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Dainty Bess  デンティ・ベス
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 5月の初めから咲き出す早咲き。アルバム頁に記したように、始め
 スイートな香りも、花色と葯の色の変化に連れてだんだん弱くなって
 いく。花持ちは一週間から11日間ほど。花期は二週間前後。

 比較するとスポーツ種のつるデンティ・ベスの方が花付きはよい。
 しかし花容全体からも窺える微妙な変化の連続は、本種の方が味わい
 深い。根張りのよさもシュートの出も平均点以下ではあっても、早咲
 きの有香の薔薇たちとみごとに調和しつつ、翻り波打つ花弁の優美さ
 で誰の目も引きやすい。また、思春期の間はそれほどでもないのに、
 成熟してくると節間長が次第に長くなる。このことは樹が徐々に大き
 くなることを示していて、主幹の育て方に失敗するといつまでも貧弱
 な姿のままになってしまうことも告げる。

 元肥は冬に油粕200g、骨粉300g、硫酸カリ100g。夏も
 同量とし、そこに別の場所への施肥として炭カルを250g加える。

 カルシウムの効きがたいへんよく、冬にも与えたくなるが、与えると
 根が中性寄りの埴土を嫌うからよくない。pH6.6以上のときには
 与えない方がよい。しかし夏はカルシウムの土壌内での解消が速いし
 pHの戻りも早いので、与えるとよい。その場合は、年間を通して熔
 燐を追肥することは避けよう。 

 堆肥類は実に多くのものが適合し、量さえ多すぎなければ生育にプ
 ラスになる。ただし、市販の培養土以外の単一の用土、たとえば荒木
 田土や泥炭土などを堆肥へ混合しないでおきたい。根が案外とデリケ
 ートだからであり、そのことは夏の渇水からの回復が遅いことからわ
 かる。そのため、夏季にこの品種の生育がよければ、他の品種にも水
 分の問題が起きにくいと判断が付く(地植)。

 シュートの出が春一番花の開花中にないとき、以後の整枝の仕方が
 樹形の正否を分ける。切りすぎたり切る箇所をまちがえると、見た目
 に美しい樹になってくれない。そして冬になって強剪定をすることに
 なり、その際冷温から気温上昇期へ入ってしまってから行うと、その
 年もまた樹が整わない。したがって気温が底になる時期を逃さないよ
 うにしたい。そうすれば、年月はかかるが古い主幹が太くなればなる
 ほど、どんどんみごとな樹形を年間を通して見られるようになる。よ
 く「繊細な枝振り」という表現をされるベスも、その繊細さがうすれ
 ていく。そのためには古い主幹の更新のタイミングに気をつけなくて
 はならない。迷ったら、前年の樹形に満足できていた場合は残そう。

 一番花の開花までの間は厚いマルチを敷くが、暖かくなったら取り
 去る。そして軽く表土を耕しておく。鉢植えでも同様に。暑さには強
 いので、地・鉢共に灌水のしすぎに注意。庭では排水のよい場所を与
 えて植え付ける。

 益虫も害虫もさまざまな種類が訪れ、花期にはいつも何かがこの
 薔薇にいるようだ。樹の繊細さと花の優美さから、誰もが神経質な予
 防や治療に努めたくなるものの、実際には頻繁に行う必要はない。そ
 れぞれの地での間隔をつかみたい。また耐病性では最初から高いとこ
 ろがあり、しかも年々増進してくれる。そのことが顕著に見てとれる
 のが花びらの散り方だ。一枚ずつ落ちていき、耐病性増進中は落ちる
 間隔が長くなる。そのような品種は他にあっても、あまり多くはない。
 また鉢の土替えの後や地での移植の後では必ず散りが早くなる。これ
 は変えられず、一時的なこととして受けとめよう。その意味では、根
 が素直なのだ。

Lecture 2 HTの施肥設計と実践
Lecture 2 HTの春剪定
Lecture 2 HTの秋剪定
Lecture 2 HTの整枝
      デンティ・ベスは、そもそもわたしたちを最初にほっと
       させてくれる薔薇である。早い開花と、次の開花までの
        期間、どんなに待ち遠しいことか。華美に傾かずに明るく、
         ひらひらとした花弁がまるでウィンナワルツを踊るかのように
          ひるがえるとき、薔薇の花の季節が今年も来たと、わたしたち
           の頬をゆるませる。
Salon   生物用語集 
                   -栽培ワンポイント-

               「耐病性増進と花弁の散る速度」

 この二つの関係が言えるのは、増進がはっきりわかる品種に共通する、カルシウ
ムの働きの大きさがあるからだ。落葉にもいくらか関与しているのがカルシウムで
も、耐病性関連のことまではわからない。罹病してから早く落とす品種も遅くまで
落とさない品種も、そのことは耐病性とは無関係である。
 花弁が散り落ちるとき、マグネシウムとの協働で散りを決める部位(ここでは花
托と花びらの接合部)の細胞壁を壊すようにカルシウムが働く。すると数百から数
千の細胞死が浸透圧ゼロになることで起きる。かなりの時間をかけて花弁をつくり
生長させたにもかかわらず、その速度は比べて言わば一瞬だ。
 そのことがどの花弁にも順次起こり、次々と散り落ちる。ところが耐病性増進中
であると、マグネシウムとカルシウムの働きは遅くなる。そのためにすべての花弁
が散るのに時間を要することになる。なぜ働きを遅くさせるのかはよくわかってい
ない。ただホルモン、とりわけストレス耐性ホルモンのアブシジン酸が強く関与し
ていると考えられる。だとすれば、耐病性増進を罹病によるストレスとの関連で説
明できるのかもしれない。
 病気に対する抵抗性は、2011年現在「全身誘導機構」から説明できるように
なっている。つまり薔薇もどこかの部位が発病すると、そこだけでなく樹全体が抵
抗性を示す。それは薔薇の病原のほとんどが、感染と発病の場所を広げていくタイ
プであるからに他ならない。あっという間に備えなくては、生存リスクが高まる。
アブシジン酸はそのための言わばブレーキ役であり、ストレスのシグナルホルモン
として薔薇のゆるやかで華麗な生長へ待ったをかける。その力の影響を最も強く受
けるのがマグネシウムとカルシウム。それはこの二つの微量要素がシグナル伝達物
質の多くと無関係な要素だからだ。一方的に耐病性発動による役割転換をさせられ
る。そしてマグネシウムはプラシノステロイドとジベレリンの二つの耐病性ホルモ
ンにより働きをストップさせられる。カルシウムが花弁付け根の細胞壁を壊す。
 こうして、増進中はまったく反対に、マグネシウムの働きは強められ、カルシウ
ムは必要な部位に集められて蓄積され、もう動かない。特に花托においてはもっぱ
ら花首を強くし、やがて花弁を花托から離脱させるための働きに使われる。しかも
急がない。増進力の強い品種ほど、カルシウムの働きは遅くなるのだ。したがって
罹病中にもいくらか耐病性は高まるのだろうが、主には快復後や無病の時期である
と見て良いことになる。
 そこにおそらく、品種差のある「感受性」が関係しているに違いない。

Album  薔薇とカルシウム 
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       Road to Rosa synthesis
Cultivation



  
  srp.  シルバーローズピンク
  `Ophelia` × `K of K`
  HT  
  90 × 60cm


     Parentage Ⅱ

  耐病性 
Lecture 2 庭の四季-生育の推移
Lecture 2 品種グループ関係表 compatible