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  耐病性 
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Album
Salon   オフェリア
Ophelia オフェリア

pp.  パールピンク

高芯整型咲き  径13cm

28枚  90cm( 高 )×60cm( 横 )

強香

                                                 

 丈夫な品種だが、特に「強健」と謳うわけにはいかない。その理由は病害虫に
 対してだけでなく、気候の変動や環境の変化などにも極めて敏感なところがあり、
 しかもダメージが大きくて、コツを知らないと回復が困難であるからだ。ひ弱な
 のではなくとも、しなやかさやおちつきをわかってやらないと、回復とは逆の状
 態にしてしまいやすい。人で言えば「頭がよすぎる」人物といったところか。そ
 の点で「ラ・フランス」と似ている。 
 ①整型花と言い切れるにもかかわらず、写真頁に記したように一輪ずつの花容は
  内弁から崩れる。ところがそれが正常な花容なのであり、他の品種で外弁が波
  打ったりするフレアや、花芯を覆い隠すように中心花弁が求芯してうつむく姿
  を正常と見るのと同じである。ところが、もちろん人によってはオフェリアの
  花弁の状態を見て所謂だらしない形と見てしまうこともあるわけで、するとこ
  の薔薇へ注がれる愛情に陰りが生じることもある。 
 ②うどん粉病などでもないのに花首がやや曲がりやすい。開花するとまっすぐに
  なる。ところが曲がっているときの様子には、わたしたちの目には弱々しさを
  感じさせてしまう。しかしそれはこの薔薇の新芽やシュートの色が他のどんな
  薔薇とも違っているように、有効態リン酸の過剰吸収による一時的な鉄欠乏に
  よるもので、障害の発生ではなくごく生理的なものだ。しかしそのことを知ら
  ないでいると、あわてて鉄分を補ってしまい、結果的に土壌からの酵素変質を
  招き、オフェリアの根から活力を奪ってしまうことになる。 
 ③すべての病気と無縁ではなく、幼株のあいだは一通り全部の発病をする。した
  がって病気が連続すると、誰でもショックが大きいし、他の薔薇で栽培経験の
  豊かな人ほど用心深くなって施肥全般を控えて、ヨーリンのみの施肥や堆肥の
  混合、水培の見直しへと駆り立てられる。しかしそれらはこの薔薇にとって病
  への対抗力を殺ぐことであって、度が過ぎると枯らしてしまいかねない。ある
  いは不健康なままの年が何年も続いたりすることになる。成熟度を遅らせてし
  まうのは、枯らすことよりもなお罪なことだ。長く苦しませるのだから。 
 ④ダマスクとは別の、ティ香らしからぬ強烈な香りを放つ。一般には「ヘブンリ
  ー・フレグランス」として最高の評価を与えられているのだが、栽培者や訪問
  者によっては眉をひそめる人もいよう。初めての時はわたしも驚いた。しかし
  クララの天上の香りを知ってからは、オフェリアの強さの中にふしぎな味わい
  深い奥行きを嗅げるようになった。薔薇の香りの分類からすれば、この薔薇の
  香りはまちがいなくティ香に入るのに、分析の際基本となる”ノート”が、必
  ずしもグリーン・バイオレットノートと言い切れない。だから「レディ・ヒリ
  ンドン」や「ドゥシェス・ド・ブラバン」などの香りと似ているようでいて、
  全く別の香りとして感じられる。オフェリアの香りの分析はまだ完全には為さ
  れていないし、香りの専門家にも、薔薇の香りの秘密はまだ残されている( 2
  006年 )。そしてオフェリアはその花色によってもこの香りによってもあら
  ゆる害虫を呼び寄せる。薔薇園で数十株もまとまって植えておくと、他の薔薇
  は蜜蜂たちの恩恵だけでなくたいへんな数の害虫の脅威にさらされることにな
  る。
 月上旬から咲き始める早咲き。花保は1115日間と長い。最高気温が20
 を
超えていると散りは早まる。花期は5月で2540日間と幅がある。ときには
 梅雨
に入っても一番花が咲き続ける。秋の花期は30日間前後。ときにはもっと
 早く閉
花することもあり、その場合は秋の二番花がすぐに咲く日がやってくる。
 春の一番花で、最大12~14輪の房になる。
 意外にも肥料を選ばない。標準的な肥培で十分丈夫になっていってくれる。し
 かし花色、花梗の長さや直立性、香り、シュートの勢い、根張りの旺盛さ、耐病
 性の増進力、結実時の種子の数、などといった点で安定度や確かさを求めるなら、
 次のような構成でのボカシ肥料に限る。(  )内は体積比率。
 米糠( 4 )+菜種油粕( 1 )+魚滓( 1 )+粒骨粉( 1 )+ヨーリン( 0.5 )
 +硫酸カリ( 0.5 )……当園の場合、一容器あたりの量は5リットル。
 始めの二つは発酵済みのもの、骨粉は乾燥後のものとし、六つを混合して密閉容
 器内でEMによりさらに嫌気発酵させる。およそ一週間後に蓋を開けて香りを嗅
 ぎ、甘い香りがしたらそこへ米のとぎ汁をグラス三杯ほど注いでさらにかき混ぜ
 て再度密閉しておく。また一週間経過してから容器より取り出し、虫が何も来な
 い場所で自然乾燥させる。日干しでも陰干しでもどちらでもよい。香りがしなく
 なったらできあがりで、いつでも埴土へ投入できる。
 この肥料はオフェリアだけでなくどの薔薇に対しても抜群の効果を発揮できるが、
 与えすぎてはならぬし、大きな容器で一気に大量には作れない。個人庭園やベラ
 ンダ栽培などではオフェリアのようなごく限られた敏感な品種にのみ与えればよ
 い。オフェリアには元肥として500~600g。追肥として奇数月に200~
 250g。これ以外の肥料はいっさい与えないで肥培する。微量要素を補う必要
 はほとんどない。病後などにカンフル剤を与えず、自然治癒力と通常の地上部予
 防・治療の散布で十分。
 あるときから急に病害虫に対して強くなったりするわけではない。しかしおよ
 そ40年はあると見られる寿命で、3~4歳頃から少しずつたくましく丈夫になっ
 ていく。根気がたいせつだ。肥料同様に、薬剤も生薬のみに徹すると抵抗力の強
 化を妨げない。強化するのは施肥であって薬ではないが、農薬は一部を除きそれ
 を妨げてしまう。また、
 ①蕾が萼割れを始めると、黄色が顔を出す。この色が濃くても薄くても健全な状
  態に違いないが、このときが花首にうどん粉が盛り上がる機会であり、そのふ
  っくらした様子に惑わされてはならない。また葉に症状が出ても、重曹散布や
  食用酢でくりかえしぬぐえば収まる。
 ②黒点が表れた葉をあわてて摘みとらないこと。美観のために摘むときには、葉
  柄の付け根を残すようにして切り取る。盛夏を除き、その付け根と芽とを石灰
  硫黄合剤の100倍液を付けた筆などで塗布。成熟後は年々発症葉が減っていく。
 ③花の斑点病へは、黒石鹸の泡立て液を濃度に関係なく霧吹きなどで散布。
 ④葉やステムに出たベト病には水溶性カルシウムの1000倍液を塗布。症状が広
  が
るようであっても、EMを土壌灌注するぐらいにとどめる。
 ⑤キャンカーにはまず罹らない。枝枯れを起こすようであれば土の何かが原因で
  かなり弱くなってしまっているとき。地植でも容器植でも埴土をそっくり新し
  いものと入れ替えるように。
 ⑥根頭ガン腫病はポリープを切り取るだけにして様子を見守る。再発するかどう
  かの確率は50%程度と思われる。再発しても新たな患部を切り取るのみ。切
  り口に硫黄合剤原液を塗布するかどうかは治療の決め手にはならない。再発し
  て枯死する確率も50%。
 花弁がすべて散り落ちた後の香りを嗅いでいただきたい。ほとんどの人がびっ
 くりするだろう。もともとの香りそのままであることに。また雌しべの粘液を指
 先につけて揉み、5分ほど経ってから酢へその指先を浸す。上げて香りを。この
 とき、ほとんど香りがしなければ別だが、つんと来る感じがちょっとでもあれば、
 その株はまちがいなく健全なオフェリアだ。

Lecture 2 HTの春剪定
Lecture 2 HTの秋剪定
Lecture 2 HTの整枝


Lecture 病害編
Lecture 2 HTの施肥設計と実践






       



              
                   -栽培ワンポイント-

                    「薔薇における鉄分」

 特殊な土壌・環境でない限り、通常土から鉄分が極端に不足したり、逆に過剰になっ
て困ることはない。ところがときおり見られる事例で、以前野菜や果樹を栽培していた
土地に薔薇を植えたらまともに育たなかったということがある。これは化学肥料の過肥
による鉄分のク溶化が、連作によっても促進されたためであることがほとんどだ。
 土から二価鉄の形で吸収して体内で鉄タンパクとなり、マグネシウムと共に葉の葉緑
体を作るのに欠かせないのが鉄分である。だから鉄不足になると上位の若い葉ほど白く
かすれてくる。下葉はならない。
 上の解説で述べているように、リン酸の過剰吸収が一時的に行われたときと、植土が
長く中性またはアルカリ性であったときに鉄分が不足しやすい。普段から弱酸性に保ち
続けていれば起こらない事態だ。
 この鉄分不足を補うためには、応急的には製品名「モグラットー」( IPM資料館 )
を与え、中長期的には埴土の一部にでも新鮮な酸性寄りの堆肥を年に三四回混合し、ま
た酸性肥料である硫安を与えなくてはならない。通常の薔薇への施肥とは別の場所に、
深めの円耕施肥を行う。普通は半年以内に土壌pHも鉄不足も改善されるはずだ。
 また鉢植えでは、通常は冬を除く季節を通してただ一度だけ新鮮な赤玉土を用土の一
部と交換して入れてやれば、まず鉄分不足は起きない。特に薔薇の身体に不釣り合いな
小サイズで育てるときには、必ず一度交換しておこう。
 次に一旦鉄不足の症状が現れてから鉄を補うと、白っぽかった葉が健全な緑色になる
かというとそうはいかない。つまり既述の鉄補給は、あくまでもその後に動き出す芽に
対して有効であるということ。電子の伝達は一度断ち切られると、同じ部位へは二度と
戻らない。


 鉄分にはもう一つ、その電子の伝達という大きな仕事がある。わたしたちの血液中ヘ
モグロビンの色が赤いのは鉄の色であることは誰でも知っていよう。血液から不可欠の
ものであるのも、実は酸素と共に分子の移動を担うことになる電子の動きに欠かせない
からだ。その詳細は講座で述べるとして、ここでは上位葉で鉄分が不足すると葉脈以外
が白くなる現象が、実は葉の付け根にある、まだ伸び出す前の小さな芽であるときから
始まっていることの結果だと理解してほしい。つまり芽がくっついている枝の小さな範
囲でホルモンとそれを運ぶ酵素が生み出されているのに、鉄がないために芽の伸長へ伝
わらず、不完全なまま伸びていくことになる。ホルモンによる枝葉の形成指令は、酵素
が電子の受け渡しをして初めて実行できることだからだ。


                                                         






                     -栽培ワンポイント-

                    「いつ鉄を与えるとよいか」

 上に書いたように、鉄は土から不足しにくく、不足しても解消が容易だ。そこで、
以下には積極的に鉄分を追肥したらよいというケースを示しておこう。
 
 
何らかの原因で、購入した薔薇苗が貴方の所へ届いた時点で弱々しくなっていたときに地植し
   たい場合……品種にかかわらず、植え付けておいてから株元より50~60cmのところに径20
   cm、深さ20cmの穴を二箇所掘り、鉄分肥料を片手山盛り分入れ、土とよく混ぜておく。
   次にそれらの場所と株元に味の素10gを1000倍に希釈した液を2リットルずつ注ぐ。追肥し
   た鉄は施された場所の土壌を構成するさまざまな成分を還元化する作用が強く、
  苗の根がそこまで伸びた時点で養分を吸収しやすい環境にしてくれる。与えた時
  点で土がアルカリ化していないのが条件。また味の素のアミノ酸はNPKの各要
  素と結びつきやすく、その結果やはり根が吸収しやすい状態を作り出してくれる。
  株元にも注いであればその下に入っている肥料の養分を根がどんどん吸収するこ
  とになる。
 
春の到来が遅い地方では、日中の気温が春らしい陽気になってきたころを見計ら
  って、株間もしくは株元から40~60cmのところに径30cm深さ20cm
  の穴を掘ってから鉄肥料両手山盛り分を入れて底土と混ぜる。それから埋め戻
  す土に、土と当量のピートモスを入れて混ぜ、その上で穴に埋め戻す。
  この鉄分は、ピートモスの下から、ピートモスをめがけて突入してきた根を保護
  するとともに、微生物にとって快適な根圏を作りやすくしてくれる。そしておよ
  そ2~3年間を掛けて土の団粒化の元種になっていく。そのため、毎年のように
  この方法を実施する必要はないし、稀に起きる鉄過剰症が葉に黒いシミを作るか、
  または葉の付け根を褐変させてしまう。気長な実施にとどめたい。
 
つる性の強い品種が春から夏にかけてシュートを伸ばし始めたタイミングで、
  鉄肥料両手山盛り分を当量のミミズ糞と混合しておいてから、株元より80
  cm~1mのところに半円ほどの長さの円耕施肥をする。これによってシュート
  の勢いが増すことが多い。ただしもしも目立った勢いを感じさせないと判断でき
  たなら、施した場所の土を掘り上げ、根から遠くの場所へ移さなくてはならない。
  そのままにしておいて無害なこともあるが、稀に上記のような過剰症が生じるか
  らだ。もちろんこの症状は株に大きなダメージを与えるものではなくて、いつま
  でも落葉せずに残るから見苦しいだけのことではある。そして万一その症状が一
  枚でも出たなら、そこの土には十分な鉄分があるとわかる。

                                                         





                     -栽培ワンポイント-

                       「鉢が劣化したら」

  長年同じ鉢で育て続けると、プラ鉢などは劣化してくる。といっても破損ではなく、
  鉢の内外の材質の劣化についてである。そのまま使い続けると破損に到りそうなも
  のをどうするか。
  (1)暑さ対策二重鉢の内鉢として用いる。外鉢との隙間に小石や土を入れておく
     と、かえって破損させそうであると思えようが、実際には破損や欠損は稀だ。
  (2)少量堆肥の製造に用いる。底穴があるのがポイントで、堆肥材の好気発酵を
     進めてくれる。コツは土よりも有機物の方が多い体積とならぬこと。
  (3)適当な開封している袋を入れておき、手入れに必要な資材器具を入れて持ち
     運びする。
  (4)10号以上であれば逆さまにし、ミニクッションを敷いて、手入れの際のス
     ツールとして利用する。(体重の軽い人のみ)
  (5)剪定・整枝でできた切りくずを入れて作業をし、一株終えるごとに中身の枝
     葉、花を入念に観察する。切るときだけでなく、事後にも観察して見逃した
     ことがないかを検める。特に、枝の切り口や刺の状態、葉裏の害虫の卵や、
     花びらの隙間の成虫や幼虫、花芯の健全さといったことなど。
  (6)古新聞を50枚以上の枚数で入れておき、土へ膝をついて作業をするときに
     膝の下に厚く敷く。これは、かなり土のへこみを防げる。

                                                       
Onepoint  鉢の選び方と使い方 


                      

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Lecture 2  肥料成分表
Onepoint  円耕施肥










       Road to Rosa synthesis
Cultivation
耐寒・耐暑性