-栽培ワンポイント-
「ネマトーダの見つけ方」
根のあちこちに小さめのコブをいくつも付けるネマトーダは、薔薇に限らずさま
ざまな植物の重要病害である。しかしよく見過ごされている二つの注意点を挙げて
おこう。
( 1 )ネコブセンチュウは単一種ではなく属で、60種以上もいる。そのいずれも
がほぼ均一な数で土壌中に棲息している。ネコブがなぜ作られるかは幼虫のた
め。あのゴールの中で幼虫たちが、親たちが薔薇から横取りした養分を吸収し
て育つ。ただネコブが球形とは限らない。爪で掻いてみればわかるようになる。
元気のない、いわゆる「貧弱な姿」の薔薇を抜き上げてみると、ゴールができ
ているところが触れていた土の部分が、まるで土そのものが腐敗していたかの
ように見える。事実、少し臭い。それによって、土中のセンチュウ密度が異常
に高まっていたのがわかる。
被害株を助けるには、まず植わっていた土は日光消毒を施し、新しい新鮮な
土へマリーゴールドまたはアスパラガスを一緒に植え付ける。もちろん被害根
は元から切除しておくが、このときまちがってもゴールが( 欠片も含め )土へ
入らないように気をつけよう。そして先にマリーゴールドを植え付け、その間
30分程度薔薇をHB101の500倍液に浸しておく。それからマリーゴー
ルドの間へ植えよう。
上に解説した「切除後の切り口へニンニク木酢原液を塗布」する場合には、
HB浸潤は必要ない。木酢原液がよいのは、当分の間、その切り口へいかなる
微生物も近寄れないからだ。対してHBの方は、穏やかな静菌力を株全体へ及
ばせる。ゴールが少なければ塗布、多かったらHBにしよう。通常は塗布で済
むほどの数しか見当たらないものだ。
マリーゴールドとアスパラは土中のセンチュウ密度そのものを劇的に下げて
くれる。
そしてできれば、植え直した薔薇が元気よく、活気さえ示しながら生育して
きたら、それらの対抗植物を半分ほど減らしておきたい。というのも、土にと
ってはセンチュウが少なすぎるよりも、ある程度はいた方が健全だからだ。益
センチュウも無害センチュウもいるのである。
( 2 )コブが見当たらなくて、根が真っ黒に変色し、腐敗したようになっていれば
それがネグサレセンチュウによるネマトーダだ。実はネコブよりもこちらの方
が厄介で、薔薇の被害株が衰弱するのが速い。抜き上げてみて、一本でもその
ような根があったらすばやく処置をしよう。被害根はやはり腐敗臭を出す。
予防及び事後の対策としてはこちらもマリーゴールドがよい。しかし治療が
( 1 )と異なる。根腐れの場合、被害根を切除してから100倍の石灰硫黄合
剤液へ10分間浸けておく。するとネグサレセンチュウのどの種類もほぼ死滅
する。10分後に流水で根とクラウンをよく洗い、それから( 1 )と同様に新
鮮な土へ植える。合剤の使用後の液はそのまま庭土へ流してよい。特に地植の
被害の時、植え付け場所を変えたくなるものだが、同じ場所でよい。
注意すべきは、いかに早期発見ができるかにある。この病気はあるとき突然
一本の根がまるごと腐るのではなく、必ず部分から始まる。したがっておかし
いと感じたら、ためらわず土から抜いて点検しよう。早ければ早いほど制圧も
容易だ。
植え直したら、週に一回、三週間は講座で紹介したワサビワインを株周りへ
200ccほど注ごう。その後はネコブと同様に、アルムグリーンまたはアグ
リチンキ等の製品をときおり灌注すればよい。まず、再発することはない。
なお、被害に遭わないようにするには、講座での説明のように、コーヒー滓マル
チ、または木酢1000倍液の定期的な灌注がよい。
