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* 花弁が大きく波打ち、英語でこれを「ラッフル」と言う。スパニッシュ
・ビューティはモダンクライマーの中で蔓の伸長力が最も強いものの一つ。
特に、伸びる速度が「アンクル・ウォルター」「ピエール・ド・ロンサール」
「アルティッシモ」等と比べても桁違いに速い。これは、それらのクライマ
ーと蔓の「やわらかさ」が違うからで、どんな誘引をしても満足のいく結果
となる。もちろん、直角に曲げようとすれば折れる。
* 暖冬の年は4月中旬から、標準的には5月上旬から開花する早咲き。ド
ン・ホセの前で、カルメンが口にくわえて踊るのがウォルターやアルティッ
シモあるいは「つるクリムゾン・グローリー」であるとするなら、彼女が身
にまとっているドレスはこのスパニッシュ・ビューティであろう。満開時の、
スケールの大きな清らかな華麗さで、この薔薇を凌ぐものはないとまで言い
たい。返り咲きは100%ない。
* シュートの多発ぶりや、十分な大きさを持った本葉の密な繁り方におい
ても、その生き生きとした全体のようすにおいて、完成度の高さは驚異的で
すらある。スペインで最も有名なローズブリーダーであるドット(父)は、
薔薇の世界に実に貴重な品種を加えたとも言える。また、他の隣りあう薔薇
たちとの調和においても、まるで完全三度や五度の和音を奏でてくれて、誰
にとっても育てがいのある品種だ。
* この薔薇だけが、元肥の比率を1:4:1とした方がよい結果になる。
油かすまたは尿安300g。骨粉と過石各400g。それにヨーリンを離し
た場所に150g、硫酸カリ150g。夏はヨーリンを省き、魚粉200g
に替える。礼肥にはマグアンプK6-40-6-15を一握りに、腐葉土を
バケツ一杯分たっぷり混ぜる。表土とよく混合すること。ブラインドが少し
出ているようなら、カニ殻と蠣殻を一握りずつ追加するとそれからは減って
くれる。微量要素吸収を促進するための”大根ジアスターゼ”混入は、この
薔薇には効果があった。ピンクブレンド全体にわたって色艶が増した。追肥
は決して欲張ってはならないが、怠りなく毎月のようにボカシ肥料を200
gぐらいずつ。
* 最も警戒が必要なのは水分不足。地植であっても油断できない。花保が
7~11日間、花期が3週間~25日程度と決して長くない。水分が不足す
るとさらに早く散ってしまう。地植の場合の水やりは、株元から少し離れた
ところに適当な大きさの穴を掘り、夜間、ホースの先からチョロチョロと流
し続け、朝になって止めるやり方で。近接している他の薔薇もよろこんでく
れる。土を跳ね飛ばすような灌水を決してしてはならない。
* 病害虫への耐性も抜群で、重曹、アルムグリーン、アグリチンキなどで
の予防ですべて防げる。不幸にもテッポウムシが食害を始めたら、樹や根の
中での移動が激しいので退治は厄介。ニームオイルによる湿布巻きで上か下
へ追いやり、新しい虫糞出しの穴にアルムグリーン原液と糖蜜混合の液をし
みこませた綿棒を刺す。もちろん綿棒の巻きの奥まで浸みていなくてはいけ
ない。表面だけではさしこむときに取れてしまう。あらかじめ湯で綿棒の先
をやわらかくしておけば浸みこみやすい。
* 剪定と整枝は普通のクライマーと同じでよい。3年以上前からの蔓でも
シュートを出すので、花枝の出がよほど悪くなければ4年間は切除しないで
おく。 秋が深まってくると葉は黄化しはじめ、休眠へと向かう。暖地では
このときにもシュートが伸び続ける。それまでに主なシュートは十分な長さ
になっているから、時期を見て誘引してもかまわない。
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[RHODE ISLAND ROSE SOCIETY]
[健康マトリックス]
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-栽培ワンポイント- |
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「三要素の比率」
薔薇への施肥で、元肥には三要素の比率が重要であることはよく知られている。
チッソNを1としたときにリン酸PとカリKがそれぞれどのくらいの割合で必要
か。その原則はなぜ品種ごとにあるいはグループごとに守らなくてはならないの
か。
その詳細は講座で述べることとして、ここでは施肥における肥料ごとのちょっと
したコツを紹介しておきたい。ただしここでは鉢植え講座で述べたぼかし肥料は
対象外である。
( 1 )三要素共、施肥しても降雨その他で必ず3~4割が流亡し、根は吸収でき
ない。言わばロスが生じる。残りの6~7割が根の吸収の対象となる無機化が土
の中で行われる。( リン酸だけは土壌内の金属元素と結びつく性質が強く、多く
とも有効全量の3~4割しか吸収できない )。
( 2 )三要素共、新鮮なものを土に入れておよそ60日後に有効無機化である6
0%が終了する。つまり流亡分を差し引いた養分が根に吸われるのは、施肥して
から二か月後だ。ところで実際には休眠打破があり、剪定が行われたころから根
は吸収による生育ステージに入る。気温が上昇すると共に各芽は日光による刺激
も受け、根も伸びるようにと芽を促す。このときからMgも働き始める。酵素と
共に。
( 3 )発酵済みの油粕を施すとき、袋などからそのまま予定量を土へというのも
まちがいではない。しかし地植ではできるだけNPKを水の中で土と共に練り、
やや大きめの団子にしてから植土へ与える方がよい。わざと、団子の内外の土の
状態に言わば格差を付けてやるのだ。これによって、水に濡れてしかも他の肥料
ともむすびつけられた油粕からのNPKは、かなり効率的に無機化される。
( 4 )骨粉をリン酸肥料として用いるとき、より友好的な施肥となるよう細かく
砕いてから施す人がいる。だがこの方法はまちがい。骨粉は細かくすればするほ
ど無機化は遅れる。肥効が始まるまでに二か月どころかその倍もかかる。
( 5 )硫酸カリなどは、( 3 )のように水で練ったときには事後の水も土へ注ぐ。
というのも硫酸カリは水溶化しやすいからだ。ただ硫酸根を初めから持つだけに
土壌の構造がカリウムを捕まえやすく、保持しやすい。したがって心配は要らな
い。
( 6 )NPKの施肥と共に堆肥も新鮮なものを施すべきで、古くてチッソ含量の
少ない堆肥を入れてはならない。そのチッソは微生物のエネルギー源であり、た
とえNの全含量が堆肥には少なくても、微生物の増殖には十分だ。もちろん薔薇
の根も堆肥から窒素を吸収するが、それよりも肥料からの方がはるかに多い。
( 7 )NとKはMgやCaの効きを左右する。すなわち多すぎればそれらの肥効
を減らすことになる。Pは無関係であり、他の肥料がバランスを考慮して増減さ
れねばならないのに対して、必要に応じて加減すればよい。特に薔薇はリン酸の
増減に敏感であり、注意するのは与えるタイミングだけである。
( 8 )以上のように、1:4:1という比率のことから、このスパニッシュ・ビ
ューティがどのような薔薇であるのかもわかるだろう。雄大で波打つ花容、そし
てつるの太さと伸び、硬さなどはその多くをリン酸に負っているのだ。もしも少
なかったら、そうした特徴を変えぬまま全体のスケールが小さくなる。シュート
の伸びも悪くなる。
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