* 房の蕾がすべて開花すると枝先はたわみ、細枝が多いと重なり合ってよ
くない。ただ枝の硬度はかなりあり、ステムもしっかりしている。各弁にそ
れぞれ色合いの濃淡があり、満開時には目立つことに。散り方もきれいだ。
* 5月下旬から咲き始める遅咲き。花保は5~8日間、花期は約1ヶ月~
40日間。盛夏の花付きはよくないが、秋にはおおらかで豊かな花付きを見
られる。揃ったときのしだれ咲きはみごと。12月の蕾は開花する。
* 他の小輪のスケープローズとは異なり、元肥を多めに施す。その一か月
前に消石灰を撒いて土の酸度を調整しておかないと、その年の生育は鈍る。
量は一握りの半分くらいで。そのわけはこの薔薇がKを十分に必要としてい
て、それだけ土はやや酸化しやすいからである。硫酸カリまたは塩化カリに
加えて、土中に十分な量のくん炭を入れること。炭の微アルカリ性は土の酸
化をやわらげる。逆に追い肥はKが多すぎないように注意。この薔薇はヨー
リンとの相性があまりよくない。Pは魚粉が最も適している。ただし魚粉は
PよりもNの方が含有量が多いから、Nの肥料とだぶつかないように。一般
にPの量が適切であったとき、自家受粉しやすい品種は結実しやすい。この
薔薇は実を観賞する薔薇でもあるのだが、ほとんどを結実させると成り疲れ
を起こす。堆肥は多ければ多いほどよいとしても、土との割合は1:1を限
度とする。夏の有機石灰は逆効果。
* 剪定は冬のみで秋はしない方がよい。枝はフリーに出ても暴れるほどで
はない。春から秋の整枝もラクだ。若い間はベーサルシュートが多く、成熟
後は途中シュートのみになる。ただ、高めに仕立てるとかなりの大株になる。
シュート処理をしなかったときは極端に花付きが悪くなる。
* キャンカーにはまったくならない強さがある。黒点病への耐性はやや増
進しにくい。黄変後の落葉も激しい。ネマトーダの害もある。イラガとカイ
ガラムシが好み、彼らを予防できればどんどん丈夫に育つ。
* 秋、晴天の日の花は冴えた発色ですばらしい。どちらかといえば男性的
なこの薔薇が、美女に変身している。
* かつて大阪の中之島公園にあったのは確かにこの薔薇だった。横に2m
は伸びていて驚いた。連れの人物と一緒に歩いていて、この薔薇の刺でふく
らはぎを怪我をし、鮮血がストッキングに滲ん |
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-栽培ワンポイント-
「土と堆肥の1:1」
堆肥づくりや土と堆肥の関係については、いずれシリーズを設けて
詳しい解説を予定している。それほど内容について広い課題問題を含
んでいて、薔薇栽培に影響の大きな事だからだ。
ここでは上の解説中にある1:1のことについて簡単に触れてみた
い。 土と混合して用いる限度の比率を1:1とした。その理由は「堆
肥は土になろうとし、土は堆肥を土にしようとする」という土と堆肥
の基本的な関係にある。この前提に立たない限り、堆肥をなぜ土へ入
れるのかが理解できないことになる。もっと他の何かの関係があるの
に、無理にそうした前提を取ろうとしているのではない。実際にその
基本通りのことが全体の中で進行していく。
この関係をもっと細かくしてみると、「炭素率」のことになる。わ
が国の土地の表面の土は有機物の多い黒っぽい土、その下が火山灰質
を持った赤っぽい土、さらにその下( 地表からおよそ500m~70
0m )の火山灰性をほとんど失った黄色或いは白っぽい土の三層が、
わが国の土だと一般論としてそう言ってよいだろう。この点は多くの
専門家の見方が一致している。
第三層の土の炭素率が10。人工的に作った土でない限り、地質に
見られる土は必ず有機質を含んでいる。それは微生物によって必ず分
解されて無機物となっていく。無機物の究極の姿が炭素。では炭素と
は何か。多くの人がかつて学校で学習したはずだ。それはかつて「植
物」だったものであると。つまり炭素率とは土壌であれ他の有機物類
であれ、どれだけ植物の無機元素化されたものを含んでいるかを示す
割合のことなのだ。土の炭素率が0ということはありえず、あるとす
ればそれは土ではなく岩石や一部の金属のこと。土の第三層は、数千
年から数億年と幅が広い話になるとしても、その間に炭素率10の状
態へおちついた土壌であることを指す。10以下になることはありえ
ない。
第二層の赤土は12~15の炭素率で、第三層へ近づいていく途中
の状態と考えられるし、実際に数千年から数万年かけて第三層と同じ
状態へと近づいていく。深いところから順次そうなりつつある。
第一層(表層)には炭素率が15~100といった幅でさまざまな
有機物が存在している。微生物のほとんどがこの層に集中して活躍し
ている。有益菌も病原菌も。わたしたちが堆肥と呼んでいるものは、
実は人為的にこの層のものを作りだしていることになる。堆肥を土へ
投入する最大の目的は、彼ら微生物の豊かな生きている土を作り出す
ためであり、土に命を吹き込むことなのだと理解していただきたい。
地植でも容器植でもベースは第二層と第一層が接している部分の土で
あり、薔薇のような植物が育つことが期待され、施肥をする必要が生
じるのもそのような部分の土だからだ。
薔薇の培土として堆肥が加わると、それは炭素率の高いものが与え
られる結果となることを意味する。第二層よりも第一層に近くなる。
あらゆる種類の微生物が有機物の分解に参加し、働く。では彼らはな
ぜそんなことをするかと言えば、分解作業をしなければ土中の窒素と
いうエネルギー源、餌を身体へ穫り入れられないからだ。働かなけれ
ばエネルギーが手に入らず、繁殖できず、生存さえ危うい。だから盛
んに窒素を消費しながら、堆肥中の有機質のすべてを無機化していく
ことに懸命になる。堆肥の持つ炭素の割合はどんどん下がっていく。
視点を変えれば、炭素率10に向かって「土」になっていく。
容器植で、土よりも堆肥の方が多くなるとどうなるか。微生物たち
にとって、土中の窒素では足りなくなるのだ。空中窒素固定菌の活躍
にも限度がある。つまり地上の空気中に含まれている窒素を取り込む
にも限界があって、他の微生物たちは必要なエネルギーをわたしたち
が与えた肥料から奪うか、もしくは自分たちの数を減らすしかない。
有益菌が減れば、有害菌がはびこるようになる。薔薇の根を窒素源と
する菌類が遠慮なく活性化する。あるいは肥料分の窒素を利用して、
根を痛めつけ始める。堆肥中の有機物の分解ではなく、薔薇を分解し
ていくのだ。そもそもそれが彼らの仕事なのだから。
もちろん1:1というのは重さのことではなく体積のことである。
有害菌が繁殖し薔薇がけなげに戦いながらも寿命を縮めていく。そし
て枯死してから数千年から数万年後、ついに「1:1<」の状態も炭
素率10へおちつく。なぜか?その間に堆肥がゆっくりと分解され尽
くして土になるからだ。いかなる有益菌も有害菌も、0になることは
絶対にあり得ない。その理由こそ、彼らの数の多さであり、薔薇の死
とともに、有害菌も大幅に数を減らし、時間をかけて、堆肥を分解す
る微生物たちを増やしていくことになる。
土は生きている。その生き生き度をわたしたちが高める。決して低
めてはならない。容器植はもちろん、地植においても一度にあまりに
も多くの堆肥を投入するのが考えものだと、おわかりいただけたはず
である。度を超せば、逆に土は痩せていくことになる。
註
炭素率C/N比……炭素carbon÷窒素nitrogen
……窒素1に対して炭素がいくつあるか ▲
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-栽培ワンポイント-
「蕾のピンチ」(摘蕾)
全季節を通じて、蕾を摘むタイミングは色づく直前が最も望ましい。
( 1 )春、気温上昇期の蕾をそのタイミングで摘めば、その蕾へ送られ
るはずだったすべての養分は残された蕾へ回る。その結果美しい花や大
輪を形よく開花させることにつながる。
( 2 )高温期の摘蕾も、そのタイミングで行えば春や秋よりもその花梗
の充実と、新しい芽の伸長を促す。伸びに引かれるようにして、下段の
枝の充実度が強まる。夏の整枝に応えやすくなる。
( 3 )低温期のピンチでは、蕾だけ摘んで終わるのではなく、最上段あ
るいは最先端の本葉まで切り戻しておこう。その結果、その葉の付け根
にある芽は伸びず、枝葉の充実や安定感を期待できることになる。
( 4 )ピンチしすぎた、ということであわてる必要はない。たとえ一房
のほとんどや、株全体での蕾数が激減したとしても、どの季節でもその
薔薇に弊害が現われることはない。むしろ各部位の生長から全体の成長
へと、根の働きが向くことになる。
( 5 )バラクキバチやゾウムシによる蕾の首の害があったとき、蕾のみ
取り去ってしまうのではなく、必ずいくらか下位の軟らかい部分まで下
げて切除を。尺取り虫などに蕾を囓られたときもである。この掌の長さ
ほどの切除は、その時点で薔薇が対害虫の反応をしはじめているのを助
けることになる。つまり蕾の首だけで終わらない刺激により、その株全
体の防衛活動が活発になることで、全体がよりしっかりしてくるきっか
けともなる。
( 6 )ミニ薔薇などのような小輪の品種は、いくら小さいときであって
もかまわない。株が若い間は開花数を制限する方が望ましい。ただし処
理をせずにシュートを咲かせてみるときには、ピンチする数によって後
のシュート充実が変わるわけではない。できるだけ、シュートは短い間
に処理しよう。そこから伸びる花梗は長くなる傾向を示すが、ミニはむ
やみに処理をくりかえす必要はない。二度ほどでとめてかまわない。

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-栽培ワンポイント-
「薔薇園へ行ったら」
■ 春
a.花の一輪ずつの美しさやそれぞれの魅力だけでなく、房咲きであれば
それぞれの花梗の一房の花数が概ね揃っているか、高さや枝の作るバラ
ンスはどうかを見る。株が生き生きして元気であるほど、樹形も美しく
感じられるものだ。
b.枝葉に異常がないのは当然でも、園内の区画によって樹勢に格差がな
いかを確かめよう。そのとき薔薇のそばや背後・手前に薔薇以外の植栽
があるなら、できるだけ種類や特徴を確認しておきたい。それが薔薇の
樹勢の状態をいっそう明らかにし、その区画がいったいどのような土壌
・環境であるかの理解へ発展する。
c.雨中であれば、花がうつむいている品種とうつむいていない品種とを
分け、手持ちと同一品種の時、一株の全体像どうしを比較する。また鱗
片が雨滴をころっと丸く弾いているか、べっとりと濡れているものがな
いかを注意深く見る。前者ほどその一株がみずみずしく、後者は寡肥か
または施肥のタイミングをまちがえて栽培されている。
d.強風が吹いているなら、弱々しい花梗や下段の枝が目につきやすい。
そして剪定後に徒長した枝があるかどうかもすぐわかる。シュートには
見えないものでそのような枝が多いとき、クラウンがしっかりとした大
きさ・盛り上がりを持っているかどうかを確認する。十分なスケールの
クラウンなのに徒長枝が何本もあれば、土壌内の養分のバランスが崩れ
ていて、リン酸または窒素が過剰にあるとわかる。
e.朝陽が当たると思われない場所であるとき、つる薔薇のつるの配りに
偏りがないか。アーチでもフェンスでも低い位置に短いつるが配られて
いるものだが、それぞれの動いていない芽のいくつかを注視しよう。芽
の色に艶があるか。艶がないのに全誘引のつるで豪華に開花していると
すれば、適切な堆肥投入が行われていない。
■ 夏
a.可能ならクラウンそばの土へ細くて固い、短い棒を突き刺してみる。
すっと入れば保水性と排水性の善いバランスが保たれている。5cm以
上は土が硬くて入らないとき、園全体の土壌の質に何らかの問題がある。
その場合、通路で土の部分があれば同様に棒を刺してみる。まったく同
じ程度の硬さであれば、保水よりも排水に問題がある。土の団粒化が進
んでいない、または壊れつつある。
b.防風のための樹木や構築物があるか。あるなら、それらのそばの薔薇
が直射光下で元気があるか。それは葉を数枚じっくりと観察すればいい。
元気であれば葉先が下垂せず、中折れするタイプの葉も春と変わらない
中折れ角度をしている。もしもそれらの葉がでこぼこしているようなら、
花があるとき花を見つめ、花弁の一枚を軽くつまんでみる。つるっと指
が滑れば、一株全体の樹勢がかなり落ちている。逆に、摩擦感があり、
滑りにくさが少しでもあるなら、その一株は暑さをはね返している。
c.ブッシュタイプよりもシュラブやクライマー、ポリアンサタイプの薔
薇の枝や花を気をつけて見よう。特にスタンダードづくりにしてあるも
ので、葉の密集が一回り全体で欠けている箇所がないか。欠けていない
もの、欠けているもののそれぞれで、花ではなく開く前の蕾に目を向け
たい。それらの首がすっとまっすぐであって、しかも他の季節よりもひ
どく細かったりしていなければ、蕾を指でつまみ、傷めないようにひね
ってみる。45度以上にひねることができたら、水分が十分ではないと
わかる。
d.フェンスへ誘引してあるつる薔薇があるとき、その手前にある薔薇が、
そこが斜面でないなら、クラウンの樹皮と、ベーサルとして伸びそうな
芽を観察する。この芽は、夏においては、澄んだ鮮やかな芽でない方が
よい状態で、くすんだようでもどっしりとしていた方がよい。その薔薇
の品種にかかわらず、春の花後の手入れが全般的によく為されていたと
言える。
e.樹高の低い薔薇では、下枝ではなく最も長く伸びている高い位置の枝
に注目する。その枝が下段の枝よりも長ければ、四季咲きであるとき秋
にも訪れて美しい花を楽しもう。下段よりも短いなら、枝葉の多い品種
の時、暑さが土壌へ悪い影響を与えつつあるとわかる。もしくは剪定箇
所が不適切であったことを想像できる。
■ 秋
a.四季咲きのしっとりとした花色の美しさよりも、むしろ一季咲きの品
種の観察に時間をかけたい。特に古株であればあるほど、生育状態を適
確に感じ取れるはずである。スペースの狭い花壇であれば、サイドシュ
ートが一本出ているか出ていないかであったりするものだが、もしも樹
形のあちこちからシュートを伸ばしつつあれば、根がその狭さを解決で
きているとわかる。つまり花壇の外土へも十分に元気よく伸びていると
言える。
b.四季咲き品種に対しては、シュートの数よりも花や蕾を付けている枝
に、どのような異変も異常もないかを確かめる。見当たらなければ、ク
ラウンからの初段も確認する。下葉が付いてればそのサイズを別品種と
比較し、下葉がなければ、刺の成長度、つまり大きさや鋭さに目を向け
る。優れた生育をしてきた株や品種群ほど、それらに感動させられる。
c.何かで株周りをマルチしてあるなら、一箇所に限りごくわずかにマル
チを払い、土表に触れてみる。よい薔薇園ほど、指先は土表をなめらか
に滑り、凹凸や土でない砂・石が指の動きに違和感を与えるようなら、
その園は手入れが行き届いていない。反対に、マルチをしていない株周
りのとき、棒を少しだけ挿してみる。そのとき根がすぐに当たるようで
あるなら、夏の手入れがよかったことを示していて、すぐに当たらず、
しかも深く挿せないのであれば、夏の手入れがよくなかったことが明ら
かだ。
d.つる品種の四季咲きは、開花前の時点では花梗の本葉を下へ引っ張っ
てみる。托葉にぴくりとも動かない強さを感じられれば、開花でみごと
な花を見られる。しかしぐぐっという動きを托葉に感じたなら、花に期
待がもてない。つるの一季咲きでは、シュートの先端の展葉に触れてみ
る。葉脈の触感が強いほどまだまだ伸びるとわかるが、モッコウバラで
ないのにつるっとしているばかりのとき、伸長が止まりかけていると予
想できる。
e.冬でなくこの季節に朝陽が当たらない場所の薔薇に対して、樹形が立
派であるかどうかに注意。どうにも樹としての美しさが感じられなけれ
ば、その株は老いつつある。また夕刻であれば、樹としての美しさが感
じられる株の花や、ステム全体のしっかり感を見きわめよう。秋の夕刻
こそ、樹が最もすばらしい、深い美を湛えるときである。
■ 冬
a.剪定前で、たくさんの折れ枝や蕾、咲きかけの花が放置してあるよう
な薔薇園には多くを期待できない。ただ観察ポイントとして、そのよう
な園であっても、くまなく歩き回り、土の各所の状態を見ておきたい。
整地されていないような状況でも。できれば一握りしてみる。細かく割
れる( くずれる )土であれば、まったく土づくりができていない。逆に
ざっくりと大まかに割れる土であるなら、そこが排水に問題のある園だ
とわかる。本来そのようなくずれ方は、よい樹と花を育てている土のは
ずであるにもかかわらず、きちんと手入れされていないために土も悪化
しはじめていると考えられるのである。
b.実は、さまざまに行き届いた、全体的に美点ばかりが目につく薔薇園
がわが国にはほんとうに多いとわかるのも冬である。訪れる人も少なく、
余分な物音がなくて、小鳥や風、薔薇以外の木の梢が奏でたり、落ち葉
が吹かれて立てるカサカサという音ばかりが聞こえる。薔薇は花や若々
しい枝葉に包まれていない、本来の自然、そして野性の姿を見せてくれ
る。剪定前・後いずれであっても、薔薇の列を横から眺め、見渡してみ
よう。品種グループごとに並んでいるなら、一見おもいおもいに残して
いる枝であっても、美しい園ほど、言わば「枝波」が整い、揃っている
ものだ。そこに、この季節ならではの鑑賞価値の一つがある。
c.樹高が高いものの枝先や、誘引してあるもののつる先などを触ろう。
伸びを終えている先端も、人の手による切り口も、汚れがなく傷みがな
く、歪みのない同心円やぽつんと小さく付いている蕾に形の美があれば、
その薔薇はやすらかで幸せな寝息を立てている。
d.暖地では、隣りあう株どうしのこの時期の大きさの違いに目をつけた
い。無雑作な造園、配植をされた園ではわかりにくいが、反対であれば
HTはHTで、ノワゼットはノワゼットで、大きさの揃いを感じられる
し、また品種間の個性の違いが、樹形全体に現われている。石灰硫黄合
剤等が散布されていないと、樹皮の色も見比べて回りたい。樹齢にかか
わらず、よい手入れを為されている薔薇ほど、株元近くまで樹皮が細か
く裂けていないはずである。おおらかに割れており、クラウンのサイズ
が小さいものほど、主幹の根元が太い。逆に根元が華奢に見える高齢の
薔薇ほど、春の花後の生育に何らかの問題があったことを告げている。
e.全種類にわたって、それぞれ数株ずつ、枝の節に着目したい。まだ動
いていない芽の節が、寒冷地や標準地で爪の先の弧のように美麗であれ
ば、しかもそのすぐ上に短線が弧へくっつくようにして見えているほど、
成熟期のみごとな花と生長を翌春に見せてくれる。暖地だと、節と節の
ちょうど中間に当たるところの刺を見る。白化していない刺で、鋭角に
尖っていたり、二つに裂けていなかったり、鋭く曲がっていれば、しか
も触れてみてポロリと取れなければ、その株は春になってあなたを楽し
ませるだろう。 ▲
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