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 シュラブ的性質を持ったミニ、と言える。ミニアチュアブッシュの
 影響を感じさせつつ、全体にはザ・フェアリイと同じシュラブそのも
 のを思わせる。
 5月下旬から咲き始める遅咲き。開花期間は2~3週間。気温が高
 めであれば散りは早く、花保は長くて6~8日間。寒冷地でも気温が
 上昇しつつあるタイミングの時は変わらない。ただ、二番花は気温が
 高い夏であっても春より花数は多い傾向を示し、7月下旬から8月に
 かけてひっきりなしに開花する。水分さえ十分であれば、高温下で疲
 弊しない。散ったところにすぐに鋏を入れれば8月いっぱい咲くこと
 も多い。
 小山のように盛り上がる仕立てにも向くが、その場合枝は折り重な
 るようになって整枝しにくい。容器植で、深いものに植え付け、支柱
 を立てて誘引するかまたは筒型に誘引するとおさまりがよくなり美し
 い。
 元肥は1:2:1で。Mgを少量、必ず同時に施すこと。礼肥に有
 機固形肥料を置き肥にし、追肥は液肥で。Pが多ければどのような液
 肥でもかまわない。そのタイプの小輪多花のシュラブにありがちなこ
 とだが、木酢と米のとぎ汁をそれぞれ薄目に混合して月に一、二度与
 えると、用土中の堆肥による保肥力が増す。灌水や降雨で容易に養分
 が流亡しにくくなる。小輪シュラブでは見られにくい、下葉の充実が
 確実に見られるようになる。
  梅雨時に容器植でも地植でも冠水気味になると、花芯の崩れは早く
 なる。できれば連日の雨や灌水を避ける。
 害虫ではとりわけアブラムシが多く、放っておくとびっしりと群が
 る。一匹でも見つけたら、すぐに予防を。アブラムシに吸汁された葉
 や蕾の首などは、簡単に衰弱して褐変または黄変して落ちる。耐害虫
 性は低い。その他、花にはマメコガネ、根にその幼虫が群がる。木酢
 プラス唐辛子の効果は低く、アルムグリーン800倍で予防・治療を。
  病気ではうどん粉病とモザイク病に注意。ただ前者にはかなり抵抗
 力があり罹りにくいものの、一端発病すると少数の葉がかなりの縮れ
 をみせて萎縮し、他の品種への感染源となりやすい。予防と治療は木
 酢液の20倍で可能。後者はアブラムシを媒介者とし、葉がよじれて
 黄色っぽい斑入りとなる。早めに病葉を摘みとれば拡大を防げる。た
 だしその際に必ずマルチ材を新鮮なものへ替えることも行うように。
 一般的なミニと違い、主要な枝の寿命は長い。剪定は一般のシュラ
 ブやミニと同様にしても、整枝は短枝のみをこまめに切除し、30c
 mを超える枝はできるだけ長く残すように鋏を入れる。花殻摘みも最
 初の五枚葉のところでよく、短く切りつめないこと。短くするとすぐ
 に芽が動き、樹としての消耗が激しい。その場合、5年目以降の花付
 きが急に悪くなることが多い。
 根は細く、数が多い。ミニとシュラブでは根の伸長力が違うものだ
 が、この品種も早い。したがって用土を耕すとき、思い切って深くま
 で実施できる。いくらかの根が傷ついても、極端に多くなければ新し
 い根の伸びも古い根の回復も早くてスムーズ。その性質はザ・フェア
 リイの強みを受け継いでいると言える。春の一番花後と秋の一番花後
 に、容器でも地でも一度抜いて根をしごき、丁寧に植え替えしておく
 とみちがえるような生育の弾みをみせてくれる。この薔薇の最もすば
 らしいところかもしれない。
 房咲きにならない様子があまりにも顕著なときには、根が十分に育
 っていないことを疑い、すぐに抜いて新しい土で植え替えを。特に地
 植では、病気でなくとも稀にそのようなことが起こり、新鮮な赤玉土
 を花壇の土に混ぜた所に植え直すと、樹勢は回復する。そのようなこ
 とがないように、冬の元肥の際に植え付け予定地を事前にしっかり耕
 すこと。樹勢が悪化する原因は、おそらく土壌にアルミニウムが多す
 ぎることと思われ、それは単にリン酸を多めに施せば改善されるとい
 うものでもない。










Lecture 2 シュラブの施肥設計と実践







Link  アルムグリーン











Lecture 2 シュラブの春剪定
Lecture 2 シュラブの整枝











Onepoint 植え替えのタブー

Lecture 2 生育環境別に工夫する施肥



    花弁の散り方はさらりとしていてかわいい。  まるで、この薔薇が、キネンシスが持たなかった「淡麗さ」を     すみずみまで獲得していて表現するかのようだ。




                   -栽培ワンポイント-

               「鉢植えでの灌水と灌注の違い」

 根に水分を与えることが目的の灌水と、液肥や予防・治療薬を与えるのが目的の灌
注と、どちらを優先させるか、つまり灌注も水分の施しになるのだから一緒ではない
かと思うのは誤りである。
 根に水分を与えるのは、土壌内にある養分等や微生物に水分を与えることでもあり
灌注は水で希釈した内容物を与え、それが根から地上部へと送られることでは灌水と
同じでも、その内容物が何であれ、土とその中にあるものとの一部へでも必ず影響が
ある。特に農薬を希釈したもののときには好影響は小さく、悪影響があるときの方が
影響の程度は大きい。混合可能な農薬どうしを、多数組み合わせて与えたときほどそ
うである。効力が向かう対象がピンポイントであるとは限らない。
 また灌注で害が一目でわかることは稀で、団粒構造の崩壊にしろ、有益な微生物の
減少にしろ、進行はたいへんゆっくりしている。そのようなものしか登録を許されて
いない。
 水分だけの灌水では、排水に問題さえなければ、一時的に湛水状態になることには
土が復元力を持ち、むしろその水分の過剰状態をあらゆる微生物も根も、さらには土
壌の化学性も利用している。その合理性やスケールの大きさは、容易に想像できるし
自然の仕組みの圧倒的な強さにただ胸打たれるだけだ。
 そこで、灌注によって水分の補給も済んだと安心せず、灌水も行おう。その際、あ
なたのスケジュールや鉢数、また時候によっても変わってくるが、近接して両方を行
うときには夕刻から夜間にかけて灌注をし、灌水に日中時間を与えよう。そうすれば
たとえ翌日の灌水であっても、注いだ成分の土のコロイドによる保持は済んでいる。

                                                   


                            
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