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* 地に植え付けて最初のつるの伸長が12mほどにも達することが多
い。場所や誘引具のスケールが小さいとあわてることになる。しかし
つるの柔軟さは他のランブラーに比べても特に優れており、あらゆる
仕立て方が可能だ。そこで各つるを密集させて花群を楽しもうという
誘惑にかられるが、我慢を。この薔薇はつるをびっしりと寄り添わせ
るよりも、互いに少し離した方が生育がよい。
* やや遅咲きであり、早咲きの品種が終わったころに咲き出すことも
多い。花保は5~9日間。花期はおよそ三週間から一か月間。まさに
点滅するように房の中の一輪ずつが次々と開く。その点で、花径が小
さいこともあり、圧倒的な薔薇の花の美を見せつけるのではないもの
の、ERのオースチン氏も自著で語っているように、たいへん秀逸な
美しいランブラーだ。わたしたちの好む「間」ののびやかさをすべて
に示す品種だからだし、花と葉のサイズと色合いのバランス、互いに
離れるように開く房の中の花、地を匍わせるよりも高いところを広が
りながら進んでいるかのようなつるの葉の繁み。それらのようすの前
に立つと、本来、わが国のノイバラと同じ性質のたくましさを持って
いるのに、かなり女性的なやわらかさの魅力に打たれる。樹としてた
いへん優れている。
* 仕立てよりも剪定・整枝に悩ましい問題がある。アルバム頁に述べ
たように、前年のつるから遠慮なくサイドシュートのつるが伸びる。
したがって仕立て重視であるいは環境に合わせようとして前年のつる
を短く抑えようとすると、当園の鉢植えのようにコンパクトさに馴染
みやすく、短いサイドをたくさん出してしまうことになる。だがそれ
はこの薔薇の元々の性質を裏切ることになりかねない。できるだけ残
す剪定・整枝を心がけよう。
新しいつるから出てくる花梗はほどほどの長さを持っており、そのこ
とも考慮した誘引と剪定のバランスに注意が要る。
* 元肥と堆肥を混合する必要はないが、施す場所が遠くにならないよ
うに入れる。これは根の数が地植では少ないからで、クラウンから伸
びた根からの細根が、数年で消えることが根拠である。新しい細根は
ほとんどすべて主根の先端の方でたくさん伸びることになる。
元肥にはあらゆるものが向き、特にこれといって避けた方がよいもの
はない。ただしマグネシウムは年間三回は補給しよう。10月初旬、
2月下旬、7月下旬。量は200g。
* 耐病虫害性にはかなり強いものがあり、あらゆる相手に平気なとこ
ろを見せてくれる。しかし放任はせず、通常の防除には努めたい。散
布もこの樹の特徴から容易だ。鉢植講座で述べた内容を実践してほし
い。罹病や食害があっても、次第に安心して育てていけるようになる。
ただし、そのためにカイガラムシを見逃しやすく、気がついたらあま
りにもたくさんいた、ということが起こりうる。どのつるも基部まで、
丹念に点検したい。
* フランソワ・ジュランビルなどとの最大の違いは、「思い思いに伸
び、咲く」ことにある。しかもそれが意外なほどに洗練された姿で見
られる。そこにこの薔薇の美しさを堪能できる源がある。晴れた日の
波間のきらめきは、わたしたちの目にはしばしばにぎやかに映るもの
だ。ところが高く立つゴールドクレストなどへからませてあるヒマラ
ヤンは、密度よく点在するきらめきの( 幻想に終わらない )確かな手
応えを届けてくれる。
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-栽培ワンポイント-
「塀際の魔術師」
先日もある人からご相談があり、薔薇を庭の塀際に植えたいがどうだろうかと。
この話と移植についてはいずれ地植講座で詳しく述べる。ここでは温度のことに
触れよう。
すでに多くの人が経験済みだろう。日照のよい塀際ほど、実は地温が上がりや
すい。もちろん一度も二度も上がるわけではないが、降雨後の余剰水分の逃げ場
がそばにあることが重なっていれば、暖地では盛夏に枯死することすらある。こ
の場合、その塀の外側にも隣地があり、塀が土と土にはさまれていて、しかもそ
れらの土の量が少なくなければあまり問題にならない。しかしアスファルトの道
路であったり、塀の外側から厳しく熱せられたり、灌水や降雨後に他の場所より
も湿度がかなり高くなるようであれば、塀が地温を上げる危険はある。たっぷり
と日照があることがマイナスになる。
解決策としては、可能な限り広く長く、塀と土とのあいだに断熱材、シートを
はさむしかない。また花壇づくりの時点であらかじめ雨水の排水穴を、そのよう
な場所を避けて設置するようにしたい。そして西日が容赦なく当たるようなら、
それを遮る背の高い樹木などを植えて育てよう。あるいは、家屋が遮ってくれる
ような場所を塀際の薔薇へ与えよう。
ところで家屋の壁際は、どんなに強い日照があっても安全である。それは塀と
違い、建物全体が熱を吸収し、やわらげてくれるからに他ならない。塀と家屋と
ではそれほどに優しさが異なるのである。これこそウォールローズが成り立ち、
元気である最初の理由だ。
元々、薔薇は塀際であっても何とかすくすくと育とうとする耐暑性をいくらか
でも持っている。わたしたちが何もしなくとも、根は塀や壁から離れていこうと
する。だから元肥を入れるとき、塀に沿って少し掘ってみよう。深さ60cm以
内に数本の根があらわれたら、そこはその薔薇の根にとって楽園であることを告
げている。
では放っておいてもよいではないかということになるが、そうはいかない。冬
から春にかけて、根は上がりゆく暖かさを目ざしてしまう。なぜならそのような
場所の土が水養分に豊かだからであり、そこの微生物たちも活気に満ちているか
らだ。それが夏になると、急激に地獄と化す。掘って60cmよりも深くにしか
根が見えなかったときには、冬のあいだに断熱の工夫をしておこう。そう、魔術
師とは、あなたのことなのだ。
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-栽培ワンポイント-
「西日と金属」
上のワンポイントで家屋の壁が温度に対して緩衝効果があることを述べた。これ
は真夏の西日を全部受けとめる壁についても言える。ところがポールやオベリスク
等で金属製のものに限っては、同じことが言えない。それらは盛夏の西日をたっぷ
りと受け続けると、驚くほどの熱さになる。素手で持てないことさえある。
誘引した薔薇が繁って、それら器材を被ってしまえばよい。だが病害虫や強風な
どで、常に安心はしていられない。トレリスのように接合部が溶接してあったり、
オベリスクでも接合部に金属以外の部品が使われていれば、温度リスクは50%以
下にはなる。
そこで、西日を受ける場所でどうしても金属製のものを設置したいときには、で
きるだけ深く土の中へ埋めよう。最低でも80cm以上ほしい。そうすれば地上部
の金属を地中の安定した地温が伝わって、熱を下げてくれる。つまり高温は土の中
へエネルギーとして逃げていき、土の能力によってほぼ瞬時に下げられてしまうの
だ。このことは西塀に接するような花壇についても、その盛り土面の高さ( 深さ )
を十分取った方がよいことにも通ずる。よくあるブロック塀などで、真夏に手を押
し当てたりできないほど熱くなった状態を多くの人が経験しているだろう。しかし
それも、その塀の接地面積が大きければ大きいほど、熱さは下がることになる。だ
から植物はそうした塀に接していても平気なのだ。
格子状などのフェンスも熱くなるがこれは持てないほどにはならない。それは既
述のように、格子と枠との接合部が溶接してあったりするからで、ヒマラヤンのよ
うなつる薔薇( ハイブリッド・ムスク )を思うように誘引してかまわない。
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-栽培ワンポイント-
「夜間照明器具の設置法」
以下のような夜間照明の作り方がある。
1)建物等にテレビアンテナを設置するときに使われる4脚のスタン
ドを用意する
2)中空のステンレス製パイプを任意の長さでスタンド中央に立てる
(錆びないものであればよい)
3)ライトの高さ調節や照射角度が可変できるジョイントで照明をと
りつける
4)電源ケーブルは太いものを選ぶ 細いと庭での引き回しで困る
5)庭の明かりがこのライトだけでなく、できるだけ広い範囲で室内
照明等がカバーするようにしておく 足下のため
6)器具のメンテナンスとして、プラグのさしこみ金属部をときおり
磨くこと サンドペーパーで十分
7)複数のライトを用いる場合、ワット数を揃えておくこと その
方が眼が疲労しない |
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