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 花保は12日間。花期は約ヶ月。月下旬に開花する中咲。房咲に
はならない。四季咲性は特に強い方ではなく、標準的。高温期には花型が乱
れるし、二番花以後の径が小さくなるなどの欠点があるが健全で丁寧な手入
れを施されて育ったとき、名前にふさわしい代表花として世界へ紹介できる。
「Fukuyama」の名で国際登録もされている。
 老熟株になるとほとんどシュートを出さなくなるが、それまではたいへ
ん活発。寿命は主幹の更新さえちゃんとできていればかなり長い。
 ステムはやや太いと言えるほどで、しっかりしている。雨シミはないが
高温期に弁端に日焼けが出ることも。
 元肥はたっぷりと。ただし堆肥とは混ぜないで別々にした方がよい。腐
葉土とピートモスを多めにし、バーミキュライトやパーライトの混合は土壌
の排水性しだい。粘土質や畑土を好む傾向があるので、そうした土の場合は
毎年堆肥を鋤こむ必要がある。元肥はNPKの比率を1:3:1とし、たと
えば油かす300g骨粉600g、硫酸カリ200g。別の場所に堆肥と混
合して施す苦土石灰200g。追肥は元肥と同じものを半分の量で。ただし
苦土石灰は入れない。液肥は有機液肥以外のものは避けた方が無難。植土が
真砂土のときも堆肥はしっかり入れる。その場合極小粒の高度化成肥料を少
し与えるのも、しばしば好影響を与える。ただしその上を何かで必ずマルチ
し、地表の空気や湿度の変化にさらさない方がいい。
 剪定は年によって強・中・弱を使い分ける。シュートが出た後、どれだ
けの長さにまでなったときに先端が”ホウキ”になったかを見届けておいて、
その長さを基準にして剪定ポイントを判断。頂芽以外の芽が多数動いたとき
は整枝が必要だが、あまり多くはない。
 冬季の移植を頻繁に行なっても平気なほどの丈夫さがある。根の数は少
ない。
 耐病性はかなり強い。再発しにくい。害虫はすべて来る。アグリチンキ
の定期的な散布と灌注が適切。
 自己主張の弱い薔薇で、黙って咲くタイプ。物足りなく思う人もいるか
もしれない。しかし弁質や弁厚のみごとさは、一級品である。色彩に深みも
ある。特に、花弁の隙間に見える重なりの美は、他のどの薔薇とも代え難い。

Lecture 2 施肥設計と実践
Salon   高度化成肥料 
Lecture 2 HTの春剪定
Lecture 2 HTの秋剪定
Lecture 2 HTの整枝








                  -栽培ワンポイント-              

                「バーミキュライトとアスベスト」   

 すでに この項目に関して知識を得た人は何らかの対処をしているだろう。
ここではまだの人のために要点を記したい。 製品の袋入りバーミキュライト
を袋から出したとき、勢いよくであったなら粉塵のようなものが舞い上がる。
あの中に含まれているかもしれないのがアスベストだ。ただ園芸用に用いてい
るとき通常の作業ではさほど広がるものではない。よくあるのは袋からすべて
を何かへ移した後、袋の底を両手の指でつまんでばっさばっさと振る癖のある
人のことだ。あのようなときにはかなり広がる。もちろんそんな乱暴なことを
している人は少数だろう。
 あの粉塵を一定の量で直接吸入すると、アスベスト被害に遭う危険性はある。
それがどの程度の量であるのか、日本で販売されている物の安全性はどうなの
かについてのデータ・検査がない。だからただちに安全・危険を言えないのが
実情となっている。心許ないがそれが現実だ。
 バーミキュライトの主な使用目的は保水力と保肥力の向上にある。地植では
あまり庭土へ混合しないが、鉢植えでは入れる人も多いしあらかじめ混合して
ある市販用土もある。わが国で蛭石と呼ばれるのは、熱によって簡単に石の構
造が薄片に分離するからであり、焼きさえすれば薄片を大量に生産できる。軽
くて、一度養水分を保持するとかなり長期間にわたってゆっくりと養水分を土
壌へ浸透させる。その能力はパーライトでは劣るだけにこれまで園芸・農業に
も用いられてきた。
 しかし安全な使用をすべきだろう。マスクまでする必要はないが、使う際に
袋からバケツ等へそっと移し、そこに養水分を必要量入れて含ませてしまう。
一度乾燥状態でなくなればまったく安全となる。また市販品の混合土を用いる
際にもやはり湿らせてから鉢へ入れよう。
 どうしても心配であれば使わないことだ。むしろ良質な堆肥が持つ、時間を
かけての保水性・保肥性の能力を期待しよう。わたし自身は講座の用土を用い
ているのでまったく使用していない。アスベストのことより、そもそも必要と
しない土だからだ。堆肥類が保持力を十分に発揮してくれる。

                                                   
[Wikipedia]
                                                 






                -栽培ワンポイント-              

                「剪定ポイントの判断」   

 栽培解説の中にこの語句を記した。そこで判断の具体例を挙げておこう。
まず、シュート処理をしていなかった薔薇についてから。
(1)  シュート長は伸長中に支柱を与えていたかいなかったかによって変
わってくる。ふつうは与えた方が長くなる。ただしブッシュ性の強い品種
ほど、与えたことによる長さの差は少ない。支柱によって立てられ、伸長
の勢いが増してもである。ブッシュのシュートへ支柱を与えるのは、その
シュートの充実度を求めるためであることをまず理解してほしい。つまり
ブッシュはそれだけ強剪定に平気であり、また春になってからの刺激の強
さに応えやすい。したがって、強く切り込む場合、すでに葉を取り去られ
ている節で、動いていない冬芽の内、クラウンから数えて3~6つ目の節
にある外芽の五ミリ上で切ることになる。しかもこのポイントは、品種差
が枝の太さや硬軟の点でいろいろであっても変わらない。
 ただし前年にベーサルシュートが多発した場合、前年の主幹(二年前の
シュート)と新主幹との切り口の高さがあまり違わないように揃えよう。
(2)  ブッシュで、それまでにしっかりした立派な株、十分な樹形になら
なかった薔薇も、冬剪定では強く切り下げよう。その結果さらにみすぼら
しくなったとしても、それからの手入れを怠らなければ、前年の生育より
も必ずよい生育を春から見せてくれる。あきらめてはいけない。
(3)  支柱を与えたシュートが、シュラブ性の強い品種ほど、与えなかっ
たときよりもかなり長くなる。その場合、晩秋の間に支柱を外しておき、
スケールの大と小、どちらを春以後の樹形として求めるかをまず決断しよ
う。大であれば、支柱のない状態での地表からの高さのおよそ半分に当た
る位置が剪定ポイント。この場合、若くて力強い品種や株であるほど、春
から夏にかけてあなたが驚嘆するほどのスケールになると覚悟しておきた
い。中~小の樹形にしたい場合、さらにその半分の高さの位置にある外芽
がポイントであるが、切る枝のいくらかが内芽であるのはかまわない。も
ちろん春からの枝立ちの姿がどうなったかの経験を、三年ほどかけて覚え
るようにしよう。

 次に春から夏にかけてシュート処理をしてあったものについて。
(1)  ブッシュタイプはたとえ何段の処理になったかによらず、クラウン
から一または二段目の外芽の中から選ぶ。このとき弱小枝はあらかじめク
ラウンの付け根から切除しておくが、残して期待する幹の切り口の高さに
こだわらない方が、実際にはよい結果を出す。大事なのは動いていなくて
充実した、広がりのよい芽を選ぶことだ。もしもどれも同じような芽に見
えるなら、外向きでありさえすればどれでもよい。健全な生育さえしてい
れば、選びまちがいはない。
 ただし、樹高の低い品種では、シュート処理で長めに枝を残す処理をし
ているのが普通なので、一段から二段目の中程の芽を選びたい。仮に深く
切りすぎると、春からの花梗やシュート長が不揃いのままに推移しやすい。
またいささか樹勢が弱くなっている株や肥料をあまり与えられてこなかっ
たものは、切りつめると芽が長く動かなかったりすることがある。それは
それで、伸長を始めると充実していくのであるが、一番花後の枝の充実が
勢いを失いやすい。
 なおHTなどでは、シュート処理が20~30cm程度で行われたもの
の場合、一二段目で剪定する必要はない。最終処理をした段の外芽で切ろ
う。また、シュートごとに残した段それぞれの長さが主幹AとBとで違う
こともあるだろう。そのようなときは、最も低い剪定ポイントへ、他の幹
の剪定によって残す高さを揃えた方がよい。塀やヘッジ、家屋に添うよう
に植えられているもののみ、やむなく高さを変えてもよい結果が出る。
(2)  シュラブで前年の内にシュート処理をしてきたものは、誘引をつる
薔薇のように行わない目的で処理したのであるから、剪定ポイントはブッ
シュに準じる。
 しかし処理しても枝をつるとして長く残しているときには、シュラブは
クライマーと違い、最先端の段のすぐ下の段のよい芽を選ぶのが剪定ポイ
ント。つまり最先端を残さない。これは強い樹勢を春から一層強める刺激
となり、みごとな花梗数を確保できる。
 ただし最先端以外がみな短いという処理であったら、先端の芽の内一つ
か二つのみ落とすような剪定をしておこう。誘引形にもよるが、長い先端
をまるまる失った刺激が、花梗数を減らしたりブラインド芽をもたらす可
能性があるからだ。
 シュートに支柱を与えず、完全にフリーで育ててきた薔薇の時には、長
いつるほどクライマーに準じて、剪定は行わない。誘引器具や誘引デザイ
ンに合わないものや長さのみ、合うように切り落とせばよい。

 ところで、公園やばら園、あるいはあなたの薔薇でも、剪定前年にベー
サルもサイドもまったくシュートを出さなかったケースもあるだろう。そ
のような薔薇へは、まず当面は、残っている幹の、クラウンから数えて最
初の段の内、動く芽が出てくるのを待つ必要がある。まったく動いていな
い芽で切ることをやめ、待つのだ。動けば、あなたがよいと思う高さの芽
であってもなくても、最初に動いた芽の五ミリ上で切らなくてはいけない。
そして古い主幹が交代できるようなシュートの出を春からに期待しよう。
そうせずに二から三段目で剪定していると、施肥量が少ないほどに、一層
シュートは出にくくなっていく。それでも数年は満足のいく花梗数や良花
を見られることも多い。しかしそのような株は、樹形に安定感こそしっか
りあるようでも、成長力は年々衰え、老熟が早まる。つまり、シュート発
生の刺激こそ剪定の最終目的なのに、それに応えなくなっていく。
 またそのような古い主幹の立派な太さから、春になってかなり見劣りの
する細い枝が花梗として伸び、そのままほとんど太らず充実していかない
ケースがある。そうなりそうだったなら、土壌の質的悪化か、施肥量の少
なさが疑われる。元肥をしてあっても、ただちに追肥をしておこう。NP
Kすべてにおいて。量は元肥と同じ量から半分の間がよい。適切であった
なら、一番花後にどれかの枝からサイドシュートが出るはずである。その
シュートは完璧なほどに大切にしたい。そして処理をせず、伸びたいだけ
伸ばし、太くなりたいだけ太くしてやろう。若返りなのだから。

                                                 

                                                

検索 Q&A  剪定時によい芽がなかったら?
検索 Q&A  薔薇は剪定で切りすぎてしまうと花数が減るのか?
検索 Q&A  シュートが出ないときの剪定は? 

                -栽培ワンポイント-              

             「切り戻しの判断( 3月~4月 )」

 春剪定後、しばらくすると残した芽が動き始める。このときがその薔薇に
おける春のスタートとなる。そしてその動いた芽が、剪定によって頂芽とし
たかったものではないことも多い。このとき切り戻しという二次剪定を行う
かどうかの判断には、大きく分けて二種類ある。
 一つは、長さにかかわらず枝につる性があるかないかの品種差異での判断。
つる性があるとき、
.誘引形に合わない方向や余分に誘引具からはみ出しそうなものの掻き取り。
  (フェンスやオベリスクで多い)
.腋芽の掻き取り (パーゴラやアーチで多くなる)
.サイドシュートになる可能性の高い芽を残し、弱い枝と見なせるものの
  選別と切除 (トレリスやフリー、ウォールで多くなる)

   ……以上の内注意が必要なのは(C)である。迷ったら切除ではなく切り下
げにとどめよう。その根拠は樹形の見方にある。前年の生育で樹勢がしっかり
していたのであれば、樹形の乱れを防ぐ意味で切除できるが、そうでなく、や
や弱かった生育であったなら、つる性の薔薇では切除すべきではない。当年の
手入れによって樹勢が強くなれば、切除してしまわない方がよりよい樹形へ育
てていける可能性が高いのだ。そしてこの切り下げでは、すでに動いている芽
まで切り戻すか、あるいはまだ動いていない芽で切り戻すかの判断は、実はど
ちらが正しいとも言えない。あなたの決断にかかっている。

つる性のないもののとき、
.株間が1.5m以内であれば、互いが同一品種であるとき高さ整枝のつも
  りで、一方の株のみ少しだけ切り下げよう。その場合、隣りあう薔薇それ
  ぞれに、どの高さの芽が最も良く動いているかで判断する。ほぼ同じ高さ
  (地表からの距離)で多くの芽が伸長を始めていれば容易でも、実際には
  バラバラの高さだろう。したがってどちらを高い位置で残すかをまず決め、
  次に切り下げる枝を定めて切り下げ、最後に内向きに伸びはじめている芽
  を掻き取る。
.大輪の品種の腋芽を掻き取る。中輪以下の品種では、房咲き性に特長の強
  いものは腋芽をできるだけ取らずにおく。その方が春の勢いが強く樹に出
  るからだ。
.株間が1.5m超の株どうしでは、蕾が上がる時期まで芽掻きをしない。
  そして剪定で頂芽と定めたはずの芽がまったく動かずにいる場合のみ、切
  り戻す。このとき、残す頂芽の高さは枝ごとに異なっていてもかまわない。
  それらの動かない頂芽を放任された薔薇よりも、きちんと切り下げ、また
  多数の枝・花梗があるものほど、たくさん美しい花を咲かせることになる。

 次に、環境差異による判断。つる性のあるなしにかかわらず、育つ場所に
よって切り戻すかどうかを考えることになる。
.ミニ薔薇やスケープローズは、品種差異でも環境差異でも、切り戻しはし
  ない。そのままにしておこう。特にミニ薔薇は、暖地と標準地では剪定期
  にしっかりした考えで行なっておかなくてはならず、3月中旬以後の切り
  戻しは樹勢を殺ぐことがあると心得たい。そして環境によっては株全体の
  成長力へダメージを与えかねない。
.午後から直射光が当たらない場所で育っているとき、朝日も当たっている
  のであれば、A以外の品種のほとんどは切り戻して良い。もちろん懐枝に
  なりそうなもののうち、最も上位の伸長芽は掻き取っておく。そして各枝
  の外向きの芽の内、剪定によって残した樹高の半分以下の高さで動いてき
  た芽は残す。その芽も除いてしまうと、このような場所では、上位の芽が
  必ず動くとは限らないからだ。
.春の間、午後にしか直射光が当たらない場所であるのなら、樹高が1.5
  mを超える品種では切り戻しを行い、超えない品種であれば蕾が上がって
  から行おう。そうすれば、気温の上昇によって、午前の光を浴びないデメ
  リットの影響を軽減できるからだ。
.露や雨のかからない場所であるとき、地・鉢植え共に、すべての展葉が緑
  色になるまで切り戻さないこと。つまり二次剪定をしないことになる。そ
  のうえで、整枝として切り戻す。これは栄養整枝となる。品種によって赤
  くない、緑の芽を伸ばすものもあるが、その場合もこの環境下では多くが
  本葉となるのを待つ。
.日照問題も保水排水の問題もない場所なら、剪定で残した位置よりも下し
  か伸びてこないとき、そこまで切り下げよう。その場合、懐枝のいくつか
  は残しておく。少なくて良い。そして花後に、悠然と、それらを切除しよ
  う。これが分枝促進整枝となる。


 以上であるが、切り戻しの判断が重要であるのは、実は「シュート芽の選別」
をあなたがすることになるからだ。つまり切り戻せば、シュートになるはずだ
った枝( つる )を除外することにもなりうるのだ。切り落とせば、芽掻きも同
じだが、もう二度と取り戻せない。剪定、それも春剪定が、どれほど重大なこ
とであるか、おわかりだろう。ただし、年間の手入れが良く、育つ場所の条件
もよければ、この喪失のリスクはどんどん低くなっていく。幸せに育ち、美し
い花を咲かせるチャンスは年々増えていくことになる。そうなったなら、剪定
も切り戻しも、どれほど幸せな作業であることか。無雑作を斥け、ひたすら楽
しいだけの対話を、あなたの薔薇との間で行なってほしい。じっくりと。
 当サイトの指導に従っておられるのであれば、剪定期間がたっぷりととって
あるはずだ。切り戻しの期間も、それに準ずるのである。大いに楽しむために。

                                                     

                                                   
Lecture 2 地植薔薇の剪定と整枝

                  -栽培ワンポイント-              

         「ミニとスケープの切り戻しの判断( 10月~11月 )」

 Salon第46話でミニ薔薇の秋の切り戻し方について回答を記した。その
内容が上のワンポイントでの「ミニは切り戻しをしない」と逆になっていること
に注意してほしい。春は切り戻しをせず、秋は切り戻すという違いは、ミニのよ
うな小さな樹やスケープのような低い丈のグループが、この季節に切り戻しをし
てこそ秋一番の花後の生育に大きな好影響を与える刺激となることにある。
 基本的に温度上昇期である春から夏にかけては、芽の伸びがなかったり止まっ
たりすることには枝の生育上の別の問題があると見て良い。つまり用土や病気や
施肥のことだ。ところが10月~11月の基本的に温度下降期にかけては、咲き
殻摘み以上に切り戻しがその後の生育に有効になる。これは枝の伸長よりもむし
ろ充実の方に大きく関係しており、生育全般の速度が遅くなっているマイナスを
プラスに転換させる意図がある。つまり春から夏にかけてはコンパクトな品種ほ
ど伸長と充実が相互加速の関係にあるのだが、秋には相互遅延の関係に変化しや
すいという生育の本質に関わることがある、という話である。なぜそうなるかは、
おそらく誰もが感覚的にわかるだろう。ミニは7月に、スケープは8月に秋剪定
をしてある。なぜその時期であるかは言うまでもなく、まだ生育全般が活気に満
ちているときだからだ。ところがそれらの秋の花後は、日を追って活気は次第に
減っていく。気温や日照の強さが下がって、葉からの水分蒸散と呼吸能が落ちて
いくからである。その段階で言わば「秋の第二次剪定」に当たることをすると、
多くの場合薔薇は失った生長点を回復させようとする。単に花殻を摘む際の刺激
よりもはるかに強い刺激になる。この時期、春よりもなおいっそう一枚でも多く
の葉を付けたいし、一輪でも多くの花を咲かせたいからだ。
 ではミニたち以外の品種でも同じかというと、そっくり同じ適用はしない方が
よい。それは生殖生長の質が違うからで、言ってみれば体格の大きい(春と夏に
樹形が大きくなっている)品種では秋剪定以後の強い鋏の入れ方によっては、花
数よりも枝葉を新しく確保しようとする勢いが強くなる。しかもその速度は春よ
りも遅い。枝の充実にも時間がかかる。切られる以前の樹形に回復しようとする
前に、冬が来る。だからミニとスケープ以外の薔薇では枯れ枝や弱小枝の切除と、
ブラインドや短枝の掻き取りで済ませた方がよいわけである。
 ミニとスケープでは、樹形の回復と言うより「冬を迎えるまでの、残した枝の
充実」という意味合いが大きい。そしてこれは、暖地や寒地という区別には無関
係に応えてくれやすい事柄なのである。もちろん全枝へ切り戻しの鋏を入れれば
よいというものではない。樹形を見ながら、また秋の最初の花や二番の花の様子
から、ふさわしいと思う切り方で済ませればよい。そこが剪定とは言わない理由
になっている。また、切り戻しをまったくしないという判断も多くの場合正しい
結果となる。それまでに枝数もその太さも、そして多くの葉で繁っていて万事十
分だと思えれば、切り戻しをしなくてよい。そのときたとえ高さが不揃いであっ
ても、むしろ現状の活気の方が重要だからにほかならない。
 初心者は、とにかく各地の同一品種の育ちをたくさん見ておこう。それから比
較をし、判断をしよう。
                               

検索 Q&A  ミニの切り戻しは? 
Lecture 2 ミニの整枝
                         
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