* 元薔薇のブッシュの方はステムがとりわけ長いポリアンサとして知られている
が、この薔薇は元品種の生育の旺盛さがそのままクライマーとして出たもの。薔
薇の世界ではこういうことは珍しくなく、スポーツ品種の優秀さが全園芸植物の
中でも際立っている。多少の日陰に適応でき、寒冷地以外では真冬も盛んに咲き
続ける。なお「シンデレラ」は刺のない薔薇として有名だが、この薔薇には細く
て鋭い刺がある。
* 夏の高温期には花色は白く抜ける。ただ花付きは衰えない。香りの強さも年間
を通じて変わらない。
* 4月上旬には蕾を見せ、下旬には咲き始める早咲き。花保は5~8日間と短いが、
花期は1ヶ月前後ある。夏と秋も変わらない。ただし冷夏の年は、長雨でないか
ぎり秋に50~80日間も、驚異的に長期間咲き続ける。これは咲殻摘みをした直
後、わずか3~5日でその切り口から見せて咲くためで、こうした薔薇はまちが
いなく根数が非常に多くて猛烈な養水分吸収をしている。わたしは植え付けてか
ら2年後に、水の中で数えたことがある。8000本まで数えたところで気が遠く
なってやめてしまった。
* 先祖返りを起こしやすい点があり、その場合蔓は伸びない。また蔓性種になっ
たときも、この品種の特徴は数本の先行蔓が幹のようになって、そこから毎年新
しい分枝を出していくことにある。つまり、ベーサルシュートの出が毎年のよう
にあっても、そのほとんどが蔓にならず短いままになる。
* 春の一番花が満開になったとき、数千輪の放つ芳香の凄さは並ではない。この
薔薇のオイルをもし集めたら、わが家にあるその他のすべての薔薇を合わせたそ
れよりも多いかもしれない。
* 元肥は堆肥とともにたっぷり。地植の場合総量が2kgでもかまわない。基準
としては、油かす400g、魚粉300g、骨粉または過石600g、硫酸カリ
200g。堆肥は牛糞が最も合い、10リットルバケツで2杯は与えること。追肥
は魚粉200gに、化成の粒肥料6-38-6-18など、必ずMgを含むもの
を一握り混合する。Kの補給は塩化カリ100gを1000倍に希釈したものを、隔
月で一度に2リットル。雨が続くときは与えない。梅雨明け後に表土が青っぽく
なり酸化しているようなら、草木灰を播いて中耕。また、容器植のものには原液
をそのまま与えるタイプの化成液肥がこの薔薇には良く合う。
* 抵抗力は最初から強く、年々耐性が増進する。どの病気も発病しにくくなる。
コガネムシの幼虫には、アルムグリーンを800倍に希釈した液を2~3リット
ル灌注。