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 栽培し始めてから2008年になるまで、これがバリエガタである
 ことに気がつかなかった。奇抜な割にはそれほど目立たず、何しろほ
 ぼ全葉に白の斑が入るから見た目におちつかない。しかもほとんど無
 施肥で育ち、三年おきに元肥と堆肥を入れてやれば済むという手軽さ
 がある。その肥料は油粕と骨粉でよく、量は多くても少なくても生育
 をほとんど左右しない。驚くべきことであり、当園では地と鉢との二
 株でそのような肥培で十分に分枝し、シュートも出る。
 開花期は遅咲きで五月下旬から六月上旬にかけて始まり、すべて散
 るまでにおよそ一か月を要する。寒冷地ではもっと遅く、もっと長く
 咲いている。しかもいずれでも100%結実し、ひどく微少な種子を
 宿す。発芽率は85%以上ある。その実は鑑賞できるほど大きくもな
 ければ色も美しくはない。樹を育てるには花が散り始めると早めに花
 殻切りをした方がよい。また土壌にリン酸が十分ない場合に、房の中
 にいくつもできそこないの実が生じる。あまりにと言えるほど小さく、
 色も白いのですぐにわかる。
 刺の発生は普通であり、かなり鋭い。刺だけ見ればテリハノイバラ
 そのものだ。またこの刺にはもう一つ際立った特徴があり、シュート
 の赤みが日に日に消えながらつるを伸ばしていくように、同じく実に
 早く白化することだ。このようなリン酸の在り方をどう説明すればよ
 いのか、わからない。刺は発生とほぼ同時ぐらいに白っぽくなってい
 く。それはとても健全で生き生きとしていることとは思えない。
 しかしながら、斑入り葉の珍奇さ以上に、一輪ずつの花だけで見る
 美の完成度は元薔薇同様かなり高い。香りはかなり強いノイバラ香で、
 花を食害する害虫すべてに狙われる。ただしカミキリも枯らすことが
 できないように、どんなにひどく食害されてもへこたれず、株全体の
 成長力は衰えない。まるでそのことで、葉緑体の少ない身体を補って
 いるかのようだ。対害虫には、マメコガネの幼虫対策も兼ねて、アル
 ムグリーンの1,000倍を灌注すれば十分。うどん粉病も重曹散布
 で消える。とにかくがさつな身体に見合うような頑丈さがある。
 典型的な這性のシュラブであり、地でフリーにしておくと、細いつ
 るどうしが刺と葉で絡み合い、広がれば広がるほどその中へ入れなく
 なると承知しておきたい。したがってウォールやフェンスにも不向き
 であり、ウィーピングにしたり、背の高い容器に植えて枝垂れさせる
 とよい。ただし、優美でなだらかな枝垂れ樹形は作れない。だから当
 園では小型のアーチへ誘引してある。
 くれぐれも複数株をまとめて植えないように。またいたずらに間引
 くような減数整枝をすると、ただでは済まない。驚異的な短い枝の多
 発が待っている。後悔することになる。地を這わせたいときには、ま
 た整枝をしたいときには、広い庭園の片隅に植えよう。日照は午前中
 で十分だ。

































Lecture 減数整枝














                    -栽培ワンポイント-

                  「枝が暴れる薔薇の育て方」

 この薔薇のような、枝が暴発したように伸びるタイプは、オールドローズやモダンロ
ーズとは同じ育て方はできない。もともと痩せた土地、下草、繁みの密な山林、砂地の
近くで適応してきたからだ。その野性に惹かれ、手間がかからないとして地や鉢に植え
てみる人もあるが、施肥も剪定も防除においても、注意が必要になる。
( 1 )施肥……種子からにしろ挿し木にしろ、初年度に元肥でなく堆肥から始めなくて
       はならない。通常以下の量や回数であっても肥培をしようとすると、枝
       の出はあなたを大いに困らせることになる。堆肥も窒素量の多い鶏糞や
       米ぬかを避け、藁や豚糞の方がよい。あるいはオガクズ。量は、最初だ
       けたっぷりと20リットルほど株周りに施し、翌年度からは2リットル
       でよい。
       それに伴い、株周りの土は年々硬くなることと、土壌内の嫌気的状態が
       進行する。これに関しては、耕す方がよいかどうかの判断のために、古
       い主幹を1,2本クラウンから切除してみる。もしも二か月以上経って
       もシュートが伸びてこないとき、耕すことになる。
( 2 )剪定……基本的に無剪定とするが、鉢植えの場合は下位で混みあう短い枝や、上
       位で徒長するものを切除。中位の枝には手をつけぬように。切ればサイ
       ドシュートもしくは短枝が多発して、樹形そのものが見究められないほ
       どになってしまう。つまりそのような整枝はすべて生長整枝になる。
( 3 )病気……うどん粉病や黒点病は普通に発病する。その他の病気はまず生じない。
       そしてそれらの病気も防除に努める必要はない。耐性が非常に強く、夏
       の高温期や秋の気温下降期に病害は消えていく。仮に予防や治療をした
       場合、樹勢が一層強くなると共にブラインドが増える傾向となりやすい。
       その理由はよくわからない。
( 4 )昆虫……ハナバチやハナアブがよく訪れる。するとアシナガバチやスズメバチ、
       コガネムシも訪れやすくなって、周囲の薔薇へ被害を及ぼす。したがっ
       て、害虫を見かけたら彼らに対しては防除の措置を。スミチオン等の農
       薬ではなく、木酢やニームの散布を。
( 5 )耐寒性……たいへん強く、寒冷の影響を受けにくい。しかし積雪する地方では雪
       の重みで折れるほど枝が硬いから、早めに雪を取り除くこと。また春が
       来る前の丁寧な点検を怠ると、折れた枝や傷んだ枝の存在に気づくのが
       遅れる。特にモダンシュラブの多くは、そのような傷みから病害が広が
       ることも多い。
                           
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