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* これまで( 2003年 )訪れたどこでも、この薔薇を見ることはな
かった。コルデスの品種は多数あり、どの薔薇園でも必ずあるものな
のに。今年( 2006年 )は『ダ・ヴィンチコード』の大ヒットの年
だったから、それ以後増えているかもしれない。いずれにしても育成
度を高めようとすると、なかなかうまくいかない薔薇である。特別気
難しいのではない。もともとの風土とわが国の風土が合いにくいため
だと思う。その意味ではあらゆる工夫を楽しめる品種でもある。
* 5月下旬から咲き始める遅咲き。花保は7~10日間。花期は20
~25日間。秋もあまり変わらない。雨で花弁が傷みやすい。それは
成熟株となってからも続く。
* うどん粉病に、これほど過敏で弱い薔薇はそう多くはない。極端だ。
「ブレイリーNo.2」と双璧を為す。必ず花弁にまで及び、高温多湿
がそもそもダメージを強くしている。予防しても罹り、治療をくどい
ほど行なっても効果は低い。健全に育っていても。うどん粉病のしつ
こさは樹高に影響するので、冷涼で乾き気味のヨーロッパのいくつか
の地方のようには高くならない。黒点病にも弱い。生育にブレーキが
かかり、回復は容易ではない。また夏に落葉させると、秋はほとんど
蕾を付けてくれない。その点は「ソレイユ・ドール」に似ている。も
ちろんその落葉は防衛反応であって、決して衰弱ではない。ダメージ
の軽減のために落としている。ところが、モナリザもソレイユ・ドー
ルも、過剰なまでの反応と見えるのだ。この薔薇がまだ30歳のとこ
ろは見たことがないので断定はできず、早く見て判断の決着をつけた
いところ。ドイツからの報告も芳しいとは言えないのもふしぎ。
* 勢いのある一番花で、秀逸な花を見られることもある。その時の花
はみごとで、このようなすばらしい色彩の花はもう二度と見られない
かもしれないと思えるほど。それはそのまま育成度の高さとは言い難
いのが心憎い。これこそ、美女の謎の微笑みか。
* 開花予想日の20日前には必ず施肥をストップすること。元肥は、地
植の場合株元から30~40cm離したところへ。決して植穴底に入
れない方がよい。根焼けを起こす。量も標準の半分で。標準通りに与
えると、花色は汚れる。Nに硫安100gを12月に与え、一か月は
間を空けてからPに骨粉150g、Kは硫酸カリ30g。容器植では
苦土石灰を控えめにし、油かすと骨粉を少量ずつたびたび施す。水分
はたっぷりと必要。ただし、容器植での灌水は、跳ね返り伝染を防ぐ
ためにひしゃくなどで汲みながら与えるように。
* 剪定は強く。遠慮すると貧弱な枝ばかりになりやすく、丈夫になり
にくい。秋剪定は8月29~31日に。寒冷地では秋剪定は必要ない。
咲き殻切りを普通の整枝のようにして行うこと。その時葉がどれほど
あるかによって、その後の花付きが変わる。
* 害虫はアブラムシとゾウムシ。他はあまり来ない。ときにバラクキ
バチが大きな被害を及ぼすこともある。彼らの飛来時期にちょうど蕾
がふくらみ始めるからだ。これはと思うステムの該当箇所へ、板ガム
の一部を両端だけ噛んでから巻き、テープのようにして防ぐ。時期が
過ぎたらハサミかカッターナイフで切りはずす。風変わりでも確実な
効果がある。
* 根張りは意外と力強く、細根を多く出す。健全な白い根であれば、
生育に活気が出て来る。その点では容器植の方がよい結果をもたらし
やすい。
* 熱心に手入れをしても報われることは少なく、中級者へは勧められ
ない。このような薔薇に取り組めるのは、最初から「報われる」こと
を求めない人物だけだ。報いることしか考えない人だけが、付き合え
る。だから初心者にもと。
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