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  耐病性 
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 クライミングHTと呼べるほど、よく伸びる。支柱を与えて直立させると分枝は
 少ないが、それでも出た側枝はかなりの伸長力を持ち、植場所によっては誘引が必
 要となる。しかもどの枝もまちがいなく太くなり、最大で径が5cmを超えること
 は多い。にもかかわらず、根はさほど長くあるいは深くは伸びない。その点がふし
 ぎで、根数の多さを前にして見上げると薔薇全体がにこっと笑っているように思え
 る。
 月上旬に開花を始め、下旬には満開になるやや早咲き。花期は4週間~5週間
 に及ぶ。ただし二季目の夏の開花は春の半分ほどの花数となり、花保もおよそ20
 日間以内と短くなる。四季咲き性を持たないHTとしての特性であっても、花容や
 房咲きのスタイル、枝を横に倒したときの分枝の仕方は通常のHTとまったく変わ
 らない。花を見ただけで、HTとは思わない人はまずいないだろう。
 農薬の効きがすばらしくよく、またダメージも少ない。治療薬散布を繰り返して
 も葉が健全そのもののようすを見て安心する人も多かろう。しかし根から吸わせる
 農薬はやはり避けた方がよい。その理由は、この根にはあらゆる塩基が残留しやす
 いから。あまり知られていないことだが、その結果として枝の伸長力が衰えていっ
 て、数年後には枝の長さ2m内外の他のHTと変わらない姿になってしまう。それ
 は本来の姿ではない。
 元肥の場所を迷わずに済む。株元からほど近い場所でよい。夏冬ともに、油粕3
 00~400g、骨粉500~600g、硫酸カリ200~250g。LCLへの
 元肥よりも少し増やして与える。ただ近接して施肥したときには、もちろん牛糞堆
 肥などとよく混合してから、できるだけ深めの広い範囲へ施すように。また中耕を
 しばしばくりかえすこと。換気にだけは注意が要る。苦土石灰100gを10月か11
 月。炭カル100gを1月に。礼肥は不要。追肥にはNに硝酸カリ( 手に入らなけ
 れば硝安、これも入手できないときは油粕 )150g、過石200gを月と10
 に。
  活力剤を与えてみるときにはペットボトルなどに入れて土へ逆さまに挿し、ゆっ
 くりと土に浸潤させるように。濃度によっては生理的に不活化させてしまう。
  上記のような元肥や追肥の時は、カニ殻・蠣殻をあたえる必要はない。バーク堆
 肥などをたっぷりと与えるだけで十分。
 カミキリとコガネムシに産卵されやすい。前者にはニームオイル100倍液を染み
 こませた湿布巻き、後者には株周り数カ所に同1000液を染みこませたティッシ
 ュを地表から20cmほどの所へ埋め込む。容器植の場合は寒冷紗などで覆うように
 すれば産卵を防げる。寒冷紗を取り外すとき、ベーサルシュートの芽を傷めないよ
 うに。
  この薔薇の葉や枝には、よく黒蟻が歩き回っている。しかしアブラムシやチュー
 レンジバチ、バラクキバチなどの蜂類は少なく、蛾の幼虫による被害もほとんどな
 い。郊外の花壇などで見かけるのはイラガとカイガラムシ、ハマキガによる被害。
 ハダニやゾウムシによる被害はほとんどない。
  病気では黒点病には罹りやすく、発病すると収まるまで長引く。ただ冬季の石灰
 硫黄合剤の効き目は長く保たれ、それ以後の予防は夏の夕刻に木酢の200倍散布
 で。一週間おきに3,4回くりかえしておくと、秋の新枝はほとんど発病しなくて
 すむ。うどん粉病やベト病にはめったに罹らないし、発病しても治癒はたやすい。
 青ネギを煮だして冷まし、木酢の原液に混ぜたものを300~500倍で散布すれ
 ば治療が可能。再発することは稀れ。
 よく伸びるからとアーチにしやすいが、かなり大型の緩やかなアーチでなければ
 硬い枝が折れてしまう。意外と誘引に手間取るものだ。むしろ標準的なHTやシュ
 ラブのように、枝をフリーにするか軽く倒すような誘引でよい。サイドシュートの
 伸びも豪快なことが多いので、広い場所で育てたい。波乱が何もなければ、この薔
 薇の生育期間はまちがいなく30年を超える。冷涼地であればさらに長くなる。













Onepoint  中耕の勧め
Lecture 2 地植薔薇の施肥設計と実践
        
Lecture 2 HTの春剪定
Lecture 2 HTの秋剪定
Lecture 2 HTの整枝



                -栽培ワンポイント-

                「HT、シュラブの誘引」

 フランスやアメリカの比較的広大な薔薇園や公園では、ウォルターのような
HTやシュラブ樹形の薔薇の多くが、所謂 “ エスパリエ ” 型のトレリスを
用いて誘引してあることが多い。Y字型の左右の直線または曲線の広がりを、
できるだけ倒すようにし、その先端を左右ともやや上方へはねさせる形だ。
 エスパリエとはもともと生け垣のことであるが、今日ではそのようなY字形
による列植デザインを言う。
 この方法はYの切れ込みの深さが調節さえできれば、ウォルターの枝のよう
な長さを利用できるし、その枝がかなり硬いものであっても無理をしなければ
美しい樹形をつくれる。
 主幹が三本以上あるときにも( その方が多いものだ )、向けやすい方の「翼」
へと重ねて倒し、やや間を設けながら数カ所を留めていく。このとき、実はそ
の品種がどのタイプであるかにかかわらず、後の生育によい影響を与えること
が二つある。
 地上部がかなり集約された枝葉で構成される空間となるから、それだけ
  ベーサルシュートが出やすくなる。夏以後、扇面の樹形となりやすい。
  だから畢竟鋏を入れての整枝回数が増え、その刺激によって株全体に活
  気も出やすくなる。
② 日光の当たり方を一定へと矯正することになるから、誘引前の新枝の出
  において暴れを防ぎやすい。気ままな樹形になりにくくなっていく。左
  右いずれかに偏った繁りが生じても、配枝のやり直しによって、また少
  ない方へ切りそろえることによって、整えやすい。

 注意点としては、シュラブなどでも樹の勢いに比して分岐点の高さが低すぎ
たりウィングの長さが十分でなかったとき、かなり窮屈な樹形となる。十分な
高さと広がりが必要で、狭い庭園には向かないとも言える。

                                                     


                   -栽培ワンポイント-

                   「カミキリ成虫対策」

( 1 )2009年6月の当市はカミキリ成虫をたくさん見かけることになった。これ 
   は昨年から今年にかけて彼らの羽化にとってよい気候が続いたためだろう。
   彼らは根やクラウンの中で羽化してから穴を綺麗な円形に広げ、外へ出て来る。
   そのようすを観察できることはめったにない。なぜなら夜間から夜明け前にか
   けて出てくるから。気温のこともあり、地上に出た彼らにとって実は最も危険
   な瞬間でもある。だから這い出た後、じっとしていることがほとんど。それか
   ら自分の新しい身体に慣れ、薔薇の枝を食害して回る。その速度はたいへん遅
   い。この段階で捕まえ、地中へずぶりと埋めれば交尾を回避できる。

( 2 )雄と雌の交尾の最中に出くわすのも稀だ。カマキリ以外の他の昆虫と同じで、
   あっという間に終えてしまう。済めば雌雄は別行動を取り、分かれ、食害して
   回る。実際上わたしたちが捕殺できるのは、さらにその10日後の産卵が済ん
   だころだ。
    それが日中であれば、もし一度で捕まえ損ねると飛行で逃走する。あるいは走
   るように逃げていくが遅い。捕殺後、産卵場所を見つけられるか? 不可能で
   ある。わたし自身、発見できたことは一度もない。

( 3 )幼虫であるテッポウムシは薔薇の中で越冬する。そして春になって気温が上が
   り始めた頃から中で食害を再開する。5月頃まで。したがって羽化までの期間
   が中で死んでもらう適期となる。具体的には講座で述べた方法のいずれでもよ
   いが実際にはくりかえすことが多くなる。しかも薔薇が樹として大きくなり、
   クラウンから何本も太い根が出ている場合、講座の二つの方法はロスが大きい。

    それで彼らの唯一の弱点を利用しよう。それが木屑( 虫糞 )を出す穴のことだ。
   上の栽培解説で述べたことの実践である。

    まずシップシートや熱冷まシートのような製品の中央に、脱脂綿や絞り終わ
   ったウェットティッシュを数枚貼る。そこにニームを塗り込む。それからシー
   トを左右に伸ばしながら、ニームの箇所が穴をちょうど塞ぐように薔薇の枝か
   クラウンへ巻き付けて終わる。

( 4 )その場所を避けて、テッポウムシが他の場所に新しい穴を開けたら、見つけた
   夜に細い針金を穴から入れて突き刺す試みをし、空振りだったと思えば、ニー
   ムオイルを流し込み、さらにシート巻きをしておく。これでほぼ幼虫は死ぬは
   ずである。

 以上の方法の欠点は、とにかくわたしたちの目にシートが見苦しいことだ。だから
一週間ほどでシートを取り去り、ガムで穴を塞いでおく。そのガムは数日で目立たな
くなる。

 薔薇の本数が多くて、10匹以上も見かける可能性があったら、やはり出光興産の
「バイオリサ」を用いた微生物農薬によるカビの効力に頼らざるを得ない。ただしこ
れは、気持ちよく推奨はできない。しかもこの製品は、カミキリがシートの上を歩い
てくれないと効果がない。果樹園と違い、わたしたちの薔薇はだいたい庭でも庭でな
くても近接し合っているものだ。つまりカミキリ成虫はどんどん移動していく。シー
トに触れぬまま。

                                                      
                         
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       Road to Rosa synthesis
Cultivation
Album

2002.5.8

Uncle Walter アンクル・ウォルター

c.s  クリムゾンスカーレット
径12~15cm  30枚  剣弁高芯咲
3~4m( 長 )  二季咲き
無香  強健

耐寒・耐暑性