ご案内 
 携帯頁
  耐病性 
Lecture 2 庭の四季-生育の推移
Lecture 2 品種グループ関係表 compatible

ER  イングリッシュローズ  シュラブ
D.Austin  デビッド・オースチン  
イギリス  1983

Unnamed seedling × (Charles Austin × Iceberg seedling)

dy. 純黄色  径11cm
1.2m( 高 )×1.5m( 横 )
強香( ティーローズ香 )   強健

 Home    Cont.    Info.     Prof.     Album,Cultiv.    Onepoint     Lecture     Lecture 2    Salon     Link    Flower    Topic    Bouquet   Literat.    Books    History  

 ERに限らず四季咲きのシュラブすべての中でも特に大株となる。
 主幹は年々太くなり、各枝も太くなっていく。初期のERにおいて特
 に評価が高かった、丈夫で安定感のある品種。
 丈高の仕立てにするには支柱を与える。順調に生育するとスケール
 の大きな見応えのある株になる。1.2mの枝の先端から同じ長さ高
 さの枝が三段まで伸ばせる。ウォールローズを試みる人は是非挑戦さ
 れたい。岡山県北のあるログハウスで、この薔薇が壁面全体をカバー
 していたことがある。シュラブとしては蔓性が強く、太いつるがダイ
 ナミックに縦横に伸びる。陽当たりのよいところでは節間も間延びせ
 ず、葉数も多くなって全部が伸びやかに。
 咲く季節と気温により、「ゴールデン・メダイヨン」のような明る
 くて薄い黄色から、「レディ・ヒリンドン」のような杏がかった色に
 まで微妙な変化を見せるが、極端には変わらない。散る前に外弁の色
 が汚れたようになることがあっても、異常ではない。養分が少ないと
 径は小さくなる。開花は5月上旬から始まるやや早咲き。花保は5月
 で5~10日間。10月は7~13日間。花期は5月で約一か月間。
 秋は40日間。長雨や日照減でかなり短くなってしまう。
 気候が極端な地方ではステムが下垂する。これは気温と湿度の高低
 による影響だが、もともと高木になろうとする性質ではなくて、横へ
 枝を伸ばすタイプには共通のことだ。フェンスに絡ませたとき、一株
 で5~7mの幅が必要。
 挿し木しやすい。発根が簡単なのは、樹勢が旺盛で活気が漲ってい
 る枝であることによる。このことはまた、取り木をしやすいことでも
 ある。通常のモダンローズのほとんどは、挿し木・取り木によるオウ
 ン・ルート( 自根 )では、株を形成できずに寿命が短いままに終わる。
 しかしこの薔薇やアンクル・ウォルター、メアリイ・ローズ、スパニ
 ッシュ・ビューティやオフェリアなどは、地際を保護しておくと3~
 5年で株の形成が始まる。ルゴーサ系やモッコウバラのように根の一
 部から自力で新しい幹を伸ばすことはなくとも、極めて強力な形質遺
 伝を受け継いでいることには変わりない。
 シュートをよく出し、出方はクライマーに近いハイブリッド・パー
 ペチュアルタイプ。この薔薇の場合、シュート処理は普通のHTと同
 じ処理をしてかまわない。3段ぐらいになり、それ以上はほとんどシ
 ュートの伸びをせず、養分がシュートへ偏ることなく株全体へ行きわ
 たっているようだ。
 剪定は通常のオールドローズ剪定より浅く行うと樹高が高くなり、
 深く行うとコンパクトな姿に。いずれの場合も、切り方によって分枝
 が狂うことなく、しっかりした太いものを出す傾向。芽出し、展葉と
 もにダイナミックで、あまり迷わずに切れるから初心者にも向く。た
 だし、最初の2年間でその後の樹形が決まる。どんな姿を求めるかの
 方針を変えないように。
 元肥はNPKすべてたっぷりと。さらに常にカニ殻を加えると生育
 がよい。最善なのはぼかし肥づくりで最初からカニ殻を入れておくこ
 と。酵母菌が驚異的な活力を見せ、この薔薇の酵素と植物ホルモンの
 形成を活発に促す。リン酸の利用過程と、おそらく大きな関わりのあ
 ることなのだろう。10月下旬に苦土石灰を100g。追い肥は有機
 肥料中心に。塩化カリは夏の元肥に30g加えると根への効果が高い。
 ただし、硫酸カリや草木灰、くん炭とは離した場所へ。
 害虫ではシャクトリムシやイラガが好み、チューレンジバチやヨト
 ウガは比較的少ない。カミキリは狙っている。病気ではうどん粉病へ
 の耐性は完璧に近い。しかし黒点病への耐性は通常程度。ただ旺盛な
 生長力が葉の喪失をカバーできる。重曹による予防効果も高い。ガン
 腫病への抵抗力はかなりある。発症も進行も極めて遅い。これはこの
 薔薇が耐性増進型の品種であるからで、瘤ができてからでも、患部切
 除と石灰硫黄合剤の原液塗布によって仮回復し、ほとんどの場合再発
 せずに生き延びる。わたしはバクテローズをこの薔薇のそばの土へそ
 のまま埋め込んで、観察を続けている。( 2005.9月より )。目
 的はもちろん、花壇全体におけるアグロバクテリウムの制圧である。
 温度変化がこの薔薇へ与える悪影響は小さく、ステムの下垂以外に
 樹勢を弱めない。他の樹木の残根があっても、ものともしない。株元
 にコリウスのような繁殖力の強い草本植物が繁ってきても問題にしな
 い。コンパニオンとしては、たとえばニーレンベルギアタピアン
 ような低丈の白のグラウンドカバーが似合う。

検索 Q&A  グラハム・トーマスの鉢を大きくしたくない














Onepoint  挿し木の方法 
Onepoint  挿し木後の育て方 


Onepoint  カニ殻とカキ殻 

Link  バクテローズ 

Lecture 2 シュラブの春剪定




Lecture 2 ERの施肥設計と実践


Onepoint  肥料配合適否表  

Onepoint  カミキリ成虫対策  
[Wikipedia]
[ボタニックガーデン]
[Botanical Garden]








                -栽培ワンポイント- 

                  「大型ERの育て方」

 まず三年計画を立てよう。
( 1 )一年目……若さにまかせてシュートがするすると伸びていく。誘引する
   のであれば倒したり、弧を描かせるようにすることになるが、できれば
   フリーで枝の長さを見極めたい。

( 2 )二年目……あなたの庭で二度目の12月に、枝の最長がその年どのくら
   いであったかを念頭に置き、その場にふさわしい樹形イメージを決定す
   る。つる薔薇のように扱うか、それとも噴水のような樹形( ファウンテ
   ンフォーム )を求めるかの決断が必要だ。

( 3 )三年目……つる薔薇のようにするにはシュート処理をしないで伸ばす。
   そして一年目で見極めた長さになる直前に倒すか誘引する。ファウンテ
   ンとしてであれば右図に見られるY字形の内向き枝の多くを、付け根か
   ら整枝、または芽欠きをすることを続ける。


 この図はオースチン氏の自著に掲載されているもので、作出者自身はファウ
ンテンの方を描いている。実際にはこのパターン図よりも大型シュラブらしく
広がることになるものの、基本のイメージはこの通りである。

 いずれでも、多くの花付きや良花を見込める。ただ誘引形にした後にそれを
維持してい
くためには、年間を通して肥料切れを起こさせてはならない。解説
に述べたウォールロー
ズ( 家屋の壁面への誘引 )はその成果でもあった。また
逆に、ファウンテンの場合は施肥
の基本を守ろう。多すぎれば樹形はかなり乱
れる。薔薇への一般的な施肥をしておいて、
コンパクトな形にしたいのであれ
ば減数整枝が増えることになる。しかも四年目以降はす
べての花梗を短めに切
り続けなくてはならない。

 暖地・標準地ではクライマーフォームを前提とし、冷涼地ではファウンテン
フォームを
前提とすれば無難だ。そしていずれの場合も、クラウンがしっかり
と大きく育つように、
冬期には何かで冷気からクラウンを保護するようにしよ
う。七年目あたりからその必要は
なくなっていく。

                                                  






                    -栽培ワンポイント- 

                       「中型ERの育て方」

 中型という語はそぐわないが、オースチン社の言う「ミディアム・シュラブ」も日本語
感覚としてはなじみにくく、たとえばミドル・シュラブでよいかもしれない。
 それはともかく、トーマスのような大型と同じ扱いはできない。施肥や灌水についての
方法は同じでよくとも、鋏の使い方が違ってくる。
 中型ERには以下のような品種がある。
 アンブリッジ・ローズ Ambridge Rose  /  ベル・ストーリイ Belle Story
 チャールズ・レニー・マッキントッシュ Charles Rennie Mackintosh
 シャルロッテ(シャーロット)Charlotte  /  クレア・ローズ Claire Rose
 コテージ・ローズ Cottage Rose  /  カントリー・リビング Country Living
 エミリー Emily  /  イングリッシュ・ガーデン English Garden
 フェア・ビアンカ Fair Bianca  /  グラミス・キャッスル Glamis Castle
 グルス・アン・アーヘン Gruss an Aachen  /  ジョン・クレア John Clare
 キャスリン・モーリイ Kathryn Morley  /  ライラック・ローズ Lilac Rose
 モリノ Molineux  /  ノーブル・アントニー Noble Antony
 プロスペロ Prospero  /  ラジオ・タイムス Radio Times
 セイント・セシリア St.Cecilia  /  シャリファ・アスマ Sharifa Asma
 タモーラ Tamora  /  ザ・カントリーマン The Countryman
 ザ・ダーク・レディ The Dark Lady  /  ザ・ハーバリスト The Herbalist
 ザ・プリンス The Prince  /  ザ・スクワイア The Squire
 トラディスカント Tradescant  /  ウォービック・キャッスル Warwick Castle
 ワイフ・オブ・バース Wife of Bath  /  ワイズ・ポーシャ Wise Portia
 ドーブ Dove  /  プリティ・ジェシカ Pretty Jessica
 クィーン・ネファーティ Queen Nefertiti  /  イエロー・ボタン Yellow Button
 スカボロー・フェア Scabrough Fair  /  カンタベリー Canterbury
 ドクター・ハーバート・グレイ Dr.Herbert Gray  /  コーデリア Cordelia
 ワイルドイブ Wildeve  /  クリストファー・マーロウ Christopher Marlow
 メアリイ・ウェブ Mary Webb  /  メアリイ・マグダレン Mary Magdalene
 シンフォニー Symphony  


A.剪定

 右の図もオースチン氏の『English Roses』から引用したもので、氏はER
の基本剪定を五つのタイプに分けて解説している。
上から順に
①「スプレッディング・シェイプ」(上に高く育てるよりも横への広がりで樹形を作る)
②「アーチング・シェイプ」   (つる薔薇扱いで、大きく弧を描かせた樹形)
③「ブッシュ・シェイプ」    (直立性を持たせた樹形)
④「アップライト・シェイプ」  (広がりを持たず、上へと伸長させた樹形)
⑤「ベッド仕立て」       (高さをほとんど持たない、グランド・スケープ樹形)


春剪定(1月~2月)

 黒の太い線が剪定箇所の目安。品種や気候帯における枝の硬さにもよるが、中型ERは
③と④に限られてくる。そもそもイングリッシュローズは全般的にシュラブなのである
が、
大型ERがつる性の強いシュラブであるのに対し、中型品種ではブッシュ性が強く出
て来る。
したがってどうしても中型品種で特に①や②の樹形を作りたければ、枝のしなや
かさで品種
を選ぶ必要がある。向かないと判断したら③④へ変えよう。
 剪定箇所の判断は、右図からも理解できるように、鉢植講座で述べた「オールドローズ
剪定」に準じる。ただ地植であればさらにポイント判断の自由度が高くなり、どこで切る
かの選択に迷いやすくなる。「テキトーに」という誘惑に負けないようにしたい。樹形に
対する
明確な意図のない剪定は、③と④で作られるはずだった樹形への生長を大きく狂わ
せてしま
う。まずどちらの剪定にするかを一番花の開花中に決断し、冬になって実施。そ
のとき、③
では、思い切った強剪定になる。クラウンから40~50cmの外芽を選ぶこ
とになる。も
ちろん実際に切った箇所の高低差が30~40cmの幅以内であればよしと
する。一番花の
閉花後に講座のように「高さ整枝」で揃えておけば、年々高低差が大きく
ならず、剪定箇所
の高さが揃い始めるはずである。これがブッシュ・シェイプの美しさへ
の基本だ。

 一方、アップライトの樹形を求めていくならば、整枝に手抜きをすると③よりもむしろ
数の多い、上位で混みあう樹形となりやすくなるから、図のようにクラウンからの一段
目の
最上位芽を頂芽に選び、一段目をほぼそのまま残す切り方になる。このとき外向きで
あるこ
とは重要ではなく、高さが揃うことが大切になる。剪定箇所に高低差が15cm以
上あると、
アップライトの美しい樹形は作れない。春の花で綺麗に見えたとしても、花後
から夏にかけ
てと、秋の開花期に樹全体がどこか散漫な印象、弱々しい姿に見えるように
なる。


秋剪定(9月)

 ERの内、シュラブ性がほとんどなく、ブッシュとして生涯にわたって開心形を続けさ
ようとする場合のみ、秋剪定を行い、中型でも枝にしなやかさのある、シュラブ的性格
がある品種については、秋剪定は行わない。つまり下段まで切り下げず、整枝によって③
と④の形を目ざす。そして鉢植え栽培の場合に後々もっとも悩ましい姿になりがちである
のも中型ERの問題となる。だがこれは容器を大きくすることによってしか解決しない。
それは、ERがオールドローズ的な性質に相当富んでいるからで、一言で言えばガリカ節
のオールドローズ一般に見られる「頂芽の多様化=サイドシュートの多発」という素質の
ことだ。モダンシュラブのほとんどにも見られるこの素質が、開花期における花容美をも
たらしているのであり、わが国でも多くの人がオールドローズ・イングリッシュローズに
強く惹かれる主因ともなっている。
 中型ERも大型同様の枝の生育をし、できるだけ上部で葉群と花群を作ろうと育つ。だ
から秋剪定をしない方が見応えのある三番・四番花を咲かせられることになる。



B.整枝

 ブッシュまたはアップライトの樹形を目ざす剪定が行われた後、春の花が終わると整枝
が忙しくなる。そして10月の花が終われば事実上整枝も終えることになる。
 このときのポイントは、
①花梗が長い品種またはたまたま長く伸びた花梗となった枝……その花梗の中間点の外向
きの芽で整枝する。遅れて動いた芽の内、伸長方向において都合の悪い樹形になってしま
うものは付け根で掻き取る。決してそれが枝になった後にその途中で切るようにしてはな
らない。そのような整枝は分枝促進整枝となり、いずれ樹形を乱すもととなる。シュラブ
とは枝葉全体の数を増やそうとする生長をするものであるとわきまえておこう。
②花梗が短い品種またはたまたま短い花梗となった枝……最上位の本葉の次の本葉の芽で
整枝する。内向きの芽でもかまわない。その後に伸びた新しい花梗の外芽で選び鋏を入れ
る。この場合、外でも内でもないという向きの芽がいくらかあったりするものだが、伸び
たら隣の枝と交差してしまうとか、伸びつつ相手にくっついてしまうという予想ができる
のであればその下で外芽を選ぶ。
③病虫害や天候等が原因で伸びが短いまま止まったブラインド芽や短枝……すべて切除。
ただ、できるだけ鋏で切らず、指や爪で剥がすように切除する。少し力を入れただけで取
れる。そうした芽や枝を残しておくと、そこから下位で伸びようとしていたサイドシュー
トがぴくりとも動かなくなる。もちろん順序が逆であればよいし、位置の高さが逆であれ
ば伸びてくれる。ところがブラインドの下からは、後発のシュートは伸びてこない。この
点がブッシュとの大きな違いである。


   以上であるが、主幹の更新等や剪定整枝に伴うその他のケアについての詳細は地植
講座にて。                                  
 
Lecture 2 ERの整枝






                    -栽培ワンポイント- 

                       「イラガに刺されたら」

 すでに治療法を見つけている人も多いだろう。まだの人のために刺された後の処置を紹介
したい。

  (1)すぐに流水で患部を洗う。早ければ、肉眼では見えぬものの刺した穴はまだふさ
    がっていないから、指で皮膚を強くつまみながら水を流す。2分以上。
  (2)「虫さされ用塗り薬」と「湿疹・かぶれ用塗り薬」の二つを用意し、虫さされ用
    を先に塗る。1分経ってから湿疹用を上塗りする。虫さされ用が完全に乾く前でな
    くてはならない。強くすり込むような塗り方で。
  (3)普通はこれで20分も経たないうちに痛みが治まり、後は腫れがあったりシビレ
    感がしばらく続くだけになって治癒する。しかし30分以上経っても痛みが弱まら
    ないときには、縫い針の細いもので腫れを刺す。指で血を一滴浮かせて拭き取り、
    すぐに流水。その後の手順は(2)と同じ。今度は痛みが引くはずだ。

 わたしは数え切れないほど指や腕、肩、足を刺されてきた。少しは免疫ができていると思
うのだが、やはりいまだに痛い思いをする。大きな幼虫であるとき、シビレ感は夜まで続く。
だがこの毒素は皮膚で収まる程度のものであって、後遺症もないし広がることもない。
 イラガの幼虫の動きが遅いのも、また葉裏以外の所をよく移動しているのも、自分が襲わ
れることがほとんどなくて安心しているからだ。しかもからだは軟らかく、土へ突き入れる
際には簡単に皮膚が破れて体液が出る。ほんとうは弱い生きものなのである。
 なお、患部を決して舐めてはいけない。唾液による消毒に少しは効果があるとしても、喉
や胃が強い刺激を受ける。さらに、土へ突き入れた瞬間に飛び散ってあなたの肌に付着した
体液や毒素は、そのままでは少しも害にならないが、その場で拭き取っておくようにしよう。


                                    


                           
サイト内検索 powered by Google
 
       Road to Rosa synthesis
Cultivation
Album