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* この品種のように、該当者の名前だけのものではなく称号を品種名
としたものをロイヤルローズと呼ぶ。またプリンセス~とかエンプレ
ス~といったものも含める。
この品種の特徴の一つはまずアルバム頁で記したように旺盛な繰り
返し咲き性にあるが、その上にもう一つ、樹高が低いフロリバンダに
よく見受ける「栄養生長の低さ」がある。若い間は多枝になるが、し
だいに枝数が減る傾向を示す。つまり主幹の更新をいかにうまくでき
るかによって、一生の豊かな花付きによる華麗な樹形となるか貧弱に
なるかに分かれる。決して栽培が容易な品種ではない。それはたとえ
ば宇宙へ行った薔薇「オーバーナイト・センセイション」の栽培の難
しさと似ている。品種名や由来に惹かれて購入後、こんなはずではな
かったのにと、栽培者の期待を裏切ることも多いと承知しておいた方
がよい。
* 花冷えの訪れには弱い。気温の上昇期や緩やかな下降期に突然寒い
日があると、株全体の生育のリズムが止まったようになる。そしてい
つまでも芽が動かずにいたり、蕾がなかなか開かなかったりというこ
とが起きる。予報であらかじめわかるようであれば、初めから鉢植え
にしておいて屋内や軒下へ移しておくように。特に蕾のときの花弁の
巻き方はかなり硬くなっていて、開ききらないままになるし、開いて
も花冠はひどく乱れたままとなる。
* 元肥には高度化成肥料を用い、やや多めに与える。しかし追肥はす
べて有機肥料にするように。稀に有機化成を補給するのは効果がある。
ひっきりなしに新根を出すので、緩行性の有機肥料の方が追肥に向く
のである。特にぼかし肥料をたびたび与えると、本来の中香になりに
くい香りが安定するし、盛んな分枝をしてたっぷりとした房と、1~
2輪の驚くほど華麗な花を咲かせやすい。そしてアイスバーグ的では
ない、スノウ・クィーン的な非常に濃密な白色を見せる。そしてピン
クでなしにアイボリーが弁底に表れて咲くときには、花芯に極めて優
雅な独特の雰囲気が表れる。
地植では元肥に油粕300g、骨粉500~550g、硫酸カリ15
0~200g。夏も同様に。7月と1月に苦土石灰200g。これら
と一緒に施す堆肥はピートモスが合い、3~4リットル。鉢植えでは
高度化成を一握りの半分を冬の元肥とし、夏は一つまみに抑える。夏
の施肥が多すぎると花は必ず乱れる。反対に栄養不足では花弁数が一
桁になってしまいやすい。追肥のボカシは片手山盛り程度あってもよ
いが、年間一度だけをその量とし、他の時期の量は移植ゴテすりきり
の半分程度でよい。ただし一つの花期が終わりかけるごとに必ず与え
ること。また油粕主体の置き肥をする場合は鉢縁に小指間隔で埋め込
む。根に触れても大丈夫。
* 病気ではたびたびうどん粉病に罹るが、かなりの耐性がある。つま
り株全体へ広がることはない。通常の木酢30倍散布程度で十分防げ
る。黒点病に対してはまずまずで、肥培がうまくいっていないときに
本葉の付け根の芽が黒ずんで、伸びないままとなる。日中の気温が1
5~25℃の間は週に1,2回重曹1000倍散布で予防を。ボトリ
チスはまず発症しない、葉が波打っていても(よれても)ベト病へも
進行しにくい。これはこの薔薇に固有の高湿度耐性があるためで、温
度差による罹病が起きにくいことを示している。
しかし寒冷地では春先に「とうそう病」という、人で言うシモヤケ
のような症状が葉や枝に現われることがある。一部なのでそれらを取
り除いてから炭酸水素カリウム( カリグリーン )を株全体に製品指示
通りに散布して治療。ほとんどの場合広がらずに治療できる。
* 害虫では蜂類による被害はあまりない。蛾の幼虫対策が必要で、ア
ルムグリーンかニームを用いる。また地植の場合で株元が大きくなっ
てくるとカミキリに狙われやすいから産卵期には早めにニームの散布
を。主幹を市販の湿布で巻いておくのもよい。ただし長期間巻いたま
まにしておかないように。
* 剪定は中剪定が望ましい。というのはベーサルシュートをたくさん
は出してくれないので、強剪定で必ず頂芽も動くとは限らないからだ。
これはと思うしっかりした幹から頂芽が伸びてこないときは切り戻し
をする。1月中でも2月中でもよい。整枝では鉛筆よりも細い枝は元
から切除。その枝に本葉が4~5以上付いている時点で判断する。こ
れをしないと、株全体がコンパクトになりすぎる。また栄養不足で枝
数が少ないときには懐枝であっても伸ばす。4本以上あれば半分に減
らせばいい。
* 鉢植えでは用土にあらかじめゼオライトを多めに混合しておく。こ
うしておいてから植え付けると、春の活気、そして秋の花のみずみず
しさがすばらしくなる。また、丸みの強い葉の艶がいっそう生き生き
として見える。そんな時の葉の一枚一枚が実に典雅に見えてくる。
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