|
* 5月中旬から咲き始める中咲き。花保は7~10日間。花期は5月
で3週間。10月で一か月。発色は濃淡の面で安定しない。開き初め
から徐々に弁端のピンクが濃くなっていくときは、すぐれた色彩の現
れとなる。大輪にふさわしいボリュームの盛り上がりもあり、黄色が
強く出たときの明るさも美しい。全体に男性的。写真のように、横顔
はまるで菊に見える。
* 3月における一番花めざしての展葉はダイナミック。4月、蕾が揃
いふくらみ始めるとその一つ一つの「蕾の色彩」によって開花したと
きの花色の見当がつく。弱小枝にはまともな花は咲かないので、将来
性のない枝は早めにカット。ときおり房咲きになることがある。大輪
を求めるなら腋蕾はピンチする。
* 剪定は、2月は強い切り方をするのが原則。秋は9月1~3日。半
横張性から横張性まで枝は不定に出て伸びるので、秋剪定においては
全枝の方向と形を見て、不要な枝は春剪定のように付け根から切除す
る。
* 元肥は多めに追肥は控え目にが基本。液肥は1000倍以下は濃す
ぎて悪影響が出やすい。木酢・竹酢は施用の効果がはっきりと出る。
6月・8月・9月の各月の施肥をしっかりするとよいが、その効き目
をよくする。また7月に蠣殻を一握り土へ混合すると枝の伸長力が増
す。炭カルよりもカルシウムの吸収が増す。カルシウムはカリウムの
効き過ぎを抑えて、NPKの働きのバランスを整える。また、通常石
灰系でカルシウムを与えようとすると、その強アルカリ性によってN
とPの吸収を阻害するが、蠣殻はその心配がなくて混合も可能。ただ
し、施肥の効果が出るのはかなり遅い。時間がかかる。夏に与えるの
も、高温によって効きが早まるから。
* シュートの出は旺盛ではなく、むしろ鈍い方。樹の若々しさに欠け
る嫌いがある。しかし一度出たベーサルシュートはまちがいなく太く
たくましい主幹になる。成熟した時期であれば、多くて五段ぐらいに
はなる。
* 耐病性はまずまず。樹の老化とともにキャンカーが目につくが、切
除すれば問題ない。害虫はスリップスとカミキリムシ、マメコガネが
よく来る。6月と7月に練り辛子に熱湯で溶かした「正露丸」を冷ま
して混合したものを株元や茎に塗布すると、忌避効果がある。なお匂
いが強烈なので、苦手な栽培者には勧められない。
* 秋の一番花は特別美しい発色と、濃厚な香りで楽しませてくれる。
特に、11月の花にそういう良花が咲きやすい。これは気温と花の出
来の間に深い関係があることを示している。この薔薇の場合、色と香
りの鮮やかさは気温の為せる技なのだ。5月の花の、弁端の赤い色が
次第に濃くなっていく様子とともに、秋のしっとりとした輝かしさは
みごと。
* コンパニオンとしては、広く場所を取れるならピンクのコスモス。
この薔薇との色彩の対比が思わぬ効果を生む。またローマン・カモミ
ールにすると、これは花型の調和に個性的なおもしろさが出る。カモ
ミールの根が、埴土の硬化を防ぐ緩衝材の役目を果たしてくれもする。
|
( 正露丸は皮膚に付着させないように )
|