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  耐病性 
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 5月中旬から咲き始める中咲き。花期はおよそ40日間。ほとんど房
 咲きにならない( 若い間は房咲きになることも多いが、次第に房には
 ならなくなる )品種としては驚異的。一輪の花保も2週間以上と長い。
 ステムの強度はほどほどでも、花托の断面図を見ると理解できるよう
 に各花弁の付け根部分がかなり厚く硬い。散る前に褪色が見えるのは
 夏季だけで、その時期ですら少ない。真夏に水分不足で日焼けは起き
 る。花瓶などに挿すときは茎が短いと吸い上げが悪いので、ステムよ
 りも花梗をできるだけ長くとって切る。
 剪定は毎年強剪定を続け、3年目以降の花の高さが人の目線の高さ
 になるよう整えていくと、毎年毎回同じ調子で安定感が増す。地植で
 の植え位置、容器栽培での置き場所によっては横張り性が強く出て来
 るから、それを見越した切り方が必要。ベーサルシュートの出は遅い
 方なので、寒地では梅雨期の低温に気をつけ、ひどく気温が下がりそ
 うなときには早めにシュート処理を済ませる。一段目或いは二段目が
 短くなっても、夏が来れば一気に十分な長さにまで伸びる。
 整枝はすべて、本葉を一、二枚付けて切るという基本を守るように。
 また切る機会が多くなると却って樹形が乱れることが多いので、切る
 機会を減らし、集中的な整枝を心がける。
 耐病性とその増進力にはかなり高度なものがあり、健全に育てやす
 い。ベト病・灰色カビ病にはまず罹病しない。うどん粉も稀であり、
 ガン腫病にも頑強な抵抗力がある。もしも発症したらポリープを切除
 し、石灰硫黄合剤に煙草の灰を少量混合して塗布。ほとんど再発しな
 い。暖地における猛暑下でも安心して治療を。
 黒点病にも平気だが、幼苗の間に葉のほとんどへ広がるとダメージは
 大きく、数年間は強健な生育とならない。したがって重曹散布で予防
 をしっかりと。
 害虫による食害は極端に被害箇所が多くない限り、無視できる。
 ゴマダラメイガは一般に赤い薔薇を好み、この薔薇にも来る。ただ幼
 虫の発見や産卵後の成虫の発見がたやすいので、見つけ次第捕殺。そ
 の他コガネムシやゾウムシ、バラクキバチも訪れる。
 地植の場合、堆肥を頻繁に交換しつつ中耕しているとミミズが集まり
 やすくなり、害虫の地中の卵を食べてくれる。
 元肥は1:3:1とし、冬のみMgをたっぷりと加えておく。油粕
 または硫安を500g、骨粉または過リン酸石灰を800~900g、
 硫酸カリを300g。株周りへまんべんなく土壌混和し、一箇所へ集
 中させる与え方はしないように。この薔薇の根は、初回の施肥を除き、
 年々濃度の高いところを避けるように伸びていく。鉢植えの場合は高
 度化成の粒状肥料を少量と5-5-5の配合である置き肥を併用すれ
 ば十分。置き肥は必ず軽く埋め込むようにして。液肥は花後のみ一、
 二度与え、他の時期には与える必要はない。剪定や整枝直後に木酢
 100~200倍液を灌注すると、肥料の効きが増す。
 マルチ材として堆肥類を用いるとき、冬から夏にかけてはマルチの
 下にカニ殻を薄く敷き秋から冬にかけては蠣殻を厚く敷いておくと、
 樹勢は一層強くなる。翌年の開花はさらに凄みを増していき、全弁に
 亘って発色が冴え、あらゆる耐性が増していく。これは年間を通じて
 微量ずつのリン酸とカリウムの補給になるからで、他の品種にも一定
 の効果はあるがこの薔薇ほどではない。花色を一層よくしようと
して
 カリウムを何度も施すのは、この薔薇を不健全にするだけであり、

 特に容器植では試みない方がよい。
 また根は太くて長いものを数本伸ばしながらすべてを得ようとしてい
 くタイプであるから、できれば花壇などにおける不要の石塊はあらか
 じめ取り除いておく。そして根の伸びていない所に堆肥を入れるよう
 にする。株元から遠い位置ではなく。
 この薔薇に香りがあったら、どんなにすばらしいと称賛され続ける
 ことか。似たタイプの花を咲かせるアンクル・ウォルターと同じく、
 香りはわずかしかなく、しかも日数が限られている。しかしウォルタ
 ーやオクラホマ、オリビア、乾杯などでも見られる“紅の発言力”に
 この薔薇はもう一つ高い次元の“説得力”を加えた。天・地・人の三
 元の世界に、どこまでも凛として、いつまでも重さを失わない格調を
 備えて生きる。その力が由来するところが自然界でしかないというこ
 とに、この花をまっすぐ見たときのわたしたちの畏敬の念も由来して
 いる。凄い薔薇だ。



Lecture 2 HTの春剪定
Lecture 2 HTの秋剪定
Lecture 2 HTの整枝













[散歩道の昆虫記]

Onepoint  害虫防除後の処置


Lecture 2 HTの施肥設計と実践









Refer  マルチングによる土壌物理性の制御 














    




                   -栽培ワンポイント-

                     「カニ殻とカキ殻」

  よく知られているようにカニ殻にはキチンとキトサンがたっぷりと含まれている。
そしてこの二種は昆虫の殻やキノコにもあるが、カニ殻と等量を得ようとするのは
現実的ではないからカニ殻が用いられている。
 キチンもキトサンもそれらを分解する酵素を作ることのできる微生物群が用土内で
増殖する。前者がキチナーゼ、後者がキトサナーゼという名の酵素。これらの微生物
群は基本的に他のどんな微生物種にも働きを邪魔されない。それはキチン・キトサン
が多糖類であり、しかも炭素・水素・酸素以外に窒素を含むからだ。その窒素がアミ
ノ基となってアミノ酸が糖のなかにある。したがって多くの微生物種にとって共通の
餌を含んでいることになり、しかも窒素もアミノ酸自体も薔薇の根との共同利用とな
っている。根が分泌する酸がキトサンをさらに溶かすからで、微生物たちはそれを歓
迎している。
 また、そうした根に親和する微生物群の増殖は、それだけ根に有害な微生物群の密
度を下げることにもなる。一般に土壌の塩基バランスを崩すのは特定化学肥料の使い
すぎや病原菌の繁殖、異常な天候などで、カニ殻は堆肥としてそのバランスの崩れを
緩和する働きがある。それが微生物相を有益な集団として安定させ、特にカニ殻の方
に土をふわふわにする効果が高い。さらに、一旦膨軟化しはじめた土は、根に有害な
微生物や有益な微生物の増殖を抑えるもの( たとえば害センチュウ )の住みにくい土
となりはじめてもいる。両方とも極限まで住みにくくなったのが鉱物であり岩石だ。
 一方カキ殻にはカルシウムがあり、しかもそれはタンパク質と結合した形で殻を構
成している。それが炭酸カルシウムで、殻を複雑で堅牢な構造とするために各種のア
ミノ酸を用いてある。そしてこの有機化合物が海中でつくられるときに、海中にある、
およそ8種類の微量要素( 鉄や亜鉛やマグネシウムなど )も取り込む。ただカルシウ
ム単一の殻であれば、石灰と変わらない使い方しかできない。しかしそうした微量要
素をたっぷり含んでいるから根による吸収が行われるとともに、それら要素へと無機
化が微生物によっても進み、カニ殻とはまた別の活気を土壌内にもたらす。たとえば
カキ殻を細かく砕いただけのもののところに雑草を植えると、ちゃんと育つほどだ。
 またカキ殻のカルシウムは、石灰や草木灰のように土をすばやく中和したりアルカ
リ化させる性質のものではない。それには大量を必要とし、また時間も相当かかる。
したがって薔薇の根も喜び、しかもカニ殻以上に地上部の生長にプラスに働く。
 ぼかし肥料にカキ殻をあまり加えないのは、作り置きしている間にカルシウムのア
ルカリ化作用が強く表れるためで、入れるのはカニ殻のみにしておこう。


 さらに言うと、カニ殻は堆肥的な使用ができるものの、カキ殻の方はできない。そ
れはカルシウムを除き、他の微量要素が容易に土の中を流亡していくからだ。だから
できるだけ土に接するように敷いたマルチ材として役に立つ。またカニ殻は土中で水
分の吸収と放出を頻繁に行うような乾きやすさがあり、カキ殻の方は人の手で砕いた
程度の細かさであれば水分を一度含むとなかなか逃さない。つまり湿った状態が長続
きして、その点でもマルチ材として適切なのだ。
 なお、カニ殻カキ殻共にカリウムの補給にもなるのは、土壌内のカリウムがカリと
して薔薇の根に吸収される際に、根酸と微生物の共同作用でキトサンも微量要素も同
時に溶かされるためで、それだけ土中のカリを広範囲に効率よく根が吸収できるよう
になることを指す。
 特に鉢植えの薔薇に対して、カニ殻もしくはカキ殻を敷いた後に食酢を100倍に
薄めたものを100cc程度注ぐとよい。カニ殻では効果が低いが、カキ殻では養分
の吸収力を高めてくれる。

                                                      
Lecture 2  肥料成分表
Refer  キチン・キトサンとは 
Refer  カキ殻の神秘 
Refer キトサンが土壌微生物に及ぼす影響 
Salon  膨軟な土












※製品のカキ殻は「貝殻粉末」として製造販売されて
おり、そのアルカリ化はたいへん強い




                                                    







                        -栽培ワンポイント-

                   「カニ殻による糸状菌防除の可能性」

 このワンポイントの内容は、皆さんにも是非参加してほしい、価値ある試みとなるだろう。
 2009年にわが国のいもち病研究者が「病原性カビのステルス戦略」を世界で初めてつき
とめた。そのことに関する平易な解説が2010年11月号の『植物防疫』に載っている。
 説明によれば、イネは自分に侵入してくる糸状菌の多くに対する防御策を持っていて、その
方法は、糸状菌が自身のからだからグルカン層と呼ばれる分泌物を出して感染しようとすると、
イネの細胞側のグルカン分解酵素とキチン分解酵素が共にグルカン層のキチンを認識して働き、
グルカン層を分解してしまうというもの。その結果糸状菌の多くはイネの細胞壁を突破できず
に敗北する。ところがいもち病を引き起こす糸状菌は、そうした裸のグルカン層に表層を被せ
る二層化手段を用い、イネの側の感知方法をかいくぐって騙す。イネの細胞はキチンを認識で
きないのだ。いもち病菌が完全に細胞内に侵入すればグルカン層は消滅する。しかし時すでに
遅し。
 ここでのポイントがキチンにあることはおわかりだろう。カニ殻を土の上に撒いたり置いて
おくと、しばらくすればカニ殻にカビが発生する。そのままにしておくと全部が覆われる。こ
れは糸状菌たちにとっても他の微生物同様にキチンがエサだからであるし、感染対象植物との
戦いに備えるためでもある。さらに長く放っておけば、目をそむけたくなるほどのカビの盛り
上がりになっていく。ただし餅などに生えるカビとは違い、毒素は持たない。そのためカビだ
らけのカニ殻も土に混ぜたり埋めてしまうと、放線菌群が集まってきてカビは消えてしまう。
もしも毒素があれば、原因菌以外の微生物は寄ってこない。
 キチンは薔薇にとっても必要なのだが、事実は糸状菌の方にとってもっと必要な物質となっ
ている。そこでうどん粉病などへの対策として、カニ殻のキチンを土に混ぜ、土中の微生物た
ちによって分解してもらい、自分は根から酵素への栄養補給源としてとりこめばよいと言える。
 2009年11月まで、薔薇にカニ殻を与えるのはよいことだという認識しかなかったが、
今回から投与すべきだという考えに変えようと思う。
 ただしわたしの経験では、カニ殻を、たとえ数株で共有するのであっても一度の投入量が1
キログラムを超えると微生物によるキチン分解処理に時間がかかりすぎることになり、その間
に土壌病原菌類が抑制から解かれてはびこることになる。また年間の総量が10キログラムを
超えるのもよくない。そんなに必要ないし、あれば分解されたキチンが吸収されやすいものだ
けに他の微量無機元素の吸収を妨げてしまう。特に薔薇も一部の有機質をそのまま根から取り
入れており、そのことの妨げになる。量を守ろう。
 そしていずれは糸状菌のステルス戦略を騙したり破壊する防除法が開発されるだろうが、そ
れが有益な微生物にまで悪影響を及ぼさないのであれば用いて、及ぼすならやめておくべきだ。
薔薇は糸状菌に悩まされる。しかし安全で簡便なこれまでの防除方法、たとえばぼかし施肥や
アルムグリーンによってその悩みは年々減少していくし、薔薇の耐性増進のためにもよけいな
ことをしない方がよい。カニ殻投与は土壌微生物相全体を活性化させるが、そのほとんどは有
益な微生物を増やす目的に適うからだ。その結果、うどん粉病にも罹りにくくなり、罹っても
拡大しないと期待できる。それを皆さんにも確かめていただきたい。わたしにとってもカニ殻
をそのようなグルカンのことを通した目で見るのは今回からになる。
 (それに薔薇の根元などに生えてきたキノコ、多くの人は放置しておいたり抜き去って捨て
ていると思われるが、むしろそのまま土へ埋めておいた方がよい。)





グルカン……酵母の一種であり、微生物や植物
がいくつかの役割を果たすためにつくりだす機能
性物質。役割を終えれば消滅するし、生体内に
しか存在できない。わたしたちの間ではアガリク
スや霊芝のβグルカンがよく知られている。
検索 Q&A  カニ殻は植え付け時から与えた方がよいのか? 
検索 Q&A  カニ殻マルチは有効か 
Bouquet  補足 キチンとキトサンの関係 
Lecture 第8回 病害編
Salon   品種別耐病性一覧表 
Refer  カビ対策マニュアル基礎編

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    径8~13cm  1.6~1.8m( 高 )×40~60cm( 横 )
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耐寒・耐暑性