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  耐病性 
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 香りの薔薇の代表花。開き初めから散るまで変わらない。黄色が薄く
なり、白へ近づいていくと弱まる。薔薇の多くが夏の高温に遭うと色が白
く抜けるのは、花からも水分を蒸散しているからに他ならない。その速さ
と量によって、薄くなるのであり、そこに香りの強弱も関係している。
 花保は8~14日間。花期は3週間。5月下旬に開花する遅咲き。め
ったに房咲きにはならない。四季咲性は特に強くなく、標準的。気温が高
いとき稀にクリムゾンの色が褪せるが、ほぼ平均的に光るようなクリムゾ
ンとなる。黄色とのブレンドは一輪ずつすべて異なり、配色の変化もおも
しろい。条件のよいところで育つと、枝も花もボリュームたっぷりとなる。
照葉でないのが惜しい。また、弁質が雨に弱いという欠点がある。
 1986年度の世界大会で、「ベスト・ローズ」に選出された。香り
・色・サイズ・シェイプなどすべての点でのベスト・マッチが評価された。
花梗が曲がることなく、すっと直線的であるのも美しい。
 枝数を多く出すものの、寿命が短い薔薇としても知られているので、
咲き疲れさせないように気をつける。結実はほとんどしない。元肥には有
機肥料ならば何でもよいが、ぼかし肥のようなやわらかいものを必ず与え
る必要がある。おそらく、根が出す分泌物の内容が関係していると思われ、
この薔薇の跡地の嫌地化はすこぶる強い。また、二次発酵熱を特に嫌うの
で、完熟していない堆肥は与えないこと。
 葉面液肥は効果が高い。花にかからないように注意。
 剪定にも細心の注意が必要。全体の樹形に囚われると失敗する。必ず
よい芽を選んで、高くとも低くともそこで切るようにする。懐枝でもよい
ものは残す。その数が多すぎたときのみ減数。
 元気な下葉を残していて、黄変していないとき、秋の一番花にすぐれ
たものが多い。
 いかにも害虫が寄って来やすい薔薇。ありとあらゆる害虫がにぎやか
に訪れる。周囲に20倍の木酢液を撒布し、アルムグリーンの800倍を
根から吸わせ、そばに有毒植物( たとえばタンジーロベリア、スズラン )
を繁茂させることで予防できる。農薬類のマラソン・スミチオン・ランネ
ートはすべて弁質を傷める。ガン腫病への抵抗力も低い。草木灰を石灰硫
黄合剤原液に溶かしたものを塗布すると、少し効果がある。
 コンパニオンには、ローズマリータイムヤロウなどの抗菌植物。
特にヤロウはカルシウムの蓄積植物なので、収穫した後に自然乾燥させた
ものを土へ混入するとカルシウムの補給になる。気温が上昇していくとき、
カルシウムは蒸散量の多い下葉へ集まりやすい。すると上位の葉にカルシ
ウム欠乏が生じやすい。容器植で水やりを怠って土が乾燥気味になると、
まずカルシウムが失われていく。容器植に向いているこの薔薇で、特に用
心すべき点としてカルシウム欠乏があり、他の薔薇にとっての目安ともな
る。

Lecture 2 地植薔薇の施肥設計と実践
Onepoint  雨シミはどうしてできるか 

Lecture 2 HTの春剪定
Lecture 2 HTの秋剪定
Lecture 2 HTの整枝








                   -栽培ワンポイント- 

                    「下葉からわかること」

 下葉とは、クラウンから立っている主要な枝もやや細くて元気さに少し欠ける枝も
含めて、それぞれの最下端とそのすぐ上の五枚葉、計三枚ほどの本葉のことである。
これらが大きくしっかりとした葉であればあるほど、その薔薇全体に基本的な樹勢に
強いところがあると判断できる。花を付ける花梗の下葉もある。
( 1 )下葉がしっかりしているのは、その枝が勢いよく伸びはじめたこと、それをあ
る程度継続できたことを示す。特定の肥料養分によることではなく、全部が枝の伸長
へ働いたという生長力を意味する。
( 2 )鉄分が不足していると、しっかりした下葉にはなりにくい。鉄分はまず下葉か
ら蓄積されていくものだからだ。したがって鉄分不足があると判断できる土壌は、か
なり痩せてきている。施肥で補うとともに、地植などでも新鮮な赤玉土を根の全長の
中程と思われる辺りへ10リットルぐらい補うか、またはその地には初めての種類と
なる堆肥を20リットル以上土へ混和する。
( 3 )直射光が当たらないのに形を維持できていて、よじれたり裏側へ葉縁が曲がっ
ていなければ、それらの下葉は元気がある。剪定や整枝ですぐさま頂芽が動いてくれ
る可能性も高い。たとえ剪定で短くされても、残された枝の勢いに陰りは生じない。
なお剪定期にはほとんどの葉を取り去った方がよいが、下葉に限っては一二枚を残し
てもかまわない。
( 4 )盛夏に起こりがちなことに、下葉の一部が( 葉の厚みが薄い品種に多い )、し
おれているように見えるときがある。これは水分不足であるのを示すことは稀で、多
くは高温による葉の疲弊である。高温期には、薔薇は自ら葉の数を調節しようとし、
その際下葉から落とす動きを見せる。ただしほとんどが落葉しない。しぶとく残る。
しかしそれらの付け根にある芽とその近辺では細胞の活動が遮断されやすく、それは
薔薇の樹としての性質にある。上位の葉や芽を保護するためだ。気温の下降を待って
いる。
( 5 )鉢植えのとき、水をやりすぎた湛水状態で、下葉がごわごわになることがある。
ちょうど濃度の高い薬剤を散布した直後のような。こんなとき、取り去ったりできる
だけ用土を乾かそうとするのはまちがい。放っておこう。そして灌水のペースは守ろ
う。水分過剰が終われば、下葉も元のようになる。
( 6 )稀に、春の一番花が開花するころに下葉の緑が濃くなることがある。これはた
いへんよい傾向で、その枝からサイドシュートが伸びてくる可能性が高い。特につる
薔薇にあてはまり、そのような時期には毎日のように下葉を観察したい。
( 7 )上位中位の葉ではなく、下葉から害虫の被害に遭ったら、抵抗力が弱っている
かまたは元もと耐害虫性の低い品種だ。イングリッシュローズなどでも、下葉が他の
葉よりもさほど大きくない品種のとき、下葉も均等に被害に遭うことがある。これは
花梗の下葉に起こりやすく、早めの防除が必要だ。鉢植ERで株立ち全体の中程から
下に葉がほとんど付いていないことが見受けられるのは、そのタイミングを逃したか
らだ。
( 8 )ポリアンサタイプやミニ薔薇などの下葉が元気に付いているのは、栽培者が的
確な手入れをしていることを示している。自信を持とう。またオールドローズで葉の
密度が高く、かなり繁ったと見えるとき、下葉は除かないようにしたい。取り去る刺
激で枝の上部の芽が動きにくくなることがある。その原因はよくわからないが、おそ
らく下葉の芽に日光が当たりやすくなり、樹高が低い品種ほどその芽を伸ばすような
刺激となるからだろう。といっても、多くは伸び出さない。





                    -栽培ワンポイント- 

                「下葉を除去する根拠と、しない理由」


 2009年10月の今日まで、薔薇の下葉を取り去るようにとの指導が多数行われて
いるようだ。そのやり方にはもちろん根拠がある。わたしは除去を薦めないが、それら
の狙いについて述べておこう。

( 1 )下葉の多く( その数はしばしば主幹の1/3にも達する )を取り去れば、株元の
      風通しがよくなり、株の周囲における地表の湿度が上がりにくい。
( 2 )なくなればクラウンへの直射光が当たりやすくなり、ベーサルシュートの出を促
      しやすい。また下葉の付け根の芽はほとんど休眠芽であるが、直射光が発芽を促
      す。
( 3 )黒点病の胞子が地表から下葉へ、降雨などで跳ね返り伝染し、それら下葉からさ
      らに上へと移動しやすい。つまり下葉を起点にホップ・ステップ・ジャンプする。
      葉を取り去れば食い止められる。
( 4 )鉄分を初め、多くの要素が下葉に取られるのを防ぎ、枝も上位の葉も充実しやす
      くなる。つまり養分を行き渡らせる効果がある。
( 5 )葉裏への薬剤散布が容易になる。

 以上の五つだ。それぞれに検討しよう。

( 1 )……このことが当てはまるのは、薔薇の株間を狭く植えた密植のときである。
            確かに庭が狭いとき、あるいは鉢を並べるスペースが限られるとき、下葉
            を除去することで風通しはよい。しかし実際には、地表をマルチするしな
            いにかかわらず、湿度は低地ではほとんど変わらない。変わるのは標高の
            高い土地のときだ。わが国の湿度は、地方や通年の天候の変動にもよるが、
            下葉の有無で調節できるような湿度ではない。
( 2 )……密植していれば望むほどの時間をかけて直射光は当たらない。それにベー
            サルシュートの出は日光が当たるからというのは主要因ではない。主な要
            因は、土壌の質や施肥にある。また、既存の枝葉の茂りや晴天日の連続と
            いったことが二次的要因だ。つまり光合成量である。そして株がまだ若い
            間でなければ、ベーサルシュートはなかなか出てくれるものではない。な
            お、下位の芽をシュートとして伸びてほしいときに行う逆U字の切り込み
            は、葉が付いているときの方が成功率は高い。
( 3 )……一滴の雫が土表へ落ちただけで数千から数万個の胞子が跳ね上がる。それ
            がどれほどの高さまでなのか、実はデーターがない。数十センチのことな
            ら、確かにジャンプして移るのを防げるだろう。しかしほんとうのところ、
            下葉が残してあることによって、葉のサイズや耐病性の強さで広がりを食
            い止める効果の方が大きいと考えられる。罹病して黒点を発症する確率は、
            あらゆる条件がほぼ同じとき、下葉が付いている方がやや低い。
( 4 )……下葉は、つる薔薇以外では主幹や次段の枝の葉の中で最大のサイズではな
            い。むしろ養分がたっぷりあって陽当たりもよいとき、中位や上位の葉の
            方が下葉よりも大きくなる。これは薔薇という樹が、本来品種差があるに
            もかかわらず、枝を長く伸ばそうとする基本的な性質を持っているからだ。
            したがって、下葉が要素をたくさん消費したり蓄積するという事実は、ま
            だその枝が伸びはじめたばかりの頃にかぎられている。
( 5 )……地表近くで枝を伸ばし、葉を繁らせた場合、確かにそのような葉や枝に対
            して散布がやりにくい。しかしそれらよりも上も伸びて茂ったら、下枝の
            伸びや葉の拡大はその途中でストップするのが普通。せいぜい上と同じほ
            どになる程度である。したがって、元気のよい株ほど、また品種グループ
            によっても、そのような下枝ごと切除することになる。もしもまばらな株
            立ちになっているときには、おりよく、手で下枝や葉の先端を持ち上げて
            散布すれば済む。
 
                          
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