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* 5月中下旬から咲き始めるやや遅咲き。花保は約二週間。花期は1
ヶ月に少し満たない程度。最も大きな特徴は、スケープローズとして
扱われることが多いように、開花が全房で一斉であること。ばらつき
が全くなく、中断がない。こうした薔薇の特異な点として、くりかえ
し咲き性はあまり強くなく、年間を通じて開花期は3,4回しかない。
それでも開花中は株全体での圧倒的なボリューム感を誇る。小さくと
も照り葉の本葉は生き生きとして、半日陰でも落葉が少ない。その点
で西日も当たるような植え場所が望ましく、日照がたっぷりであれば
花付きの方もさらによくなる。
* 寒暖いずれの地方でもほぼ健全な生育が可能。したがってスケープ
ローズとして活かすのであれば薔薇園の縁取りに数株以上用いて同時
に咲かせれば、絶妙の擁壁が築ける。その場合、しっかりしたつるを
数本選んで残し、あとはすべてクラウンの付け根から切除してから残
したつるの花殻を摘みつつ整枝することになる。すると夏を越す頃ま
でに新しいつるが出て伸びるので、長さが十分になるのを見計らって
から配枝することになる。
* こうした品種への施肥で、元肥を冬または夏のみとし、追肥をほと
んど与えないで育てているような公園管理がしばしば見受けられる。
しかしそれは土壌の滋養を当てにしすぎた手入れであり、最善とは言
えない。この薔薇は堆肥投入だけでは寿命を短くする。だから薔薇園
や一般家庭においてはきちんとした施肥計画により、たびたび施肥を
行うことが望ましい。その手間を簡略化する方法としては、まず一年
間に必要な量として1kgのぼかし肥料を用意し、それを四等分して
春夏秋冬の適当な時期に施す。局所への幅広い混合でよい。その上で
追肥を液肥とし、アルゴフラッシュ等の効きの早いものの1000倍
を10日おきに株元へ灌注する。できれば年間の施用位置を決めてお
き、その地点にのみ注ぐ。翌年は場所を変える。
* 土壌活力剤や酸素発生剤などの効きは弱い。これは根数が少なくて
長く伸ばすタイプだからであり、その点ではモッコウバラに似ている。
ノイバラのようには根を増やしていかないタイプ。だから生育の合間
に数回深めに耕すのは根を切る懼れがあるので避け、休眠中に耕した
方がよいことになる。そのとき根が切れても、その結果として新しい
根の発生が促される。春以降にどんどん伸びていく。
* 病害虫に関しては普通のスケープローズのようにほとんど心配は要
らない。被害にあってもダメージは少なく、水分の過不足に対しても
すぐに調節機能が働き、めったなことでは衰弱しない。その意味では
かなりの野性的な強みを持っている。よほどの環境の問題さえなけれ
ば、うどん粉など数日で消え去るし、黒点病の病班も点のままで終わ
る。稀にキャンカーでつるの一本を丸ごと失う場合もあるが、そのこ
とによる衰えはない。この薔薇に最も大きなダメージを与えるのは糸
状菌の一種による疫病。ただしこの病気が広がるのはほとんどがハウ
ス栽培の場合で、一般にはまず発生しない。万一この病気であった場
合はあっという間に全身に症状が出るので、土から抜いて焼却し、土
壌も広い範囲で消毒するか、深さを十分取った天地返しをするしかな
い。
* 咲き殻の処理は、自分からすぐに花弁をどんどん散らしていくので
そのようすを楽しんで後に弱いつるを元から切除する。そして丈夫な
つるの房茎を切っていく。これをするまでにすでにシュートが数本出
ているはずだから、そのつるが長くなったらしっかり日光が当たるよ
うにしておかなくてはならない。
* 容器植の場合は容器のサイズに見合った大きさにしかならない。そ
こでコンパクトな姿のまま育てる際はつるの数を求めるのではなく、
数本のつるがたっぷりと長く伸びるように手入れの方針を定めるべき
だ。そうしないと開花数そのものが減っていき、寿命も短いままで一
生を終えることになる。
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