-栽培ワンポイント-
「カミキリ成虫対策」
( 1 )2009年6月の当市はカミキリ成虫をたくさん見かけることになった。これ
は昨年から今年にかけて彼らの羽化にとってよい気候が続いたためだろう。
彼らは根やクラウンの中で羽化してから穴を綺麗な円形に広げ、外へ出て来る。
そのようすを観察できることはめったにない。なぜなら夜間から夜明け前にか
けて出てくるから。気温のこともあり、地上に出た彼らにとって実は最も危険
な瞬間でもある。だから這い出た後、じっとしていることがほとんど。それか
ら自分の新しい身体に慣れ、薔薇の枝を食害して回る。その速度はたいへん遅
い。この段階で捕まえ、地中へずぶりと埋めれば交尾を回避できる。
( 2 )雄と雌の交尾の最中に出くわすのも稀だ。カマキリ以外の他の昆虫と同じで、
あっという間に終えてしまう。済めば雌雄は別行動を取り、分かれ、食害して
回る。実際上わたしたちが捕殺できるのは、さらにその10日後の産卵が済ん
だころだ。
それが日中であれば、もし一度で捕まえ損ねると飛行で逃走する。あるいは走
るように逃げていくが遅い。捕殺後、産卵場所を見つけられるか? 不可能で
ある。わたし自身、発見できたことは一度もない。
( 3 )幼虫であるテッポウムシは薔薇の中で越冬する。そして春になって気温が上が
り始めた頃から中で食害を再開する。5月頃まで。したがって羽化までの期間
が中で死んでもらう適期となる。具体的には講座で述べた方法のいずれでもよ
いが実際にはくりかえすことが多くなる。しかも薔薇が樹として大きくなり、
クラウンから何本も太い根が出ている場合、講座の二つの方法はロスが大きい。
それで彼らの唯一の弱点を利用しよう。それが木屑( 虫糞 )を出す穴のことだ。
上の栽培解説で述べたことの実践である。
まずシップシートや熱冷まシートのような製品の中央に、脱脂綿や絞り終わ
ったウェットティッシュを数枚貼る。そこにニームを塗り込む。それからシー
トを左右に伸ばしながら、ニームの箇所が穴をちょうど塞ぐように薔薇の枝か
クラウンへ巻き付けて終わる。
( 4 )その場所を避けて、テッポウムシが他の場所に新しい穴を開けたら、見つけた
夜に細い針金を穴から入れて突き刺す試みをし、空振りだったと思えば、ニー
ムオイルを流し込み、さらにシート巻きをしておく。これでほぼ幼虫は死ぬは
ずである。
以上の方法の欠点は、とにかくわたしたちの目にシートが見苦しいことだ。だから
一週間ほどでシートを取り去り、ガムで穴を塞いでおく。そのガムは数日で目立たな
くなる。
薔薇の本数が多くて、10匹以上も見かける可能性があったら、やはり出光興産の
「バイオリサ」を用いた微生物農薬によるカビの効力に頼らざるを得ない。ただしこ
れは、気持ちよく推奨はできない。しかもこの製品は、カミキリがシートの上を歩い
てくれないと効果がない。果樹園と違い、わたしたちの薔薇はだいたい庭でも庭でな
くても近接し合っているものだ。つまりカミキリ成虫はどんどん移動していく。シー
トに触れぬまま。