラブである。これは各地の
ばら会と国家ばら会が、栽培や観賞に関する入門書を発刊し始めた草創期に、
そうした本の中での分類にシュラブを含めてこなかった責任がある。その背
景には驚くほど蔓が伸びていくランブラーの存在を知らなかったことがある。
そして日本人のわたしたちにとってつる植物とは自ら他の物に巻き付いて伸
びるアサガオのようなもののことであり、ランブラーもクライマーもつる植
物とは当初思えなかったのだ。そして残念なことに、欧米から最初にモダン
ローズを受け入れてびっくりした人たちの考えにより、薔薇が西洋の花だと
のイメージが定着してしまった。ところが欧米の人たちは皆驚く。日本人が
ノイバラのことを知らないことに。彼らは理解に苦しんでいる、自分の国を
誇りに思わないのにどうして世界で最も治安がよいのかと。
* 花保は4~7日と短い。早咲きで、約30日間の花期。開花してから2~3
日で花芯は黄色から白に変わる。
* 元肥は特に種類を選ばないがどん欲。多肥害はまず出ない。出るとすれ
ば容器植で水やりが少ないとき。多肥の欠点は黒点病やうどん粉病に罹りや
すくなること。それらの病状がしつこいときは施肥量をひかえめにしたほう
がよい。
* 新芽の伸びは非常に速い。各枝はかなり暴れるようなフリータイプなの
で、普通の蔓薔薇のように方向を矯正してやる。ポール仕立てにしたときの
葉と花のバランスがきわめて整然として美しい。トレリスでは扱いにくい。
* 水分を欲しがるので、保水力のある土にすること。また中耕の効果は大
きくのびのびと育つ。どの枝もさほど太くならないわりに硬いことからもそ
れが窺える。シュートは、他のシュラブと同じく決して短くカットしてはな
らない。
* ブラインドが多いときはアルゴフラッシュやハイポネックスのような速
効液肥を多めに与える。ただし、2000倍で。回数も週に1、2回とし、一度に
与える量を以前よりも増やす。
* 頂芽は1月から動く。つぼみの初見は4月上旬から中旬にかけて。二番花
は6月上旬には満開になる。夏はつぼみをピンチしてもすぐ次のつぼみを付
ける。また、春よりも花の赤みは濃くなる。この時期の鉄分不足に注意。
葉の緑色がかすれてくる。元気がないときはキャンカーが出やすい。ただち
にメネデールの200倍液を3~4日おきに計3回たっぷりと。鉄の過剰害はな
い。花は夜閉じ、夜間の雨の影響を受けやすい。ステムも含めた全体がうな
だれるだけでなく、止んだあとの葉の蒸散作用によって散りが早まる。
* アブラムシは比較的少なく、マメコガネの被害が大きい。土への産卵後、
幼虫が根を食い荒らす。テッポウムシも好む。牛糞でマルチをすると彼らを
招きやすい。クッションづくりに欠かせない白く小さなビーズのようなスチ
ロール球を土に混合すれば、コガネ類は食べて死ぬ。
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[高知県立牧野植物園]
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