鉢植講座
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       Lecture3-2

第1回 植え付ける前に            
第2回    同 ( 続 )           
第3回 水やりについて  水培 1      
        同       水培 2    
第4回 水やりについて  水培 3     
第5回 肥料の与え方   肥培 1     
第6回    同        肥培 2     
第7回 病虫害対策    害虫編      
第8回    同       病害編      
第9回 剪定と整枝               
最終回 総集編                 


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                             第3回
                          水やりについて
                            ( 水培 2 )
  
 2. 品種による水培の基本

   前頁では栽培家の管理下にある薔薇が、自然条件の推移に合わせて守らねばならないこ
   とと知っておいた方がよいことを述べました。以下に、原種やオールドローズをはじめ、品種
   別に分けて基本を明らかにしましょう。
   その前に「水培」という言葉について若干説明をしておく必要があります。
   この言葉は、わたしの造語です。ただ、これまでわが国の薔薇栽培の諸先達の皆さんが、
   かねてより提唱したり披瀝されて来たお考えを一語で表そうとしたものにすぎません。この
   意は、1.に述べた水のたいせつさと結び付き、化学的観点とは別の薔薇愛培家による、ま
   た薔薇以外の園芸や農業に従事している人々、研究者も含めて言われてきた    .
                「植物の最高の肥料( 養分 )は水である」
   との考えのことです。その考えには、わたしたちの祖先が耕作をしたり、園芸の道を丹念に
   探究し始めたときから “土の滋養” を生かすものは水であるとの、天地自然の恵みへの
   感謝という心が込められていると思います。土壌についてほとんど科学的なことは何もわか
   っていない、否むしろそれを必要となどしていなかった時代に、人・牛馬の糞尿や、食した
   物の残渣、落ち葉や緑葉の自然堆肥・人工堆肥が土へ与える効果を、水こそが高めもす
   るし低めもするという、「乾き=渇き」の実感であり、雨水や川水のまた池や湖の水の尊さ
   をわかっているという認識を祖先たちは持っていたのであり、現代のわたしたちの誰もが、
   その知恵の正しさを理解しています。それはわたしたちの喉の渇きや、汚れた衣類の洗濯
   後の乾きに対し、さらにはこの世に生まれてきた赤児を清め、祭壇の前や仏前、墓石に供
   えられてきた、人の心の最も純粋にして聖性をも持つ拠ですらあったのです。しかも人類共
   通の。
   ……水は、物質としてすべての生命を支えているだけでなく、人らしくあるための理でもあ
   ったし、今もそうあり続けていて、これからも同じでしょう。
   「培う」という漢字。日本語としてのその起源は、「つちこう=土が水を請う( 乞う、恋う )」に
   あります。ですからわたしは、水培という言葉を自身一人でも用いていたいのです。摘んだ
   花を、水の入った花瓶などに挿すあの人類共通の文化は、おそらく自然そのものへ向き合
   っての最も美しい文化と言えるのではないかと思われ、心の癒しであり、花の生かしである
   として心から見つめています。人が指先に込めた、薔薇の花への至上の言葉であると想い
   ながら。

   さあ、薔薇たちの実像を見ながらの水やりを、順次述べていきましょう。

  ① 原種

     ■ バンクシア節 
       ロサ・バンクシア ( =モッコウバラ))、
       ロサ・バンクシア・アルバ (=白モッコウバラ))、
       ロサ・バンクシア・ルテア (=黄モッコウバラ )、
       その他
       ……容器植のモッコウバラは極めて冠水ストレスに強く、逆に渇水ストレスに弱い。
          ですから、水のやり過ぎには平気で、乾きに弱いものです。水分不足はすぐに
          一部のつる枯れとなって表れます。どのような季節でも、日陰へ移動させてすぐ
          にたっぷりと与えてください。もともと枯死しにくい強い薔薇ですから、ほとんど回
          復するだけでなく、すぐに生長を開始します。与えた水が鉢底から抜けきったら
          陽の当たるところへ戻します。施肥を同時に行なっても、容器が7号以下のサイ
          ズでないかぎり大丈夫です。また、冬の乾燥期に、与えた水がすぐに凍るので
          なければ、新芽が伸び出しやがて蕾を付けるころまで毎日のように与えると、し
          ばしば期待に応えた姿となって繁り、咲きます。7号以下であれば、それ以上の
          鉢へ植え替えることをお薦めします。手厚い世話をするほど、たいへんな根張り
          となりますから。また、梅雨期の罹病や灌水時の跳ね返り伝染について、ことさ
          ら用心深くなる必要はありませんし、黒点病葉をいちいち取り除く必要もありま
          せん。ただし、そばに原種以外の薔薇があれば別です。

     ■ カニナ節 
          ロサ・カニナ ( =ドッグローズ))、
          ロサ・ポミフェラ ( =アップルローズ )、
          ロサ・ルビギノーザ ( =エグランティーヌ))、
          ロサ・ルブリフォーリア ( =ロサ・ミクランサ))、
          その他
       ……地上部は乾燥にも過湿にも強いのですが、根は比較的冠水に弱いところがあ
          ります。容器の底穴に指を入れてみて、はっきりと濡れるほどであれば急いで
          灌水する必要はありません。指先が濡れぬ程度の湿り気の時に与えれば、最
          も喜んでくれます。樽植えをしても平気なのはこの原種グループぐらいです。
          他の原種もまたモダンローズも、木製の樽は避けた方がよいでしょう。樽以外
          の物も含めて木製の物は水分を含みやすく、用土の水分を外へ逃がしやすい
          欠点がありますから。このグループはそれを逆利用できるということです。冬の
          乾燥期にも十分に灌水してください。花後は控え目なぐらいがちょうどよくなりま
          す。他のグループへのついでに、と考えないように。

     ■ カロリナ節 
          ロサ・ニティダ (=シャイニングローズ))、
          ロサ・ヴィルギニアナ (=バージニアローズ )、
          その他
       ……極めて渇水に強いグループです。と言うより、あまり水量を欲しがりません。そ
          の理由はおそらく芽の独特の形状と、葉の細さ、枝の細さや硬さにあると思わ
          れます。ですから、炎天下でも平気で独自の極めて遅い生長をしっかりと続け、
          灌水したときの吸収も緩やかです。放任しないかぎり、小さな容器でも十分に
          育ち、あの極めて小さな可愛い一重を咲かせてくれます。秋に芽の伸長で勢い
          が見えたときには、思い切って数日間の連続灌水を一度だけ試みると、休眠に
          入るまでに株全体がしっかりと充実する傾向もあります。その場合、葉が少ない
          と思えるときはあえて実施しません。

     ■ キネンシス節(インディカ節) 
          ロサ・キネンシス ( =コウシンバラ)、
          ロサ・ギガンティア ( =コレット )、
          ロサ×オドラータ ( =スイートローズ )
          その他
       ……薔薇の品種交配が整然としたシュラブやクライミングへばかり進むのを阻んだ
          のがキネンシスです。つまり幹の過度な伸長を抑えて丈夫にしていくブッシュ本
          来の天性をあらゆる品種へ与え、また四季咲きという世界を切り開きました。そ
          れは一方でギガンティアのような雄大な開花の遺伝も持ち、ある種の“奔放な”
          姿と生育過程を伝えることとも結び付き、今日の薔薇の世界の隆盛を築く基と
          なりました。このグループは灌水については全くの中庸であり、多すぎても少な
          すぎても、見た目のダメージは少ない代わりに、成長が鈍くなり、花付きを悪くし
          ながら老衰を早めていきます。つまり最も標準的な水やりを続けなくてはなりま
          せん。地植ですと、問題は起こらないのですが。容器植での夏の水不足は、根
          に対してじわりと甚大な影響を与えてしまいます。それは地上部において、まず
          葉のめくれのような巻き方となって表れます。過肥には強く、施肥と同時に定期
          的な灌水をしていけば問題ありません。また寒冷地での容器栽培で、春の初め
          の灌水によって芽も根も伸長力を高めてくれる典型的なグループです。快晴の
          気温が安定的に上昇をしはじめたころに前頁の二度灌水を。特に葉にめくれが
          一部でも見えれば、是非ともそうしてください。暖地における夏の過ごさせ方とし
          て、質の異なるマルチ材をそれぞれ薄くとも二重にするか、または土表へ小砂
          利を敷いてからマルチを。

    ■ キンナモメア節
          ロサ・アキキュラリス ( =アークティックローズ、ロサ・カレリカ )
          ロサ・アキキュラリス・ニッポネンシス ( =タカネイバラ )
          ロサ・キンナモメア ( =シナモンローズ、ロサ・スピノシッシマ )、
          ロサ・フェドチェンコアナ
          ロサ×マイカイ ( =マイカイ )
          ロサ・マレッティ ( =ロサ・ルブロスティプラータ、カラフトイバラ )
          ロサ・モエシー 
          ロサ・ルゴーサ ( =ハマナシ、ジャパニーズローズ、トマトローズ )
          ロサ・ウィルモッティア
          その他
       ……このグループが最も品種数が多い。後の薔薇品種群へ樹木としてのシュラブ的
          成長面における決定的な役割を果たした。と同時に、グループ内のどの品種に
          も他と異なる個性があり、世界のさまざまな場所で( と言っても寒冷地が多いの
          ですが )陰影の濃ささえ異ならせながら育っています。そんな中でオールドロー
          ズ以来のブリーダーたちが注目したのがモエシーとハマナス。いずれも変種に
          豊かで、人為交配にたやすく応えてくれた、色彩遺伝性の豊富さを持ち合わせ
          ている原種です。なので、ここではそれらの容器栽培の灌水について言います
          とモエシーもハマナスも冷暖どちらにも強く、比較的灌水の難しさは無いと言え
          るでしょう。ただモエシーの方は旺盛な伸びやかな樹勢を持たずに枝葉の充実
          へ生育の力を注ぐ方ですから、灌水と渇水という両極端に近接して遭うと、簡単
          に成長が止まります。そして安定した灌水リズムを当分続けても、短期で応えな
          い頑固さを持ちます。稀に多雨と言える時期の後で、思い出したように活気を見
          せることもあって、一筋縄ではいきません。水やりのポイントは、用土内にベラ
          ボン( 椰子の樹皮 )や水苔を入れて保水力を他より高めておいてやることです。
          ハマナスの方はハイブリッド種と原種・原生種とでは灌水のポイントは異なりま
          す。原種については、できるだけ陽当たりのよい場所へ容器を置いて、底穴の
          川原石や鉢底石がたっぷりと湿っていないときには不定期にでも十分な灌水が
          必要です。前頁の夕暮れ灌水にも大きく応えてくれるところがあって、意外に
          水培管理が楽に行えます。土壌内の水分凍結にも強く、その点ではモエシーよ
          りも安心できます。豪雨の後の猛烈な猛暑と言った状況でも、蒸散の激しさに
          少しだけ注意していれば大丈夫です。落ち度となるとすれば、炎天下のベラン
          ダなどで鉢を直に床置きしてしまったときです。鉢と床との間に断熱材を必ず敷
          いてください。これは他のグループやモダンローズへも配慮すべきことでもあり
          ます。
          鉢が不安定にならぬよう気をつけて。

    ■ ガリカ節
          ロサ・アルバ ( =ヤコブ・ロゼ=ヤコブのバラ、ヨークのバラ )
          ロサ・センティフォーリア ( =キャベッジローズ )
          ロサ・ダマッセナ
          ロサ・ガリカ ( =フレンチローズ、プロヴァンスローズ、ロサ・ルヴラ )
       ……このグループがなかったら、薔薇は「花の女王」と呼ばれることはなかったでしょ
          う。色彩も含め花容の華麗さを今日の薔薇に与えた決定的なグループであり、
          気品や花型の多様性、可憐と官能それぞれの美、さらには樹立ち性に整った
          優雅さをもたらしました。スケープローズ群の枝葉と花のバランス、ERのオール
          ドローズ的多様美も、ルーツはこのグループにあります。
          最も標準的な灌水法を適用すればよく、細心の注意こそ必要ですが、既述した
          灌水の原則を守れば期待に応えてくれます。と同時に、病虫害への抵抗性の
          低さももたらしたグループであり、灌水の失敗はますます薔薇を傷めてしまいま
          す。原種はそうしたことに強い方だという一般の通念は、このグループには当て
          はまりません。これらの子孫たちについては後述をお読みください。

   ■ レビガータ節
          ロサ・レビガータ ( =ナニワイバラ、チェロキーローズ )
          ロサ・レビガータ・ロゼア ( =ハトヤバラ )
       ……日本原産の二種であり、ムルティフローラと近縁でありながら独特の樹形や花
          となります。どちらも標準的な灌水でよく、特に変わったことをする必要はありま
          せん。ただ一点、蕾がふくらみ始めてから花が散るまでは、陽当たりさえ十分な
          ら、毎日のように灌水した方がよいでしょう。花後や夏季の生育が活発で、黒点
          病やうどん粉病の影響は受けるものの自然治癒力も優れていて、見た目ほど
          のダメージは受けていません。乱暴な灌水さえしなければ、そして放任さえしな
          ければ寿命を全うします。ロゼアの方は、冬が来る前に鉢底を確認し、底穴から
          もしも根が顔を出していたらその部分を切除し、凍結させないように。梅雨期な
          どに連日雨が降って当たるからといって、鉢を軒下へ移す必要はありません。
          寒冷地などの多霜地域では、マルチ自体をたびたび耕すようにすると、用土へ
          への凍害をかなり防げます。マルチは厚めにたっぷりと。

   ■ ピンピネリフォーリア節
          ロサ・フェティダ ( =オーストリアン・ブライアー、ロサ・エグランテリア、ロサ・ル
                      テア )
          ロサ・セリケア ( =ロサ・テトラペタラ )
          ロサ・クサンティナ ( =マンチュローズ )
          その他
       ……ヨーロッパ・アフガン・モンゴル・中国を原産地とするグループ。フェティダは薔薇
          の花の世界に黄色をもたらした原種として有名。このグループは渇水に強く、冠
          水ストレスにはやや弱い。特にフェティダやセリケアは極めて乾燥に強くて、砂
          漠や高山の薔薇の強さを今日にもたらしている。したがって、わが国でも栽培し
          ている人の多い「ロサ・フェティダ・ヴィコロール」( オーストリアンカッパーローズ
           ) を除き、真夏のきつい直射光に注意していれば、比較的楽な灌水ができま
          す。
          ヴィコロールの容器植については、春と秋の新芽や若葉が水分の多すぎること
          でやわらかくなりすぎないように、灌水の間隔がポイントです。ただこれは地植
          のものを見ておかないと判断が難しいでしょう。葉がいかにも健全そうにパリッ
          としているように見えても、それは水分の過不足を必ずしも知らせていません。
          むしろ、わずかに軟らかいぐらいが適切な水分量だと示しています。
          クサンティナについては、土表に根の一部でも浮き上がってしまっていたら、一
          箇所の表面を薄く削ってルーティングシュートの発生を促します。確実なのは紙
          ヤスリでゆっくりと削る方法です。もしもシュートが出て来れば、なおいっそう水
          分が多すぎて株が弱ることを防げます。発生翌年の梅雨前に元株からの根を
          切断してそのまま同居させ、さらに翌年か2年後に別の鉢へ移します。そのまま
          にしないように。

   ■ シンスティラ節
          ロサ・アルベンシス ( =フィールドローズ )
          ロサ・ルキア ( =フジイバラ、ロサ・フジサネンシス、ロサ・ジャスミノイデス、
                    モリイバラ、アズマイバラ )
          ロサ・モスカータ ( =ムスクローズ )
          ロサ・ムルティフローラ ( =ノイバラ、ムルティフローラジャポニカ、ロサ・ポリア
                          ンサ )
          ロサ・フェニキア
          ロサ・ウクライアナ ( =テリハノイバラ、メモリアルローズ、ロサ・ブラクテアタ )
          その他
       ……小輪多花性モダンローズの世界を切り開いたグループ。つる性にほどよい調い
          をもたらし、薔薇が樹として野卑に流れていかぬ形質遺伝を伝えました。わが国
          がキネンシスの中国とともに世界の薔薇へ大きな役割を果たしたことを、皆で誇
          りに思いたいものです。またこのグループは、少しぐらいの灌水忘れでは枯れな
          い強さを今日の薔薇にもたらしたと評価できます。( もちろん、いつまでも栽培者
          が気づかなければ枯れます )。地上の多湿には強いものの用土の水分のだぶ
          つきにはいささか臍を曲げます。それがくりかえされると、どこを見てもいじけた
          ような、美しくは見えぬ樹の姿を見せます。と同時に、不足気味が続くと、他の
          どのグループよりも鉢土がかなり硬くなってしまうグループでもあります。大きな
          容器植でそうなると、人の手では抜けなくなることもしばしば。そうならないよう
          に、毎年一部の土替えをするときにすべての用土を根から放して、丁寧にほぐし
          てからピートモスなどの堆肥も増量させた方がよいでしょう。もしも9号以下の鉢
          で育てるなら、鉢と用土の間に不織布などを入れておけば厄介なことにはなり
          ません。その場合は梅雨明け後の晴天が続いたときに一度容器から抜いて、
          根鉢を軽くほぐしてやるのはたいへん効果的で、どの原種も喜びます。
          テリハノイバラの場合、春から夏にかけての高温多湿は本来枝の伸長力にプラ
          スに働くはずです。もしもあまり伸びず、もどかしいと思われるときは、根詰まりと
          ネキリムシかコガネムシ幼虫の被害を疑って、点検した方がよいでしょう。鉢か
          ら抜いてみる手間を惜しみ、安易に薬剤に頼らないように。根は、抜いてもらっ
          たときにできる深呼吸をものすごく喜ぶのですから。


  ② オールドローズ

    ■ アルバ
        ロサ・アルバ・セミプレナ、ジャンヌ・ダルク、メイドンズ・ブラッシュ、セレスティアル、
        フェリシテ・パルマンティエ、アメリア、ベ・ラムール、キュイス・ド・ニンフ、
        ラ・ヴィルギナーレ、ロサ・アルバ・マキシマ
        その他
     ……ガリカ系の中でもホワイトフラワーのオールドローズ分野として、わが国では印象
        が強いもの。アルバの各品種は枝が細くてつる性が強い。軟らかく、誘引が容易で
        す。これらへの灌水の注意点は、実際の灌水が病害虫への防除や抵抗性を高め
        る目的で行う灌注として多くなり、それがそのまま灌水代わりとなります。木酢と
        殺虫系製剤は近接使用しない方が無難です。また、フェリシテ・パルマンティエのよ
        うなライトピンクが、花弁の白の中に全く表れなかったときには、夏前後の農薬散
        布や灌注は控えるべきです。そうすれば翌年の開花に、あの清らかなピンクが生
        まれるでしょう。
        このグループ内でキュイス・ド・ニンフ( グレイト・メイドンズ・ブラッシュ )が最も典型的で
        すが、開花中の過度な灌水は避けるべきです。特に気温が高めに推移する地方
        では気をつけてください。その分、寒冷地ですと実に美しいピンクが、まるでそれ自
        身が花冠の模様であるかのように出現します。このときには気温がやや急に高くな
        ったと言える時期に連日灌水して、その模様が白く抜けてしまうかどうかを見極めて
        ください。抜ければ、4~5日おきの灌水とし、閉花したら温度上昇を睨みながら間隔
        を決めます。さほど高くなくて風の吹き方も強くない地域ですと、5日以上間隔を空け
        た方がよい結果となることもしばしばです。
        またジャンヌについて言いますと、秋に下葉の充実が十分かどうかに注意します。
        大きさだけでなく厚みや触感でも判断してください。十分でないと思えば、灌水の
        間隔を狭めます。同時に、カルシウム肥料を少量、一度だけ与えます。

    ■ ブルボン
        アダム・メスリック、ブール・ド・ネージュ、ブルボン・クィーン、セリーヌ、
        ジプシー・ボーイ、オノリヌ・ド・ブラバン、ジャマン( イッポリート )、
        ラ・レーヌ・ビクトリア、スーヴニール・ド・ラ・マルメゾン、マダム・イサク・ペレール、
        マダム・ピエール・オジェ、オマール・パカ、プリンス・チャールズ、
        プリンス・ナポレオン、サー・ジョセフ・パクストン、バリエガタ・ディ・ボローニャ、
        ゼフリーヌ・ドゥルーアン、
        その他
     ……成長の方向が毎年のように“揺れる”ORの代表格。基本的にはシュラブでも、若い
        間につるをぐんぐん伸ばしたり、成熟した途端にブッシュのような樹立ちとなり、ある
        いは小型のシュラブのまま推移していたかと思うと、あるときから急に秋の花付き
        がすばらしくなったりと、一定しません。モダンローズへ美しいカップ咲きを伝えたと
        ともに、耐病性の難点や生育全般の不安定感をも伝えました。と言うより、薔薇は
        原初からそのようなものだったのだと理解する「揺らぎの美学」を意識させてくれま
        す。しばしば“不機嫌な”顔をしてみせるモダンローズの多くは、ブルボンの血を引
        いていると言えるかもしれません。にもかかわらずこれらのORの花が、あらゆる条
        件に恵まれて美麗に咲いたとき、その凄みには比類ないものがあります。
        このタイプの灌水においては、開花が集中する春の花後に、それまでと同じ容器灌
        水から、気温が二度上下するごとに灌水間隔を変えるやり方へ改めるべきです。
        そうしないと、乱れなく揃っている、形の美しい葉の元気度がわからなくなってしま
        います。花のようには複雑さを持たない、単調の極みのような葉裏に触れて、ぜひ
        とも指先で質感を感じてください。その上で、枝の方向や偏伸びのようすを見極め、
        容器の大きさや材質の変更を検討したらよいでしょう。また、夏から秋にかけては、
        できるだけ回数多くマルチを敷き変えてから灌水すると、ご機嫌がかなりよくなりま
        す。夏場に汲み置きしておいた生ぬるい水は、まちがっても与えないように。
        ブラバンについては、黒点病の病班がかなり目立ちやすいものですが、その場合
        は重曹散布の際に土表・マルチ両方へも散布すれば、目には見えずともかなり広
        がりを防いでいます。そして灌水は水を落とすようなやり方にしないように。しかも
        そのつど与える水の中に米のとぎ汁と糖蜜を溶かしたものを少量加えてやると、し
        だいに耐性が増していきます。
        マルメゾンに関しては、逆に耐病性に相当高いところが見受けられて、容器植でも
        安心して育てやすいと言えます。ただ、春先の灌水間隔には注意しなくてはなりま
        せん。毎年間隔を記録し、花付きや花径の大きさと照らし合わせて判断し、また降
        雨のようすにも留意しておきます。真夏の刺すような直射や、過度の乾燥には強い
        方ですから、底穴の湿り方で間隔を判断し、春、「二度灌水」が十分できるときには
        他の品種よりも空けて大丈夫です。

   ■ センティフォーリア
      シャルル・カント、ファンタン・ラトゥール、ジュノ、ラ・ノブレス、ポンポン・ド・ブルゴーニュ
      ポンポン・ド・パリ、ロサ・ブラータ、コモン・モス、ザ・ビショップ、デューク・ダングレーム
      ガスパール・モンジュ、パルクツァウバー、プロバンス・ピンク、スタトスフィラ
      ロベール・ル・ディアブル、ロサ・センティフォーリア・ポンポニア、
      ロサ・センティフォーリア・ロゼア、トゥール・ド・マラコフ、
      ヴィエルジュ・ド・クレリ、
      その他
   ……そもそものセンティフォーリアの性質を丸ごと受け継いでいると言えるORです。したが
      ってガリカ節の中でも優美さにおいて、ブルボンローズの「妍の強さ」と対照的な花を
      咲かせます。ゴージャスではなく、節度のあるフォーマルローズと呼びたいところです。
      ERやパティオローズ、また近年のカットローズへとその美点は受け継がれています。
      ブルボン同様に、もともとチャイナの血が薄く、ORの中核に表れた「ヨーロッパの美意
      識」を表現していると見ることができます。だからこそ、今日のORブームの息の長さに
      貢献しているのかもしれません。花型の整然とした格調の高さには、わたしたち日本
      人の心の琴線に触れるものがあります。
      灌水においては、極端なことをしないかぎりさほど不機嫌さを見せません。間隔や量を
      変えてみたからといって枝葉には変化はあまりなく、このグループの奥ゆかしさを判断
      するにはむしろ日照に注意を向けてください。容器を置いている場所によって陽当たり
      や時刻による光線の強さが違うようであれば、最も葉がみずみずしくなる場所を季節
      の変わり目に与えるべきです。そうすれば、根毛密度・養分吸収の面で抜群の安定
      感を示してくれます。また、蕾の時期の土砂降りや、晴天の時の液肥の濃度には敏感
      ですから、軒下へ移したり濃度を薄めたりしてようすを見ておきます。最も花付きが多
      かったときがすべての基準となります。
      モスローズとしての性格が強いと感じられるところでは、雨にはしっかり遭わせてやる
      ように努めます。ただマンションのベランダなどで雨が当たらぬ環境では、鉢底から抜
      けないような量でもかまいませんから米のとぎ汁や飲料茶の残り、薄めの液肥などで
      の灌水代わりを続けると効果的です。
      ラトゥール、ノブレス、コモン・モスの三品種は、このグループ内でも特にティーパックを
      敷いての灌水が花型を一層調えてくれます。日照がよいところでは是非試してくださ
      い。
      またグループ全体として注意点は、葉裏の触感とともに各枝の節間の長さにも目を向
      けて、古い方に属す枝の節間が短いと思えるときは( 季節を問わず )灌水間隔を狭め
      ます。放っておいてそのまま無雑作な間隔で行い続けると、休眠中と休眠明けの時期
      に枝の充実が起きにくくなっていきます。それは翌年の花付きや花径に影響しやすい
      ものです。剪定後に伸びた枝の下葉がしっかりと大きければ水培は成功しています。

   ■ ダマスク
      セルシアナ( ベル・クルネ )、グロワール・ド・ギラン、ブラッシュ・ダマスク、オラタム、
      イスパハン( ポンポン・デ・プリンス )、レダ、ピンク・レダ、マダム・アルディ、
      オマール・カヤム、ロジェ・デ・パフューム、ヴィーユ・ド・ブリュッセル、ラミティ、
      ロサ・ダマスケナ・センペルフローレンス( カトル・セゾン・コンティニュー )、ボザリス、
      カザンリク、セイント・ニコラス、ヨーク&ランカスター、デュシェス・ド・ローアン、
      マダム・アラビイ、マダム・ゼトマン、
      その他
   ……後の薔薇へ、香りの安定感、好条件下での枝の強烈な伸長力、色味の複雑な出方を
      与えたのがダマスクローズです。また花のドットアイ、シュラブのスプロール性を伝えて
      います。各枝は細くとも、そのままに主幹としての風格を持ち、硬く、そしてアーチ状に
      伸びやかな樹形を作ります。一見してどの花も、何から何まで不定であり、調いが見ら
      れず崩れているかのようです。しかしその点こそこのグループの持ち味であり、凛とし
      たところの無さが今日のHTやクライマーにおける花容の多様さにつながったとも言え
      ます。ふしだらなのではなく、美しい乱れであり、センタースカルプチュアの意外とも言
      る“縮れ”の官能美を表現しています。センティフォーリアやアルバ、ブルボンには見ら
      れない「花の天才的反逆性」に、是非注目してください。
      このグループは言わばやんちゃで茶目っ気すらたっぷりな点、容器灌水で変化変貌を
      予測できそうでいて、実はそうでもありません。比較的灌水のタイミングや間隔を判断
      しやすくなります。そして10号以下の、樹のサイズには本来合わないような小さな鉢で
      も活気を見せ、たくさんの花数を咲かせてくれます。したがって、日照時間が限られて
      いて、真夏でも最高気温が30℃を超えることが少ないところでは、生き生きとしている
      ことが多いものです。留意すべきは枝数です。前年よりも減ったと言えるときには、鉢
      を大きくするとともに灌水の回数を増やすようにしてください。株全体が基礎代謝を回
      復させ、翌年以降の枝数は増えるでしょう。
      また、レダやイスパハン、ヨーク&ランカスターでは、施肥量が偏ったり多すぎたりしな
      いようにするとともにEM1000倍液などで灌水することをお薦めします。それは根張り
      をよくするだけでなくて枝葉全体での養分移動を活性化させます。これまでそうしたも
      のを用いてこなかった人は、葉の密度の高まりに驚くことになりましょう。
      既述の夕暮れ灌水や夜間灌水に頼らなくてはならないとき、せめて前日水道水を汲
      み置きしておき、できれば木炭をその中に漬けて置いた水を与えてください。すると
      これらの品種は感動するような美しい花を開いてくれます。
      またアルディやカザンリクでは、できるだけ日照時間の多い場所を夏と秋には与える
      ようにしますと、翌春の開花に期待が増すことになります。そして蕾が見えたら、日に
      何度でもせっせと灌水します。するとあなたのアルバムの巻頭を飾るにふさわしいほど
      みごとな、そして狂おしいほど素敵な花を咲かせるでしょう。
      反逆が「セレニテ」( 清澄さ )を獲得した瞬間です。

  ■ ハイブリッド・チャイナ
      ルイ・フィリップ、ムタビリス( ティポ・イデアル )、粉粧楼( フェン・ツァン・ルー )、
      エルモーサ( メラニー・ルメリー )、ソフィーズ・パーペチュアル、イレーヌ・ワッツ、
      グルス・アン・テプリッツ、赤胆紅心( チー・ダン・ホン・シン )、キング・ジョージ4世、
      カラマジ・スペリュウール( アグリッピーナ )、オールド・ブラッシュ、
      スレッターズ・クリムゾン・チャイナ( 月月粧 ユエ・ユエ・フェン、マンスリー・クリムゾン )
      その他
   ……キネンシスの正統であり、21世紀になってから薔薇品種としての評価が市場や栽培
      家の間で高まったグループです。ただ、ORとMRの境界をあいまいにしてわかりにくく
      させてしまった感は否めません。もちろんどの薔薇たちにも責任はありませんが。
      ともかく、他のグループの多くがヨーロッパの人々の美意識に沿って生まれたことでで
      きた流れに大きな一石を投じただけでなく、キネンシスが本来もたらすはずだったさま
      ざまな特徴、とりわけ“色彩・色味の濃さ”を交配種へ発現させる力にこそ、その正統
      性が強く出ています。また一方でグループ内の品種間で個性はぶつかり合っており、
      一括りにしにくいような、また隣りあって調和が難しいとも言えるほどの品種差があり
      ます。それだけに今後ともこのグループの子孫たちから、「グリーンローズ」のような驚
      異的な薔薇が誕生する可能性があります。たとえば今年( 2007年 )になってすぐに知
      った「初鶯 チュー・イン」がそうです。厳密にこのグループに入るものかどうか定かで
      ないのですが、わたしは苗を前にして怖くなって購入を取りやめました。いずれ栽培し
      ようとは考えていますが……。
      ですからこのグループへの灌水については、一通りの基本を定めにくいのが現状です
      ね。それでもあえていくつかのことを述べますと、わが国で人気のある「粉粧楼」( この
      名は有名な『粉鐘楼』に由来しています )は、花色が咲く度に異なるほど不安定な品
      種であっても、本来は濃いめのピンクが中心を彩るもので、そうなりにくいのは過湿に
      弱いためです。雨に打たれる地植よりも鉢植えに向いており、降雨時に軒下で雨やど
      りさせた方が健全に育てやすいと言えます。ただし、うどん粉に強くなるためにも日光
      にはしっかり当てさせてやりましょう。そして、土表の湿り具合を見るとき、まず人差し
      指で穴を開け、そこに小指を刺します。そして指先が触れたところの湿り具合を見るの
      です。十分な湿り気があれば灌水しません。やや湿っているかという程度でやっと灌
      水してやります。
      「グルス・アン・テプリッツ」( 「日光」 )は宮沢賢治の薔薇として知られていますが、彼の
      栽培法がわかるとおもしろいでしょうね。ここではわたしの考えを言いますと、この薔薇
      の特徴である花型以上に、根が頑強とまで言えるほどかなりしっかりすることと、枝の
      生育に際立った個性があることから、それらを生かした灌水がたいせつです。つまり、
      もしもできるならば、夏季の間容器ごと川などの流水へ何度も短時間でも浸けてやり
      ます。流れがなくてはいけません。鉢受けなどは使わないでください。こうすると、夏と
      秋における各枝が見違えるようなたくましいものになります。それほど綺麗で新鮮な水
      を好むところから、「流れの薔薇」( ストリームローズ )とわたしは呼んでいます。また、
      春に話を戻しますと、葉の表面がかすれたような緑色となることが多く、元気がないよ
      うに見えやすい特徴を見せていて、実はそれが、この品種における用土のpHの最適
      なことを告げています。案ずる必要はありません。しかし葉面にもし少しでも黄濁点が
      表れたら、鉄分灌水を3日間以上続けてください。メネデールであれば1000倍で。
      オールド・ブラッシュも小振りなチャイナに属します。そして屈強な性質と致命的な弱点
      を併せ持っています。まず前項は、灌水のタイミングにこだわりを不要とさせ、開花中さ
      え十分な水分があればあとは過不足によって問題が生じにくいことです。次項につい
      ては、秋の長雨などに遭い続けるとその後に主幹がひどく軟弱となり、整枝の度に細
      枝ばかりになりやすい。そこで天候を睨みながら、雨後の快晴の日には必ず与えると
      いったやり方は控えます。つまりいささか乾かし気味に育てます。そうすることで秋の
      花も春のすばらしい“ツー・トーン・カラー”に彩られるし、たいへん元気な状態のまま冬
      を迎えられます。この花のレッドの奥にあるクリムゾンが、色味としてどれほど貴重なカ
      ラーであるかは、実際に目にしないと感じられないでしょう。どうか一際繊細な目で見
      てやってください。
      その他のHChはほとんど、水分の多さには平気です。今日はしっかり吸い上げるだろ
      うと思える天候の日には、間隔にこだわらず( ただし休息日は必要です )たっぷりとし
      た灌水をしていきます。

   ■ ハイブリッド・パーペチュアル
      アンドレ・リロイ、アルドワジー・ド・リヨン、バロン・ジロー・ド・ラン、バロンヌ・プレヴォ、
      キャプテン・ヘイワード、デュシェス・ド・カンバセレス、デューク・オブ・エジンバラ、
      フラウ・カール・ドルシュキ( スノウ・クィーン )、ジェネラル・ジャックミノー、
      グロワール・ド・ドゥシェ( ゲルマニア )、アンリ・ナヴァル( ヘンリー・ネバード )、
      ヒュー・ディクスン、ジャン・ローゼンクランツ、レディ・スチュアート、メイベル・モリソン、
      マグナ・カルタ、ミセス・ジョン・レーン、ポール・ネイロン、ロジャー・ランベリン、
      スーブニール・デュ・ドクトゥル・ジャメン、ヴィクス・カプリス、ルイ14世、
      フェルディナント・ピシャール、
      その他
   ……20世紀になって、HTが次第に薔薇づくりの主流となってからは一時忘れかけられて
      いたグループ。今では見直されて多くの品種が各国で栽培されていますが、かつては
      オールド・ガーデン・ローズOGRと言えばHPが最も多く栽培されていたものです。
      このグループの最大の特徴は、花弁のくっきり感にあり、特に弁端のさまざまな形状・
      表情を後の薔薇にもたらしました。このグループの遺伝の面で香りを高い保持性の点
      で評価する向きもありますが、わたしはそう考えません。むしろHTの香りの弱さを導い
      た品種群と見ます。グループ全体が香りの面で弱いわけではありません。ただ後代の
      品種へ継承させる素質を持たなかったと見るのです。……それでも、HPは海岸に近
      いところでも高山帯でも、あるいは砂漠のそばのオアシスでもと、至るところで育つ可
      能性の高い系統であり容器栽培ですばらしい樹へ育てやすい薔薇と言えるでしょう。
      四季咲き性の弱さは、HTなどが補えばよく、HPはむしろオールドローズブリーディン
      グの末期における、おおらかで伸びやかな面と優美で純朴な面が同居している「近世
      の薔薇」として、これからも愛されるでしょう。
      このグループの灌水は、さほど難しくありません。渇水にも冠水にもほどほどに強く、猛
      暑や厳冬にも耐えます。春先の芽吹きの時、やや濃いめの液肥を灌水代わりに与え
      てから徐々に薄くしていくか、または水道水のみの灌水とします。すると花付きのよさ
      を大いに期待できるような蕾の群れを見ることができ、また急に寒くなったりしなけれ
      ば、開花中の灌水は数日おきというペースで十分です。やり方の細かな変更には、こ
      のグループは無頓着で、それだけ天性の面で雄渾さすら感じさせます。盛夏の灌水も
      降雨の合間は定期的なたっぷり灌水でよく、葉裏の質感や底穴の湿りに注意を払う
      必要もありません。ただ、しつこい病気に罹ったときは灌水のペースをゆるやかにすべ
      きで、無雑作に与え続けると耐病性にやや難点がある分、さらに弱らせてしまいます。
      むしろ細い棒などを用土深くまで刺し、新鮮な空気を送ってやる方がたいせつです。

  ■ モス
     アンリ・マルタン、ムスコーサ、アルフレッド・ド・ダルマ、アンジェリーク・ケティエ、
     ブランシュ・モロー、カピテーヌ・ジョン・イングラム、セリーナ、ウージェニー・ギノワゾ、
     ゲーテ、ジェイムズ・ミッチェル、ジャポニカ、リトル・ジェム、ルイ・ギマール、ムスリヌ、
     ニュイ・ド・ユング・カルマン・フォンセ、ウィリアム・ロブ、シャポー・ド・ナポレオン、
     ブランジュール、ラネイ、
     コンテス・ド・ムリネ、カラリ、クリムゾン・グローブ、ド・カンドール、ラ・カイユ、サレ、
     デュイ・ド・ポール・フォンテーヌ、デュセス・ド・ヴェニュイユ、フランソワ・ド・サリナック、
     ガブリエル・ノワイエ、ゴールデン・モス、インペラトリス・ウージェニー、マルヴィナ、
     ジャンヌ・ド・モンフォ、マリー・ド・ブロワ、マダム・エデュアール・オリ、スール・マルテ、
     マダム・ルイ・レベーク、
     その他
  ……このグループの「苔」を初めて見た人は、誰でも驚くでしょう。「ロサ・セリケア」の赤い刺
     の美しさとはまた別の趣の外観です。モスローズは花容の面では、花弁の厚みや花容
     全体のボリューム感、香りの濃密さ、色彩の濃密さ、そしてシュラブ樹形のスケールの大
     きさを体現し後へ伝えています。樹齢が7年以上のこの樹の地植の下に立つと、開花期
     であれば足下の花びらの絨毯に目を見張り、香りにくらくらし、見上げて臨む枝の先端
     の、ある意味くどいほどの活気に驚かされてしまいます。私見では薔薇のポプリに最も
     向いていると思われ、またこのグループで作った薔薇の生け垣は園全体の額縁効果と
     して際立つと思います。生育における繊細さと丈夫さとのめまぐるしい交替は、栽培初心
     者の方々に首をひねらせ、熟達者の歓びに複雑な戸惑いを混和していきます。しかもな
     お、おそらくは最も栽培方針に柔軟に対応してくれるコンテナローズとも言え、最期まで
     育てる覚悟さえあれば、センティフォーリアの正統としての格式ある風情が、終焉におい
     てこそどれほどみごとなものかに感動できるはずです。死期が近づいたときのこの薔薇
     は、品種ごとの個性をにじませながら、驚異的な姿と開花となってわたしたちへ迫ること
     になります。
     今日では苔のように見えるあの部分が、実はその薔薇独自の分泌液を出す腺を持った
     葉の一部だというところまでわかってきました。その腺液の化学的な成分判明が待たれ
     ます。それは多分、レダやバレリーナが出すあの粘液と同じではなかろうかと憶測して
     います。
     従来、モスローズは鉢植えには向かないとされてきました。しかしわたしの考えは以上
     の特徴の把握ができやすい鉢植えに、十分に向いていると言えることにあります。そ
     こで灌水のことですが、生育の変化、年ごとの変化に合わせてあれこれと変更せず、年
     間の灌水プランを立てたらそれを頑固に守ることをお薦めします。地植であれば地方や
     季節による変化を自然まかせにするしかありませんが、容器栽培だとある程度コントロ
     ールできます。ご機嫌や株立ちの大小に注意しすぎると、スケールの大きな生長力に
     理解が及びません。春先は木炭で浄化した水を与え、開花期には木酢液100倍を与え
     て、夏までの葉数にだけ気をつけます。つまり黒点病やベト病に注意して入念な予防を
     心がけます。夏に入れば降雨後の二日目には必ずたっぷりと灌水し、秋になったら葉の
     元気さ、とりわけ葉脈のくっきり感を維持するようなつもりで間隔をとります。この時期の
     雨の多さによっては、当分灌水しないこともあります。少なければ定期的に。
     また、「ナポレオン」や「ロブ」、「マルタン」などではあなたの地方で桜が満開になる頃に
     マルチ材をたびたび新しいものへ替えながら灌水するとよいでしょう。葉に雄大な大きさ
     が表れ、みごとな花付きと一輪ずつの美しさを見せてくれます。

  ■ ノワゼット
     ブラッシュ・ノワゼット、エメ・ヴィベール、マネッティ、マダム・アルフレッド・カリエール、
     アリスター・ステラ・グレイ、シャンプニーズ・ピンク・クラスター、ラマルク、アバンダンス、
     マレシャル・ニール、ベル・ヴィシソワーズ、ブラン・パル、ブーゲンヴィーユ、クロリス、
     クレール・ジャキエ、クラウディア・アウグスタ、クレパスクル、デシャン、ラ・ヴィシュ、
     デプレツァ・フルール・ジョヌ、デュシェス・ドールスタット、デュシェス・ド・グラマン、
     ラ・シルフィード、マリー・デルマー、メテオ、マドモワゼル・ド・サンブルール、ナタリイ、
     マダム・エミリー・サフラン、マダム・フランソワ・ピテット、マダム・ピエール・コシュ、
     ノワゼット・モスカータ、プリンセス・ド・ナッソー、レーヴ・ドール、
     スーヴニール・ド・ルーシー、トリンプ・デ・ノワゼット、ウィリアム・アレン・リチャードソン、
     その他
  ……ポリアンサタイプの品種群の中で、特別な一角を築いているグループであり、愛好家の
     間でしばしば語られるノワゼットです。そのムスク香、白・クリームイエロー・ペールピン
     クを中心とする花のかわいらしさ、よく伸びるつる、葉の密度の高さと美しさなどが魅力と
     なっています。押し出しの強さはなく儚げであり、つるのしなやかさは「ロサ・モスカータ」
     のすばらしさを受け継いでいます。このグループはまだこれから新種が続々と生まれそ
     うな余地を持っており、夢を抱きながら登場を待ちたいところです。
     灌水の点ではモダンクライマーと同じでよく、灌水代わりの液肥は花後のみ与えるよう
     にします。春先や蕾の時期に養分がありすぎると、むしろつるの伸びやシュートの出に
     悪影響を与えます。また、花保が悪いときには次回の開花中にせっせと灌水してやりま
     す。夏季も水分を切らさないようにし、ベランダなどでは特に注意が必要です。声をかけ
     ながら与えてください。とりわけ「カリエール」にはそのことがたいせつで、順調であれば
     咲きっぱなしになってくれます。
     またこのグループは有機肥料の置肥に対する反応がよく、固形であれば崩れてなお置
     きっぱなしにせず、すぐさま新しいものと入れ替えてください。すると株全体でのあらゆる
     “繁り”でつるが隠れるほどになり、最高の生育へ導くことができます。また、秋から冬に
     かけての灌水では表土を何度も耕すようにします。牛糞をマルチ材とするのも穏やかな
     堆肥の養分効果が現れてくれます。
     グループ内ではやはり「ブラッシュ・ノワゼット」がすべての面で群を抜いており、この品
     種を毎年健全に育てられればあなたの栽培法にまちがいはありません。自信を持って
     ください。

  ■ ポートランド
     コント・ド・シャンボール、ダッチェス・オブ・ポートランド( ザ・ポートランド )、マブレー、
     ローズ・ド・レシュ、デュシェス・ド・ポルトラン・ヴィオラセア、インディゴ( ドゥト )、
     ジャック・カルティエ、アルトゥール・ド・サンザール、ベルナール、ブラン・ド・ヴィベール、
     マリー・ロベール、ミランダ、マダム・ノール、パナシエ・ダンジェ( 天使の羽根飾り )、
     ペルコ゛レーズ、レンブラント、ロベール・ペルペチュ、ローズ・デュ・ロワ、
     ヨランド・ダラゴン
     その他
  ……このグループ名はイギリスの地名に由来し、ポートランド公の夫人が最初に作出した
     「ダッチェス」に始まります。ノワゼットのように独自の世界であり、後にさまざまなポリア
     ンサが百花繚乱のごとく生まれてきたために、現在では純粋種としてのポートランドは
     新種を持ちません。それでもたとえば「カルティエ」などはすぐれた点が多いので交配親
     として用いられることが多く、そのうちすばらしいポートランドが生まれる可能性は残され
     ています。
     このグループはほとんどが花に比べて葉が小さく、それでもかなりの密度で繁るために
     全体が生き生きとして見えやすいものです。そのため細枝の内に弱小枝が生まれやす
     く、見逃しているとますます小振りの身体になっていきます。かといって多肥にすれば大
     きくはならず病弱になり、あらゆる危険が待ち受けます。しかしそれでも容器植にすれば
     そうした枝を見つけやすく、はやらずに見届けてから切除するようにすれば全体の樹形
     がみごとにまとまってくれます。確定的には言えませんが、薔薇の進化がその方向にも
     あることを告げてくれているのかもしれません。特に水培と肥培がうまくいったときの鉢
     植えポートランドローズは、比類無きすがすがしさを感じさせてくれます。
     わが国の気候や土壌には合っている方です。ですからわが国原産の原種に対するのと
     同じように手入れしてやればよく、灌水面でも神経質になる必要はありません。むしろ
     全身のこっそりとした様子にもの足らないと思うことなく、葉のなめらかさと房咲きの首に
     注意してください。この薔薇が調子の悪いときは、葉に綺麗ななめらかさがなくなり、花
     首にしなやかさが欠けて、花の重みで折れてしまいます。それを防ぐには適切な施肥と
     ともに、秋と春に    雨の降り方を気にせず    定期的な灌水を行います。それも快晴
     であれば朝だけでなく日中二度ほど与えるようにします。その際できれば、鉢底から流
     れ出る水をためて、それを再び注ぐようにします。この方法はほとんどのモダンローズに
     も有効で、ただ単にロスを減らすだけのことではなく、用土をくぐった水に含まれるいろ
     いろな成分を生かすことにもなります。是非試してみられますように。
     冬季の灌水は天気がよい日を選んで行うのが原則です。凍結の懼れがあるときには与
     えないようにします。特別根が細いわけではありませんが、凍結で窒息する危険はあり
     ます。

  ■ ティ
     ヒュームズ・ブラッシュ・ティ=センテッド・チャイナ、
     パークス・イエロー・ティ=センテッド・チャイナ、レディ・ヒリンドン、アダム、
     フランシス・デュブリエ、デュシェス・ド・ブラバン、グロワール・ド・ディジョン、
     ソンブレイユ、アンナ・オリヴィエ、アルシデューク・ジョセフ、ボン・シレーヌ、
     バロンヌ・ヘンリエッテ・ド・スノワ、カトリーヌ・メルメ、クレメンティーナ・カルボネリ、
     コンテス・ド・カゼルタ、クピド、デボネンシス、ドクトゥール・グリル、エトワール・ド・リヨン
     ジェネラル・ガレニ、ジルベール・ナボナン、グレイス・ダーリン、
     その他
  ……上記の品種名はごく一部であり、このグループは実に広大なティワールドを描いていま
     す。キネンシスやギガンティアの中国と、ブルボンのヨーロッパ的血筋が結び付き、両者
     のすぐれたところが婚姻関係となって、薔薇の世界を真にワールドワイドなものにしたと
     言えるでしょう。通常わたしたちがよく用いる言葉の「旺盛さ」とか、スケールの大きな
     「伸びやかさ」とか、花型の「多容美」( 多様美 )、あるいは「強健」という言葉や見方は、
     まさにティローズに由来しています。後のHTやFに与えた薔薇のすべての豊かさは、こ
     のグルーブが次々と新種を誕生させたことが源となっています。それはそのまま薔薇が
     原初から持っていた力であり、人の手がその能力を開花させたし、美への進化の道筋
     を人間が切り開いたとも言えます。このグループ内のすべての品種に将来は約束され
     ていたと思います。
     と同時に、香りの面では「ティ香」という一つの、ほどほどの強さの香り分野を作りあげ、
     ムスク香・ダマスク香・ガリカ香・フェニキア香のグループが持ち続けた濃厚さから遠ざ
     かり、薔薇の香りに薄くともさわやかな、フルーツ香・ブルー香をもたらしました。20世紀
     の終わりから、再び両世界の融和や混合へ向かっているところです。
     また根や枝葉、あるいはクラウンからのシュートの出方などに幅広い発現と安定感をも
     たらし、気難しい反面、成熟期における園芸花卉としての答の出方には、栽培家でなく
     とも注目をする姿が見えると言って過言ではありません。
     普通には歓びと落胆が交錯しがちな栽培ですが、灌水面で注意すべきはまず生育中の
     全般に亘る葉の勢いと黄変した葉がどのくらいあるかです。黒点病葉が黄化して落ちる
     という性格をもたらしたのも、ティローズなのです。そこでその病気になっていないのに
     黄色くなってしまった葉があちこちに見える場合は、一様に水分が不足していたと判断
     します。以前の水やりを振り返り、増やさねばなりません。鉢植えでのやり過ぎの害は
     病気以外にはあまりなく、春から秋にかけて、元気であれば気温に関係なくたびたび与
     えるようにしましょう。その結果として、肥培も基本通りであれば本当によく伸びていき、
     丈夫になります。
     特に、「ブラバン」のような四季咲き性の強いものは、水切れをさせれば極端に生育が
     悪くなり、「ヒリンドン」のようなつる性の枝を細長く伸ばすタイプは反対にやりすぎには
     気をつけます。開花中に灌水間隔を狭める必要はありません。二つの「センテッド・チャ
     イナ」は水分の過不足には鈍く、比較的楽な水培が可能です。「ディジョン」は有名で、
     エポック・メイキングな特徴を持った薔薇ですが、当園で育てているのはまだ初期であり
     他所で育てた経験からのみ言えば、温暖な地方では育てにくく寒冷な地方で育てやす
     い品種であり、ワイルドな頑固さがかいま見えました。このような場合、灌水は多すぎな
     い方がよく、用土の乾き次第で判断します。概ね、鉢底の石などがたっぷりと湿ってい
     れば、定期的な“ついで灌水”は控え目にします。つまりようすを見ながら不定期に与え
     るのです。真夏にのみ、せっせと気温に合わせた灌水は必要です。「デュブリエ」は「ブラ
     バン」に準じます。
     いずれにしても、わたしはこのグループに薔薇の野性的な凄さや近代的なエレガンス、
     耐病虫害性の増進面といったそれぞれでの“本源的なもの”を感じます。後のHTが身
     に備えた“不機嫌な顔をした弱さ”    切り花コンテストがもたらした弊害    へ対抗す
     る薔薇の、植物としての反抗する力を感じるのです。そのことに水培が果たすことは、
     決して小さくないでしょう。そしてそうしたHTをすら、HT自身の力でよりすばらしい薔薇
     となれる可能性をもたらす「栽培法」に、わたしたちを気づかせてくれるのです。

  ■ ハイブリッド・ガリカ
     アヴェラール、アデル・プレヴォ、アガテ・ファティム、アガテ・ローズ、エマブル・アミ、
     エマブル・ルージュ、アラン・ブランシャール、アレクサンドル・ラクマン、アルフィエリ、
     アリス・ヴェナ、アンブロワーズ・パレ、アナトール、アントニア・ドルモワ、バシャンテ、
     アストル・ブリアン、ボ・ナルシス、ベル・デ・ジャルダン、ベル・ドリア、ベル・エルミニ、
     アサンブラージュ・ド・ボテ、ベル・イシス、ベル・ロシネ、ベル・サン・フラテリ、ベレニス、
     ヴィコロール・アンカンパラブル、ブーケ・ド・ヴェヌス、カメオ、シャルルマーニュ、コラ、
     カーディナル・ド・リシュリュー、セリセット・ラ・ジョリ、シャトー・ド・ナムール、ダフネ、
     クレメンティーヌ、コンテス・ド・ラセペード、クラモワジ・デザルプ、クラモワジ・ピコティ、
     デューク・ドルレアン、ドュシェス・ド・ベリイ、ドュシェス・ドリアン、エヴェク、フランクフルト、
     ファニー・イスレー、ガリク・ヌーヴェル、ジョルジュ・ヴィベール、ジル・ブラス、
     ヘディントン、ヘルガ・ブリシェット、アンリ・フーキエ、インペラトリス・ジョセフィーヌ、
     インヴィンシブル、ジェニー・デュバル、ジュリエット、シェイクスピア、マルシェルブ、
     マネット、マルセル・ブイヨン、メルセデス( ヴィベール )、ヌーヴェル・トランスパラント、
     エル・パルフェ、オール、プチ・リセット、ポンポン・パナシュ、ププル、マダム・エベール、
     プリンス・フレデリック、ロサ・ガリカ・アガサ、ロサ・ガリカ・プミラ、ロサ・マクランサ、
     ロワイヤル・マブレ、サン・ジェロラモ、セギエ、タイニイ・タスカニ、トゥレーヌ、
     トリコロール・デ・フランドル、タスカニイ・スパーブ、ヴェヌス、イプシランティ、
     その他
  ……これらハイブリッド・ガリカ種は、ガリカカラーと呼ばれる色合いの深さ、新奇さ、花弁の
     数と重なり、その陰影、香りの濃度などといった特徴を追求して、近縁種の交配を積み
     重ねられたもの。プミラやマクランサのような一重は少なく、色と形象のゴージャスさを
     競うように生まれてきました。その結果フランスを代表するモンド・ガリカ( ガリカの世界 )
     が作られたと言ってよいでしょう。葉の性格も含めて、あまりの「しつこさ」に辟易される
     人も多いかと思いますが、ORのガリカには他にない際立った個性とともに、至上の美の
     一面があります。それは    株立ち全体の優雅さ、です。「19世紀」という時代の息吹
     が、その優雅さ( エレガンス )を通して感じられることこそ、貴重なのだとわたしは思いま
     す。あの時代、フランス文化( ガリア )において「ボテ」( 美 )が「エレガンス」のことだった
     のを、誰も否定できないだけでなく、わたしたち日本人の心深くにある高貴なものへの
     渇望として理解できるのです。身分ではなく、身分を包んでいた美しさを。そのふるまい
     を。
     灌水で最も神経を遣うのは、原種のところで述べたように病虫害への抵抗力の低さを、
     灌水でどうカバーしていくかということです。高温多湿には向かないので、できれば屋上
     庭園や設備の行き届いた中庭などで育てられればよいのですが、路地や通常の庭など
     ですと、風通しのよさ、そして灌水時やそのあとの湿度が少しでも下がるような工夫が
     ポイントです。地植でできない方法が一つあります。それは浴室などに敷くスノコ板( 非
     木製 )やゴザなどに容器を置くのです。それもできるだけ広く敷いた上に置くと、その空
     間だけはかなり乾燥しやすくなりますし、実際に乾きます。もちろんこの敷物にも日照が
     当たらなくてはいけませんが。来客時には撤去するようにすればよいでしょう。ただし、
     地面の上やウッドデッキでは効果はかなり下がります。
     また灌水を、散水器で離れたところから撒くようにあるいは落とすように行わないことが
     必要です。そのやり方は病害虫を喜ばせるだけであり、ノズルでもハスノミでもできるだ
     けマルチに近づけてゆっくりと注いでいくのが最善です。そして液肥ではなく、土壌改良
     液や微生物資材を与えながらの灌水をしましょう。その詳細は『病虫害編』にて。

  ■ ブールソール
     ブラッシュ・ブールソール(カリプソ)、ドロシー・エイドン、マダム・サンシ・ド・パラベール、
     オルレネーズ
     その他
  ……このグループには栽培経験がありませんので、記述できません。






   次回ではモダンローズMRへの灌水について述べます。また併せて、実際の灌水におけるちょ
   っとした工夫をご紹介しましょう。その点が、このシリーズの「白眉」だと見ていただけるかもしれ
   ません。お楽しみに!






       
  
                      Rosa chinensis minima




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       Road to Rosa synthesis


 

                 
   List
 1. バンクシア節
 2. カニナ節
 3. カロリナ節
 4. キネンシス節
 5  キンナモメア節
 6.  ガリカ節 
 7. レビガータ節 
 8. ピンピネリフォーリア節
 9. シンスティラ節
10. アルバ
11. ブルボン
12. センティフォーリア
13. ダマスク
14. ハイブリッド・チャイナ
15. ハイブリッド・パーペチュアル
16. モス
17. ノワゼット
18. ポートランド
19. ティ
20. ハイブリッド・ガリカ
21. ブールソール
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R.acicuralis nipponensis
R.cinnamomea
R.fedtschenkoana
R×maikai
R.marretii
R.moyesii
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R.willmottiae









Laevigatae
  
R.laevigata
R.laevigata rosea






 
Pimpinellifoliae
  
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Bouquet  ペルシアン・イエローの栽培




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Arthur de Sansal         1855
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Blanc de Vibert           1847
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Baronne Henriette de Snoy        1897
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Comtesse de Caserta             1877
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Belle Doria             <1847
Belle Herminie            1819
Assemblage de Beauté      1823
Belle Isis                1845
Belle Rosine              1829
Belle sans Flatterie      <1806
Bérénice                  1818
Bicolor Incompalable         1861
Bouquet de Vénus        <1814
Camaieu                 1826
Charlemagne              1888
Cora                   <1828
Cardinal de Richelieu     <1840
Cerisette la Jolie        <1811
Château de Namur         1845
Daphné                  1819
Clémentine               1818
Comtesse de Lacépède      1843
Cramoisi des Alpes       <1829
Cramoisi Picotée           1834
Duc d’Orléans             1831
Duchesse de Berry         1820
Duchesse d’Orient
Évêque                 <1790
Frankfurt              <1583
Fanny Esler              1835
Gallique nouvelle rose
Georges Vibert            1853
Gil Blas                <1843
Haddington
Helga Brichet
Henri Fouquier            1811
Impératrice Joséphine       1790
Invincible                1836
Jenny Duval              1821
Juliette                <1828
Shakespeare              1820
Malesherbes              1834
Manette                 1820
Marcel Bourgoin           1898
Mercedes                 1847
Nouvelle Transparent      1835
Oeillet Parfait            1841
Ohl                    1835?
Petite Lisette            1817
Pompon Panaché        1857
Poupre                 <1200
Mme Hébert              1828
Prince Frédéric            1840
R.gallica ”Agatha”        1800
R.gallica pumila         <1789
R.macrantha             1931
Royal Mabrée            <1837
San Gerolamo
Séguier                  1853
Tiny Tuscany               1993
Turenne                  1846
Tricolore de Flandres          1846
Tuscany  Superb          <1838
Venus                   1845
Ypsilante                 1821
 
Boursault
  
Blush Boursault        <1810
Dorothee Heidorn         1995
Mme Sancy de Parabère     1874
Orléanaise               1899
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