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Album   
  耐病性 
Lecture 2 庭の四季-生育の推移
Lecture 2 品種グループ関係表 compatible

r  レッドブラウン
32枚  径13~14cm  半剣弁高芯咲き
中香  直立性(半横張) 1.5~1.8m

      

HT  ハイブリッド・ティ
岡本勘治郎  1973

 
Hawaii × (Aztec × (Goldilocks × Fashion))

2000.5.23

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 開き初めから全開するまでの途中の花型が一定しない。一輪ずつ全て異
なる様子に飽きが来ない品種。わたしはこの薔薇だけで30枚近い写真を撮っ
た。四季咲性のきわめて強い部類なので、季節によっても発色や花型に変化
が多い。父親の父親「ファッション」の影響が強いのかもしれない。
 秋の冴えた花色には輝きがある。特に10月中旬に開いたときの花。朱
色が強く出る。
 盛夏の高温にはあまり強くない。容器植で水切れをさせるととたんに生
育は悪化する。しかしもともとは丈夫で寿命も長い。地植であれば若さを20
年以上保てる。
葉柄間が長いタイプなので、健全な枝の整枝には迷わないが、弱小枝は思
い切って付け根から切除した方がよい。ただし残す枝に葉が十分な数だけ残
っているかが問題。少ないときは切除しないでおく。冬剪定は強く、秋剪定
は中で行うのが基本。あまり難しくはない。
 冬の元肥は1:2:1.5で。Kが少ないと枝がやわらかく育ちやすい。
剪定や整枝で鋏を入れたとき、十分に水揚げをしていればこの品種も刃が枝
に当たった瞬間にまるで血がさーっと引くように白くなるが、やわらかすぎ
ると思われたら直後に塩化カリの2000倍水溶液を一箇所にリットルは与え
る。その分だけ葉が肉厚になるとともに花色はともかく花型に奇妙な感じが
出るのを覚悟しなくてはならない。ただしKを追加せずにおくと、分枝の数
は次第に減っていくことになる。それはこの株全体の生長力を弱めることに
もなっていく。最初の花が終わる頃、まだ開いていない蕾があっても礼肥を
与える。元肥に油粕や骨粉を用いたときは有機液肥。化成肥料を用いたとき
はハイポネックスの1000倍で。同時に5-5-5の成分比の固
形肥料を株元から離して土へ埋め込む。この併用によって、二番花以後の花
径も小さくならずに済むことが多い。
 農薬の弊害は受けにくい。しかし生薬の使用の方がやはり健全に育つ。
耐性は増進しないが、発病が長引かずに済む。黒点病とうどん粉病には重曹
1000倍の散布が最も効果的。初めての発病の時からうどん粉のフワフワは全
く盛り上がることなく、やがて消える。また黒点病に罹った後も、その葉が
黄変して落葉することはない。
 害虫はすべて来るが、食害はあまり大きくない。ニンニク木酢液の散布
で十分。
 要素障害も出にくい。何もかもおとなしいタイプの品種として、全てに
バランスがとれているのかもしれない。開花後数日で香りは薄れてしまうが、
どの一輪もコガネムシに食べられたりしないし、わが薔薇園ではアマガエル
のベッドとしても貴重な薔薇となっている。シュートの出は少ないものの、
出て伸長していく様は頼もしい。Pの色であるあの赤みまでもブラウンがか
っている。

Lecture 2 生育のSecurityとして


Lecture 2 施肥設計と実践
Salon   無機質肥料

Salon   黒点病 うどんこ病

Lecture ニンニク木酢液










この薔薇は枚方パークで生まれた。 関西生まれの薔薇として、とてもユニークなものと思う。 切り花コンテストには向かなくとも、 パパ・メイアンにはないものがある。




                -栽培ワンポイント- 

                  「弱小枝について」

 上記の説明中にある弱小枝とは、いくつかの原因で充実しなかっ枝を言う。
最も大きな理由は、気温にある。春、気温の上昇の過程で突然寒さ戻ったと
きに、それまでに出てしまっていたシュートがダメージを受けて充していな
いことが多いように、その時期の低温がシュート以外の枝の伸びに影響を与え
る。温度の数字は、株全体の成熟度や施肥によって品種ごとに異なる。夏、高
温が葉の気孔の開閉のリズムを狂わせたときにも未熟な枝が生じる。四季咲き
の品種の場合、花が咲いても径が小さくなることが多い。また花弁からの蒸散
も抑えられることが後で未熟な枝だけでなくブラインド芽を多発させやすい。
秋、この季節に伸びてくる枝が、あるいは太くなってくる下段の部位が多けれ
ば多いほど、一季咲きであれば翌春の花付きを増やし、四季咲きであれば季節
を通しての花の一部にみごとな数輪を生むことになる。しかしこの季節にそう
した枝にならない場合、新枝・花梗を切り戻すかどうかの判断は極めて難しく、
全体の勢いと気候の推移を組み合わせて決める必要がある。冬、品種や樹齢に
よってはこの季節にも数本の新枝を伸ばしたり、それまで止まっていた短枝か
ら弱小枝となるものを伸ばし始めたりもする。 どれが以上のような弱い枝な
のかの見極めはさほど難しいことではない。他の枝と比較してみれば容易だ。
このとき、もしも樹形の内側に向いている懐枝の方が、同じ枝から出た外向き
の弱小枝よりも充実していることもある。そうならないように、懐枝になりそ
うなものは早めに切除しておくこと。もちろんこの基本はCLやHMsk、と
Sなどでは常に当てはまるとは限らない。また、Minの場合、そのときの開
花がすべて終わってからの整枝時に判断し、切除数はできるだけ少なくした方
がよい。特に春・夏に言える。
Salon   ブラインド芽

Salon   分枝力
Lecture 2 生育のSecurityとして
                                                





                 -栽培ワンポイント- 

                  「窒素不足になると」

 上記の内容は普通に施肥をしたうえでのことであり、ほとんど無施肥で育て
ると、一部のたくましい品種は別として、多くの薔薇が軟弱に育つ。必要な要
素のなかでもとりわけ窒素が足りなければ、枝の未熟、葉の緑のかすれや小さ
さとなって栄養不良を判別しやすい。
 窒素とは薔薇の身体を作っていく言わばタンパクであるから、これが不足す
ると、
 (1)極端に花梗が短く、あっというまにその先にちょこんとした蕾をつけ
    て咲かそうとする。(速すぎる生殖生長への転換
 (2)つる種では一、二本のつるが偏伸びするのはまだよい方で、不足気味
    になった途端に伸長が止まる。(ブラインドシュートの発生
 (3)全品種で弱小枝か短枝が増える。(ブラインド芽の多発
 (4)キャンカーや枝枯れが進行する。(耐性の減退
 (5)中・大輪種で葉の先端が70~80度下向きになる。そのまま葉は大
    きくならない。(気孔細胞の変質
 (6)窒素の吸収が減るとカルシウムの吸収も落ち、細胞壁の強さを保つペ
    クチンが作られなくなり、葉も枝の表皮もやわらかくなってしまう。
    それだけ傷つきやすくなる。(細胞壁の軟弱化
 (7)窒素不足は薔薇の偽果の形成を早める。ところがほとんどの実が十分
    に丸くならないまま、やがて朽ちたようにしぼむ。
                                                  (生殖生長の停滞
 (8)植え付けたばかりの苗に窒素不足が起きると、すでに立派な枝を数本
    持っていても、数か月間芽が動かなかったり、動いていた芽がつやけ
    しのような色に変わる。つまりみずみずしさが消える。
                         (栄養生長の停滞
 (9)春の一番花の咲く時期に窒素は少ない方がよい。ところがその後も少
    ないままであれば、それまでに伸びつつあったシュートが止まってブ
    ラインドになり、展開しつつあった新芽が萎れ、一部は日焼けしたよ
    うに枯れ、指で触れただけでぼろぼろと崩れる。(生長全般の抑制


                                         
Onepoint  葉の要素診断20と対処法
備考
→(1)元肥が遅れたときにも起きる

→(2)気温との関係が深い

→(3)降雨が少なかったときにも起こる

→(4)主根が切断されたときにも起きる

→(5)気温上昇期にはなりにくい

→(6)窒素過剰の時の症状と類似

→(7)もともと小さい果実の品種では白くなりやすい

→(8)ホルモンの異常が起きているのが普通
    光合成能を持つ前の段階なら芽は回復する

→(9)上と反対で、回復はしない









                 -栽培ワンポイント- 

                 「リン酸不足になると」

 薔薇にとってリン酸が足りなくなると次のような症状が現れる。

(1)ベーサルシュートが出にくくなり、不足が継続するとまったく出さなくなる
                             (分枝力の抑制
(2)蕾が付かない                   (生殖生長の抑制
(3)生長点が変わり、三枚葉の付け根の芽ばかり動く    (伸長力の分散
(4)順調に健全な生育をしてきた株ほど、ブラインド芽が増える
                            (栄養生長の抑制
(5)枝・つるの伸長中に不足すると伸長停止だけでなく節間が短くなる
                            (樹勢全般の低下
(6)花後に不足していると少ないリン酸は下位の茎頂へ回されやすく、上位葉
   や芽の先端がしおれてくる   (樹形の縮小化とストレス耐性の発動
(7)葉厚が薄い品種で、緑の色むらが起こりやすくなる   (葉緑体の減少
(8)根毛を殖やす方向に転換すると共に新根を出さなくなり、結果的に根毛総数
   は減少する                     (根の伸長抑制
(9)土のpHが下がりやすくなる       (土壌化学性のバランス崩れ

 窒素やカリと違って、リン酸が土壌から急激に減ることは実際には起きにくい。
それだけ難溶化やク溶化していたリン酸がリンとなって土壌中に補充されやすいと
言えるのだが、それでもゆっくりとでも減り続けると、九つの症状がさらにひどく
なる。その前に手を打ってリン酸を与えておけば、軽くて済む。
また、薔薇はストレス耐性が強く優先される植物で、少ないリン酸による生存その
もののリスクを減らすように生育しやすい。


                                                          
備考

→(1)リン酸は薔薇のエネルギー源
→(2)栄養生長への転換ができないために、生殖生長のみ
    を終わらせようとする
→(3)下位の枝の充実にリン酸を使わず、小さくて動きやす
    い芽を伸ばして樹形を維持するようになる
→(4)同上
→(5)全体を成長させる力が抑えられる  効率的に生きよ
    うとしはじめる
→(6)ホルモンのアブシジン酸の働きが強まる結果
→(7)リン酸不足は窒素不足も起こしやすい
→(8)葉の光合成量が低下したことに適応する根系
→(9)pHが下がって酸化すると、土壌中の養分要素の電荷
    保持力も下がり、ますますリン酸を吸収しにくくなる







                 -栽培ワンポイント- 

                 「カリウム不足になると」

 薔薇だけでなく、あらゆる植物が与えられた肥料のNPKのうち、真っ先にKを
吸収する。これはNとPが吸収後にそれぞれ態様も役割も異なる要素へ変換しない
と利用できないのに対し、カリは吸収後に直ちにカリウムとなって利用できる要素
だからだ。しかもカリウムは単純なイオン化状態で働くから植物の側も扱いやすい。
そして細胞の浸透圧を保持したり変化させること、種々の体内タンパクの生合成、
糖の転流の三つが主な働き。
 三つの中でも葉が光合成で作ったショ糖を枝・花・根へ送ることである転流が、
窒素というタンパク材とリン酸という運搬エネルギーとともに活躍している。
 カリウムが足りなくなってくると、
(1)葉先がわずかに下垂する→葉先が褐変等の葉枯れ症状を見せる→葉全体が大
   きく下垂する(カリウムの働きが若い葉や芽へ集中する、生長保持力の移動)
(2)ブッシュ性が強い品種で弱小枝が生じやすく、つる性が強い品種でつるが細
   いまま伸びていく(タンパク不足による生育の鈍化)
(3)花色がうすくなったり、複色や覆輪カラーの品種の色むらが出やすくなる
   (色素タンパク不足または生殖生長抑制による栄養生長への転換)
(4)冬の花色が白っぽくなる(根も含めた生育全般の停滞)
(5)強健種以外で葉の縁が白くなったものが数枚見られる(イオン活性化作用の
   遍在)









備考

→(1)カリウムは移動しやすく、その速度も速い
→(2)次に耐病性や耐暑性が低下していく
→(3)この現象には薔薇の生殖生長の強さも深く関わる
    本能と適応のせめぎ合いが起きている
→(4)気温の低下によるカリウムイオンの壊れあるいは減少
    と呼べることであり、異常ではない
→(5)薔薇は生長部位を限定的に選択する植物であること

 カリウムはカルシウムとマグネシウムに関係が深く、それらが一度に大量に施さ
れると吸収が減り、またカリウムが多すぎるとそれらの吸収及び働きが抑えられる。
したがって、慎重な施肥を心がけるのであれば、元肥を与えた直後にCaもMgも
決して大量に与えないこと。特に元肥にオールインワン的なものを与えたときに、
二種の側が過剰になりやすい。二種も含めて微量要素は元肥と期間を離し、またで
きるだけ少量追肥で何度も施そう。例として、
a.芽が動き出すタイミングになってから、中一週間で三度
b.春の花が終わった直後に、中10日間で二度
c.夏にも元肥を与えたなら、その二週間後から10日間間隔で二度~三度
d.一日の気温が8℃を含む時期になったら与えない

 以上のことは基本的に微量要素全般について適用する。
 なお、一時的に5つのことが見られたとしても、その後の新しい枝葉や花に連続
していなければ、カリを与える必要はない。不安から補っておこうとすると、今度
はカリ過剰害が出るおそれがある。過剰であると、ステムが細くなったり軟らかく
なり、葉の一部が異常に大きくなったり、房咲きで蕾数の多い品種の蕾の落下が見
られるようになる。また大輪を咲かせる品種の葉が波を打ちやすい。



                          
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